表があれば裏がある

どこの世界でも、どんなことにでも

サンタにも、子供に夢を与えるものと、夢を奪うものがいる

もとは同じなのに、紙一重で変わってしまう

だけど、もとが同じだから、わかりあうことはいつかできるはず

 

 

 

 

 サンタさんのお泊り

 

 

 

 

さて、やってきましたお泊りの日。新一にとっては楽しみにしていた日で、快斗にとっては楽しみ半分お邪魔な二人への気分の下がり半分。

だけど、事情を知って新一と一緒に無事にお泊りをすることが出来るということに関しては純粋にうれしい。

しかし、やっぱり二人で出かけたかったのだ。ちょっと好きが家族や友人愛と同じ扱いである新一に、この機会に必ずやと密かな野望があったりもするわけで・・・。

「快斗。嫌なのか?」

「そんなことないよ。」

集合場所は学校の門。家まで行ってもよいのだが、目立つし、ご近所に迷惑がかからないようにということで、集合場所はここだった。

朝、新一にしては珍しく速く起きて、8時の集合に間に合わせた。

しっかりと、すでに快斗はいたけれども。

その後8時前に月斗が迎えに来て、そのまま車に乗って現在移動中である。

だが、たまにぶすっとした不機嫌な顔の快斗が隣に座っているので、もしかして楽しみにしていたのは自分だけなんだろうかと、また誤解に発展しそうなことを思っている新一が問いかけてみると、すぐに笑顔が返って来た。

だから、何でもないのかなと理解できないままだが、気にしないことにした。

 

 

 

 

途中で、車が止まり、どうしたんだと言う快斗。それに月斗は強制的に降りるぞを言うのだった。

どうしたものかと降りると、目の前には道なんてものがない場所だった。

「おい。」

「この先なんだよ。悪いが車はこれ以上無理。・・・でもな、この先のところが一番いいんだよ。他にいないし。」

他に月斗の両親や兄弟がいないのならそれにこしたことはない。絶対彼に似て、新一にちょっかいをかけてくるに決まっていると思っていたから。

その点はしっかりと配慮しているいい先輩。そんな彼に大変ねと苦笑する鈴。

一人だけどんなところだろうと楽しみにしている新一に声をかけて、いざ出発。

・・・といっても、数分後にはついて、結構近いんだなと思った三人だったり。

 

 

 

「部屋は適当に決めてくれ。」

「冷蔵庫何か入ってるの?」

「大丈夫だ。そのへんはしっかりと手配済みだ。」

来るために、すでに掃除も食料に関してもしっかり手配しておいたらしい。さすがはお金持ち。

実は、月斗の両親は結構お金持ちだったりする。今更だけど。(そんなんばっかだな)

「今晩は何がいい?」

「カレー。」

新一の一言で今晩はカレーに決定。

新一にとっては、旅行やこういった友人とのお泊りではカレーだと思い込んでいるからこその発言なのだが、誰も気付かないし、知らない。

 

 

 

 

