新(舞)「あ。」
妖精が戻ってきた。
ちなみに、彼等はまた竜に乗って移動中です。結構便利?
新(魔)「なんだって?」
新(舞)「向こうにキッドがいるんだって。なんだか、何かと戦っているらしい。」
快(魔)「あいつもアレと戦えばいいんだ〜〜。新一〜。」
ぎゅっと抱きつく快斗(魔)は怯えている。そうとう嫌だったらしい。先ほどの例のアレ。
青(魔)「あ・・・。」
圭(魔)「どうしたの、青海ちゃん?」
新(舞)「黒い奴が出てきた・・・な・・・。」
圭(魔)「ふうん。じゃぁ、それが原因だね。」
やる気充分。
新(魔)「あ、あれじゃないか?」
指差す先に快斗発見。
時(舞)「・・・なんだか、ここも嫌なところだな。」
快(魔)「・・・(もう嫌)」
新(魔)「・・・不気味だな、これもある意味。」
そこには、大量に快斗がいた。
新(舞)「ちょっと、あいつ拾ってきてくれ。」
妖精に頼んで、キッド回収。
快(舞)「はぁ。死ぬかと思った。」
新(舞)「まぁ、あれもある意味嫌がらせだよな。」
圭(魔)「一匹ぐらい、彼女達の実験用に持ち帰る?」
快(魔)「後が怖いからやめて。」
新(魔)「はやくいこうぜ。何だか手を伸ばしてくる俺がいっぱいいるのって、見ていてあまりよくないし・・・。」
竜の背中で飛んでいるので障害物はないのですが、したには大量に快斗がいます。怖いぐらい。
新(魔)「でも、UFキャッチャーとかって、アンナ状態で人形が入ってるよな。」
快(魔)「何?俺はゲームの景品か何か?!」
新(舞)「あんだけありゃ、そうでもしないと始末できなさそうだし。」
だって、しゃべって動くって、本人を知っている人間にとっては邪魔でしょう。
快(魔)「邪魔って・・・。」
圭(魔)「ま、そういうことで。それより、黒い奴はどこいったの?」
新(舞)「さらに中央に向かったみたい。」
青(魔)「また、向こうに誰かいる。それも、複数・・・。」
圭(魔)「次は誰だろうね?」
新(舞)「地下室にいた残りのメンバーが固まっててくれるとうれしいけどな。」
新(魔)「そうしたら、あとは黒いのの回収だけ?」
時(舞)「なんだか、空間の空気が荒れてきたなぁ・・・。」
快(魔)「…哀ちゃんたち発見〜…」
新(舞)「…ええと、この場合どうするべきだ?」
女性陣の前には、捕らえられた数匹の黒い物体。
あれ、複数だったの?
哀(魔)「あら、遅かったわね」
志(舞)「退屈だったからさっき本で読んだ実験をしていたのだけれど」
紅(舞)「なんだかここにいる霊を触発しておかしな空間が出来てしまったようなの。元に戻すためにこの弱い死神たちのエネルギーを借りようと思って、捕まえたんだけど…」
時(舞)「…ああ、その触発された霊が、死神たちに取り込められていて死神に手が出せないな」
あら、そうきましたか。
圭(魔)「同時にはだめなの?」
新(舞)「彼らが成仏できずに悪霊化してしまう」
快(魔)「キッドがいないぜ?」
快(舞)「どっか迷ってんだろほうっとけ」
いつもいいとこ取りされているのが気に喰わないらしい。
時(舞)「さて困ったね、新一の術はもう何度も使っててお疲れモードだし…」
青(魔)「…そう」
圭(魔)「青海ちゃん?」
青(魔)「可哀相…泣いてるのに、いやだって、暗くて怖いって。泣いてるのに…可哀相」
悲しそうに、青海が死神に手を伸ばす。
新(舞)「危ない!」
青(魔)「苦しいよね、悲しいよね…――おいでよ、こっちだよ」
そのとき。
死神に囚われていた霊が、青海の言葉にするりと身を滑らせ、
彼女の手元へと移動した。
新(魔)「へ?」
新(舞)「…もしかして青海ちゃん、そっちの素質あった?」
圭(魔)「僕はさっぱりだけどね」
あったのね。
青(魔)「ほらあっちだよ…私も何時か行くから、ばいばい」
浄霊してしまいました。
圭(魔)「…青海ちゃんが働いてくれたからさっさとこれ(空間)何とかしてねV」
にっこり笑顔で脅された。
新(舞)「とりあえず帰りますか。」
扇用意。やっぱりどこから?
