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鏡衣智が四人を連れて行って中でくつろぐ三人。 「・・・これも鏡衣智の呪いなのか・・・。」 邦陣も落ち着かない。 そう思うと、今あの四人は無事なのかどうか心配になってくる。 皐月も皐月で、邪険にして無視をしながらも、やはり育て親が恋しいらしい。 「邦陣さん、私、ちょっと外へ行って来てもいいですか?」 「・・・危ないから止めておいてほしいけど、危ないから俺も気になる・・・。」 どうやら、鏡衣智の行おうとしている事はそれなりに危険な事らしい。 「そうですね・・・。皐月殿、悪いが、付き合っていただきたい。」 「・・・俺もあいつが何をしでかすかきになってしょうがないから行く。」 簡単に一つの答えを出した。三人は、鏡衣智達が出て行った場所まで行く事にした。 その頃のこちらでは・・・。 「だー?!な、何をする?!」 「あの人本気ですか?!」 「何なんどすかー?!」 「うわぁ?なんじゃこれ?!」 四人それぞれ声をあげる。それもそのはず。 「ほら、ある程度使える力を使わないと、飲み込まれちゃうよ?」 「嫌だー!!」 「嫌どす、あんなぬめぬめー!」 「何考えてるんですかー!!」 「あの人絶対本気で、被害のひどさを何も考えていないっすよ!」 四人を追いかけ出した物、それは物というのか生物の言うのか・・・。半固体の黒っぽい大きなナメクジのような生物。 今自分が使える攻防を考えようとも、冷静に考えられる場合ではない。四人とも、冷静さを失っている。 悪魔やゾンビだと、あの教会の兄妹は間違いなく徹底的につぶすだろう。 見ている達烏は呆れていた。 「・・・鏡衣智・・・、ほどほどにしておきなさいよ・・・。」 「わかってますよ。」 と言いながら、楽しそうに返事を返す。明らかに楽しんでいますという顔だ。 「大分・・・なれたようで・・・。」 ふと見ると、四人はそれぞれ変化、石によって相手から優勢の立場を得ていた。 「なかなかやるねぇ。でも、これぐらいの奴にこんなに時間をかけてちゃだめだねぇ。」 相変わらず楽しそうに言う男。ほめていながらけなす、たちが悪い男。 やっとあの物体を四人が片付けた頃、中にいた三人が出て来た。 「・・・終わった後か・・・。」 「四人とも力はそれなりに扱えていたよ。」 「・・・達烏、何をやらかした?」 「私の事は無視かい?」 「そうですね、巨大な黒いなめくじを召喚して追い掛け回したと言う所でしょうか。」 それを聞いた瞬間、邦陣が眉を潜め、灯露はうげっとなる。皐月はリアクションを忘れていた。 「灯、灯露―!」 郁は灯露の姿を見つけて抱きついてきた。半分涙目。それほどまでに気持ちの悪い嫌な生物がいたのだろう。 「かわいそうにねぇ。」 よしよしと頭を撫でてやり、もう終わったんなら中に入ろうと勧める。その時だった。 「伏せろ!」 「こちらへ!」 鏡衣智と達烏の声が響き、邦陣が黒い羽を広げて風里を抱え込んで飛び退き、鏡衣智は皐月と雅季の腕をつかんで素早く後ろに下がり、達烏は雅季と羽梟を掴んで飛び退いた。 「灯露!」 「灯、灯露さん!」 「しまった!」 郁の叫び声に、誰も灯露に手が言っていない事に気付いた。 鏡衣智達が気付いたものとは、空からの襲撃。 「灯露―!!」 鏡衣智達かばう者も多少それを浴びながらも、守る。だが、ただ一人だけあの中にいる。 襲撃が収まったと同時に、全員がその襲撃の中心、灯露の元へ駆け寄った。 「灯、灯露・・・?」 そこには眠るように倒れている灯露がいるだけ。怪我は何もしていない。 「・・・どういう事です・・・?」 鏡衣智も分からない様子。その時、目の前から一人の少女が現れ、続いて少年も現れた。 「久しぶり!鏡衣智さん!