紅い服は着ていないが、一応実習中の見習いサンタである四人は、楽しくお料理をしていた。

新一のリクエストで決まったカレーを作っていたのだった。

「これぐらい?」

「おお、それでいいぞ。」

「新一。あれと話ししたら、ばい菌移るから駄目だよ。」

「そうなの?でも快斗・・・。」

「こら。何嘘教えてるんだ。」

「嘘なの?駄目でしょ。」

そんな会話をしながら、剥いたり切ったりした具をどんどん鍋へと入れていく。

全て切り終えたら、鈴が火で炒めた後、水を入れてぐつぐつと煮る。

「しばらくは大丈夫ね。・・・私がこれを見ておくから、デザートなり他のサラダや付け合せとか作っといて。」

と、まかされた。

「・・・ヨーグルト?」

「ヨーグルトかぁ。買いに行かないと駄目だな。三人で行くか?」

「・・・どうして三人だ?」

「お前だけなら頼めるが、新一君がいるからさ。」

何かあったときが困るからなと、一応保護者代わりの月斗がいう。なので、反論せずに不機嫌な顔のままで月斗に従うのだった。

ちなみに、まだ新一は快斗の不機嫌になる原因をわかっていなかったりする。

「とにかく、さっさと行って来て頂戴。」

「はいはい。ほら、行くぞ。」

やっぱり、ここはサンタ。出かけるときの足といえば、ソリとトナカイだったりする。

「快斗よりは安全運転だから、安心して乗ってくれ。」

「うるせぇ。」

一応、スピードはあるが、快斗も安全運転をしているのだ。それに、少し判断を誤ると、ソリだって事故を起こすものだ。その点でもしっかりしているからこと、快斗は天才なのだが。

普段の状態が状態なだけに、学校側としては問題児である。ある意味、月斗も問題児なのだが、それはまだ、新一が知らないのでわざわざ言う必要もないし、おいておこう。

「いってらっしゃい。あまり遅くならないでよ。」

「はーい。」

こうして、三人は出かけて行くのだった。

 

 

 

 

「なぁ。」

「なんだよ。」

店についてヨーグルトを探して、他に何かないかとうろうろしていた時。

「あの時、別に車から降りても、ソリ使ったら歩く必要はなかったんじゃねーのか?」

「・・・そうだな。」

「わざとか?」

「たまには運動も必要でしょ。」

話はそれぐらいにして、ぱたぱたとどんどん歩いていってしまう新一を追いかける二人。

結局、お菓子やらサラダやらおまけをいっぱい買って、家に帰る事になった。

鈴には、こんなにどうするのよと呆れられていたが、快斗と月斗がいたら、全部なくなるだろう。

結構大食いの二人だから。後片付けはちゃんとしてよと指摘もされているし、しっかり食べちゃいましょう。

「新一おいしい?」

「うん。」

カレーをはぐはぐと食べる新一。サラダも綺麗に食べて、最後のデザートにフルーツを鈴が入れてくれたヨーグルトを取った。

おいしそうに食べてくれたので、三人も同じように食べていた。

ちなみに、快斗と月斗は新一の二倍あったりする。

鈴はよく知っていた。この二人の甘党と、どれだけ食べるのかを。新一に関しては生徒資料を見たし、快斗からそんなに食べないということも聞いていて、食べれる分だけにしてある。

「そうそう。三人とも遅かったから、こんなのも作ったの。」

ちょっと待っててとひっこんで、戻ってきた鈴が持っていたもの。

「パイ?」

「そう。新一君が好きだって聞いていたレモンパイ。食べるでしょ?」

「うん。」

うれしそうにしている新一を見て、食べたいが、少し気に入らない快斗。横目でちらりと、勝ち誇ったような笑みを見せられて、さらにむかつく快斗。隣では何もわかってない新一がパイをもらっておいしそうに食べている姿があり、不機嫌はすぐに飛んで言った快斗がおいしいねと言う新一の言葉に笑顔で返してた。

 

 

 

 

食器を片付けて、お風呂の用意。新一とは一緒に入るが、月斗は絶対駄目ということで、二人仲良く入ることに。と、思っているのは新一だけだが。

風呂場に向かう二人の背中を見て、悲しいねぇと沈んでいる男がいたが、生憎励ますような優し

い心を持ち合わせていない鈴は、反対にいじめていた。

それのせいで、さらに落ち込んでいたが、誰も気にしない。

 

 

 

 

「洗いっこしようね。」

快斗は新一の頭にお湯をかけて、シャンプーで優しく洗った。たくさんの泡を流して、今度は新一が快斗の髪を洗う。

「気持ちいい。」

「そう?」

「うん。さすが新ちゃん。」

顔を紅くして照れながら、快斗の頭の泡を流す。

身体もしっかりと洗って、二人仲良く湯船の中へ。その時だった。

 

 

 

ブチッ

 

 

 

