新(魔)「・・・。」
快(魔)「・・・。」
気がついたら見知らぬ街にいた。まさに、そんな感じ。
新(魔)「・・・なぁ。」
快(魔)「俺としては、夢がいいんだけど・・。」
目の前に広がるのは、映画村のような、日本家屋があり、ほとんど和服の、かつての日本のような場所。
新(魔)「・・・つい最近の出来事を思い出したんだが・・・。」
といっても、一ヶ月ほど前。
快(魔)「俺もちょうど思い出してたところ。」
和服来たそっくりさんと出会った日のこと。


その時。
志(舞)「あら。」
新(魔)「・・・もしかして・・・?」
志(舞)「なんだか、お約束な展開ね。今度は貴方達が来たのね。かつての貴方達と同じように。」
もちろん、へたれ君と死ぬ事のない変わった人の事。
志(舞)「いくら洋服もあるといっても、まだここは和服が主流。目立つわ。」
いらっしゃい。私も帰るところだったからと、誘われる。
まぁ、どうしようもないのでついていってみる。

さて、やってきたのは大きな遊郭の中に権力を見せ付けるかのように建つ大きな遊女屋。
新(魔)「・・・これが・・・?」
快(魔)「・・・いってた、キッドの家?」
志(舞)「そうよ。はやく入りなさい。主人の友人で、アポありだと言えば、簡単に通れるわよ。」
第一に、ここには権力者の志保がいるので問題なし。
園(舞)「あ、哀ちゃん。」
快(魔)「(哀ちゃん?)・・・。」
志(舞)「彼等、主人の客人だから、上までつれていくわね。今日の仕事、なかったわよね?」
園(舞)「客人?どうりで似てると思った。それに、どっかの事件に突っ込む誰かさんとそっくりだし。」
悪気はないようだが・・・。
園(舞)「仕事は今日はないわよ。明日は入っているけど、この人は蹴っても問題ないけど?」
志(舞)「なら、丁重にお断りしておいてもらえる?」
園(舞)「わかった。」
じゃーねと、かなり知っている人間で性格も同じだが、知られていないというのがいろいろと微妙なところ。

そして、やってきました最上階。
快(魔)「なんだか、つくづく嫌味な・・・。」
志(舞)「本来は、ここはおじさま・・・工藤優作氏の持ち物よ。」
ただ彼が受け継いだだけよと言えば、新一魔のこめかみがぴくりと動く。
志(舞)「客連れてきたわ。入るわよ。」
志保か〜?と中から聞こえる声。まさしく新一舞だった。
がらりと障子を開けて、中に入る。
新(舞)「お。お前等。」
キ(舞)「なら、またってところですか・・・。」
これから人探しになるのか・・・?
ちなみに、キッドは新一をしっかりと腕の中で抱いている。
快(魔)「(これって、見せつけ?惚気?嫌味?!)・・・。」
新(魔)「(俺が、俺が・・・!!///)・・・。」
いろいろと複雑な二人だった。


そこへ
快(舞)「やっほー。新一〜、会いに来たよ〜〜〜。」
窓からの侵入者?!
快(舞)「あ。あっちの俺だ。」
ちなみに、こいつはへたれ?それとも少しへたれ?とかなり失礼な聞き方。
志(舞)「彼等は、圭さんのところの人達よ。」
これから、彼をまず探さないとあとあと面倒だわと言う。
新(舞)「確かになぁ・・・。」

 

 

 

キ(舞)「さて、あなた方がこちらへ来てしまったということは…そちらの女史も?」
新(魔)「一緒にいたから多分な」
快(魔)「探しに行かないと」
新(舞)「まずはじめることって決まってるよな」
快(舞)「人探しはパターン化されてるよね」
志(舞)「事件が起こってないといいけれど」
新(舞)「で、圭さんは来てるのか?」
し〜んと、静まり返った一同。
新(魔)「圭さんは…」
快(魔)「来てない来てない」
快(舞)「そうそう来てない」
キ(舞)「来ていないことを願いましょう」
よほど逢いたくないらしい。
志(舞)「あの人のことだから新一君に逢えば妹にあえるとわかっているでしょうから、そのうち待っていればくるんじゃなくて?」
快(舞)「来そうだからいわないで!!」
キ(舞)「ではあちらの女史の捜索を…」
新(魔)「灰原の居場所わかるか?」
新(舞)「ん〜…結構近くにいるけど」
新(魔)「ちなみに圭さんいるか?」
新(舞)「あの人気配が薄くてわからねぇよ」
さすが。
快(魔)「いいか、ヤバイと思ったら即逃げろ。あの人が来たと思ったら全力で逃げろ」
快(舞)「振り向いたら負けだね」
キ(舞)「新一とあわせたらまた取られてしまいます」
快(舞)「それだけは避けねば!!」
なにやら燃えてます。あの人たち。
…無駄な努力だと思うぞ、私は。
快・キ(舞・魔)「「うるせー!」」

