いきなりですが。
ただいま銃撃戦真っ最中

新(黒)「まったく、しつこいな」
快(黒)「久しぶりに名探偵との密会でしたのに、無粋な輩です」(キッドモード?)
新(黒)「とりあえずお前、その格好目立つから何とかしろ」
快(黒)「とは言われましても」
新(黒)「ったく」
快(黒)「確か黒鳥殿もこの近くで予告状を出していましたし…もしかしなくても応戦してくれるかもしれませんね」
?(黒)「ぎゃあああ〜」
?(黒)「なんだ?!向こうに誰かいるぞ!」
快(黒)「というかすでに…?」
?(黒)「キッドだ〜!向こうにキッドが出たぞ!」
新・快(黒)「「は?」」

快(舞)「なんだなんだなんだ?」
囲まれている快斗とキッド(舞)
快(舞)「何で俺たちか困れてるんだ?」
キ(舞)「…人違いのようですが」
快(舞)「お前の名前読んでるけど」
キ(舞)「『私』ではないでしょう」
快(舞)「あー、またやっちゃったのか?」
?(黒)「殺せ!」
キ・快(舞)「「!」」
武器を構える。
そのとき、頭上から何かが降ってきた。
ずば「ぎゃ!」「ぐあ!」
比(黒)「雑魚が」
快・キ(舞)「「比翼さん!」」
比(黒)「む?…何だお前たちか」
あまり動揺しないし相変わらずいいとこ取りですね。
比(黒)「ここは危険だ。組織の残党との交戦中でな。新一と白いのを探せ。警察が来る」
快(舞)「こっちも新一を探さないと…!」
キ(舞)「いきなり大忙しですね」
ほんとにね。

 

 

 

快(黒)「あ・・・。」
新(黒)「お前等か。というか、またか?」
聞こえた方向に走れば再会〜なんて事になって。
比(黒)「どうやら、あちらの新一が足りないようだ。」
快(黒)「それって、ちょっとまずくない?」
キ(舞)「だから、探しているのですよ。うるさいですね。」
快(舞)「どっかの誰かさんに間違えられたんだろ。迷惑だな」
快(黒)「いや、お前等の方が迷惑だから。」
快(舞)「ヘタレに言われたくない。」
快(黒)「相変わらず失礼な奴だな!」
キ(舞)「それにしても。やはりへたれの方がいいですね。」
快(舞)「だね。これでもし、あっちだったら最悪だし。もう、比翼さんと会えてよかったって感じだね。」
結構楽しげな会話をしながら走って逃げて、敵を倒すv
快(黒)「さっきから何が言いたいんだよ?」
快(舞)「まぁ、知らないのが一番平和だね。」
キ(舞)「そうですね。」
確かに、あの人の存在は大きかったし、知らないのはある意味平和かもしれない。

新(舞)「なんか、また来たって感じだな。」
しかし、どっちか、それとも新しい場所か不明。
新(舞)「誰かいないかなぁ?」
しっかりと敵は倒して進むある意味強い新一だった。
新(舞)「ん?」
前方に黄色い車発見。
新(舞)「アレって確か・・・。」
哀(黒)「工藤君・・・?もしかして・・・。」
新(舞)「知ってるって事は、比翼さんか圭さんがいる世界って事だね。」
哀(黒)「圭?誰かしらそれは。それで、貴方はあの時の工藤君よね?興味深い二人の黒羽君を連れた。」
新(舞)「たぶんそう。」
哀(黒)「ま、いいわ。目立つから乗って頂戴。博士。彼等も大丈夫そうだから、引き上げるわよ。」
博(黒)「あ、ああ。わかった。」
ちょっと混乱気味な博士だった。

そして彼等は工藤邸及び阿笠邸にて再会するのであった。
キ(舞)「新一。」
快(舞)「無事でよかったよ。」
がしっ。
邪魔されず抱きつける喜び。
新(黒)「今回はお前等だけ?あとのはいないのか?」
快(舞)「さぁ?」

 

 

 