新(舞)「俺はキッドを戻してから帰るから。」
快(舞)「ちょ、新一。・・・?戻してから。」
新(舞)「そう。ちょっと大きくなってるから、戻るのは無理そうだし。」
と、今までお世話になった竜を指差す。
新(舞)「舞い上がれ、風よ。彼の者達は本来あるべきばしょへ返せ。」
風が吹き荒れて、きれいさっぱり消えました。
圭(魔)「あ、戻った。」
青(魔)「お兄ちゃん、大丈夫かな?」
快(舞)「何〜?!なんで最後はとられるの?!」
快(魔)「きっと、お前はそういう運命なんだ。」
志(舞)「うるさいわね。」
新(魔)「あ、この本。」
すでに一部は本の世界。
快(舞)「新一〜〜〜。」
快(魔)「・・・。お前はいろいろと大変なんだな。」
新(舞)「よし。」
竜の方を見る。
新(舞)「悪かったな。気付くのが遅れて、召喚したつもりが、変身させてるなんてな。」
キ(舞)「・・・」
新(舞)「今戻す。」
ていっとお手軽に戻りました。そして、戻るために風の聖霊を呼びましたが・・・。
キ(舞)「まったく、無茶しすぎです。」
ふらっと倒れる新一をしっかりとキャッチ。やっぱりいいとこどりだな、あんた。
キ(舞)「新一を休ませたいので、お願いできますか?」
聖霊に聞けば、うなずいた。
こうしてなんとか戻ってこれたのだった。
快(舞)「あ、戻って・・・って、何してるの?!」
意識のない新一舞をお姫様抱っこで登場。
キ(舞)「疲れているのでこのまま寝かせますから、煩くしないで下さい。」
紅(舞)「あら。帰ってきたの。」
志(舞)「どうせ、ここにも部屋は用意してあるのでしょ?」
キ(舞)「いえ。ここからは新一の頼みで自動的に移動しているのでありませんよ。」
どうやら、この部屋へは自動ロックされて、鍵の心配は別にないらしい。
キ(舞)「ということで、ころあいを見て迎えに来ますから、それまでここにいて下さい。」
すうっと消えた。
快(舞)「あ、こら。キッドー!」
快(魔)「ものの見事に消えたな。」
志(舞)「休ませてくれるのなら問題はないわ。」
新(魔)「ん?戻ってきたのか?」
哀(魔)「すぐに上に戻ったみたいだけど。ころあいを見て、迎えに来るみたいよ。」
新(魔)「そっか。ならいいや。今はこれが・・・。あ、青海ちゃんはそう思うんだ。」
もう、本の世界?