新(魔)「なあところで、時矢さんは?」
新(舞)「あいつはいつも気まぐれでわからない」
新(魔)「…ちょっと気になったんだけど、こっちに圭さんのそっくりさんはいないんだな?」
新(舞)「…とりあえず俺の知り合いには」
新(魔)「まさか青海ちゃんのそっくりさんとかいないよな」
新(舞)「…」
いたら怖いな。結果が。
快(魔)「いたとしたらその子危険だよ」
新(魔)「たしかに。そっくりでも青海ちゃんじゃないからな。偽者とか言ったりして殺しそうだ」
新(舞)「じゃ、いないってことで」
新(魔)「圭さんがいたら捕獲(?)したほうが安全かも…」
世のためを考えると。
新(舞)「あ、あっちの哀が反対方向に行く」
キ(舞)「では連れ戻しに行きましょうか」
快(舞)「悪魔に逢いませんように悪魔にあいませんように!!」
新(魔)「…」
志(舞)「阿呆ね」

 

 

 

新(舞)「・・・あれ?」
キ(舞)「どうかしましたか?」
出かける用意をしていた時でした。
新(舞)「なんだか、展開が予想できているんだけど、これはおいておいて。」
快(舞)「おいておいて・・・?」
新(舞)「これから連れ戻しに行く哀が凄いスピードでこっちに向かってる・・・。・・・それも、一直線に。」
新(魔)「・・・(そんなことできたっけ?)。」
快(魔)「・・・えっと、原因は?」
キ(舞)「また、お約束とおいますか、彼ですか。」
新(舞)「ああ。しかも・・・。」
時(舞)「やぁ、久方ぶり。前のようにどうやらあちらの方々着たみたいだね。だから、連れてきた。」
厄介な方向へ行こうとするものだから。
快(魔)「・・・あ・・・(脇に抱えられている哀に、恐怖を覚える)」
なんてことをと思っている事だろう。
哀(魔)「まったく。酷い眼にあったわ。」
新(舞)「以前こっちにきた哀も、同じようにあいつに突然連れてこられた。」
哀(魔)「そうなの。・・・それにしても、以外と速い、ある意味もう会わないと思っていた再会ね。」
志(舞)「そうね。」
ぐるりとみて、一番の厄介な人がいないのに疑問。
哀(魔)「見つかっていないの?それとも、一緒に来なかったのかしら?」
新(魔)「・・・さぁ?」
新(舞)「経験上、かなりの確率でこちら側に来ていて、すでに問題になっていると思うんだけど・・・。」
キ(舞)「まったく、嫌ですね。」
受話器をとる。なんだか、やっぱり古いと言うか・・・。
キ(舞)「私です。寺井。申し訳ございませんが、今から竜崎圭と言う、以前話した男を捜してもらえませんか?」
・・・何やら話しているところで、どうも顔の表情が変わるキッド。
キ(舞)「わかりました。」
新(舞)「どうした?」
キ(舞)「すぐに引き取ります。ええ、主人を家に帰しますから。」

がちゃん

快(舞)「今の会話からして、ちょっと創造したくもないことが・・・。」
キ(舞)「ええ、その通りです。彼は貴方の家にいるようです。」
快(舞)「やっぱり〜〜〜(泣)」
新(舞)「遊女屋って言う時点で、あまり身体に悪いだろうから。黒羽邸に行くか。」
すぱっと、扇を取り出す。やっぱり、どこから出しているのかは不明。
快(魔)「今度はこっちの俺の家か?」
快(舞)「そうだよ。たぶん、部屋は余ってるから寝泊りは出来るはずだ。」
新(舞)「行くよ〜。風よ。我の声に答え、力を貸し、運びたまえ。」

さて、飛んできた一行は。
圭(魔)「やぁ。また会ったね。不思議な新一君。」
不思議って・・・。
彼は家に入っていると言われた部屋へと向かってみれば、ころっとした顔で、寺井が出してくれたワラビもちを食べていた。

 

 

 