新(黒)「まあ、また逢えてよかったよ」
新(舞)「そうだな。なんか落ち着くし」
怪我はないかと気遣いあうW新一とは対照的に。
快(舞)「…まだくっついてないんだ」
キ(舞)「どうせ、相変わらず比翼さんにいいところを取られているんでしょう」
快(黒)「う、うるさーい!」
貶してる(?)というか虐めてる(?)
比(黒)「何だろう。彼らが前回よりも生き生きと快斗を虐めているのだが…」
哀(黒)「もう一つ別の世界で別の私たちにあったときに忘れられない恐怖の人と出会ったんですって」
比(黒)「恐怖の人?」
はい、恐怖です。
まあそれは置いておいてと、新一(舞)が辺りを見渡す。
新(舞)「いつもの法則で言えば他の奴らも着ているはずなんだ…俺たちだけが来ているとは考えにくい。探せるか?」
比(黒)「無理はない。しかし…時期が悪かったな。我らは今別の組織に狙われていてな」
快(舞)「え?」
快(黒)「…キッドと黒鳥が同時に別々の、ある組織の重要な情報の組み込まれた宝石と絵画を盗んだんだ。結局それは探し物じゃなかったけど、宝石の真ん中に何かが組み込まれている」
新(黒)「それは最新のジェットエンジンの作成法、らしい。それを悪用して武器に使おうと考えている組織から守るため宝石に埋め込んだらしいんだが、結局ばれてな。偶然キッドがそれを盗んじまったってことだ」
新(舞)「うわ、なんか大変なことになってるな」
キ(舞)「…比翼さんは?」
比(黒)「私か?私が盗んだものは私の知り合いの画家のものでな、死した後に発見されたものだがそれは子に捧げられたものだ。我らが干渉していいものではないと思い墓前に供えたくて盗ったのだが、それにも組み込まれていた。まったく、不快な事をする」
なにやら怒っているらしい。
新(舞)「で、お前たち…黒鳥とキッドが狙われているのはわかった。でもお前ら正体気付かれてないだろ?」
比(黒)「我々はな」
キ(舞)「どういうことです?」
哀(黒)「彼らの招待はばれていないけれど、黒羽君辺りは怪しまれているし、それに…共通点があるわ」
そう言って、視線は新一(黒)へ。
快(舞)「…まさか」
哀(黒)「ええ、そうよ。キッドを唯一追い詰め、黒鳥の姿をしかと目にした探偵、犯罪者にすら一目置かれている彼に目標が絞られているの」
比(黒)「傍にいる哀ですら危ない。だから今は厳重体勢で望んでいるのだが…あちらの哀がきているとすると、外見が似ているから、かかわりあると判断される危険もある」
新(舞)「…そんな」
比(黒)「だが、私は平気でないかと思えてきた」
新(黒)「え?」
快(舞)「どうして?」
比(黒)「彼女らはこの中で最強だと思っているからな」
…かもね。
ちょっと遠くを見た彼らだった。

 

 

 

キ(舞)「大体事情はわかりました。」
快(舞)「聞いてて思ったんだけど、そっちの新一が狙われる対象なら、こっちの新一もって事だよね。」
新(舞)「そういや、同じだしな。」
快(黒)「そうなるだろうな・・・(なんか恐怖を感じた・・・)」
キ(舞)「もし何かあるようでしたら、容赦しませんからね。」
快(舞)「同じ顔でも、やっぱり他人だし。」
快(黒)「どうして俺だけ?!」
哀(黒)「一番へたれているからじゃないの?」
比(黒)「・・・否定は出来ないな。」
快(黒)「ひどい!少しぐらいフォローできないの?!」
哀(黒)「無理ね。」
新(黒)「それにしても、そっちは相変わらずみたいだな。」
新(舞)「この前まで、別世界の俺や比翼さんみたいでまったく違う人と会った。」
新(黒)「それが、嫌な過去?」
新(舞)「まぁ、結構すごかったからな。」
そのすごいは、実際見て体験していない彼等にはわからないだろう。
比(黒)「とりあえず、ややこしくなるので家に集めておこうか。」
もちろん、散らばった人達の事。
快(黒)「そだね。今はいろいろあるから、ややこしくなる前にしないとね。」
立ち上がる。
哀(黒)「彼等は目立つから、家でおとなしくさせておくから。よろしくね。」
比(黒)「問題ない。」
快(黒)「ついでに、頼まれてたあれもしておくよ。」
何やら、本当に忙しい時に来てしまったらしく、ちょっと大人しくする舞の人達。
哀(黒)「工藤君。貴方も大人しくしていてちょうだいね。」
新(黒)「はい。」
出かけようとしたが、捕まった。
キ(舞)「本当に申し訳ないときに来てしまったみたいですね。」
哀(黒)「いいわよ。これだけ事情を知る人手があれば。それに、能力も同じぐらいあるのなら、敵を翻弄させる為の囮に使えるじゃない。」
快(舞)「囮?」
哀(黒)「役に立ってちょうだい。そうしないと、地下室運ぶわよ。」
それはご勘弁を。
キ(舞)「手伝うのは構いませんよ。前回など、いろいろして下さいましたし。」
哀(黒)「あら。貴方がそういうなんてね。」
キ(舞)「礼儀は返すのが主義ですから。」
哀(黒)「詳しい事は、黒羽君が帰ってきたら話すわ。その件でも、彼は動いているから。」
新(舞)「何か、出来る事があったら、するからな。」
哀(黒)「ありがとう。」
新一に真顔で言われて、少し照れながらもそれを隠して答える哀だった。

