迫りくる襲撃はいつまでたってもない。おかしいなと、恐る恐る、顔を隠す腕をおろし目を開けた。

そこには、動かない黒い影と、知らない男がいた。

「ったく、立ち入り禁止だというのに入るからこうなるんだろうが…で、そっちはどうだ?無事か?」

「え、あ、えっと。」

男はしゃがみ、ボクを一通り見ると、大丈夫そうだなと言って立ち去ろうとした。

「あ、あの!」

「ん?何だ?」

「さっきの…その人…。」

「ああ。あれは気にするな。お前も助かった命をまた無駄にしたくないのなら即刻ここから立ち去った方がいい。ここは危険だ。」

そういう男に、ボクはここがどこでボクが何者なのかわからないことを伝え、困っているから立ち去るにしても何もわからないのだというと、ため息をつかれた。

「ま、何だ。それは仕方ないが、俺ではどうすることもできない。だが、行く当てがないのなら、どうにかしてくれそうな奴のところへなら連れて行ってやる。」

そういった男にお願いして、ボクがやってきたのは、とある町の喫茶店だった。

「で、なぜそんな童を連れてきた。」

「迷子みたいだし、そもそも俺は家なしだからな。」

そう言って、男がボクに聞こえないように面会した少女に耳打ちすると、はっと少女が顔色を少し変え、わかったと答えた。

「じゃ、後よろしくな。」

がんばれよとボクの肩をたたいて、男は去って行った。

「おや、世鷲さんは帰られたんですか?」

入れ違いに、知らない男が入ってきた。

「白城。この童をしばらく預かることになった。」

「はい、わかりました。しかし、急にどうしたんです?」

男の問いかけに少女はまたボクに聞こえないように耳打ちし、納得したらしい男はボクの方を見て、ボクに内緒話のことについて聞いてきた。

「貴方は、貴方自身が何者なのか、知りたいですか?」

「白城!」

驚いた。どうやら、さっきの彼もここの人たちも、ボクが何者なのか知っているということのようだ。

「えっと、ボク、何もわからないんですが、知ってるんですか?」

「ええ。君が何者なのかではなく、君がどういう存在なのか、ということだけど。きっと、このままここに預けられたままじゃダメだと思うから。知りたいのなら、知る権利はあると思うから。」

そういった男に、ボクは…

 

教えてほしいと答える

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