何年も昔、この地には吸血鬼と呼ばれる怪人がいた

 そして、魔法使いや魔女と呼ばれる術師もいた

 そして、たくさんの幻想獣や幻獣人がいた





 人間と呼ばれないもの

 人間は自分達の仲間以外のもの、あるべきはずのない力をもつものを嫌い、恐れた

 今まで仲が良かったと思ったものたちは、人間に裏切られた








 人間と幻想でのものとはお互いが共存できない状況となった








 そして、恐れた人間は罪もなきものでさえも、殺した

 多くの血が流れ、死すものの叫びが響き、この地は人間の言う平和となった








 多くの幻獣人や術師が死んだ

 信頼し、支えあい、友と思えた人間に殺された

 最後まで信じたが、死した後も信じつづけたが無駄であった








 人間は多くの命を奪い、平和を手に入れました

 多くの罪重ね、罰を受けました








 人間はその後、満月の夜だけは日が暮れると同時に身を隠しました

 罪を犯した人間への罰が下る日だからでした








 人間への罰、それは








 “ 魔力を秘めた満月の夜、罪なきものへ安息を願うこと ”








 人間達は恐ろしく、誰一人として安息を願う事はありませんでした

 怒った神が、その地に罰を下しました








 海も湖も無く、山に囲まれたこの地に大量の水が流れてきました

 全てのものが洗い流されました

 罪を犯した人間は全て流され、命を落としました








 その後、その地にはまた多くの人間が住み始めました

 その時には、生き残った幻想の住人でさえ、姿を見せませんでした








 裏切られたことを恨み、何一つ力を貸してくれることはありませんでした








 そして、人間は多くの友を記憶から忘れていきました

 初めからいなかったかのように、今の時代まで生きてきました








 生き残った幻想の住人の中には本当に人間もいました

 人間の勝手な思い込みで、人間でさえも違うものと判断されました

 だが、人間の寿命は短い為に、人間として暮らすことを許されなくなった彼等は幻想と共に暮らす事を近い、幻想の住人の力を得ました。





 それから彼らも長い年月を過ごし、人間に近い姿へとかわっていきました

 そして、彼らはひっそりと人間と同じ村、町、国で生活をし始めました








 年月は流れつつも、変わらぬ思いが残る








 その後、幻想の住人達は太陽の存在、人間達は月の存在とされた





 太陽――それは暗き闇を照らし、全てに光を与え、多くの恵みを与え、見守るもの

 時に、脅威なる力を見せつけ、破滅へと導くもの





 月―――それは光の力を借りて闇を照らし、全てに安息の眠りを与え、見守るもの

 時に、心を闇で包み、感情を壊し、破滅へと導くもの





 彼らは、いつかきっと、またあの時のような暮らしが出来る事を望みました

 裏切られて憎む気持ちより、懐かしい故郷を思う気持ちの方が強かったからです








 長い年月が経ち、太陽と月の名の、幻想界の力を持つ者が出会いました








   +++ あとがき +++

 長くなる事が予想できるほどの設定が膨れ上がった物語。
 いよいよ始まり〜となったのですが、先が長そうなので、終われるかどうかが少々心配です。
 李瀬の趣味全快のようなお話世界になってしまった太陽と月。
 考えている本人は結構楽しくやっているのですが、読んでくださる方はどうなのでしょうか?
 ということで、どんどん行きたいと思うので、これからしばらくよろしくお願いします。





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