背後で地獄絵図が繰り広げられていた。

新(魔)「これって四次元ポケットだったのか?」
ドラ○もんもびっくり。
新(舞)「それを言うなら四次元巾着じゃないか?」
快(魔)「突っ込む所はそこなの?」
快(舞)「新一…」
キ(舞)「ああ、新一ですねぇ…」
新(舞)「おい、なんだよ(怒)」
哀(魔)「可愛らしい突っ込みをしてるわねってことよ」
新(魔)「は?」
時(舞)「和やかな会話のわりに背後ではすさまじいことが繰り返されてるな」

どかばすがきゃどすばきばきぷすどぐぅわっ

一同「「………」」

快(舞)「お前さすがに止めて来いよ…」
快(魔)「やだよ死にたくない」
キ(舞)「私だっていやですよ」
新(魔)「さすがにあいつ死ぬぞ」
新(舞)「人殺しは見過ごせないからな…」
哀(魔)「かといってあの中に入っていける人はいないわよ」
志(舞)「さすがに遠慮したいわ」
紅(舞)「進んでいく人はいないでしょうね」

どすどすばきばきい!!

時(舞)「…やっぱり兄を止められるのは妹だけだろう」
快(舞)「だめー!!」
キ(舞)「新一は駄目ですよ!」
快(魔)「駄目に決まってる!」
双方、w新一を抱き締める。
時(舞)「ほら、巾着。もう一つ願を言え」
新(魔)「あ、そっか」
ぱかっとひらく。
新(魔)「青海ちゃん、圭さんを止めてくれ!」
びゅお〜っと突風。
圭(魔)「あれ?」
ひしっと、圭さんに抱きついている青海ちゃん。どうやらずっと止めようとしていたらしい。
青(魔)『こ、これ以上やったら可哀相!』
圭(魔)「…」
ちょっと考える圭さん。
にっこり笑って、生きた屍を女史たちに渡した。
圭(魔)「貸してあげるV」
ええ!?
志(舞)「あら、ありがとう」
えええ!?
…やっぱりこうしないと止まらないのね?圭さん。

 

 

 

るんるんと、哀と志保と紅子は屍になりかけた相手を連れて行った・・・。
何処へ連れて行かれるかは・・・。そのうちわかる。うん。
圭(魔)「青海ちゃん。」
抱きしめている・・・兄弟愛を確かめ合ってるの?
キ(舞)「なんとかとまりましたね。」
快(魔)「良かったぁ。」
快(舞)「一時はどうなることかと思ったよ。」
それぞれ新一抱き込んで一言。
時(舞)「とりあえず、ここの片付けでもするか。」
新(舞)「離せ。」
二人をはがして立ち上がる新一。
時(舞)「頼むな。」
新(舞)「力、貸してな。」
二人で一瞬で部屋の破壊を直しました。
一応、トップの遊女屋ですからね。外面もいろいろと商売に関わりますから・・・。
新(魔)「片付いた。あれ、いいな。」
快(魔)「家の片付けは俺がしっかりやってるからいいでしょ?」
新(魔)「たまにいるだろ?テロとか復讐とか考える奴が無茶な事をして・・・。」
快(魔)「その時は死を覚悟させて反省させますよ。そもそも、そんな事を起こさせ
る前に捕らえます。」
キッド口調。なぜに?
寺(魔)「上ですごい音がしていたようですが・・・。」
気になってあがってきたらしい。
キ(舞)「犯人も捕らえて片付けました。彼女達が連れて行ったので、頃合を見て連絡した警察に引き渡して下さい。」
寺(舞)「わかりました。」
キ(舞)「それと、彼等が食べると思いますので、餡蜜用意しておいて下さい。」
圭(魔)「え?くれるの?」
新(舞)「かなり、耳がいいね。」
快(魔)「餡蜜・・・。」
キ(舞)「圭さんと青海ちゃんの分だけでいいですから。」
快(魔)「え〜?!」
ひど〜いとしがみついてくる。しかも、離れてくれない・・・。
寺(舞)「意地悪はいけませんよ、キッド様。三人分用意しますよ。あとの方にお茶を用意したらいいですか?」
キ(舞)「意地悪というわけではありませんよ。ただ、昨日から食べすぎなのでいろいろと思う事があるだけなのですよ。ま、いいです。」
新(舞)「・・・絶対君主・・・。」
キ(舞)「新一は少し黙っていましょうね。・・・それと、持ってこれた後は、一度黒羽邸に戻って下さい。仕事が残っているでしょう?」
寺(舞)「わかりました。」
快(舞)「・・・俺も一度帰るべき?」
キ(舞)「そうですね。君主がいないと話になりませんからね。」
快(舞)「そういうキッドはどうなのさ?」
キ(舞)「昨日新一と先にあがった間にすませました。」
新(舞)「そういえば、真面目に仕事された書類があったなぁ・・・。」
とりあえず、寺井が持ってきた餡蜜を食べて大人しくなる三人。
新(魔)「・・・快斗は快斗だよなぁ・・・。」
快(魔)「(幸せ)」
もぐもぐと喰う男二人と少女一人。