 

 

 

快(黒)「ししししししししししししししし、新一!!」
かなり動揺して快斗が登場。
新(黒)「どうした?」
哀(黒)「静かにして頂戴。送るわよ」
地下に。
だがそれどころではないらしい。
快(黒)「向こうの女史が捕まってる!!」
新・快・キ(舞)「「はあ?!」」
ありえない!!
快(舞)「お前の勘違いだろ?」
快(黒)「確かだって!!まじで!」
キ(舞)「信じられませんね…」
新(舞)「俺も信じられない…(汗)」
新(黒)「どうしてそれがわかったんだ?」
快(黒)「比翼さんがやつらのアジトを検索してくれたから、
張ってたんだけど…そこに彼女たちが連れて行かれて…」
比(黒)「ふむ。予想外の展開だ」
哀(黒)「…おかしいわね。切り抜けられないはずがないのに」
新(舞)「怪我でもしたのか?」
快(黒)「なんか元気そうだった」(蒼白)
快斗とキッドは何となく理解した。そのときの彼女たちの表情を。
…いい実験体を見つけたときの表情だ…絶対。
比(黒)「…なら時間が経ってから乗り込むか。恐らく彼女たちが生ける屍として彼らを始末してくれていることだろう」
快(舞)「…同情してしまった」
キ(舞)「…ですが我々は暫らく逃れられるということですが」
快(黒)「怖かった…!あの目が怖い…!」
新(舞)「…(同情の目)」
新(黒)「…敵地にいるんだから誰か彼女たちを心配しろよ」
むしろ敵が心配な彼らだった。

 

 

 

志(舞)「さて。どうしようかしら。」
捕まったふりをして、しっかりと縄抜けしてのんびりと考える志保。
紅(舞)「そうね。なんだか、手抜きっぽいみたいで、面白そうなものはなさそうだ
もの。」
結論。いるのは面倒だからはやく出よう。
志(舞)「どちらの世界か。それとも新しい世界かわからないけれど。」
紅(舞)「とにかく、新一君とあの二人を探そうかしら。」
行動開始・・・?

快(舞)「本当にこっち?」
快(黒)「大丈夫。」
現在彼等は敵のアジトへと向かう途中である。
新(舞)「・・・気配が強まった。」
新(黒)「気配?」
新(舞)「志保達の気配。・・・近くに時矢もいるみたいだ。」
キ(舞)「手間がはぶけましたね。」
比(黒)「さて。どうしたものか。」
そのまま突入しますか?
快(黒)「お願いだから、穏便に、そして闇の中で警察に知られずもみ消す勢いでやるからね。」
快(舞)「俺たちの存在自体がすでにおかしいから、警察はまずい事ぐらいわかっているさ。」
なら、どうして前回怪盗キッドの予告状なんか出したんだと言いたかったかが、黙っている快斗だった。
ちょっと偉い?というか、弱い・・・?
新(舞)「行動開始したみたいだ・・・。」
気配が動き出した事で、少し考える。
時(舞)「お嬢さん達の事だ。何かしでかすだろうな。」
快(黒)「あ〜、もう。どうか一日無事で終われますように!」
神に願いたいぐらい。

