進むと、木々の切れ目があり、目の前には大きな海のような湖と、その中に建つ大きな建造物があった。

「ここ、どこなんだろう?」

入口らしきところがあり、そこにいた女性に話しかけた。

「参拝者ですか?それとも、主との謁見希望者ですか?それとも…?」

表情が全く変わらない、義務的に言葉を並べる女性に、少々戸惑い、あたふたしていると、突然何かが落ちてきた。

そう、落ちてきたという表現がきっと正しい。しかし、その対象物があまりにもふさわしくないので、ボク自身表現に困るところだ。

「いたた…失敗失敗。…よし、次は凛々負けないし飛ばされない。いっくよー!」

そう言って、落ちてきた少女は元気に立ち上がって、どこかへ行った。

呆然とするボク。

「彼女はここの住人です。もしかして、ここの住人との面会希望者ですか?」

「えっと…。わかんないです。けど、もしかしたらここにいるのかもしれないから。」

曖昧な答え。けど、彼女にはそれでもよかったようだ。

「でしたら、お進みください。」

本当に入っていいのかわからないが、ボクが何者なのかわからない今、ここにボクを知っている人がいないという確信もないし、知らない人しかいないということもわからない。

だから、記憶が戻る切欠があるかもしれないと思うことにして、ボクは進んだ。

 

まっすぐ中へ

声がする方へ

中へ入らない