電気が数回点滅して、完全に消えた。今は夜だ。外は暗い。だから、電気が消えれば真っ暗だ。

少し怖くなった新一はぎゅっと快斗にくっついた。近づいた気配に気付いた快斗は、新一の身体に腕を回して、懐へと抱きこんだ。

「快斗?」

「大丈夫だよ。あの二人がすぐにつけて来てくれるからさ。」

それまで、月見をしてようよと、少しずつ膨らもうと存在を見せ始めた三日月を指差す。

真っ暗だといっても、相手が見えるぐらいの光はある。それは、外に出ている月のおかげ。

「もうすぐ満月だね。」

「まだまだでしょ?」

「そんなことないよ。月はすぐに膨れるから。新一のほっぺたみたいに。」

と、ふにっと頬をつつく快斗の指。それに怒った新一はむうっと膨らませる。

「可愛いねぇ、新一ってば。」

「可愛くないもん。」

その仕草や行動が可愛いと思うのだが、本人は認めたがらない。まぁ、無自覚の方が他からの言葉に理解できなくて横から連れて行かれるようなことはないだろうから、その点ではいいのかもしれないが。

もう少しだけ、警戒して欲しい気もする。

だけど、今は一緒にいるだけで幸せだからそれに慕っているのもいいだろう。

そんな感じで、のんびりと二人くっついて湯船に浸かっていた。

すると、ばたばたとこちらへ向かってくる足音が聞こえた。それは、月斗のもの。

「大丈夫か?」

「大丈夫。で、いったいどうしたわけ?」

「困った事に、迷惑な奴等が来たんだよ。例の黒服だ。」

「・・・わかった。」

二人がいう黒服の意味がわからず、新一は首をかしげていた。だけど、何でもないから大丈夫だよと言われたので、気にしない事にした。

その後、電気は無事につき、黒服のことなどすっかり頭から抜け去っていた。

 

 

 

 

ほかほかにお風呂で温まった状態のまま、寝室へと向かう。部屋としては、新一は快斗と一緒。だから、たくさんお話をするぞと決意。つまり、寝ないぞということ。

月斗と鈴は別の部屋で、丁度その間が二人の部屋。

「これ持っていったらどう?」

どうせ、起きてるんでしょと、鈴が新一にマグカップに注がれた温かいミルクを渡してくれた。

「ありがとう。」

「俺の分は?」

「ない。」

「えー?!」

「半分いる?」

「本当?」

実際は、あったりもしたのだが、何故か半分こだと仲良くしている二人を見ていると、出せなくなってしまった。

「あ、もしかしてそれが快斗の分?」

無駄になったわねと思っていたが、もう一つのマグカップの存在に新一が気付いた。

「ええ。よくわかったわね。」

「あるのにないって言ったの?ひどいっ!」

「ちょっとした悪戯じゃない。今日は新一君と仲良く寝たかったのに。」

「駄目。」

「わかってるわよ。」

だから、その意地返しよといいながら、はいっと渡してくれた。何気にマグカップはお揃いだったりする。だから、余計にうれしかったりする快斗。その辺の配慮はしっかりしている鈴だからこそのこと。

しかし・・・。

「お。いいね。」

ひょいっと、月斗が現れて快斗のマグカップを取り、それを飲んだ。

「あー。」

「快斗・・・。」

「まったく・・・。馬鹿だわ。」

ちょっとぐらいいだろ、けちなこと言うなよというが、快斗にとっては大問題。

カップは鈴が受け取って、その瞬間飛び掛る。

「馬鹿ー!最悪。」

「な、なんだよお前。」

そこでふと、新一も同じものを持っているのに気付き、鈴の顔を見て成る程と納得。だが、快斗の攻撃がなくなるわけではない。

「わ、悪かったって。」

「絶対思ってない。反省の色がない。」

「本当に悪かったって。しょうーがねーだろ、あれ調べるのと、侵入できねーようにするために作業していて喉渇いたんだから。」

それを聞いて、鈴はどうだったと聞く。快斗も攻撃の手を休めて聞く。

「予想通り。活発になってる。あちら側に流れる者も増えているからな。」

「そう。」

なんだかしんみりとした空気になったから、新一はその原因がなんなのか聞こうとしたら、快斗が先に部屋に戻ろうねとワザと話題を逸らして新一を部屋から連れ出す。

しっかりと見ていたが、快斗は月斗に何か合図を送っていた。間違いなく、何か隠している。

隠し事をされているんだと思えば、少し悲しかったりする。だけど、今は話せないことなのかもしれないと、いつか話してくれるだろうと前向きに考えるようにして、この考えを頭から取り除く。