志(舞)「ふふふ。退屈だと思っていたけれど・・・。」
紅(舞)「意外と面白い物を見つけたわね。」
妖しい二人の笑みが響く部屋の中では、倒れて意識のない黒服たちがいた。
新(舞)「(ぞく)・・・何かが起こるかも。」
快(黒)「え?」
新(黒)「それって・・・。」
快(舞)「やばい。はやくあの二人を連れ戻さないと!」
キ(舞)「いつもの如く、厄介ごとばかりですね・・・。」
急いでアジト内へ侵入。

 

 

 

そこに広がっていたのは地獄絵図でしたVV

新(舞)「…」
新(黒)「うわあ…」
黒い服を着た男たちが倒れている。
その中心では二人の女性がなにやら怪しげな品物を物色していた。
キ(舞)「女、女史殿…?」
快(黒)「(いやああああなんか、なんか、嫌な黒いオーラの出てる壺がぁあああ!!)」
ガタガタと震えまくる快斗(黒)
今回ばかりは情けないぞといえない快斗とキッド(舞)
比(黒)「おお、やはり無事だったか」
志(舞)「あら。比翼さん」
紅(舞)「あなたがいるという事は…」
志(舞)「へたれている方ね」
皆にへたれと言われる快斗(黒)
なんだかすごく情けないぞ。
新(黒)「これは…(汗)」
志(舞)「つまらなかったから逃げ出そうと思っていたのだけれど」
紅(舞)「いい呪具を見つけてしまって」
呪具!?
三人は戦慄した。
殺される!!
哀(黒)「まあ、是非私にも遣わせて欲しいわ」
快(黒)「ひぃいいいい!!」
比(黒)「ほどほどにな」
快(黒)「止めてよ!!あの三人!!」
比(黒)「ゴーイングマイウェイをとめることは出来ない」
快(黒)「死ぬのはいやだぁあ!!」
哀(黒)「大げさね」
志(舞)「そうよ。死なない程度よ」
新(舞)「(生き地獄…)」

時(舞)「お、やっと見つけた」
新(舞)「時矢!」
時(舞)「こんな所で一体何を――…ああ、今回はへたれか」
比翼を見て判断。
快(黒)「へたれへたれっていうなー!」
快(舞)「へたれへたれへたれ〜」
快(黒)「連呼するな!!」
比(黒)「騒ぐな快斗」
時(舞)「そうそう…他の奴らがこっちに来るぞ。目的が果たされたなら早く逃げたほうがいい」
新(黒)「快斗、盗聴器と時限爆弾と警察に連絡」
快(黒)「わかった」
キ(舞)「…時限爆弾?」
比(黒)「気にするな。もしものときのための保健だ」
時限爆弾が?!
新(黒)「さ、行こう」
さっさと逃げて工藤邸へ行きましょう。

 

 

 

ニ(黒)「只今警察は取調べ中です。」
通報して帰ってきた人達は、通報した後の状況はどうかと、テレビをつけた。
キ(舞)「いいのですか、時限爆弾。」
比(黒)「問題ない。」
新(黒)「明日になったら、快斗が取り外しにいってくれるし。」
快(黒)「はいはい。やりますよ。盗聴器もはずして証拠隠滅しておきますよ。」
使いっぱしり?
新(舞)「それで。こっちでは俺たちと会って別れてから、どれだけ経ってるんだ?」
新(黒)「二ヶ月ぐらい。」
快(舞)「二ヶ月も経ってるんだ。じゃぁ、時間の流れは違うのかな?」
キ(舞)「戻っても、あまり時間は経っていませんけど。」
新(黒)「そういえば。こっちもあまり時間はかわらないな。」
快(黒)「なんでだろ?」
ニ(黒)「捕らえられた男達は、まず○×病院で治療した後事情聴取したところ、恐ろしい妖怪にあったと話しています。麻薬を所持していたことから、幻覚を見た方向で捜査し、引き続き、麻薬及び銃器に関する内容の調査を続ける方針です。」
快(黒)「(なんて恐ろしい発言をしたんだ!?)」
その時、全員の背後から感じた冷たくて黒いオーラが・・・
哀(黒)「誰のことかしらね・・・。ふふふ。」
紅(舞)「もう少し、蹴り飛ばしておけばよかったかしら。」
志(舞)「いっその事、実験で付き合ってもらったらよかったわね。」
今現在、彼等が無事に生きていられるのは、警察のおかげかもしれない。