相変わらず変わらないね!」 「人の世にいながら、それはいけませんよ。」 鏡衣智が答える代わりに、達烏が彼等の名前をつぶやいた。キサ、イオンと。 「ど、どうして二人がこちらに?」 「え?だって、依頼が来たから。」 「依頼って五人の仕事の奴ですか?」 「そうそう。」 会話からして、この二人とは知りあいらしい。やはり、鏡衣智の知り合いにはまともな奴はいないようだ。 「実はね、この子が今回の仕事の件なのよね。」 「・・・灯露・・・さんがですか・・・?」 「そう。実は、最近になって夢で過去の記憶が戻って困惑し出してるらしいんだよね。」 えっと言う感じで眠っている灯露を見る鏡衣智以外の者。気付いていなかったらしい。 「内容は私にもわからない。だから、困っているんだよ。ドリーム・カンパニーで処理が出来ないからさ。 キサという少女はそう言う。 「時期からして、鏡衣智の関わる件と関わっているんじゃないかと思ったんだけど・・・。」 知らないのかな?と言いながら、残念そうにもう一回調べなおしだー!と叫んでいた。 「あ、そうそう。先程の襲撃ですが、あれは貴方方の敵である相手からの宣戦布告のおかえしらしいですよ。 そう言いながら、ここまで来てまたふりだしかぁと困ったように持っていたノートパソコンを開いてメールを送る。 「で、鏡衣智さん。あの二人はいったい何者ですか?」 話をしていて言葉を挟む隙がなかったが、今は一段楽しているので聞いてみる。 「あ、あの二人ね。彼女はキサで、彼はイオン。 「・・・そんなものが存在していたのですか・・・?」 「存在してもおかしくはないでしょう?だって、現に幻想人や私のような天界人がいるぐらいですからね?」 「確かにそうですね・・・。」 鏡衣智を例として上げられると、どうも納得してしまう。それだけ、彼は一般的からはずれている。 「あ、来た来た・・・。鏡衣智さん、ちょっと耳より情報ですよ。」 「どうしたのイオン。キーパスト何て言ってる?」 「ライシュではないですよ。ルウイからです。」 「ルウイ?」 「夢占いか何かで、わかったことがあるらしいんですよ。」 それには、鏡衣智が反応を見せた。 「その夢占いとはどんなものなんですか?」 「えっと貴方は確か、雅季さんですよね? 「それで?彼女は何て?」 「えっとねぇ、どうやらルウイが言うにはね、灯露さんは記憶を失っている部分があるんだけど、その部分が重大な事を秘めていて、その時に・・・う、うっそぉ?!」 メールを読み上げていながら急に声を上げるキサ。 「鏡衣智さん、かなり深く関わっているみたいですよ・・・。」 「どういう事だい?」 「彼女、下手するとすでに彼等と出会っている確率があるのですよ・・・。」 それを聞いて、あの日の記憶が蘇る。 「それは、本当ですか・・・?」 「そう、これは本当。 それを聞いて、誰もが言葉を繋げられなかった。 「うう、灯露さんずっと辛い思いしてきたんだね。」 そう言いながら、半べそになるキサ。自分の事ではないのに、他人の事に同調して感情が動く優しい子。 今回の始まりのきっかけに巻き込まれ、心に大きな傷を作ってしまった少女。 「・・・まさか、痕跡がなかったからとはいえ、気付かないとは・・・。」 「・・・確かに、祭壇に上げられていながら奴等の気配が全て浄化されているのには可笑しいと思った。 キサとイオンは余計な事を言ってしまったと思うが、知っておいてもらった方がいいと言う事もあるので、今は何も言わない。 もうしばらくは、この仕事は続くだろうと思われる。 眠ったままの灯露を鏡衣智は抱きかかえて家の中で寝かした。 そして、もうしばらくはこの話は本人の前では口にしないようにと全員で決めた。 彼女から話してくれるひまで待つと・・・。 それが一番いいと思ったからだ。 戻る 進む |