それは突然の出来事でした。 朝、偶然であった謎の少年と再会しました。 しかし、彼はどうもおかしなことがあり、もしかするとと疑うと、 どこからか、一人の男の人が現れました。 +++第2章 神主さんは謎の呪術師 灯露は男に案内されるまま後ろについて歩いていきました。 事故に遭遇した謎の少年は今は眠っており、男がかついで歩いていました。 「…どこまで、行くんですか?」 「ん?もうすぐだよ。すぐそこに私と彼が住んでいる家があるんでね。ちょっと大変だけど…。」 ニコニコと笑顔で言われても、いまいち信用なら無い男です。もうすぐと言われても、困ってしまいます。 「あ、ここ。ちょっと、玄関までの距離はあるけどね。」 やっとついたらしい。男がその場を指差した。その場所に灯露は驚いて、おかしな声をあげそうになった。 「ここ、ですか…?」 「そう、ここですよ。」 さぁ行きましょうと階段を上り始める。そう、ここは今朝来た神社だったのだった。 つまり、この男と少年はここの住人となる。絶対に違うと二人の格好を見ている限りそう思ってしまう。 「…なんだかねぇ。」 ついつい言葉が出てしまう。男に対しての謎が増えるばかりであった。 やっとのことで石段を上り終えた三人は、神社の隣に立てられた家に入った。 灯露は中に通されて、また驚いた。外から見るものとは違い、中はとても広かったのだ。 「う、嘘…何、これ…?」 和風という勝手の思い込みがあってか、完全に洋風と言う感じの広い部屋を見て嘘だと思ってしまう。 見た目は年代物と思われるが、中は明らかに真新しい。 もしかすると、この二人が神社の持ち主を追い出して乗っ取ったのではという想像が膨れ上がっていく。 「さ、そこにでも座って。あ、紅茶でいいかな?それとも、コーヒーがいい?」 相変わらずにこにこと話し掛けてくる。答えたつもりはないが、操られているのか紅茶と答えていた。 どうして答えるのか、バカだと心の中で叫んでしまう灯露だった。 男は紅茶を一口のみ、灯露と机をはさんでソファに座り、話し始めた。 「自己紹介が確かまだだったよね?私はここの神主をやっている鐘貫 鏡衣智と言います。 ま、仮ですが…。で、先ほどご迷惑をおかけしてしまった私の引き取っている子の水沢 皐月という名前です。」 「え、こいつが水沢 皐月―?!」 ついつい叫んでしまった。まさかそんなことは思ってもいなかった。 持っていた地図を確認して来た道を頭で思い出してなぞると、確かに家はここであった。 「う、嘘…。」 驚きが隠せなかった。 今まで一度も登校せずに、日直の仕事が増えていらいらしていた張本人が目の前にいたのだから。 「あ、これ渡しておかないと。」 やはり、ある意味真面目な灯露。頼まれていた封筒のことを思い出し、鏡衣智に手渡した。 今までの溜まっていたプリントですと言って。 「あ、これはどうも。では、貴方は皐月のクラスメイトですか。なんだか楽しくなりそうですね。」 楽しそうなのは鏡衣智だけなのではと思ってしまう灯露。 「で、何から話しましょうかね…。まずは灯露さんのことについてからの方がわかりやすいですかね?」 「え?私…?というか、なんで名前を知っているのですか?」 いきなり話の題材に持ってこられても、自分が何と言われてもわからない。 「それも、まとめて説明しますよ。」 そう言い、話し始めた。 「ヨーロッパで起こった魔女狩りや吸血祓いのことをご存知かと思いますが、実はこの地にも昔はあったのですよ。 その後、歴史では災害として処理されている事が多いのですが、恨みと憎しみの気持ちを人間達に向けた彼等を見、神が全てを洗い流したと実際はそうらしいのですがね。 他にも習っているでしょう?