 

 

 

 

部屋に戻ってからは、すっかり忘れて快斗と話をした。たくさん、いろんなことを話した。普段しないような快斗の昔話や自分の話。あまり言い顔をされないが、盗一の話などなど。

結構楽しく時間を過ごした。

真夜中を過ぎた頃、うとうととしだした新一に、もう寝ようかと声をかける快斗。だが、せっかくなので起きると気合を入れるが、すぐに目蓋は重くなり、身体も傾いていく。

そんな新一の姿を見て苦笑しながら、明日またお話しようといい、今日は寝ようねと強制的に布団に転がした。

最初は嫌そうだったが、本当に眠かったのだろう。すぐに寝息が聞こえてきた。

「おやすみ。」

隣に用意された布団へと入ろうとしたが、袖をつかむものがあり、それが新一の手だとわかれば、ちょっと困ってしまった。

無理に離すなんてことはできないし、何より行かないでほしいという気持ちがうれしくもあったから。

少し考えた末、快斗は新一の布団の中にもぐった。もちろん、寒くないように自分の布団を持ってきてかぶっている。

「明日。またいっぱいお話しようね。」

新一を腕に抱いたまま、快斗も眠る。

 

 

 

 

次の日。

腕の中で何かがもぞもぞと動いていることに気付き、目を覚ます快斗。

どうやら、布団からはみ出てしまっていたらしく、朝の冷え込みから逃れようと布団にもぐってくる新一。

なんだか、可愛い。そう思ってしまう。

そこへ、お邪魔な人達が登場した。

「おい、起きろよ。」

バンッと扉を開けて月斗が入ってきた。

「なんだ。一緒に寝てたのか。じゃぁ、二つも布団いらなかったな。」

「そうね。でも、いいじゃない。喧嘩したとき用があっても。」

喧嘩して離れる事が前提なのだろうか。いつものごとくむかつく先輩だ。

「・・・ぃと・・・?・・・どしたの?」

「朝だから、起きようかってこと。大丈夫?」

「うー。・・・眠い。」

こしこしと快斗に起こされた後に目をこする姿がまた、可愛い。まだほとんど頭は寝ているようである。

「とにかく、規則正しい生活をするために、朝ご飯食べるわよ。」

それに、話があるからと、新一には聞こえないように耳元で言う鈴に、快斗もはっと気付く。

「そうだね。新一、行こうか。」

パジャマのまま下へ向かい、席につく。

「いただきます。」

手を合わせてご飯を食べる。食パンにベーコンと目玉焼きが乗ったもの。

まだ眠い新一はただもくもくとパンを食べていた。

 

 

 

 

今日は出かけるぞと、新一と快斗を連れて外に出る月斗。行く先は二人は知らない。この二人はわかっているのだろうが。

新一としてはどこにいくのだろうと結構楽しみにしているが、快斗はかなり嫌そうな顔をしていた。
理由は簡単。運転は月斗。助手席は快斗。つまり、後ろの席に新一と鈴がいるのだ。

たまにはいいでしょと、引き離されて、とってもご機嫌斜め。しかも、ミラーで後ろを見れば、楽しそうに笑顔を見せて鈴と話をしている新一がいる。

出かけるといったときから、鈴の笑みが気になっていたのだ。それが、予想通りで、自分の親以上に気をつける相手だと認識しなおす快斗だった。

しばらく走った後、一つのテーマパークについた。だが、そこはまだオープン前のもので、今は開いているはずのない場所で、何の意味もなさない。だが、快斗にはいとがわかっていた。