快(舞)「キッドの馬鹿ー。新一〜。」
情けない快斗舞がそこでわめいていた。
あまりにもうるさいので、紅子が縛って口を塞いだ。これで当分静かに出来る。
圭(魔)「なんだかいろいろありすぎて忘れていたけど、もう真夜中だね」
いろんな世界に行き過ぎて時間の経過がわかりにくかったけれど。
快(魔)「ええと、明日の午後10時だったっけ?」
哀(魔)「そろそろ眠らないと寝不足ね。朝には起きれないでしょうけど」
志(舞)「徹夜してもいいのだけれど、彼らは寝かせた方がいいわね」
そう言って、推理トークに花を咲かせる新一(魔)と青海をみる。二人とも本の事となると全てを忘れる。
青(魔)「それでそこで…あ」
新(魔)「…あ」
青海の小さな体がぼやけてきた。
圭(魔)「時間切れかぁ…青海ちゃん、またね」
青(魔)「うん…楽しかったよ、いっぱい」
にっこりと笑って、青海ちゃんは薄れて消えた。
快(魔)「さあ新一!そろそろ寝ないとね!」
新(魔)「どこでだよ」
確かに、まだ地下にいますしね。
快(舞)「…タイミングよく迎えが着やがった」
恨みがましくやってきたキッドをみる快斗(舞)
キ(舞)「すみません。少々手間取りまして」
快(舞)「ちくしょー」
紅(舞)「じゃあさっさとお風呂に入って、軽い夕食を…」
快(魔)「…取る前に寝るかも」
そしてあっという間に、戻ってくる人たち。
寺井さんが、夕食を用意して待っていてくれました。
圭(魔)「おいしいね。この白玉団子。」
それかよ。
夕食後のデザートを食べる人達。
新(魔)「本当に、おいしいですね。」
快(魔)「本当。」
それぞれの好みに合わせてくれたようです。
といっても、甘いものと甘さを控えたものの二つですが・・・。
快(舞)「で、新一は?」
キ(舞)「また休んでますから、駄目ですよ。」
志(舞)「珍しいわね。手を出さないなんて。」
キ(舞)「今は手を出せる状態ではないと思いますが・・・。」
紅(舞)「手を出したら速攻動けなくしてあげるわよ。」
快(魔)「・・・(びくっ)」
なんだか恐怖を感じたらしい。
寺(舞)「湯のしたくはしてありますから、順にどうぞ。」
哀(魔)「いいわね。」
志(舞)「行きましょう。」
紅(舞)「彼に手を出す事は許さないわよ。」
キ(舞)「わかってますよ。」
快(舞)「むかつくけど、とりあえずあとの人達連れて行くよ。」
行くよと快斗魔と新一魔を連れて行く。
現在は丁度皆休憩中というか、休み中であり、用意された場所は個人なので人と合うことはない。
ちなみに、快斗魔にとっては、新一と入れるが余計なのは二人もついてきてかなり複雑であった。
キ(舞)「さて。疲れを癒す為に・・・。一度起きていただきましょうか。」
そのまま寝ているようなら、勝手にお風呂に入れるつもりらしい。
キ(舞)「新一?起きて下さい。」
新(舞)「・・・う・・・。」
もぞもぞ動くだけ。
キ(舞)「しょうがないですね。」
抱き上げて移動・・・?
向かう先は皆と一緒。
その頃、先に行った四人は・・・?
快(魔)「(複雑だ…)」
新(魔)「どうした〜?」
快(魔)「…お願いだからあまりこっちに来ないで」
新(魔)「…失礼な奴だな」
快(舞)「(可哀相なやつだという目)…て、おい圭さん。何してるんだよ」
圭(魔)「んー?みんなやっぱり銃創とかあるなーって。
新一君なんて綺麗な肌が可哀相」
快(魔)「あんまり見るなー!」
圭(魔)「君のことは見てないよ」
新(魔)「圭さん…貴方も凄いと思いますが…」
圭(魔)「男の勲章だねV」
んなにっこり笑顔で言われましても…。
そのとき、ガラリと入ってくるキッド。
キッドに抱えられている新一に快斗が声を上げた。
快(舞)「またいいとこどりー!!」
キ(舞)「風呂で絶叫しないで下さい。響くでしょう」
でもちゃっかりと耳を塞いでいた面々。学習してきた。
キ(舞)「というか怪しい会話を繰り広げないで下さいよ」
圭(魔)「結構重要じゃない?僕達脱いだらすごいんですって
やつなのかな(古いよ、圭さん)」
快(魔)「さらっと怪しいこといわないで」
圭(魔)「別に僕は君たちと違ってそういったフィルターで見てないからいいのに」
快(舞)「な!(汗)」
快(魔)「何言い出すんだよ!(冷汗)」
キ(魔)「そ、そうですよ。一体何の言いがかりを…」
新(魔)「…なんのことだ?」
圭(魔)「新一君が色っぽいってこと(歪曲)」
新(魔)「そんな話してないでしょう!(赤面)」
圭(魔)「ああほら、そんな顔すると同じ顔なんだからみんながこまるでしょ」
そう言ってさりげなくw新一(いつ新一(舞)を!?)を隠してしまう圭さん。
快(舞)「あー!」