ジャンヌ=ダルクもそうですよ。魔女だと言われて殺されていますからね。 われわれの仲間はその時、同じ人間もろとも消されたのですよ 。生き残った者が何人かいたので、今の我々がいるのです。」 確かに、教科書の歴史には記されていない内容も含まれている。結局は人間の権力争いによって起こった災害だと書かれていた。 「灯露さんの祖父母の誰かが魔女か魔法使いか術師関係だったのだと思うよ。 何かの関係で子息に言えなかったのかもしれない。 ここに来てから、同じ仲間の気配を持つ者もいるが、君の両親は持っていないからね。 祖父母あたりのだれかのものが跳び越えて遺伝したんじゃないかな? 孫の代の四分の一は祖父母の誰かのかき消されるような小さなことが遺伝する事が多いからさ。 君は間違いなく、正真証明の魔女だよ。もしかすると、両親は別の人かもしれないよ。 幻想人種は12歳から18歳ぐらいまでは人間と同じように成長をするからね。 早い人は7歳ぐらいでもう成長が止まるだろうね。君は、そろそろ止まるんじゃないかな? ここで寝ている彼も去年辺りから止まっているんだよ。君といちようは同い年だよ。 拾う前のことをあまり教えてくれないけど、年数をわかる範囲で数えるとそうなるからね。」 鏡衣智の長い話はまだ終わる気配は無い。 その後、灯露には魔女としての力でも、太陽、つまり光や恵みの魔力を持つ変わった魔女だと教えてくれた。 そして、皐月は自分と正反対で月、つまり闇や吸収の魔力を持つ吸血鬼だと教えてくれた。 今ではほとんど魔女や吸血鬼の人間から忌み嫌われるような資質は薄れて無くなっているらしい。 確かに、灯露は今まで生活していて不便なことはなかった。人間として疑いなどはなかった。 「でもね、皐月は少し困ったことがあってね。週に一度、血を飲まないと生きていけないんだよね。 高校へ行くにあたって、なくなるようにって入学式の一ヶ月前から我慢していたんだよ。 そしたら、案の定身体を壊してさ。まったくバカもここまで来るとと思ってしまったよ。 しかも、季節はずれなインフルエンザだったからね、困ったよ。医者には不思議がられるしさ。 でも、そのおかげで、入学してからの一ヶ月は欠席扱いにはなっていないんだよね。 体調が悪くてなかなか回復しなくて時間がかかったんだよね。」 「はぁ…。」 入学同時に姿を見せなかったクラスメイトは吸血鬼でインフルエンザだ倒れていた。 一人いらいらしていた自分がなんだか間抜けになってきた灯露であった。 何より、この男がと顔をみてよけいに間抜けになる自分がいた。 「そうそう、お願いがあるんだよ。 実は明日から皐月を高校へ無理やりにでも行かすつもりでいるんだけどね、連れて行ってもらえないかな? あと、監視しておいてほしいんだよ。長時間外に出ていないようにね。 皐月は無茶しすぎるから、困るんだよ。あとね、週一度の輸血、君に頼めないかな?」 輸血と言うと、先程のような感じになるのだろうか。 すぐさま駄目と拒否をするが、自分は血がまずいと文句を言われるから駄目なんだと笑顔で恐ろしい事を言う。 「それに、さっき君の血をもらって何も言わなかった所を見ると、問題なさそうだし。」 「え、問題ありますよ?!駄目です!!」 必死の否定は軽く流される。 意識が放浪としていたせいかもしれないねと付け足しておきながら、なら他の人と言おうとするが、吸血鬼なんかがいては皆が困るから黙っていなくてはいけないからと、いい、何の為に話したと思っているのだい?と疑問形で言われれば答えられなかった。 始めに、何でも話してくれるということに警戒をして置けばよかったと後悔をしてもう遅い。 そして、何故か明日この男を迎えに来る事となった。 