圭(魔)「これおいしいねぇ」
甘いねえ嬉しいねえ。
パクパク嬉しそうに食べる圭さん。
その数に皆がげっそりとしている。
新(魔)「…胸焼けが…」
新(舞)「…(目を逸らす)」
快(舞)「いいな〜いいな〜」
快(魔)「いいね〜」
キ(舞)「…(無言だが羨ましそう)」
哀(魔)「…見たくないわね」
志(舞)「…すごいことになってるわね…」
紅(舞)「彼以外にここまで甘いものを食べる人がいたのね」
怖いねぇ。
圭(魔)「ところでここは何処なのかな?」
志(舞)「私たちの世界よ」
圭(魔)「ああ、そっか」
納得した圭さん。
キ(舞)「還る方法を探さなければなりませんね」
快(舞)「前の方法でいいかな」
志(舞)「いいんじゃないかしら」
快(魔)「どんな方法?」
新(舞)「俺たちと同じだよ」
新(魔)「あ、そっか」
圭さんと反応が同じだよ新一さん。
時(舞)「じゃあ場所と時間を調べないとな」
志(舞)「忙しくなるわね」
紅(舞)「…この前と同じ所にないかしら」
楽がしたいのね、紅子さん。

 

 

 

寺(舞)「快斗坊ちゃまも食べますか?」
快(舞)「食べたいけど、これから探しに行かないと・・・(涙)」
快(魔)「こっちでも俺は坊ちゃまなのか?」
新(舞)「お前は坊ちゃまだったのか?」
快(魔)「父親を旦那様と言っていたからじゃないの?」
新(舞)「こいつは、正真正銘のこの家の主で旦那様だが、年が年で盗一さん健在だから、坊ちゃまだぞ。」
快(魔)「確かに、これくらい立派な屋敷の息子だったら、坊ちゃまかもな。」
新(魔)「お前の家は違うよな。」
快(魔)「一般庶民ですから。」
新(舞)「俺としては、一般庶民として育ちたかった。」
キ(舞)「はいはい。そっちで仲良くお話もいいですが。」


ぐいっ
ぎゅっ
捕獲・・・?


哀(魔)「・・・そうとう、心が狭い男ね。」
志(舞)「あのまま大人しく、何年も続けてきたように片思いをしておけばいいものの・・・。」
紅(舞)「理由つけて手に入れてしまうからね・・・。」
快(舞)「心のない、権力者による力だねぇ。やだやだ。」
キ(舞)「快斗には言われたくありませんね。」
新(舞)「・・・(恥ずかしい・・・)」
圭(魔)「それで、どうするの?」
相変わらずぱくぱくと食いながら、あ、最後の一個だ。残念と言いながら言う。
甘いもの好きの面々に少し殺意が芽生えたりもする。
だが、実行できるはずがない。
それに、キッドと快斗にとっては、そんなことをしたら新一が泣くのでできない。
圭(魔)「あ、そうだ。」
新一舞を見る。
圭(魔)「今もここに青海ちゃんいる?」
新(舞)「・・・この前同様にいるけど・・・?」
圭がにっこりと妹といる時のような笑みを見せた。
・・・危険・・・?

 

 

 

圭(魔)「ということで――」
キ(舞)「渡しませんよ!」
圭(魔)「…まだ何も言ってないじゃない?(にっこり)」
快(舞)「言いたいことはわかってるよ。降ろせって言うんでしょ?だめ!」
新(舞)「…(汗)」
新(魔)「…圭さん」
快(魔)「不思議新一に逢えたからっていきなりそれはないでしょ」
圭(魔)「半日僕に新一君を譲るのと半年生死を彷徨うのどっちがいい?」
快(魔)「脅しかよ!?」
哀(魔)「…半日と半年のさが凄まじいわね」
時(舞)「さすがにそれは…」
キ(舞)「…っ(恐怖)そ、それでも渡せないものは渡せません!!」
快(舞)「そ、そうだー!(がくがく)」
圭(魔)「…ふう、しょうがないなぁ…そこまで嫌がられたら青海ちゃんに叱られちゃうよ…じゃあ僕は暇だからゲートを探してきてあげる」
新(舞)「え、圭さん?」
新(魔)「ここらの道、わかるのか?」
圭(魔)「僕にわからないことはないよV」
こわ!!
時(舞)「じゃ、俺も手伝うか。俺の仕事だしな」
いつの間にそうなった?
圭(魔)「じゃあ、いってきま〜す」
二人が立ち去ると、キッドと快斗(舞)が脱力した。
快(舞)「怖かった…!」
キ(舞)「…真面目に死ぬかと思いましたね」
快(魔)「…お前たち、勇者だよ」
何となくぽんっと二人の肩を叩いた快斗でした。
紅(舞)「…何かおかしな反応があるわ」
志(舞)「どういうこと?」
哀(魔)「また何かあるということ?」
志(舞)「…この間の死神の仲間かしら…」
新(魔)「…て、おいそれって…」
快(魔)「こっちの新一と圭さん…じゃなくて」
新(舞)「…青海ちゃんが危険だ」
さあ大変。