キ(舞)「何をするんですか!」
圭(魔)「何もしてないよバリケードだよV新一君が教われないようにね」
快(魔)「一番危険なのはあんただー!」
圭(魔)「ある意味一番安全だよ」
新(舞)「…かもな」
新(魔)「あ、おきてたのか」
新(舞)「さすがにな」
ぎゃんぎゃんと騒ぎ出す面々。
風呂の外で時矢が呟いた。
時(舞)「いつまでやってる気だ?」
のぼせるぞ。
ガラッ
快(魔)「なっ、志保ちゃん・・・?!」
突如登場。しっかりと浴衣借りて着てます。
志(舞)「さっさとあがってきなさい。それに、さっきからうるさいわよ。彼が着替
えを用意してくれているから。」
新(魔)「えっと、志保さん・・・。」
志(舞)「恥ずかしがるのなら、はやく服着て寝て頂戴。」
紅(舞)「第一、照れたり欲情なんかしていたら、治療なんてやってられないわ
よ。」
それだけいって去った。
新(舞)「あの二人には何を言っても無駄だぞ。」
新(魔)「・・・(///)」
快(魔)「・・・もう、帰りたいかも。」
圭(魔)「とにかく、彼女達も待ってるみたいだから、あがろうか。」
しっかりと新一を取り返して風呂から出るキッド。
快(魔)「圭さんに対抗するなんてなぁ・・・。」
そのかわり、しっかりと新一魔はガードされていた。
快(魔)「・・・(ちらりと見る)」
はぁと溜息。
圭(魔)「どうしたの?快斗君はあがらない?」
快(魔)「あがります。」
用意されたそれに袖を通して、キッドの案内の元、部屋へと向かう。
キ(舞)「私達はこの上です。この部屋は自由にしてくれてかまいませんが、あまり無茶なことだけはしないで下さい。」
三人を部屋に残して新一抱き上げて去る。
快(舞)「キッド!」
キ(舞)「うるさいですよ。今はそれどころではないのです。」
快(舞)「何が。」
キ(舞)「新たに発覚した厄介ごとが解決していないんです。」
どうやら、彼等が地下にいる間に何かあったようだ。
時(舞)「お。戻ってきた。」
志(舞)「手は出さないでよ。」
キ(舞)「わかっていますよ。・・・それで。」
志(舞)「貴方が言っていた通り、さぐりは入れてみたわ。彼女がいて、少し助かったわ。」
哀(魔)「あら。私は少しの手助けだけよ。」
快(舞)「どういう事?」
キ(舞)「ただ問題は、このことで彼がきれないでほしいと願うだけなんですが・・・。」
その彼はもちろん圭。
どうやら、また妹関係に関わる何かがあったらしい。
哀(魔)「とりあえず、部屋の場所はわかっているから。彼等の様子を見てくるわ。」
志(舞)「悪いわね。」
紅(舞)「やっぱりよ。周辺の守りとなる精霊を捕まえて力を使う彼が、脱獄してこの付近に来ているみたい。」
志(舞)「狙いは新一・・・。もしくは、その手にかかわる青海ちゃんね。」
その頃。
新一と快斗(魔)はぐっすりとお休み中。その側で、圭は月を見上げていました。
圭(魔)「…また何かあったの?」
足音を忍ばせてやってきた哀に、圭が問い掛ける。
相変わらず気配に鋭い人だ。
哀(魔)「…やっぱり起きていたのね。青海ちゃんが心配
するわよ」
圭(魔)「それは困ったなぁ…でも、眠れないんだから仕方ないよ」
夜更かししちゃえ〜とおき楽な圭さん。
新一と快斗(魔)はぐっすりだ。
さすがにおかしい。
哀(魔)「…何か盛ったのかしら?」
圭(魔)「人聞きが悪いな。快斗君はともかくとして僕は新一君に手は出さないよ」
まぢに。
俺はいいのかー!と言う快斗の叫びは無視しましょう。
哀(魔)「(睡眠薬ね)」
どうやらお疲れの二人に対する圭なりの心積もりらしい。
圭(魔)「(副作用はわからないけど♪)」
ただの実験かもしれない。
哀(魔)「…今夜はもう遅いからいいとして…明日は、出来るだけここから出ないように」
圭(魔)「この家に貼ってある結界の中からでるなって?」
新(舞)「…知ってたんですか…」
哀(舞)「あら」
快(舞)「あ!いた!新一!」
キ(舞)「まったく、抜け出して…」
ぞろぞろと集まってくる人たち。
しかもそれでも新一と快斗は夢の中。
よほど深い睡眠薬だったらしい。
新(舞)「ここでは多いことですが、また俺と青海ちゃんが狙われる可能性がある。だから圭さんはここにいて下さい。貴方が移動すれば心配して青海ちゃんもついていくから」
圭(魔)「…何もするなってことかな…」
やはり圭さんは自分の手で懲らしめたいらしい。
背後の暗黒神が怖いです。
キ(舞)「貴方に暴れられるとこちらが迷惑なんですよ」
というか怖いんです。
圭(魔)「…青海ちゃんのためなら、いいよ。でももししくじったら快斗君見たく永遠の眠りに付かせてあげるから」
えええ!?