そんなのんびりとした空間がある一方で、とある部屋はかなりな邪気が・・・。
哀(魔)「うふふ。こうなるのね。」
志(舞)「さて。時間ももうないから、最後の実験しようかしら。」
紅(舞)「ある程度、結果も揃ったわね。」
捕まった男の運命は・・・?

 

 

 

新(魔)「さてと、なんだかよくわかんないけど事件は解決したんだよな?」
新(舞)「脱走した奴は捕まったしな」
死にかけてるけどね(笑)
快(魔)「…今何時?」
キ(舞)「丁度昼になった所ですよ。まだ外が明るいでしょう」
時(舞)「この明るい中を走り回ってたんだよな。目立ったな〜」

圭(魔)「これ美味しいよV」
青(魔)『甘いの』
圭(魔)「うんVそうだね〜」
快(魔)「うわ、ここだけ空気がピンク色だ」
キ(舞)「気にしていたら飲み込まれますよ」
空気にね。

新(舞)「ヤバイ…パターンではこの暇な時間に事件が起こるんだ…」
新(魔)「暇だからか?」
新(舞)「ああ、暇だからだ」
暇だからなのか?
圭(魔)「じゃあさあ、暇じゃなくなればいいの?」
快(魔)「圭さんは黙ってー!!絶対事件になるから!」
青(魔)『?』
キ(舞)「暫らくのんびりしていることも必要でしょう。少しは休んでください。特に新一」
新(舞)「う、なんでだよ」
キ(舞)「力を使いすぎています」
圭(魔)「じゃあ、お昼寝でもする?」
圭さん、とことんすることないね。
…やっぱり事件?

 

 

 

寺井に頼んでお布団用意!
圭(魔)「〜♪(←かなりご機嫌)」
キ(舞)「複雑ですね・・・。」
快(舞)「ひ〜ど〜い〜〜〜〜。」
新(舞)「・・・そっち行きたい。」
新(魔)「俺はこっちで大人しくしている。」
快(魔)「・・・(新一をしっかりガード?)」
現在、彼等の配置はというと・・・。
哀(魔)「右から青海ちゃん、圭さん、あっちの新一君、あっちの白い彼、あっちの彼、こちらの彼、こちらの新一君よ。」
志(舞)「お昼寝ぐらい、大人しくしたらどうなの?」
快(舞)「だって。(ぐすん)」
新(舞)「快斗、こっちこい。」
快(舞)「(晴れるような笑顔)何?」
新(舞)「お前ここな。キッドずれろ。」
キ(舞)「はいはい。」
新(舞)「ほら。これでよし。」
快(舞)「あ、あの・・・。」
快(魔)「頑張れ、俺。」
背後から冷たい何かが・・・。
新(舞)「・・・もう、寝る。」
キ(舞)「はやく寝て下さい。」
新(魔)「また事件が起きたら困るから、寝よう。」
快(魔)「起こることは前提にされているんだね。ま、いいけどね。」
もそもそと薄い布団の中へともぐる。
圭(魔)「寝ようね。」
青(魔)「うん。」
ちょっと空気が和んだ?
とりあえず、やっとお昼寝な人達。

 

 

 