 

 

 

圭(魔)「それで、前と同じところを一回見るの?」
時(舞)「そうだなぁ。」


その時


青(魔)『・・・逃げて・・・。』
圭(魔)「青海ちゃん・・・?」
時(舞)「・・・っ?!奴がまだいたのか?!」
びゅおーっと風が吹く。
圭(魔)「何だか今、すごくむかつくものがいたような気がしたんだけど。」
時(舞)「確かにむかつくかもな。お兄ちゃんの大事な妹を連れ去ろうとした、前回の死神のお仲間が来たんだよ。」
圭(魔)「・・・それで逃げて、ね。優しいね、青海ちゃん。」
それにしてもと、目が・・・かなり危険。
圭(魔)「青海ちゃんに手を出そうなんて、どんな奴だろうね。」
見つけ出して血祭りにあげてやると、笑顔で言われてもかなり恐ろしい。
時(魔)「とりあえず、前回と同じ場所にある事だし、一度新一達のもとへ戻るか。」

さて。戻ってきた。
新(舞)「・・・帰ってきた。大丈・・・。」


ぐいっ
・・・捕獲?


なんだか、どこかであったようなパターン
快(舞)「わぁ、新一〜。」
快(魔)「・・・圭さん・・・?」
新(舞)「えっと・・・。」
圭(魔)「なんだか、青海ちゃんを狙う物騒な人がいるみたいだから、何か策はないかなって。」
見えないものをどうしようにも、さすがに無理なのである。
紅(舞)「じゃぁ、やっぱり現れたのね。同じ気配を持つ者。」
時(舞)「ああ。青海ちゃんの声が聞こえて、気配を感じて吹き飛ばしたら姿を消したがな。」
志(舞)「まったく。しつこいわね。」
快(魔)「・・・圭さんがまた、目が・・・。」
新(魔)「まったく笑ってないな。」
快(魔)「じゃぁ、今度もその死神だか知らないそれは・・・。」
新(魔)「血祭りにあげられるんだろうな。」
怒らせてはいけない悪魔を怒らせたのだから。
新(魔)「当然の報いだろうな。」
新(舞)「こっちでは、そんな生易しいものじゃないけどな。」
相変わらず圭に捕獲されちゃってます。
キ(舞)「新一・・・。」
志(魔)「うるさいから、黙ってて頂戴。」
新(舞)「あの、離してもらえませんか・・・?」
やっぱり、いろいろと・・・
圭(魔)「え〜。さっきやりそこねたからその分。・・・で、青海ちゃんの事、どうにかできない?」
頼みごと。
新(舞)「器があれば、まだなんとかなるんじゃ・・・?」
キ(舞)「新一を変わりにすることは許しませんからね。」
隙を見て奪い返す。相当心は狭いです。こんな大人になってはいけませんよ。彼はまだ十代ですが・・・。
ちらりと、それを見て、新一魔を見る。
快(魔)「だ、駄目。」
こいつも相当心が狭かった。
だけど、そんな事で諦める圭ではない。
にっこりと微笑んで近づいてくる。まさに、悪魔の微笑み・・・?

 

 

 

近付いて来る圭さん、新一を庇う快斗。
快(魔)「駄目ったら駄目〜!」
新(魔)「…快斗(汗)」
圭(魔)「僕の青海ちゃんがさらわれちゃってもいいって言うの?酷いね」
快(魔)「別に器は新一じゃないと駄目だってこともないだろ!?青海ちゃんは女の子なんだから哀ちゃんとか…」
哀(魔)「…よほど実験がしたいみたいね」
快(魔)「だってぇ〜(泣)」
圭(魔)「…(にこにこ)」
笑顔のまま辺りを見渡す。皆が皆目を逸らした。
…目が合ったら被害者にされそうだった。
そのとき、いきなり突風が吹き荒れた。