…一応冗談ですよ、ね?
哀(魔)「本気だったら私が解毒剤を作るわよ」
うわ、怖い。
新(舞)「そんな物騒な事は駄目。キッドも余計な事は言わない。」
キ(舞)「・・・(不満。しかししっかりと新一を腕の中に・・・)」
新(舞)「ただ、問題があるんですよ。その人物。」
圭(魔)「どんな?」
新(舞)「大丈夫だと信じたいのですが・・・。」
キ(舞)「ようするに、もし彼女が捕らえられれば、姿を具現化し、自分の姿を彼女に写しかえる事が出来るので、貴方にはしっかりしておいてほしいのですよ。」
哀(魔)「それについて、もしおきていれば彼にも注意してとお願いしたかったのだけど・・・。」
圭によってかなり深い眠りについてます。快斗魔
圭(魔)「へぇ。青海ちゃんの姿になって僕に立ちはだかるんだ。」
許せないねと、ちょっと笑みが崩れてきているような・・・。
新(舞)「彼には巾着を離さないように言っておいて下さい。あと、圭さんはその珠をなくさないように・・・。」
今日はこれ以上どうしようもないので身体を休める事に。
哀はお隣へ志保と紅子と一緒に。
さて、最上階へ彼等は行く。
キ(舞)「寝ましょうか。」
新(舞)「・・・ん。」
快(舞)「・・・なんだか不に落ちないんだよな。」
新一を挟んで二人も就寝。
結界の外からうかがう影があったが、すぐに消えた。
次の日の朝
時(舞)「起きろ〜。」
キ(舞)「起きてます。」
快(舞)「朝からうるせぇ。」
新(舞)「・・・(まだ寝てる)」
時(舞)「ちょっとばかし事情が変わってきたんでな。」
キ(舞)「とりあえず、他の者達と合流しましょうか。」
着替えて下へ降りる。
圭(魔)「あ、おはよう。」
やっぱりデザートを食べていた。今度はおはぎ・・・?
食べている時は相変わらず幸せそうだ。邪気はなさそうだし・・・。
快(魔)「なんだか、頭がぼうっとする・・・。」
どうやら、ぼんやりしている中で、たまにずきっと来るらしい。
新(魔)「何かへんなものでも喰ったのか?」
彼は元気のようだ。
哀(魔)「・・・。」
様子を伺っている・・・?