お昼寝をしている男性陣の横で、女性陣はなにやら怪しい薬を制作していた。
哀(魔)「…これをどうするのかしら」
志(舞)「今がチャンスだから、誰かに盛って見る?」
紅(舞)「おかしな所で無防備だから…そうね。誰がいいかしら」
うわあ物騒な会話。
誰にしようかとか言いながらもターゲットはやはりあの三人。
哀(魔)「…効果は?いつ現れるのかしら」
紅(舞)「起きた頃にはもう効果が現れているはずよ」
志(舞)「私たちの横で寝ようだなんて無防備すぎるわよね」
くすくすくすと、笑い声が響きました。
圭(魔)「(何が起こるのかな♪)」
どうやらおきてたみたいです、この人。


快(魔)「ギャあ―――!!」
新(魔)「ど、どうした快斗!?」
奇声一発。雄鶏代わり。
ばたばたと目を覚ます方々。
快(舞)「煩いなぁ…て、あ」
キ(舞)「…」(真っ青)
新(舞)「…あれ?」
青(魔)『…?』
圭(魔)「わV」
新(魔)「…快斗、か?」
そこにはちっこい猫がいた。
そしてところどころに、その被害を受けた方々が。
快(魔)「新一〜」
キ(舞)「…こんなことをするのは…」
快(舞)「かぎられてるよなやっぱ…」
青(魔)『…可愛い』
圭(魔)「本当に可愛いねV飼う?」
新(舞)「圭さんストップ!!(汗)」
…やっちゃったよアニマル化…。

 

 

 

快斗魔は新一魔の腕の中に。
新一魔の両サイドの肩に乗るキッドと快斗舞
快(魔)「どうやったら戻るの?」
猫だったら、いいらしい新一が指でごろごろと構ってくれる。
哀(魔)「未定よ。」
新(舞)「もう戻らない事はないんだろ?」
志(舞)「勝手に戻るわよ。それに、その姿だったら、害はないでしょう。」
快(魔・舞)「うっ。」
キ(舞)「・・・。」
新(舞)「でも、どうしようかな。」
哀(魔)「どうかしたの?」
寺(舞)「皆様。・・・?」
新(舞)「こういう事。あ、寺井さん。キッドと快斗ともう一人はこの通り猫になっていますが、あまり気にしないで下さい。」
寺(舞)「はぁ。わかりました。とりあえず、クッキーとお茶の用意が出来ましたので、一つ下の部屋へどうぞ。」
圭(魔)「クッキーかぁ。おいしい?」
寺(舞)「自信はございませんが、一口だけでもいかがですか?」
圭(魔)「貴方が出すものは全部美味しかったから食べるよ。あ、青海ちゃん行こう。」
にっこりとご機嫌の様子。
新(魔)「とりあえず、行く?」
快(魔)「行く。そして食べる。」
新(魔)「猫にお菓子ってよくないんじゃなかったっけ?」
快(魔)「俺はいいの。」
哀(魔)「貴方の分は片付けてもらえば問題ないじゃない。」
快(魔)「いや〜、俺も食べる〜。」
新(魔)「情けないな・・・。」
すでに圭あたりは下へ行った。
新一にすりすりと顔を寄せる猫キッド。うみゃぁと言葉も猫化しているのか叫びながら毛を逆立てる快斗を連れて新一舞も移動。
猫君達は新一の膝の上でクッキーを食べてます。
圭は相変わらず、ぱくぱくと何枚も何種類もいってます。
胃袋どうなってるのか謎。
新(舞)「本当に、よく食べますよね、圭さんって。」
圭(舞)「おいしいしね。」
快(魔)「前おごらされたし。」
圭(魔)「新一君をおごったじゃない。それに、その後は会計僕がしたし。」
新(魔)「・・・これだけ食べられたんだったら・・・。」
快(魔)「そうです。莫大な代金を払わされました!」
泣きながらも食べる快斗。食い意地張ってるなぁ。猫でも。

 

 

 