「・・・てめぇ。」

「いいだろ。それに、オープン前にタダで入れて乗れるんだぜ?」

実はここは月斗の父が経営し、今度オープンする予定のテーマパークであった。

父はサンタにはならず、子供に別の方向で夢を与えるという仕事として、今の仕事をしている。

これが結構上手くいったらしく、すでにいくつかのテーマパークをそれぞれの世界で作っている。結構偉い人だったりもする。

「試験のために、一度一通りみてくれって言われたけどさ、一人でってのはさみしくってね。」

「わかるけどさ。」

「それに、私達よりも、年下の快斗や新一君の意見もいい参考になるからね。」

ということで、今回の予定に入れられていたのだ。まぁ、人はいないので、それなりに楽しめそうだが。

「ということで、今日は遊びまくるぞ。」

「・・・そうだね。よし、新一。乗り放題だから乗りまくるよ。」

「うん。」

係りの人がいるけれど、降りた際に感想一言でも言ってくれればいいからという月斗の声など聞こえないぐらい、さっさと遠くへと走っていった二人。

「早いね。」

「そうね。」

二人はすでに姿が視界から消えたあと、真剣な顔つきになった。

それは、例のことでの話をするためだ。

「まだ、諦めていないみたいね。」

「そりゃ、表でも裏でも、快斗の技術と頭脳を欲しがる奴は多いからな。」

例の黒い服のサンタ達が狙うターゲットは快斗。毎回快斗は断り、逃げて着ているし、自分達も教師達も、上の者達も手放さないように必死に守ってきていた。

二人からすれば、弟のような存在を持っていかれるのは嫌だし、何より彼が望まないから、望まないことにはならないように庇ってきていた。

「それに。あの情報が困るのよね。」

「そうだな。・・・それだけ、新一君は有名なんだよ。」

本人は気付いていないが、快斗に引けを取らない者であり、あの優作と有希子の一人息子だ。ターゲットにあがっても可笑しくはない。

だから、お泊りの際に自分達が同行する事にしたのだ。快斗はかなり嫌がっているが。

「今日、動きがあるからこそ、ここに連れてきたのかしら?」

「そうだな。結構、オープン前の侵入者対策が出来てるからな。」

どんなものかは月斗も知らないが、実際過去に違う場所で経験した侵入者は言うだろう。殺す気なのかっと。

 

 

 

 

「次はあれ乗ろ〜。」

「うん。」

ぺたぺたと、走る二人の子供。係りの者達はそんな二人を微笑ましく見守りながら、やってきたら挨拶をして案内をし、動かす。

最初は不機嫌だった快斗だが、邪魔されずに新一と二人で遊べる事で、とても楽しそうな顔に変わっていた。

だから、油断したのかもしれない。

次はあれにのろうと指差した新一が走り出した。

快斗も走り出そうとしたが、すでに距離は開いていた。

「遅いぞ、快斗。」

振り返って叫んだ新一の足元から徐々に姿を見せる黒い霧。

はっと気付いた時には新一の身体を半分以上包み込んでいた。新一も気付いたらしく、あれっという感じの顔で黒い霧を見ている。

「新一。」

快斗は走って新一を霧の中から引き出そうとしたが、その前に霧が新一を包み込み、次の瞬間吹いた突風で腕で顔を庇った。

「・・・新一っ。」

風が少し弱まって目を無理やりあけてその場所を見た。

そこには、黒い霧が薄れていくのが見えた。だが、最初から何もなかったかのように、新一の姿はそこになかった。

 

 

 

一瞬、目の前が真っ暗になった気がした。だけど、すぐにあたりの気配を伺った。

「くそっ。」

奴等が現れたのだ。そして、自分が狙いだと思っていたが、違ったらしく、本当は新一だったのだ。

悔しくてしょうがない。

そこへ、霧の気配に気付いてやってきた月斗達と合流するのだった。






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