圭(魔)「で、今度はどうしたの?」
時(舞)「困った事に、悪魔を一つつけてしまったらしい。」
快(魔)「死神じゃないの?」
時(舞)「死神よりは強いさ。それに、下級じゃないしな。結構上らしいし。」
キ(舞)「彼ならそれぐらい倒しそうですから問題はなさそうですが。」
新(舞)「・・・結界の気を吸って、力を得ている。そんなところか。」
時(舞)「まぁ、そんなところだ。」
快(舞)「面倒な奴だな。」
時(舞)「死ぬ事がないような人だからね。多少の無茶も問題はないんだが、ほとんど呪いのような不死だから、いろいろと厄介だ。」
圭(魔)「どうして?捕獲してしまえば言いだけの事でしょ?」
新(舞)「まわりに被害がないようにするために、空間を切り離したいのだけどなぁ。」
圭(魔)「それ、やってあげる。青海ちゃんに手を出そうなんて、どんな事になるかしっかり教えてあげたいし。」
その為にはまずは捕獲だしと言う。
時(舞)「暴走して無茶だけはしないでくれな。」
圭(魔)「大丈夫だよ。・・・たぶん。」
時矢が心配するのは、まわりの人間なのだが・・・。
さて、脱獄者の運命が少しずつ未来が暗いのは気のせいだろうか・・・。
圭(魔)「…」
快(魔)「(静かな圭さんが怖い)…事情は聞いたけどさ、俺たちどうすればいいんだろうな」
新(舞)「俺たちが行くから大人しく…」
キ(舞)「新一も大人しくしていてください」
快(舞)「俺たちがとっ捕まえてくるから!」
時(舞)「新一が行けば狙われる可能性は高いからな」
新(舞)「…何だこの手は」
新一(舞)の手を、がっしりと掴む二人。
キ(舞)「外に出たら承知しませんよ?」
快(舞)「夜に後悔させちゃうからね」
新(舞)「…t」
ぞくり。
新(魔)「…何する気だ」
快(魔)「気にしないで」
というかしちゃ駄目。
快(舞)「それじゃあ、行ってくるからね?」
キ(舞)「大人しくしていてくださいよ」
志(舞)「…いっそのこと盛って行こうかしら」
新(舞)「それだけは止してくれ」
まったくだ。
時(舞)「じゃあ、結界からは出るなよ…」
そう言って、彼らは外へと消えました。
残されたのは圭さん、W新一と快斗(魔)に哀(魔)
圭(魔)「…悪魔、かあ」
新(魔)「圭さん?」
圭(魔)「その単語を聞くとどうしてもむかついてくるんだよね…」
新(魔)「…」
快(魔)「(このまま何事もおきませんように!)」
朝っぱらから嫌な予感がする。
圭(魔)「・・・・・・・・・見物しに行こうかな。」
よっとと、立ち上がる。
快(魔)「待っててって言われて・・・。」
圭(魔)「ちょっと、見てくるだけだって。」
外へ出ようとします。
新(舞)「駄目。」
がしっととりあえず捕獲。
快(魔)「なんて無茶を・・・。」
腕伸ばして抱きついてる状態というか、押し倒してる?
新(舞)「貴方が行けば、青海ちゃんが巻き込まれるんです。」
駄目と、離さない。
圭(魔)「・・・・・・・・・しょうがないなぁ。」
諦めた?!
快(魔)「・・・(何かの前触れ?!)」
新(魔)「圭さんが諦めた?」
圭(魔)「・・・(少しご機嫌?)」
よしよしと頭をなでる。
新(舞)「???」
新(魔)「もしかして・・・?」
快(魔)「たぶんそうでしょう。」
圭さんが新一舞を青海ちゃん代わりにしてる。
快(魔)「あいつ等に少し同情が・・・。」
圭(魔)「じゃぁ、一緒に来てくれる?新一君なら見えるでしょ?」
ひょいっと捕獲されて、右腕一つでぶらりと持ち上げられた。
新(舞)「はぇ?」
快(魔)「だ、駄目だよ、圭さん!」
圭(魔)「じゃぁ、ちょっと出かけてくる。」
新(魔)「つれていっちゃった・・・。」
快(魔)「どうしよう。あっちの俺たちが帰ってきたら・・・。」
哀(魔)「そうね。もう一人の私も帰って来たら、即貴方に罰が下るでしょうね・・・。」
うふふと、近づく哀。かなり怖い気がするのですが・・・
快(魔)「まさか?!」
哀(魔)「大丈夫よ。もし、新一君舞に何かあった場合、お仕置きを変わりにしておいてと、彼女からしっかりと頼まれているだけだから。」
いや、それが怖いんですって。