新(舞)「うわあ!」
キ(舞)「新一!」
快(舞)「な、なにこれ!?」
時(舞)「しまった…!ついてきていたか!」
圭(魔)「!?」

風が通り過ぎる。
暫しの沈黙。
快(魔)「…け、圭さん…?」
沈黙が怖い。
圭(魔)「…新一君。青海ちゃん、いないでしょ」
新(舞)「…さっきの風に、つれていかれたみたいです…」
圭(魔)「そっか…ふふ、いい度胸だよ…(冷笑)」
快(魔)「(寒い!!)」
圭(魔)「ゲートは以前と同じ場所にあったみたいだよ。時間は明日の午後十時。午後ね。今から約一日時間があるから…それまでに、彼には後悔通り越して生まれてきたことを償わせ
なくちゃね…」
暗黒神降臨中。
快(魔)「圭さんが、圭さんが…!(怯)」
新(魔)「…やばい。避難勧告出さないと一般人に被害が」
新(舞)「今すぐ世界制服始めそうな勢いだな(汗)」
快(舞)「…新一も狙われてるんだからおかしな行動しないでよ」
キ(舞)「…嫌な予感はしていましたけどね」
圭(魔)「また後で実験器具貸してねV」
紅(舞)「…魔力じゃなくて邪気が凄まじいわ」
志(舞)「彼一人いれば場の一体を歪めそうね」
哀(魔)「…また暴走をはじめたようね…」

圭(魔)「さて、捕まえに行こうかV」
快(魔)「て、俺たちも!?」
圭(魔)「当然だよ。ああそれと、君たちもね。自分たちの世界のことなんだから責任とって貰うよ」
怖いです、圭さん。

 

 

 

新(舞)「でも、圭さんだけで探せるとと思うよ。」
いきなり何を言い出すのですかと皆が見る。
新(舞)「今も、もっているでしょう?俺があげた蒼い珠を。」
圭(魔)「ああ、これ?」
新(舞)「人の思いは時として大いなる力を引き出すもの。そして、絆は時に何かを与えそして得ると同時に失う事もある。」
キ(舞)「どういうことですか?」
新(舞)「それはすでに、俺が渡した後に本来持つ少しの力に、圭さんと青海ちゃんの思いが込められている。」
圭(魔)「そういえば、お別れのときに言っていたね。効果はいつか現れる。」
新(舞)「貴方が願うのならば、それは応える。そして、青海ちゃんも願うのならば、道は開かれる。」
圭(魔)「じゃぁ、即解決だね。」
そしてと、やっぱり暗黒神はまだ降臨中のようであった。
新(魔)「それにしても、便利だな、それ。」
これも、何があるのか楽しみだなと持っていた巾着をだす。
快(魔)「何だか怖いから、本当に危ない時だけにしてね。」
それ以外では、なんだかかなり勇気がいる気がする。
圭(魔)「じゃぁ、これから不届き物を対峙するんだね。」
時(舞)「俺も行くかな。回収しておかないといけないから。」
新(舞)「その珠と意識を重ねて。青海ちゃんの心の声が聞こえるから。」
大人しく従う圭。これほど怖い物はないとびくびくする快斗。
きっと、その心の思いを知る圭にあとでいびられる快斗。哀れ。
新(舞)「風よ。彼の者の願いを叶えよ。珠に込められし思いを追え、運べ。」


しゅるん


快(魔)「消えた・・・。」
快(舞)「くそっ。しっかりとキッドの奴。ついていきやがった。」
新(魔)「あ、本当だ。」
志(舞)「彼の執着は貴方より年季がかかっているのよ。簡単に離れるなんて事、しないわ。」
紅(舞)「私達は、家で帰ってくるのを待つだけよ。彼(新一舞)がいたら、怒っている彼もそこそこに死神で遊ばせた後に連れて帰ってくれるわよ。」
哀(魔)「そうね。ある程度やれば、処理して、風で飛んで帰ってくるわよ。」
ということで、月華楼へと帰ることになった人達。

その頃
圭(魔)「青海ちゃん・・・。・・・手を出すなんて、許さないよ・・・?」
青海の姿が見え、巻きつく黒い物体に完全にきれる兄。
キ(舞)「始末はつけるでしょう。」
新(舞)「気が済むまでさせておいたほうが良いと思う。それに、今は姿が見えるから、機嫌は結構いいと思うし。」
時(舞)「だな。ある程度したら、死神は回収してしまえば良い事だし。」
さて、圭さん戦闘開始・・・。
死神の運命は?!
圭(魔)「・・・死を持つて、償うべきだよね・・・?
にっこり
暗黒神、降臨・・・さて、どうなる・・・?