 

 

 

三人が不気味な笑いをしているのを遠巻きに眺めている人たち。
快(舞)「うわあ…どうしよう…」
キ(舞)「この間の彼と今の女史たちを比べるといい勝負ですね…」
新(黒)「なんだ。他の所にも行ったのか」
比(黒)「忙しいな」
キ(舞)「からかわれてもあなたがましに感じますよ」
死ぬかと思ったしね。
快(黒)「…(そろそろ)」
哀(舞)「あら黒羽君何処へ行くのかしら?」


がしり。


快(黒)「ひい!!」
快斗(黒)が捕まった!


さあコマンドを選べ!
@助けるA見捨てるB自己犠牲


志(舞)「そういえばまだあの壺を使っていなかったのよね」
紅(舞)「丁度いいわ。実験体になって頂戴」
快(黒)「何で俺がー!!」
逃げ損ねた快斗。
新(黒)「…(助けるか助けないか迷っている)」
快(舞)「へたれ…」
比(黒)「尊い犠牲だ。皆で冥福を願おうか」
快(黒)「比翼さん〜!」
比(黒)「すまん快斗。私とて敵に回したくないものはおる」
快(黒)「そんなぁ〜(泣)」
彼らはコマンド
Aを選んだ。

 

 

 

さて。見捨てるを選んだ者達はというと・・・。
キ(舞)「平和ですね。うれしいほど。」
快(舞)「そうだね。新一もいるし。」
しっかりと新一の両サイドを陣取る二人。
比(黒)「どうだ。これも食べぬか?」
新(舞)「ありがとうございます。」
新(黒)「おいしい。」
時(舞)「本当、料理上手いよな。」
比(黒)「そちらも、手際の良さはうらやましいぐらいだ。」
時(舞)「手際のよさがないと、生きていけないところだからな。」
キ(舞)「新一・・・。」
快(舞)「なんだか、平和すぎてうれしいけど、眠い・・・。」
比(黒)「まぁ、何が起こるかわからぬし、今のうちに身体を休めておこうか。」
ということで、W新一と快斗舞とキッドと比翼は部屋に別れてお昼寝することに。

その間・・・。
快(黒)「ぎゃーーーー(助けて助けて助けて〜、どうか神様〜誰でもいいから〜)」
恐ろしい危機が近づいてきていた。
紅(舞)「この壺、生きているみたいね・・・。面白いわ。」
哀(黒)「壺の前にこれを試してからね。」
快(黒)「い〜〜〜や〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
志(舞)「うるさいわよ。」
哀(黒)「寝ていてもらうのが一番ね。」
くすりと三人そろって恐ろしい笑みを見て、本気で命乞いをしたくなった。
ある意味情けない怪盗の姿が拝めるが、生憎、ここには警察関係者もうるさい探偵君もいないのだった。

 

 

 

快斗(黒)は憔悴した様子で帰って着ました。
快(黒)「…うう、新一い〜(号泣)」
新(黒)「…悪い(汗)」
抱き付いて来る快とを今回ばかりは振り払えない新一。
…あまりにも哀れで。
比(黒)「よく生きていたな」
時(舞)「しぶといよな」
キ(舞)「なんだか私たちに言われている気がしていやですね」
快(舞)「こっち見て言われてるせいかな」
時(舞)「どっちにも言ってるからな」
快(舞)「なんだと〜前回影が薄かったくせに」
時(舞)「それは言わないお約束。というか彼の存在感が強すぎたんだって」
いえてる。

新(舞)「あれ?志保と紅子たちは?」
快(黒)「…実験データの研修中…」
君子危うきには近寄るべからず。
誰もが隣へ行くまいと決意した。
比(黒)「そなたら、暫らく休んでいてくれ。このものは借りていく」
といって時矢を連れて行こうとする比翼。
新(黒)「何処へ行くんだ?」
比(黒)「ゲートと、調べたい事があってな」
時(舞)「ああ、わかった」
比(黒)「快斗も憔悴している事だ。昼寝でも続行していてくれ」
確かに。
快(黒)「(魘されそう…)」
哀れ快斗。
そうして彼らは外へと出て行った。