新(魔)「・・・(自分も身の安全の為に少し離れる)」
快(魔)「来ないで〜〜〜〜。誰か助けて〜〜〜〜。」
時(舞)「…あれ」
快(舞)「?どうした?」
キ(舞)「急ぐのでしょう?」
志(舞)「何かあったのかしら?」
紅(舞)「…あら。彼が移動しているわ」
キ・快(舞)「「ええ!?」」
時(舞)「このスピードからして彼だな」
快(舞)「彼って圭さんか!?」
キ(舞)「まったく…!誰が危険になると思って…!」
志(舞)「…だから新一君を巻き込んだんでしょうね」
快(舞)「あのやろー!あっちの俺は何してるんだ!」
ただいま実験体に。
新(舞)「圭さ〜ん、危ないですから帰りましょう〜!」
圭(魔)「危ないのは日常茶飯事だから大丈夫だよ」
一体どう言う理屈だ。
新(舞)「青海ちゃんもそう言ってますから〜」
圭(魔)「青海ちゃんを怖がらせる奴を懲らしめないとね」
やっぱり自分の手で懲らしめたかったのかあんたは。
新(舞)「!」
圭(魔)「あ、気付かれた?」
新(舞)「…誰かこっちに着ますね」
圭(魔)「悪魔より先に見つかったら洒落にならないね。新一君盗られちゃうし。スピードあげるから捕まっててね」
新(舞)「は?…わぁあ!!」
すたこらさっさと屋根の上を移動中。
…というかこれって誘拐?
時(舞)「新一は軽いからな…人一人担いでいてもそんなにスピードは落ちないか」
快(舞)「それってつまり向こうがスピードアップしたってこと!?」
圭さん、化け物かいあんたは。
志(舞)「…一時期彼のことは諦めて悪魔の詮索をしましょう。恐らく彼らもそちらに向かうわ」
紅(舞)「そうね」
キ(舞)「…本当に、彼とは一度話し合いを…」
時(舞)「してなんとかなるならこんなことにはならないぞ?」
何せ話し合った後のはずですから。
そしてそのころお留守番組。
快(魔)「いやー!それだけはいやー!」
新(魔)「…灰原。一体どこからそんなもの…」
哀(魔)「寺井さんに貰ってきたのよ。彼らもこれが嫌いだから偏食を治そうと画策ちゅうらしいわ」
新(魔)「…(なんともいえない)」
灰原さんに魚を持って迫られていた。
ぎゅうっと落ちないようにしがみつく新一舞。あの二人がいたらしばらく外出られないぞ、新一舞よ。
圭(魔)「ん〜、こっちかなぁ?」
新(舞)「・・・っ・・・圭さん、右によけて。」
ひょい
新一は懐からナイフ用意。陰を消し去った。
新(舞)「左。その前方にあるから、少し下に。そのあと右手があくので、そのまま走って。」
ナビゲーター?でも、やっぱり倒しているからちょっと違う?
圭(魔)「やっぱり、新一君がいると違うねぇ。」
本能じゃなくて、実際感知してますし。本能の部分もやっぱりありますがねぇ。
圭(魔)「で、今回のその原因ってどっち方向?」
黙っているつもりだったが、もういいやと判断。
新(舞)「向かっている方向右に45℃ぐらいの方角へ数十メートル。このスピードだと、時矢達よりははやいかと。」
圭(魔)「なら、問題ないねぇ。」
先につけばそれでよしらしい。
さらにスピードアップ?
新(舞)「・・・無事に一日が終わるかなぁ?」
圭(魔)「大丈夫。10時になったら帰るし、そうしたら一日は終わる。」
確かにそうだね。
時(舞)「ん?」
キ(舞)「どうかしました?」
時(舞)「あっちも方角決まったみたいだな。」
志(舞)「あら。じゃぁ、私達同様に見つけたって事ね。」
快(舞)「あーもう。」
時(舞)「とりあえずは急ぐが、このままだとあっちの方がはやいぞ?」
志(舞)「なら、彼に片付けてもらえばいいじゃない。新一君がいるのなら、青海ちゃんの事は心配ないだろうし。」
その頃・・・
快(魔)「・・・(気絶)」
哀(魔)「・・・(溜息)」
情けないわねと、魚をぽいっと捨てる。
新(魔)「快斗。か〜いと?」
ゆすっても起きる気配なし。
哀(魔)「さて。起きたら覚悟してもらうわよ・・・。」
ふふふと、さらなる恐怖が待ち受ける・・・。
新(魔)「・・・(恐怖)」
ちょっと引いて、離れてみる。
寺(舞)「あ、お茶を入れたのですが?」
哀(魔)「あら。ありがとう。」
優雅に過ごすお茶の時間?