圭(魔)「ほら新一君もたくさん食べなくちゃV」
新(舞)「え」
新(魔)「…お菓子はちょっと」
どさどさと渡されて困る新一ズ。
快(魔)「新一を困らせるなよ」
圭(魔)「僕の誠意だよ」
快(舞)「嘘だ。誠意なんて言葉から一番かけ離れてるくせに」
キ(舞)「笑顔で嫌がらせしているようにしか見えません」
圭(魔)「…へえ、そんなこと言っちゃうんだV」
新(魔)「う!(何かに気付いた)」
新(舞)「か、快斗にキッド!!謝っとけ!なんか怖い!」
圭(魔)「せっかく直して上げようと思ったのに仕方がないなぁ〜。しょうがないからこの解毒剤は彼女たちの研究材料として譲渡しようっとV」
哀(魔)「あら」
志(舞)「私たちにとっては願ってもないことね」
快(魔)「わ〜〜〜!!というか圭さん!いつの間に解毒剤なんて…っ」
圭(魔)「ふふ、僕の職業忘れたの?」
キ(舞)「ただの愉快犯じゃなかったんですか」
圭(魔)「僕は薬剤師なんだ〜Vね、青海ちゃん」
青(魔)『うん。兄さんは薬剤師で、いろんな薬の調合をしてるんだよ』
圭(魔)「彼女たちが薬を盛るのも見てたし」
快(魔)「止めろよ!」
圭(魔)「面白そうだったから解毒剤作ってあげたのに、いらないなら用済みだしね〜」
快(舞)「にゅあー!」
新(舞)「快斗、猫語猫語」
快(舞)「それが本物なら下さい!」
キ(舞)「かなりの博打ですがね」
圭(魔)「ふっふっふ、どうしようかなV」
クッキー食べながら言われても迫力ありません。
圭さんの胃袋ブラックホール。
まだ余裕そうです。
新(舞)「…圭さん。もっとたくさんお菓子あげますから、それくれませんか?」
圭(魔)「わあい本当?ありがとうV」
意外とあっさり。
…青海ちゃんがいるからか?
だが渡されたのは錠剤で、猫じゃ飲めません。
新(魔)「どうしようか…」
新(舞)「粉にして大丈夫かな…形変えたら効き目がなくなるって話もあるし」
困る二人に追い討ち。
圭(魔)「あ、それ。口移しね」
新(舞・魔)「「は?」」
快・キ(舞・魔)「「口移しぃ?!」」
猫の状態でそれは嬉しいのか、複雑なのか。

 

 

 

新(舞)「本気で口移しですか・・・?」
新(魔)「誰がやるんだ?(現実逃避気味)」
やっぱり、圭やお隣さんあたりはいろいろと物騒な気がしますし。
快(魔)「新一・・・(どきどき)」
快(舞)「・・・。」
キ(舞)「・・・。」
三匹共に新一を見上げる。
新(舞)「うっ・・・(見つめられるのが弱い・・・?)」
新(魔)「う〜、やるの?」
悩んで薬を持って見つめる。
新(舞)「後々面倒だし。」
ひょいっと猫快斗抱き上げて、口移し・・・。
その間、気に入らないキッドはたしたしと新一の膝の上で訴える。
新(魔)「おー、やってる。じゃぁ、俺も。」
猫快斗抱き上げる。どっちもある意味どきどき。
快(魔)「すぐには戻らないの?」
圭(魔)「んー、五分位すれば戻るんじゃない?」
ぼりぼりと食べる。
快(魔)「新一ー。」
次はキッドだともう一匹を抱き上げる。その間は下に降ろされてしゅんっとなってる。
さてさて、三匹とも口移しで薬を飲んだ。
やっぱり、圭はお菓子をひたすら食べていた。よく太らないね・・・。
キ(舞)「そういえば、服はどうなっているのでしょうね?」
新(舞)「そういやそうだな。」
快(舞)「謎だねぇ。」
ひょいっと二匹を摘み上げた。
新(舞)「上にあがってようか。そっちもあがるか?」
新(魔)「そうだなぁ。」
快(魔)「あがりたいかも・・・。」
新(舞)「そうだよな。それで裸だったら、いろんな意味で嫌だからなぁ。」
哀(魔)「そうね。彼の裸なんか見てもしょうがないわ。それに、お菓子の美味しさが台無しになるわ。」
志(舞)「青海ちゃんがいるから、圭さんあたりに徹底的に処理されちゃうわね。」
紅(舞)「訴えられても何もいえないものね。」
快(魔・舞)「「・・・。」」
キ(舞)「行きましょう。」
腕に抱いて、W新一は最上階へと戻るのだった。
その間、やっぱり彼等はお菓子とお茶を楽しみながら、何かと物騒なお話をするのでした。

 

 

 

哀(魔)「無味無臭のものはやっぱり難しいわね」
圭(魔)「匂いは香料で誤魔化して、味も調味料で誤魔化すしかないしね」
志(舞)「それか、食べ物に似せて作るとか」
紅(舞)「匂いと味の強いものね」
圭(魔)「珈琲とかに入れたらわかんなくなるしね」
青(魔)『(犯罪者の会話みたい…)』
間違ってないぞ、青海ちゃん。
お茶会をしながらなにやら怖い会話をくりひろげております。


ばたばたばたばたばた。


ばたん!


