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序章 三人のなんでも屋
がやがやと賑やかな街を歩く、妙に目立つ三人組がいた。 「相変わらず人が多いね、ここは。せっかくの広い道が人でうまってるよ。」 長い黒髪・黒目の綺麗な少女が言う。名前は名木倉 藍。 「しょうがないだろう、ここは商売で一番盛んだからさ。それに、ここは『瀧靜』の支配範囲だし、旅する人間や商人達はここと途中休憩ポイントにするからさ。」 ぼさぼさ茶パツ頭で少し金色がかった茶の目で、少し目つきが悪く、近寄りがたい少年が言う。名前は京野 海樹。 「でも、一年前よりは人の人数が増えている気もするけどね。『瀧靜』が力を入れだしたのかな?」 クスクスと笑みを浮かべる金髪のような髪と少し緑がかる青水晶の目をした少年が言う。名前は新城 貴一。
三人は一年前から一緒に旅をしている。ついこの間までは、砂漠方面を歩き、隣の泉の国で滞在し、『何でも屋』という仕事をして過ごしていた。 最初は、届け屋をしようとしていたが、届けることだけに限定するより、全てにおいて依頼を扱う方が儲かる量も多いし、仕事量も結構ありいいかもしれないと判断し、今も何でも屋をやっている。仕事内容はいつも違う。簡単なものから、危ない事まで。しかし、三人で協力をすれば簡単であった。 今度は、正反対の海を渡って隣の国を見に行こうと決めた為、一年前出る事を決意したこの地、中央と呼ばれる大きな国の、一番商売などが盛んに行われている街、双嵐にやって来た。 「でもさ、どうするんだ?あまり目立ちすぎるのも危ないだろうし、今日はずっと歩いていたから早く寝たいんだけど・・・。」 海樹は大分お疲れのようだ。 三人の中で一番体力持久力がある彼だが、三人分の荷物と己を守る為のものを合わせると結構の重さがある。横にいる二人は、それぞれが己の身を守る為の武器しか持っていない。この一年間、ずっと三人分の旅荷物を持ちつづけてきたのだ。しかも、今回は結構な長旅であって、さすがの海樹もお疲れなのだ。 「そうだね、用心に越した事は無いからね。せっかくの自由が封鎖されるのは困るし、何より君が疲れていると襲われた時に不便だからね。」 そう言いながら宿は無いかと通り抜けようとした少女に尋ねていた。行動が早い。 「それもそうよね。役に立たない海樹なんか、足手まとい以下よ。用無し。」 「きついお言葉ありがとう。」 これでも、海樹にとっては一番の友達で仲間なのだ。 「でも、私等の荷物を持たせているせいだし、しょうがないけど。どうだった?すぐそこ?良かったね、もうすぐ歩いたら宿があるってさ。」 藍は宿の場所を聞いた貴一から話を聞き、海樹の腕を引っ張った。いくら口は厳しくとも、彼女は優しい人です。三人の中のお母さんです。藍に引っ張られて歩く海樹を後ろからついていきながら見、にっこりとしながら仲がいいねと言っていた貴一の姿があった。 +++ あとがき +++ |