 

 

 

新(魔)「あ、帰ってきた」
あっさりですね、帰ってくるの。
圭さんはやけに晴々とした表情で、小瓶を抱えて帰ってきた。
快(舞)「新一〜Vこのやろキッド、抜け駆けばっかりしやがって」
キ(舞)「乗り遅れた貴方が悪いんですよ」
快(舞)「むー」
新一をがっちり抱きしめる快斗(舞)
快(魔)「…圭さん、それってやっぱり…」
圭(魔)「うんVV死神の慣れの果てV」
お見せ出来ることが出来ません。
圭(魔)「あろうことか青海ちゃんに手を出してたんだよ?後一歩遅れていたら青海ちゃんをどうする気だったのか…とても興味深いよね…?(邪微笑)」
快(魔)「(怖い!!)」がたがた
時(舞)「まあ死んでないし。後で送るさ」
圭(魔)「そう簡単に殺すわけないじゃない(にやり)」
新(魔)「(目を合わせないまま)それにしても圭さんご機嫌だな」
新(舞)「ああ、それは…おいで」
新一(舞)が呼びかけると、ひょこりと少女が顔を出した。
快(魔)「あ、青海ちゃん!?」
ちなみに体調十五センチ。
時(舞)「死神の魔力をこれでも勝手ほどに搾り取って彼女に
与えたんだ。その力で半日、この姿で実体化できるようにしたんだ」
新(舞)「発案者は勿論圭さんな」
圭(魔)「青海ちゃんちっちゃくて可愛いV」
青(魔)「皆がおっきいの…」
新(魔)「じゃあ推理トークが出来る訳だ♪」
新(舞)「まあそういうことV」
快(舞)「ああ!新一!」
快(舞)「…新一が取られた…」
圭(魔)「文句ある?(青海の楽しみを邪魔されると不機嫌に)」
快・キ(舞・魔)「「ありません」」
時(舞)「…学習しろよ」

 

 

 

新(舞)「とりあえず、書庫行くか。」
新(魔)「あるのか?」
青(魔)「見たい。」
新(舞)「おう。あいつが地下に工藤邸にある分プラスしてたくさんあるからな。現在進行形でたっくさんあるぞ〜。」
新(魔)「行く。」
かなりご機嫌な人達。
それを微笑ましく見ている圭と、新一を取られて涙する快斗(魔・舞)とキッド(舞)
哀(魔)「・・・相変わらず情けないわね。」
紅(舞)「彼はしっかりと妹を肩につれて行くつもりよ。」
新(舞)「あ、キッド〜〜〜。」
キ(舞)「はい、今行きます〜〜〜。」
キッドだけ呼ばれて不機嫌。
圭(魔)「連れて行くの?」
キ(舞)「だって、こいつが鍵だし。」
快(魔・舞)「は?」
圭(魔)「指紋とか?この世界にそんなものがあるんだ。」
すごいねぇとのんき。妹がいて妹が笑っているとご機嫌な圭。
新(舞)「俺の扇とキッドの指紋とパスワード。偽造は簡単には出来ません。」
だから、取られる心配はなしらしい。
快(舞)「だから、キッド?」
そういえば、よく新一はキッドを呼んでどこかに行く事がある。
快(舞)「これのせいか?!」
快(魔)「・・・なんか驚きが多かったけど、また驚きだよな。」
そんな中、本の虫達はすでに本の話題で盛り上がっていた。


さて、着いた地下。
快(舞)「なぁ、キッド。」
快(魔)「ここって、牢屋ってところじゃないの?」
キ(舞)「確かに、昔は躾と称していろいろ使ったり、人を閉じ込めたりされていたようですね。」
のん気に話をしながら、先へと進む。
キ(舞)「今は使われていませんよ。」
新(舞)「でも、こんなところだからこそ、知られることはない!」
とっても安全だと笑顔で言う。
圭(魔)「確かに、隠すには一番いいかもね。あまり近寄りたくはないようなところだろうし。」
新(舞)「あ、あそこ。」
新一が指すのは一番奥の牢屋。
キ(舞)「とりあえず、入って下さい。」
とりあえず中に入る。いろいろと複雑だけど。
青(魔)「なんだか、不思議な感じ。」
キ(舞)「指紋チェック完了。扇もチェック完了。パスワードも・・・これで終わりっと。」
すると、がこんと床が揺れた。
新(魔)「え?」
目の前の柵がエレベーターの扉のように塞がった。
キ(舞)「あちらからは、ただの壁に見えるんですよ。そして、この地下です。」
グイ〜ンと下へと降りるその部屋。
快(魔)「・・・。」
哀(魔)「いったいどうやっているのか知りたいわね。」
紅(舞)「以前、急に忙しいと何かやっていたのは、こんな事やっていたのかしら?」
志(舞)「天才は馬鹿と紙一重というけれど、貴方のための言葉よね。」
キ(舞)「相変わらず失礼ですね。新一の為に完全に安全な場所を確保しただけです。」
いや、こんな事は普通出来ないから。
新(舞)「さって、ついたっと。」
入ってきた方向とは反対の壁がまるで仕掛け扉のように開いた。


