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目が覚めたら、いつの間にか布団の中にいた。 「・・・やっぱり緊張感がないのかなぁ・・・。」 また迷惑をかけてしまったのだろうなとつぶやきながら、側に達烏が用意してくれたと思われる服を着て、下のリビングへ降りた。 下に行けば、昨日と同じように皆すでにいた。それと、知らない人が三人いた。 「灯露さん、紹介しておくよ。こっちからキサ、イオン、ライシュ。 「あ、始めまして、末永灯露です。」 鏡衣智の説明の後に、頭を下げていちよう自己紹介をしておく。 「こんにちは、灯露さん。」 元気な少女は確かキサと言っていた。それをライシュという青年が落ち着くように注意している。 そして、彼等がここにいる目的は話し始めた。 「それで、私達は特別任務を受けて動く者でして、基本的には夢の管理をしないのです。 それを聞いて、ライシュと言う青年が何を言いたいのかすぐにわかった。 「灯露さんは、何かその夢で覚えている事はありますか?」 「・・・あまり、はっきりとは・・・。 そこまでしか分からないと答える。 話を進めている間、鏡衣智が達烏に指示を出して、皐月達を含めた四人と邦陣と外に出ているように行って部屋から追い出した。 「では、一緒に夢の中へ行きましょう。よろしいですね?」 灯露の確認を取り、うなずいたのを確認した後、ライシュは立ち上がり、腕につけていたブレスを取り外し、それを変形させて杖にした。 「キサ、イオン。しばらくの間、器の方を頼む。」 「了解〜!大丈夫まかせてよん。」 「大丈夫です。彼女を見張っておきますので。」 「何よそれ〜?!」 仲がいいのか悪いのか。まるで、今の自分達と似ているなと思ってしまう灯露。 「とにかく、器に何かあったら、精神は戻ってこれないからしっかり、見張っておけよ?」 念を押して、鏡衣智の方を見る。 「それでは、しばらく彼女を預からせて頂きます。」 「わかりました。その間、この部屋は自由に使ってくれてかまいませんよ。必要ないとは思いますが・・・。」 「いえ、何者にも邪魔されない事に越した事はありませんから。」 そう言って、鏡衣智も部屋から去って行った。 「夢を司りし我等の名において、夢への扉を開き、彼の者の夢へ。」 ライシュの言葉は灯露の頭の中に直接響いてくるようだった。
“ シンザー・オーパス ”
彼等の言葉で『同じものを共有するためにその場所への扉を開く』。 ライシュが持っていた杖を紋様の中心で突いた時、空間はゆがみ、扉が現れて開き、二人を飲み込んだ。 夢の世界へと、二人は足を踏み入れたのだ。 その頃、外では郁が出てきた鏡衣智をにらみつけていた。 「で、どうするつもりですか、鏡衣智。昨日同様、彼等はまだ近くに・・・。」 「そうだぜ、匂いが離れていないから。」 昨日の襲撃した相手の気配がまだこの境内には残っている。 「・・・今はまだ、気配を伺っている所・・・だと思いますから。 「とかいいながら、昨日は灯露、危なかったぞ。」 「それを言われると困りますね・・・。」 確かに、それだけは鏡衣智には誤算だった。 かといって、そこで戸惑っている時間はない。 「動いた・・・。気をつけて、来る!」 鏡衣智の言葉に誰もが神経を気配に向けて集中して戦闘態勢に入った。 境内は長い間続いた攻防により、かなり破壊されている。 「あまり、長く続くのはよくありませんね。さて、どうしたものか・・・。」 『 それは、こちらとて同じだ・・・。 』 相手は『架乃』と名乗る風使いと『来琉』と名乗る雷使いだった。 今は、お互い無闇にやりすぎても効果がないと判断し、様子み状態。 「で、どうするつもりだよ、旦那。」 「旦那と呼ばないで下さい、邦陣。それより、気を抜かないで、彼等の守護でもしてなさい。」 「・・・お前のような輩に守られるほど弱くはない。」 そんなところで言い争いもけんかもしている場合ではないのだが、まだ、郁は鏡衣智と協力しようとは思っていない。 「でも、このままではまずいよな・・・。で、そこで転んでるけど、大丈夫なんか?」 「はい、なんとか・・・。わてとしたことがこないなところでこけるやなんて・・・。」 かといって、のんきに話をしている場合でもない。 『 とにかく!恨みはないけど、我らが魔王様復活の為、犠牲になってもらう! 』 「ですから、そんなものには誰もなりたがらないといっているのに、どうして言葉が通じないんでしょうねぇ。嫌だ嫌だ・・・。」 「鏡衣智、あのようなものに同意を求める事事態間違っているぞ?」 「まぁ、いいけどね・・・。」 『 さっきから、本当、口がへらないな。しかも、いちいち文句ばかり・・・。 』 『 落ち着きな、来琉。あんなのいちいち相手にしなくてもいい。 』 『 そうだけどさ・・・。 』 真面目なようで不真面目な今。 『 しょうがない、あれだ。それでカタつける! 』 『 おい、正気か?あれは・・・。 』 『 そんなこと、どうでもいい。今はあのむかつく男の始末だ。 』 そういい、覚悟しやがれと、いい、架乃も納得し、何かを始めた。 何かの呪文のような言葉をつむぐ二人を見て、鏡衣智は烏達の顔を見て、あの術だとわかり、止めようと対抗呪文を唱える。 その間、郁達は見ているだけしか出来ない。下手に動いても足手まといなのだ。今の自分たちは。 そう、まだほとんどこのことに関与していても力がない自分達では、たとえ弱いとしても、力を引き出せず、使いこなせないので対処できない。 ただ、この四人を見ているだけ・・・、そう、それだけのはずだった。 「・・・あれは・・・。」 風里には、あの二人がしようとしていることがわかった。そして、とても恐ろしい光景が頭に浮かんだ。 「あ、あれは・・・だ、駄目・・駄目どす、あれは!」 血相を変えて叫ぶ風里がただ事ではないと、今まで気にしていなかった邦陣は焦った。 なぜならば、邦陣は感じ取ったのだ。風里の周りに漂う力の気配を。 「ま、まずい・・・、気付いてるやろ!鏡衣智!今は厄介だ、早く、急ぐんです!」 だが、間に合わなかった。風里からあふれ出た力が爆風を起こし、そこにいた全員を巻き込んだのだ。 「・・・我は西を守護する風の白狐、里風狐。闇を闇に返すため、参上した。 西風の白狐、里風狐がこの地に戻ってきたのだった。
あとがき や、やっと一人目覚醒です・・・。 覚醒編のはずなのに、もっと早く覚醒するはずだったのに、延びに延びて・・・。 風里ちゃん覚醒!西の守護する風の白狐さん。 |