約一名気絶中・・・。
だんっ
圭(魔)「つ〜かま〜えた〜ぁVV」(にっこり)
新(舞)「…悪魔を単品で捕まえちゃいましたね」
圭(魔)「脱獄した犯人はどこいったんだろうね?」
新(舞)「逃げてるのか…捜索しないと」
圭(魔)「こっちは囮だってこと?ああ、いい度胸だね。青海ちゃんを危険に晒す上に僕をコケにしてくれるなんて嬉しすぎてお礼がしたいよV」
新(舞)「(…怖い)」
新一を抱き上げたまま投げたナイフの先端をぐりぐりと抉り続ける怖い圭さん。
圭(魔)「…よわっちい悪魔だね…ちょっと面白くないや」
新(舞)「契約主から離れてますからね」
圭(魔)「ふーん…(ぱかっと小瓶の蓋を開ける)」
新(舞)「…(どこに持っていたんだろうと思っている)」
そのとき、圭さんの腕の中から新一(舞)が引き離された。
キ(舞)「どうしてこう騒ぎを大きくするんですか!」
快(舞)「部屋で待ってるよう言っただろ!?」
圭(魔)「あ、思ったより早かったね」
時(舞)「目的が同じ場所だったからな」
新(舞)「お前ら放せよ!(赤面)」
快(舞)「悔しいから駄目!」
キ(舞)「彼には進んで抱きついていたくせに私たちは駄目なんですか!」
新(舞)「落っこちないようにだよ!(光速だったから)」
圭(魔)「快斗く〜ん、僕はコケにしてくれた犯人を追いかけるから〜」
新(舞)「え、圭さん?」
快(舞)「何言ってんだよ!」
圭(魔)「だからまた新一君借りるねV」(ひょい)
キ(舞)「ああ!」
あっさりと二人から没収する圭さん。
あっという間に走り去った。
…新一はナビ?
キ(舞)「なんてことを…!」
快(舞)「まてー!(怒)」
時(舞)「やれやれ、懲りない奴らだ」
志(舞)「…というか、真昼間から何をしているのかしらね」
本当にね。
新(魔)「あ・・・。」
哀(魔)「どうかしたの?」
快斗で遊んでいる?哀が問いかける。
新(魔)「これ、使えるかも。」
取り出したよ、巾着。
しゅるり。
哀(魔)「何が入っているのかしらね。」
開かれた中から・・・
?「・・・何を望む・・・?」
哀(魔)「お約束な感じで不気味な声ね。」
新(魔)「出かけた人達全員と、逃げた犯人をここへ集めて下さい。」
すると、びゅお〜っと巾着が吸い込む。
哀(魔)「な、何?!」
快(魔)「え?うわぁ?!何事?!」
快斗復活?
そして、次には中から風が出てくる・・・。
新(魔)「すげぇ。」
中から見事全員現れた。
圭(魔)「あれ?」
新(舞)「いたた。・・・あ、一つ目の願い使ったのか。」
新一舞は自体を理解したらしい。
キ(舞)「あ〜、新一!」
快(舞)「てめぇ。よくも!」
お前のせいで新一が!と心の声。
ソコには間違いなく原因の犯人がいた。
圭(魔)「貴方が・・・ね・・・。」
にやり・・・。
にっこりじゃなくなった?!
圭(魔)「少し、後悔してよね。青海ちゃんに手を出そうとした挙句、囮を使うなんて馬鹿な事をしたことについて。」
犯(舞)「・・・(びくびく)」
恐怖の時間のはじまり♪
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