 

 

 

キ(舞)「では、ゆっくりと休みましょうか。ね、新一。」


がしっ


快(舞)「三人一緒にね。」


がしっ


新(舞)「え?ちょっ、キッド、快斗!」


ずるずる


連行・・・?
新(黒)「・・・よくわからないけど、頑張れ。」
なんだか身の危険を少し感じて見送る新一黒だった。
快(黒)「・・・。」
新一に抱きついたまま、ちらりと彼等を見る。
いつかこればいいなと思いつつ、今は恐怖を忘れる為に新一に抱きつく快斗黒だった。
新(黒)「とりあえず、俺たちも昼寝するか。」
こくりと頷く快斗。
同じ部屋へと入る。
もし、恋人同士なら、いろいろできるだろうが。
生憎彼等には、まだそんな日は遠いのだった。
快(黒)「・・・(涙)」
二重の意味で再び涙を流す快斗だった。

その頃こちらでは
新(舞)「えっと、キッドに快斗。」
キ(舞)「何でしょうか?」
新(舞)「俺は純粋に昼寝をしたいのだが・・・。」
快(舞)「大丈夫だって。最後までしないし。」
なら、どこまでやるって言うんだよ、あんたたち。
新(舞)「ちょっ、待っ・・・んぐっ・・・・やめっ・・・・・ど・・・。」
仕掛けられたキス
必死に抵抗するが次第に力は抜けていく。
それを良い事にどんどんやっていく二人だった。
新一は隣を気にしていたが、すっかりと思考は持って行かれて・・・。

快(黒)「・・・うう、ひどいよ。いじめだ・・・。」
隣ではすやすやと穏やかな寝息を立てて眠る新一の姿。
その隣の部屋から聞こえるもう一人の新一の声。
快斗はまた悲しさから布団にもぐってこらえつつも、涙を流すのだった。哀れ。

 

 

 

時(舞)「ゲートは、屋上の上だな」
比(黒)「ああ、ここなら昼間でも目立つことなく行き来できる…で、何時だ?」
時(舞)「明日の夜10時だな」
比(黒)「必ず10時なのは意味があるのだろうか」
時(舞)「さあ?…で、調べて欲しい事って何だ?」
比(黒)「ああ、丁度向こう側の宝石店なのだが…」
時(舞)「仕事関係か?」
比(黒)「まあそういう事だ。実は盗んで欲しいと頼まれている宝石があって、それは普通のルビーなのだが、どうも胡散臭くてな…見て欲しい」
時(舞)「呪われてる、とか?」
比(黒)「近いな」
時(舞)「どれどれ?(望遠鏡)…ふーん。黒い黒い」
比(黒)「やはりか」
時(舞)「ああ、あれはあの宝石に纏わりつく怨念だな」
比(黒)「ああ、かなりの価値があるらしいからな。それを欲しがっているのは老人で、伴侶の形見だそうだ」
時(舞)「なるほど―――!」
比(黒)「!」
その時、宝石店で何かが起きた。

その頃。
快斗はまだ苦しんでいた。
辛すぎるので自己暗示で無理やり眠りにつきました。
…哀れすぎる。
新(黒)「…?」
むくりと、起き上がる新一。
快(黒)「(新一に反応した)…新一?」
新(黒)「…煙の匂い…」
快(黒)「…本当だ」
新(黒)「……博士の実験が爆発した匂いだった」
隣から煙がもうもうと溢れていた。

 

 

 

