
一 旅人の歌 砂漠にある、いくつかの集落の一つに見知らぬ者がいた。 「誰だ、あれは。」 「知らないのかい?キリーアが拾ってきた奴だよ。」 「また、キリーアが拾ってきたのか。」 「でも、この砂漠を守る物も食べるものも水も持たずによく旅をしてきたものだ。」 この集落は、たまたまあった大きな岩のおかげで陰が出来る為、暑さはそれなりに直射日光を浴びているよりはましである。 その集落のキリーアという人のテントの側に腰をおろしている者がいた。彼は、ずっと旅をしている蒼という青年である。歳はだいたい19、20あたりだろう。 「どうだい。大分よくなっただろう?」 テントから女の人が出てきた。彼女がキリーアである。 「・・・ありがとうございます。」 蒼は小さく御礼を言う。 「いやぁねぇ。そんな、お互い様。ここでは助け合いが基本だからな。」 やけに明るい人だ。これだからこそ、この砂漠の地で生活していけるのだろう。 「で、あんたはどっからきたわけ?」 「・・・わかりません。今この場所が何処なのかもわからないので・・・。それに、私の住んでいた地は襲撃があって、今ごろ跡形も無いでしょう。」 「・・・悪い。」 ばつが悪そうに、急に顔つきが変わったキリーア。 「いえ、それよりも助けて下さってありがとうございました。」 「いいってことよ。で、それ何?」 キリーアは蒼の持っていた変わった楽器のようなものを指差す。 「これですか?これは私が以前住んでいた村に伝わる伝統楽器です。ヴェルダと言います。」 手に持って、キリーアによく見えるように見せる。 「ふうん、じゃぁさ、何か弾いてみてよ。そういや、歌は歌えるか?」 「・・・いいですよ。演奏付きで歌いますよ。助けていただいたお礼です。」 すうっと、大きく息を吸い、楽器持ち、弓を張られた弦にあてる。 優しい風が吹くように、音が流れ出る。独特なその音に魅入られるキリーア。 “ めぐる風の中 進むべき道探し 彷徨い歩く 過去も今も 抜け出すことの 無き深い闇の中 いつか一筋の光を 捜し求めて また彷徨い歩く 奥に眠る水の流れ 砂の流れに沿って 静かに流れる ” 旅人の歌は続く。いつの間にか、集落の人間が集まっていた。 「で、いいんですか?」 静かに演奏し終え、側に立っているキリーアの顔を見上げて言う。 「なんか久々に感動したよ。ありがとな。」 蒼の頭をがしがしとするキリーア。かぶっていたマントのフードがずれて、太陽の光が顔を照らした。 慌てて、かぶりなおす蒼。それを残念そうに見るキリーア。 「せっかく綺麗な顔してるのに、もったいないじゃないか。」 「・・・。」 蒼は、そろそろ次へ行かないとと、立ち上がった。 「あ、ちょっと待ちなよ。」 そう言い、テントに一度戻り、袋を持ってきた。 「これやるよ。視聴代だと思え。」 渡してくれたのは、パン二切れに瓶に入れられた水。 「・・・いいんですか?」 「いいよ、それぐらいならね。それに、ボランティアじゃなくて、視聴代だからな。」 「はぁ・・・。」 なんとなく、友人と似ているなと思い、クスリと笑みを零す蒼。 「なんだい?私の顔に何かついているのかい?」 「いいえ。ありがとうございます。」 「まったく、なんでそう堅い奴なのかねぇ。」 キリーアは軽すぎる気がするが、あえて言わなかった。 「じゃぁな。また暇があったら来いよ。」 手を振って見送ってくれる。 蒼は手を振る代わりに、持っていた親友からもらった笛を吹いた。 その後、集落から町へ出かけたものが、旅人の話をし、一人の青年の耳に届いた。 ―― 話の裏 ―― 第一話、旅して唄って演奏する主人公登場。そして、謎の人キリーアさん登場。 さらに、まだ名前も姿も無い青年登場(なのだろうか・・・?) 次あたりまでで、協力者が始めに設定してくれていたストーリーの展開となっています。 私、協力者が考えてくれた簡単なストーリーをややこしくしして手を加えているのですが、基本の骨組み?は協力者の考えてくれたストーリーです。 ちなみに言うと、守護龍とパートナーの人間、砂漠は元々大きな森だったという設定や、キリーアさんは私が骨組みとなっているストーリーに付け足した設定なのです。主人公も含め、名前や正確や容姿なども私ですが、骨組みで入っていた主人公と青年の一部なのですが、感情はそのまま入っているはずです。(こんなに話してもいいものなのかなぁ・・・?) ここでは、まだ主人公が演奏して唄った歌の元になっている歌が何かはわからないと思います。実は、実際に有る曲を少し歌詞を変えているものだったりもします。 タイトルも一つのヒントになっていたりするのですよ。協力者様がその曲を好きなのですよ。私も嫌いではないですし、好きな部類なので、楽しんでいたりします。 別に歌詞をパクったわけではありませんよ。ストーリーの展開の中で何かのヒントになる?ようにと言葉を使おうとしている時、ちょうどあてはまったというか、そんな感じで、引用状態になったのです。でも、違う部分もあるのですよ。やはり、オリジナルなので、それに、展開的にどうしても入れておきたい言葉というものもありますから。 それでは、今回の話の裏はこの辺にしておきましょうかな。 あまり話すと先がばれてしまうので(苦笑) 李紅の話、そして、あとがきを読んで下さって本当に有難う御座いました。 次へどうぞお進み下さい。 |