そして・・・。
新(魔)「おお、すっげー。」
哀(魔)「・・・すごいわね。」
志(舞)「・・・(呆)」
紅(舞)「どうやってやってのけたのか、すごく不思議ね。」
圭(魔)「青海ちゃんが読みたい本あるといいね。」
青(魔)「大丈夫。こんなには読んだ事ないから、たくさんある。」
新(舞)「たぶん一番手前においてあるぞ。あ、志保や紅子や哀や圭さん。あとそっちの快斗。」
一同「「ん?何??」
新(舞)「この右手の奥に薬品関係。中央の奥の少し右よりに医学書。その左よりの少し手前が魔術書。あと、左の奥手にある扉の中にマジック関連とか快斗の興味ありそうなものはあるぞ。」
と、説明してすでに本の虫は走っていった。はやっ。
キッドはどうするつもりだろう?新一追いかける?

 

 

 

新(魔)「うお!新刊発見!!」
青(魔)「わあ、わあ!まだでてないの!」
新(舞)「あ、前言ってたやつな。読む?」
新(魔)「読む読む!!」
青(魔)「見る見る!」
圭(魔)「僕も読む〜」
キ(舞)「…なんだか兄弟みたいですね…」

快(舞)「うう〜なんか寂しいよう」
快(魔)「…だったら向こう行ってろよ(マジック関係の本
と宝石関係の本を漁っている)」
快(舞)「(その手伝いをしながら)だって…だって会話の
内容がわからないんだもん…邪魔したら怒られる…」
快(魔)「…(気持ちがよくわかる)」

哀(魔)「あら、こんな所に新薬の実験に使えそうな資料が」
志(舞)「こんな場所があるなら早く教えて欲しかったわ」
紅(舞)「参考資料がありすぎて迷うわね」
哀(魔)「…これ、試してみようかしら」
紅(舞)「あら、科学と魔術の合体術ね」
志(舞)「そうね。実験体は溢れているもの」
そう言って辺りを見渡す三人。

快・キ(舞・魔)「(ぞくっ!)」

狙われているぞ!三人共!

時(舞)「おーかなり古い本まであるなー」
本を見ながら、ふと顔を上げる時矢。
時(舞)「…新一が通っているわりには…なんか多いな」
浮遊しているものが。

青(魔)「ここどうやったのかなー…」
新(魔)「ピアノ線じゃないか?」
新(舞)「その線が濃いんだけどな…エタノールで…」
青(魔)「それをこう、あそこに引っ掛けておいて…」
圭(魔)「…」
新(舞)「圭さん?どうかしました?」
圭(魔)「ん?なんか、歪んできたなーとおもって」
新(舞・魔)「「え?」」
青(魔)「あ、お兄ちゃんたち、お空を本が飛んでるよ」
新(舞・魔)「「あ」」
何時かのい空間みたいになっていました。
新(舞)「あれ?おっかしーなぁ…」
新(魔)「誰も何もしてないよな?」
圭(魔)「実は十分ほど前からこうだけどね」
教えろよ、圭さん。
新(舞)「キッドは?」
圭(魔)「いないねえ」
新(魔)「…とりあえず、あいつら探しましょうか」
さて、どうしていきなりこんなことに?