快・キ(舞い・魔)「「圭さん!!」」
圭(魔)「あV」
哀(魔)「あら」
志(舞)「…なるほど」
快斗とキッド(舞・魔)が乗り込んできた。
一応、人間の姿にはなっている、が…。
青(魔)『あれ?お兄ちゃんたち、お耳がついてるよ』
そう、青海の言う通り不完全だった。
快(舞)「なんじゃこりゃー!!」
快(魔)「完全に戻んないじゃん!!」
キ(舞)「何となく予想はしていましたが、どういうことですか!!」
圭(魔)「愛が足りなかったね」
快・キ(舞・魔)「「茶化すな!!」」
新(舞)「圭さ〜ん(汗)」
新(魔)「なんか中途半端なんですけど、こいつら」
猫耳なんてマニアックな姿はなるべくお目にかかりたくなかった。
圭(魔)「えへ。一錠じゃなくて二錠だったかなV」
一同「「圭さん!」」
圭(魔)「嘘だよVちゃ〜んと戻るから、新一君にくっついてれば」
新(舞・魔)「「え?」」
快(魔)「新一にくっついてればって…」
キ(舞)「言われなくてもそうしますが」(おい)
快(魔)「どういうこと?」
圭(魔)「だって君たち今新一君欠乏症でしょ?」
快・キ(舞・魔)「「(誰の所為だ!!)」」
主に圭さんの所為です。
だからと、圭さんはやけににっこりと笑います。
圭(魔)「それが満たされれば治るよ」
快(魔)「圭さん…」
キ(舞)「最後の最後になんていいことを…」
新(舞)「ちょっと待て!」
新(魔)「暑苦しいぞ!」
快(魔)「…新一〜(涙)」
圭(魔)「抱きついてれば三十分くらいで治るからVその間は我慢しよV僕らぶらぶなところ見てないからVV」
それが見たいのか傍観者!!
だか今回ばかりは、彼らは一も二もなく新一に抱きつき新一欠乏症を慰めるのだった。

 

 

 

新(舞)「重い・・・。」
キ(舞)「では、こうしましょうか。」
ひょいっと新一舞はキッドの膝の上。背後から伸びる腕。
快(舞)「あ、ずる〜い〜〜〜。」
新(舞)「うるさい。大人しくしてろ。」
キ(舞)「やっぱり、新一の側にいるのが一番落ち着きますね。」
新一の膝枕でお休みする事にした快斗。そこまでは何も言わないキッド。
そして、いつの間にか、彼等は寝ていた。
ちなみに、キッドの背中は壁ですよ。
なんだかんだいって、彼等は甘かった。
すやすやと寝息を立てて・・・。この後どうなることやら。

さて、こちら側。
新(魔)「もう寝やがった・・・。」
はやいな、こいつとのん気に寝顔を観察中。
快(魔)「・・・うに〜・・・しん・・・ち・・・。」
新(魔)「・・・でかい寝言言うな、バカ。夢の中でも俺かよ。」
鈍い彼は気付く事はなし。
新(魔)「それにしても・・・。」
ふにっと快斗に生えた耳をさわる。
新(魔)「昼寝してると、本当に猫みたいだな。それとも犬か?」
結構こちらも甘かった。
そして、新一も眠気に誘われて、そのままお休みモードへ・・・。

圭(魔)「残念だな。」
傍観しようと思ったが、部屋に閉じこもった彼等。部屋は違うけどね。
哀(魔)「甘くてはきそうになるから遠慮したいわ。」
志(舞)「そうね。」
紅(舞)「あら。どうやら彼等五人は寝たようよ。」
志(舞)「どうりで静かなわけね。」
こちらの四人はのん気に相変わらずお茶を。そして圭はまだまだ焼き菓子を食べていた。

 

 

 

