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誰かが手入れしているようで、そこにいた人物に声をかけた。 「こんにちは。あの、ここがどこかわかりますか?」 話しかけると、こちらを見たが、それにこたえてくれる気配はなく、もしかして話せないのかと困り始めた時だった。 別方向から声が聞こえた。 「あら、珍しいわね。それに、ここは結界で『生き物』が入れないようにしていたのだけど…穴があいていたのかしら。」 まぁいいわと言い、現れた女はボクに誰だと聞いてきた。 突然のことだが、ボクもわからないことだらけなので、怪しまれて追い出されたり攻撃されても困るので、記憶がなくて困ってふらふら歩いていたらついたのだと正直に答えた。 「レラーリエ。今日はもういいわ。先に戻ってお茶の用意しておいてしょうだい。」 「わかりました。それでは失礼します。」 丁寧に頭を下げ、そこから立ち去った。どうやら、話せないわけではなかったようで良かった。 「悪いわね。あの子は少しばかり人見知りするから。まぁ、誰かが存在するはずのないここでいきなり声をかけられたら驚いて固まるのも仕方ないけれど・・・それにしても、どうしたものかしら?」 確かに生き物に対しての結界に穴はない。けれど、入れた。それはつまり、普通の時間の中を生きているものとは違うということだ。 「歪みに関わったような形跡がないから、害はないのだろうけれど。さすがに私にもわからないわ。もちろん、貴方の望みに関してもね。」 「すいません。」 何か望みがあってここにきたはずなのに、それが何かわからずさまよったあげく、人に迷惑をかけてしまってさすがに悪いと思いだし、この辺で立ち去ろうとした時だった。 「これから、付き合いなさい。どうせ何もわからないのなら、予定もなく暇なのでしょう?」 私よりこの世界に詳しい相手に会うから、切っ掛けになる情報ぐらいあるかもしれないわと言い、ボクを引っ張って歩き出した。 けれど、その女性のあまりにも冷たい手にとっさに手を引いてしまった。 「あっ…。」
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