新(舞)「やぁ・・・ぃとぉ・・・。」
キ(舞)「私の名前は呼んでいただけないのですか?」
寂しいですねと、快斗とともに新一を攻め立てていた時。隣の異変に気付いた。
快(舞)「何?」
カーテンをあけて、窓の外を見る。すると、お隣から煙が・・・。
新(舞)「・・・っど・・・。」
キ(舞)「新一は気にしなくてよいのですよ。」
腕の中に閉じ込めて、お隣がこうなっては誰かが来るかもしれないということで、しっかりと新一に服を着せる。
あいかわらず、そういうことには手際はいい。
新(舞)「・・・っど、・・・っい・・・。」
キ(舞)「すみませんね、新一。続きは事が終わってからです。」
ぐったりとしている新一を抱きかかえて、快斗に隣の様子を聞く。
快(舞)「大丈夫そうじゃない?」
キ(舞)「あちらの新一と彼がいれば、問題はないでしょう。」
そんな時。
キ(舞)「どうかしましたか?」
新(舞)『・・・さない・・・絶対に、許さない。』
新一の声とは違う声が新一の喉から放たれる。
キ(舞)「・・・誰、ですか?」
すっと、空気は冷たくなる。
新(舞)『許さない。私を裏切ったあの男を・・・。』
嫉妬や怒りで燃える、普段の新一のものとは違う瞳。強い意志がその瞳を見て感じられる。
だが、二人にとって一番大事な新一の身体を使われるのは気に入らない。
快(舞)「今すぐ、出て行ってくれない?」
キ(舞)「お遊びはそれぐらいにしておいて下さい。」
新一の額にぺたりとお札を張る。
黒羽家にある、古い力を持つ札。工藤家の巫女に何かあったときに使うためにあった札を持っていて、それで中にいたものを追い出した。
新(舞)「・・・ぅ・・・っど・・・。」
瞳がいつもの新一のものになったと思えば、気を失った。
キ(舞)「どうやら、また何かがあったようですね。」
快(舞)「何処にいても、命がけなのは変わらないって事だね。」

その頃
時(舞)「・・・逃げたな。」
比(黒)「逃げた?あの黒いものがか?」
騒ぎに紛れるように、遠巻きから様子を伺っていた二人。
時(舞)「今はもう、あの宝石にあの黒いものはない。消えた。」
比(黒)「消滅したのか?」
時(舞)「いや。まだあれはどこかで『生きて』いる。だが、盗むのには問題ない。今のあの宝石はただの宝石にすぎない。」
比(黒)「そうか。なら、今のうちに、頂くとするか。」
時(舞)「面白そうだから、見学しておく事にするよ。」

しっかりと、宝石を騒ぎに乗じて回収した。
比(黒)「今はもう、ここは用済みだ。引き上げよう。」
時(舞)「わかった。・・・どうやら、あの黒いものの行き先も分かった事だしな。」
風が運んだ声で、新一の状況を知り、二人して慌てて帰ってくるのでした。

 

 

 

片付けを済ませた新一と快斗(黒)は、へろへろになりながらも家へと戻ってきた。
新(黒)「まったく、博士も気をつけろよな〜」
快(黒)「毎回あの爆発で無傷な博士が気になるよ」
新(黒)「…丈夫なんだよ」
快(黒)「…(汗)」

比(黒)「おや新一に快斗。どうした?煙臭いが」
時(舞)「まるで爆発に巻き込まれた生還者みたいな匂いがするぞ」
どんな匂いだ。
二人が帰ってきた。
新(黒)「ゲートはどうだった?」
比(舞)「ああ、確認が済んだから報告を―――」
そのとき。
黒い靄が二階から降りてきた。

新(舞)「危ない!!」

時(舞)「あ」
快(黒)「え」
新(黒)「う」
比(黒)「お」

新一(舞)が二階から叫んだ。それに反応するが遅かった。
その黒い靄は、四人に襲い掛かる。
比翼が日本刀を抜いた。快斗が新一を庇って一歩引いた。
しゅるん。
一同「「あ」」
靄は時矢に入った。
新(舞)「わあああ時矢―――!!」
快(舞)「え、うそ」
キ(舞)「まさか、彼に?」
え、まじ?
時(舞)『…許さない…』
快(黒)「うっわ怖い!!」
嫉妬と怒りに燃えた瞳が彷徨う。姿が時矢なので怖さ倍増。
その目が比翼でとまった。
比(黒)「…む?」
時(舞)『見つけた…!』
時矢が比翼に襲い掛かった。
快・キ・新(舞・黒)「「っえええええええ?!」」
比(黒)「…私に心当たりはないのだが」
素人な動きの時矢を受け止め、弾き返しながら呟く。
新(舞)「勘違い?比翼さんに似ている男に騙されでもしたのか!?」
新(黒)「比翼に似ている男?いるわけないだろこんなに綺麗な奴間違えるか!同じ顔が二つあるわけがない!」
断言。
快(黒)「…新一…(汗)」
さあどうなる!?