そして、放課後連れて帰ってきたとき、また話の続きをするといって。 まだあるのならどうしても知りたくなってしまう灯露にとってはつらい選択だったが、好奇心には勝てなかった。 明日、又きますと言おうとした時、急に鏡衣智が立ち上がり様子が可笑しいと何故か何かがいるような気配を感じた。 今までそんな事はなかったのだが、今ははっきりと感じる。 「…お客さんがいるというのに、迷惑な人達ですね。」 鏡衣智の言葉と共に、部屋中には黒いふよふよと浮かぶものが現れた。 「ひゃ、な、何これ?!」 「…そう言えば、言っていませんでしたね。私は幻想人種の種別では呪術師なのですよ。 名前もいちよう偽名です。呪術を行うにあたり、本名を名乗るのは危険ですからね。 ちなみにつけたしますと、皐月も本名ではありませんよ。 そして、これらは私達を喰らいに来た馬鹿者です!」 そう言い、ぶつぶつと何かを言ったかと思えば、部屋中に突風が吹き、嵐に巻き込まれたかのように酷い状況となった。 しばらくしておさまったころ、恐る恐る目を開けると、そこには黒い塊を小さな瓶の中に詰め込んでいる鏡衣智の姿があった。あの状況の中、皐月はまだ眠ったままである。 「…逃げても無駄ですよ。君達は今日、新しい呪術の生贄にして差し上げますよ…。」 それを聞き、本物の呪術師?!と心で叫ぶ灯露。辛うじて逃げた黒い塊も見逃さず、全て捕まえた。 「すみませんね、お話の途中で。」 「い、いえ、そんな滅相もない。」 どうしてか自分で何がいいたいのかわからなくなっていた。 「…あ、あの。」 「何ですか?」 「それ、何だったんですか?」 「ん、これ?」 小さな瓶を指差して聞き返す鏡衣智。中は真っ黒で動きもわからない。 きっと、ギュウギュウ詰になっているのだろう。 少し可哀想に見えるが、今はそれより、その黒が何なのか知りたかった。 「これはね、弱い邪気の塊だよ。 最近よくうろうろと漂っているんだけどね、どうやら、灯露さんの魔力に引かれたみたいだね。 まったく、迷惑なものだよ。」 と言いながら、明らかに目は笑っていなかった。 とてつもなく怒っているようにしか見えない灯露は身の危険を感じた。 騒ぎも一段楽した時、やっと皐月はお目覚めのようであった。 「…。」 寝ぼけているのか、起き上がってぼーっと遠くを見ている。 「あ、起きたかい?まったく、やっぱり駄目だっただろう?これからは彼女が血をくれるってさ。」 「だから、そんな事は言ってません!」 皐月に話し掛ける鏡衣智に必死で違うと訴える灯露。その二人を見て、やっと覚醒したのか、口を動かす。 「…誰、何でいるわけ…?」 まだ、寝ぼけているのかもしれないが、今の言葉には怒りを覚える灯露である。 今から思えば、事故に遭いかけたのも、彼を助けようとしたため、話をして、いろいろわかったのはいいが、この男の輸血係りと勝手に決められているのも、全てはこの男が原因である。 「うるさい、黙れ!ずっと寝ていた人に言われたくない!!」 ついつい、怒鳴ってしまった。 このままで、無事に学校生活を送れるか、悩みが増えそうであった。 +++ あとがきと言う名の言い訳 +++ こんにちは、読んで下さってありがとうございます〜、感謝。 二章がやっと書き終わりました。良かった、なんとか書き終わって。(浮かれておかしくなる私。) さて、二章までが最初の出会い編で一部という形になっています。三章からは新しい人達が出て来る予定で、賑やかになるはずです。 基本的には二人でもしかすると、もう少し増えるかもしれない今、最後まで書き上げられるのか、第一に最後はどうなるのさという思いがめぐる中、頑張って書いていきたいと思っています。 |