圭(魔)「そういえば」
志(舞)「どうかして?」
彼らに対抗(?)して青海ちゃんを膝に乗せてお休みタイムな圭さん。
圭(魔)「時矢君がいないよね」
…結構前からね。
つか、彼に君つけるの止めて下さい。
紅(舞)「そういえば、いないわね」
哀(魔)「騒がしすぎて忘れていたわ」
青(魔)『にゅー…』
圭(魔)「V」
哀(魔)「自分で言っておいて早くもどうでもいいのね」
圭さんは気まぐれさんです。
時(舞)「話題に出されて即忘れられるのは流石に悲しいな」
志(舞)「あら、いるじゃない」
紅(舞)「どこへ行っていたの?」
ニュッと現れた時矢さん。
時(舞)「忘れているみたいだから、ゲートの様子を見に」
紅(舞)「あら、どうだった?」
時(舞)「異常なし。そろそろ移動したほうがいいと思って、言いに来た」
志(舞)「そう…でも今は動けないわよ」
少なくても後三十分は。
特に圭さん動く気なし。
だが彼を置いていかれるのだけは勘弁してもらいたい。
志(舞)「…まあいいわ。それまでゆっくりしていましょう」
時(舞)「そうだな」
紅(舞)「お菓子はもう彼に全部食べられているけれどね」
一体いくつ食べたの圭さん!!

 

 

 

もぞもぞ・・・


新(舞)「・・・うにゅ・・・。」
頬に触れる温かいもの。
新(舞)「・・・ド・・・・・・ぃと・・・。」
視界に現れた二人の姿。ねむねむと眼をこする姿を見て、可愛いと思っている二人。
新(舞)「・・・っ!戻ったのか?!」
すぐさまお目覚め?二人の姿を確認。
キ(舞)「しっかりと戻りました。」
快(舞)「耳なくなったよ。」
三人和やかににっこりと笑み。

さてこちら。
新(魔)「・・・・・・ん・・・。」
眼を覚ます。
新(魔)「・・・いつの間にか、寝てたのか・・・。」
ふと、足の重みに気付く。
新(魔)「あ、戻ったんだな・・・。良かった。」
ふんわりとした天使のような笑みで快斗の頭をなでる。
それによくしたのか、すりすりとすりよってくる快斗。
新(魔)「耳がなくなっても、まだ猫だな、こいつ。」
くすくすと、しばらく寝かしてやる事にした新一だった。

圭(魔)「なかなか降りてこないね。」
志(舞)「あと30分だけなら待つわ。それ以上なら、起こしに行くからいいわよ。今はまだ、静かな方がいいもの。」
哀(魔)「それに、まだ話が終わっていないもの。」
青(魔)『(まだ続くのかな。事件みたいなお話)』
時(舞)「ほどほどにな。」
お土産として持ってきてくれたお菓子をかじる。
圭ももちろん、ぱくぱくとすごいスピードでかじる。
どれだけ食べるつもりですか?食糧難の危機?!

 

 

 

新(舞)「こいつらも元に戻ったことだし、そろそろ帰宅の準備しないとな」
快(魔)「…どうなってたんだろあれ…」
新(魔)「本当にくっついてるだけで治ったからな…」
キ(舞)「薬品がまったく関係なくなっていますね」
圭(魔)「それは言わないお約束V」
青(魔)『そうなの?』
時(舞)「どうだろう」
志(舞)「まあとりあえず、ゲートに向かうには外へ出なくてはならないのだけれど、この前みたいに変装していくか…それともふっ飛ばしてみるか、どうしましょうか」
新(舞)「時間に余裕もあるし、歩いて行ってもいいんじゃないか?」
キ(舞)「その場合あなたは何時ものあれですね」
新(舞)「…」
新(魔)「…俺もか?」
快(舞)「こっちでは新一、行方不明ってことになってるし」
快(魔)「見たいような怖いような…」
圭(魔)「僕は見て見たいな〜」
新(魔)「いやだー!!」
紅(舞)「わがまま言わないで、さっさと着替えて頂戴」
志(舞)「はい、これね」
哀(魔)「カメラがないだけましだと思いなさい」
新(魔)「撮る気だったのか?!」
哀(魔)「さあ着替えなさい」
新(魔)「流すな灰原!!」
圭(魔)「よく売れそうだよね〜」
売る気か圭さん!?
そして見事変装させられて、彼らはゲートの場所へと移動します。
…何事もなければいいよね。