 

 

 

目の前で、激しい戦いが繰り広げられています。
快(黒)「ねぇ、新一・・・。」
新(黒)「どうしよう。二人ともかなり本気だ。」
キ(舞)「今のところ、どこも家の中での被害はありませんが・・・。」
快(舞)「容量がいいというか、なんというか・・・。」
その時。
新(舞)「あれだ!・・・比翼さん!」
比(黒)「っ?!な、なんだ?」
新(舞)「持っている宝石。それを出してこちらに投げて下さい。」
比(黒)「っ、わかった。・・・ほら。」
ぐいっと時矢を押して、その隙に宝石を取り出して新一の方へ投げる。
気付いた時矢が新一の方へと走る。
新(舞)「少し、大人しくして下さい。」
宝石をつかんで、上手い具合にかわして時矢を捕らえて倒す。
快(舞)「お見事。」
キ(舞)「さすがは新一ですね。」
快(黒)「動きが見えなかった。」
新(黒)「いいなぁ。俺もやりたい!」
きっと、貴方も出来そうですが、今のままでいて下さい。その方が快斗黒にとってもいいはず・・・はず・・・?
新(舞)「わかっている。だが、時矢と同じであるからといって、それを利用して時矢の身体を奪うな。」
時(舞)『ゆ・・・さ・・い・・・。」
新(舞)「大丈夫。これは渡す。貴方の探している、大切な物。貴方が愛するただ一人の人に預けたもの。そうですね?」
時(舞)『・・・あの人は、裏切った。・・・来なかった。・・・許・・・ない。」
新(舞)「それは違う。いけなくなったが正解だ。行こうとした約束の日に、貴方は
命を落としたのだから。」
時(舞)『・・・。』
二人の会話を聞いていて、なるほどと納得する比翼。だが、それ以外の面々はまったく意味がわからなかった。
比(黒)「この宝石を届けて欲しいと頼んできた所有者は言っていた。大切な伴侶の形見だと言っていた。」
時(舞)『伴・・・侶・・・・・・わたし・・・が・・・?」
比(黒)「そうだ。今もあの老人はおぬしの事を思っておる。」
新(舞)「だから、時矢を返して。貴方はここにいるべきではなく、まず大切な人に会いに行って、成仏しないと。」
本当に、二度と会えなくなってしまうから。
時(舞)『そう・・・あり・・・と・・・。』
すうっと風に乗って影は消え、意識のない時矢が残るだけだった。
新(舞)「お帰り。それと、ごめんな。もっとはやく気付くべきだった・・・。」
辛そうな新一の顔を見て、どういうことだろうかと、快斗と新一(黒)は隣にいる快
斗とキッドに聞いた。
キ(舞)「かつての、彼の先祖と同じく、彼は親殺しをしています。それも、同じように幼い頃に。」
新(黒)「っ!」
快(舞)「先祖は故意であったが、彼は事故だった。だけど、自分のせいでという思いが強く残っているんだ。」
だから、嫌いだが憎めなかったりもするのだった。
新(舞)「快斗。時矢上に運べるか?」
快(舞)「大丈夫だよ。」
新(舞)「あの影に完全に意識を取られないようにしていたみたいで、無理したからかなり体力的にも精神的にも辛いだろうから。」
比(黒)「上の部屋でゆっくり休ませておけばいい。私も気が聞かなくて悪かった。」
巻き込んだのは比翼だから。だけど、新一は首を振って、何度も抱える問題は表に出て苦しめるからと、今がなくてもいつか同じ事がおこっていただろうからと新一はいい、キッドや快斗と共に部屋を出た。
快(黒)「親殺し・・・か・・・。世界が違うんだね。」
新(黒)「そうだな・・・。」
犯罪を嫌う。とくに殺人を。
なんだか、やりきれない思いを抱えながら、二人はそこにたっていたが、比翼が上の者達の分の食事の用意を手伝うようにいった。
気分転換もかねて。

 





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