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「ここ、どこなんだろう?」 入口らしきところがあり、そこにいた女性に話しかけた。 「参拝者ですか?それとも、主との謁見希望者ですか?それとも…?」 表情が全く変わらない、義務的に言葉を並べる女性に、少々戸惑い、あたふたしていると、突然何かが落ちてきた。 そう、落ちてきたという表現がきっと正しい。しかし、その対象物があまりにもふさわしくないので、ボク自身表現に困るところだ。 「いたた…失敗失敗。…よし、次は凛々負けないし飛ばされない。いっくよー!」 そう言って、落ちてきた少女は元気に立ち上がって、どこかへ行った。 呆然とするボク。 「彼女はここの住人です。もしかして、ここの住人との面会希望者ですか?」 「えっと…。わかんないです。けど、もしかしたらここにいるのかもしれないから。」 曖昧な答え。けど、彼女にはそれでもよかったようだ。 「でしたら、お進みください。」 本当に入っていいのかわからないが、ボクが何者なのかわからない今、ここにボクを知っている人がいないという確信もないし、知らない人しかいないということもわからない。 だから、記憶が戻る切欠があるかもしれないと思うことにして、ボクは進んだ。 |