 

 

 

新(魔)「・・・やっぱり変なんじゃないの?」
快(魔)「そんなこと無いよ。」
眼の保養?
新(魔)「なんだか、さっきから見られてるし。」
快(魔)「それは・・・。」
新(舞)「これだけの集団で移動していたら見られる。」
いや、そういうことじゃないんですってば。そっかと納得する新一も新一。
キ(舞)「そんなに笑顔を振り撒いてはいけません。」
快(舞)「変な虫がよってくるから。ほら、綺麗な花にはね。」
しっかりと左右でガード。
圭(魔)「大丈夫だよ。もし不届きな事をする人がいたら、処分してあげるからvv」
楽しそうだな、おい。
志(舞)「このまま何も無ければいいのだけどね・・・。」
紅(舞)「忘れていたけれど、彼が残っていたわね。」
その噂の人物登場?!
和(舞)「あ、志保ちゃんやないの。それに黒羽の旦那にキッドの旦那やないの。」
平(舞)「あ、あの時の別嬪さん!」
現れたのは和葉と平次だった。
新(舞)「やべっ・・・お前は一緒に逃げるぞ。」
新一舞は新一魔の腕を攫んで走る。
しっかりとキッドと快斗舞は着いていく。ぽかんとしていた快斗魔も慌てて走る。
平(舞)「あー、いってしもた。」
和(舞)「まったく、平次が悪いんや。」
まぁ、あたってます。
志(舞)「今は急いでいるから、ごめんなさいね。」
和(舞)「ええよ。」
圭(魔)「もしかして、こっちが敵?」
指差す先は平次。
平(舞)「敵って失礼なやっちゃな。わいはこの街を守る警察の端くれや。」
圭(魔)「ふーん。」
忘れてはいけないが、彼は逃げた殺人犯です。別世界の。
哀(魔)「彼等、どんどん行っちゃうわよ?」
時(舞)「しょうがないな。」
行くかと走り、細い道にまがって、そこから風で飛びます!
紅(舞)「貴方がいると、たまに楽ね。」
時(舞)「そりゃどうも。」
なんとか追いついた?

 

 

 

新(魔)「あ、あっちの服部はどうなった?」
志(舞)「問題ないわよ」
圭(魔)「犯罪者に気付けないようで警察がよく出来るよね」
んなむちゃくちゃな。
それを言うと中森警部だって大変だ。
時(舞)「そろそろ時間が来るな」
新(舞)「あ、意外と早いな」
紅(舞)「いろいろあったものね」
快(舞)「いつもこんなだから大変だな〜」

そんなこんなで、ゲートのまん前。
紅(舞)「例によって例の如く、魔法陣を作成するから下がっていなさい」
圭(魔)「勉強したいかも」
快(魔)「誰かこの人抑えてて」
新(舞)「圭さ〜ん」
被害が出そうでいや。
順調に魔法陣を書いていく紅子さん。
圭(魔)「今度こそお別れだね」
新(舞)「流石に同じところで二度もはないと思います」
快(舞)「なんとなく、あんたよりだったらへたれな俺のほうがよかった気がするよ」
キ(舞)「新一を取られる心配がありませんでしたからね」
快(魔)「そのへたれって何」
快(舞)「まんまの意味だよ」
新(魔)「快斗がへたれてるところなんていつも見てるけどな」
快(魔)「…新一(涙)」
圭(魔)「さて本当に、お別れをしておこうか」
紅子さんの魔法陣が出来たようです。
圭(魔)「こういう文字って消したくなるよね」
快(魔)「人の努力の結晶を消すな」

 

 

 

新(舞)「さて。安全面を考えて一つやりますか。」
よおっしっと意気込む新一舞。
新(魔)「何かするのか?」
新(舞)「おう。祈祷みたいなもんだ。」
紅(舞)「ついでに、力も与えてくくれるかしら。何度も使っていて、エネルギーが減っているみたいだから、何かあったら困るでしょ?」
新(魔)「足りなくて可笑しなところに飛ばされたら嫌だな。」
快(魔)「だね。無事に帰れますように!」
新(舞)「だから祈祷するんだろ!」
何せ、本業ですしね、これでも一応巫女さんだし。
突如空気が変わった。
圭(魔)「すごいね。でも、この空気をまた、変えたいね。」
快(舞)「邪魔すると帰れないよ?」
キ(舞)「それに、新一に負担がかかります。」
圭(魔)「そっか。帰れないのは青海ちゃんといられるからいいけど、新一君に負担がかかるのは駄目だね。」
結構真面目な事を言っている気がすると思うのは気のせい?
新(舞)「この地を守り、我を守護する精霊達よ。我が声を聞け。」
妖しい儀式には見えないのがすごいところ?
新(舞)「彼の者達が無事にあるべき場所へ戻れるよう、力を貸し、守りたまえ。」
さぁっと、風が吹きぬける。

そして、空を覆っていた厚い雲は消え去り、蒼い空が見えた。
新(魔)「あいかわらず、すごいよな。」
快(魔)「新一は真似しなくていいからね。」
新(魔)「どうしてさ。」
快(魔)「どうしても。・・・じゃないと、圭さんに近くなっちゃう。」
新(魔)「・・・。」
圭(魔)「呼んだ?」
快(魔)「呼んでません。」
志(舞)「急いでそこに並んで頂戴。」
新(魔)「おう。」
哀(魔)「なんだか慌しくてゆっくりできない日々だったわね。」
紅(舞)「でも、あえて楽しかったわよ。」
哀(魔)「それはね。」
志(舞)「お餞別。」
資料と何かの液体の入った瓶・・・。
快(魔)「妖しい取引は駄目。」
しかし、しっかりと哀は持ち帰るためにしまう。
新(舞)「じゃーな。巾着は後一回だから、気をつけろよ。」
新(魔)「そっか。三回だったもんな。後一回残ってるや。」
快(魔)「・・・ちょっと物騒だね。」
圭(魔)「わぁ、ありがとう。」
何がと突如お礼を言う圭の声で振り向く快斗。
快(舞)「寺井ちゃんからのお土産だって。」
嫌だが、まぁ、客だったので。今度は哀から聞いたシュークリームとやらを挑戦して作ったらしい。
圭(魔)「おいしい。」
皆でわけてというつもりが、すでにぱくぱくと食べる人。
キ(舞)「ま、いいですけどね。」
志(舞)「ゲートが動くわ。」
紅(舞)「また会える事を願っているわ。」
快(舞)「えー、やだー。」
とりあえず、彼等は帰るのだった。

 

 

 

ぼてぼてすたっ。


圭(魔)「わあ、本当に帰って来れたね」
快(魔)「…圭さん、わざと?」
しっかり人の上にて着地。
新(魔)「慌ただしかったな〜…」
次はもっとゆっくりしたいという新一と、次がないことを祈る快斗。
哀(魔)「でもあなたいい思い出ができたでしょう。ファーストキスが猫の状態で、というのはお笑いだけれど」
快(魔)「わー!わーわーわーー!!////」
新(魔)「?」
圭(魔)「いつ見ても飽きないなV」
そう言って立ち上がる圭さん。
圭(魔)「じゃあ僕はこれで。楽しかったよV」
新(魔)「あ」
さっさと退場していた圭さん。
哀(魔)「じゃあ私も…いい結果が出そうだわ」
餞別を持って引き上げる哀。
いや、怖いって。
新(魔)「お前は帰らないのか?」
快(魔)「もうちょっとここにいる…で、新一。巾着最後のお願いは何にするの?」
そういえば、そうだなぁ。
うーんと唸ってから、手を叩く。
新(魔)「俺、あいつにちゃんとお礼言ってない…それ、伝えておいてくれ」
快(魔)「え、そんなんでいいの?」
新(魔)「いいんだよ――頼む」
?「かしこまりました」
突風が、吹く。

新(舞)「ん?」
快(舞)「どうしたの?新一」
キ(舞)「何か聞こえましたか?」
新(舞)「…まーな」
お礼が聞こえた。
粋なことしてくれるじゃないかと、笑う。
快(舞)「さてと」
新(舞)「へ?」
キ(舞)「今回も彼に盗られ続けましたから、覚悟して下さいね」
新(舞)「お、お前ら〜!」
そうして、過ぎていくそれぞれの日常。
平和に終わって、(?)よかった、かな?

 




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