 

 

 

新(舞)「その前に・・・っと。」
小型ナイフで人差し指を切る。
青(魔)「お兄ちゃん?!」
新(魔)「お前、何やって!」
新(舞)「大丈夫だって。」
にっこりと笑みを見せられて、なんだかそれ以上言うのが恐ろしい気がする。
新(魔)「なんだか、こっちの俺、圭さんに似てきている?」
圭(魔)「そお?そんな事ないと思うよ。」
そういう圭もにっこりと笑みが・・・。
新(舞)「これで、よしっと。」
足元に何やら魔方陣のようなものを書いた。
青(魔)「あ、これ・・・。」
意外と青海も知っていた。
新(舞)「探すには足が必要ってね。」
いでよと、召喚魔術?
新(魔)「・・・本当に、なんでもありだな。」
新(舞)「何だか知らないけど、自分でも知らないぐらいいろんな契約が結ばれているみたいだからな。」
どんな契約かはあまり聞けない。
新(舞)「ほら乗って。そのほうが、青海ちゃんもこの空間に取り込まれる事はない。」
圭(魔)「じゃぁ、またここにも敵がいるってわけだね。」
青海ちゃんに手を出すような敵が・・・。
目がまた笑ってませんよ、圭さん。危険ですって。
新(舞)「あ、頼む。キッド探してくれ。あ、お前は時矢探して。たぶん、気配を辿ってきていると思うから。」
それぞれ妖精に指示を出す新一。
青(魔)「それにしても、すごいね。確かあの本に出ていた主人公が使った魔術の模様だよね、あれ。」
新(舞)「そう。それで、面白そうだから一回やってみたかったんだ。」
翼の生えた黒い巨体の竜。・・・場所が場所だから問題はないだろうけれど。
新(魔)「あ、あの話か。」
どうやら三人とも知っているお話の様子。
青(魔)「それでね。あの話、続編出たんだよね。」
新(魔)「そうなんだよ。でも手に入れたくても何でか売ってないんだよ。」
新(舞)「たぶん、記録では出た事になっているが、出回っていないんだよ。」
青(魔)「どうして?」
新(舞)「力を持っているから。」
新(魔)「確かに、そっちの俺は力を持っているからわかるけど、あの模様のまま使用してるんだよな。」
青(魔)「そっか。危険な本なんだね。」
新(舞)「それで、記録はあっても、発売日前に全て撤去されてるはず。あ、俺は伝手があったから一冊もらったけど。」
だって、特殊な人だから大丈夫だって言い張って。
青(魔)「いいなぁ。」
圭(魔)「大丈夫だよ。青海ちゃんのためなら、その本、必ず探し出して見せてあげるから。」
青(魔)「本当?」
圭(魔)「うん。」
青(魔)「ありがとう。」
圭(魔)「あ、新一君もいる?」
ご機嫌な圭はついでに探してきてあげると言う。
新(魔)「本当か?」
圭(魔)「ついでだし。一冊も二冊も同じだし。」
新(舞)「良かったな。」
なんだか商談成立?
というか、新一魔が圭さんに餌付けされてる・・・?
新(舞)「あ、見つけたか?」
妖精が一匹戻ってきて、方角を指す。
新(舞)「行くぞ、竜君。」
そのまんまだな、おい。

 

 

 

快(魔)「し〜んいちぃいい〜〜!!」
新(魔)「わあ!」
がばっとばかりに抱きついてきた快斗(魔)
一緒にいるのは時矢だった。
新(舞)「先に時矢見つけたか…」
時(舞)「こっちも探索中だったから速かったな」
その途中で快斗を発見したらしい。
快(魔)「ううう、新一。新一だ〜(涙)」
新(魔)「ど、どうしたんだ快斗」
青(魔)「…お兄ちゃんお魚の匂いがするよ?」
子供は時に残酷だ。
新一は青海の言葉に何があったのか大体理解した。時矢の話では、快斗は気絶していたらしい。
圭(魔)「そういえばさっきの空間にもたくさん…」
快(魔)「うううー、新一〜(死にかけ)」
時(舞)「なんだか知らないが、ここは自分の苦手なものを見てしまう空間らしい」
嫌な空間だな、おい。
新(舞)「俺たちは何も見てないぞ?」
新(魔)「だな」
圭(魔)「苦手なもの…ないなぁ」
青(魔)「うーん…」
時(舞)「ま、他の二人も苦労しているのは確実だ」
魚地獄。
圭(魔)「…面白そう…V」
何か企んでます、この人。
青(魔)「苦手なものが一杯…やだねぇ」
新(舞)「あ、甘いものとか…?」
新(魔)「む、胸焼けが…」
圭(魔)「で、これは一体どう言うことなんだろうね?」
時(舞)「おかしな気配がした。それを浄化しないと治らないだろうな。新一、いけるか」
新(舞)「磁場が狂っているような感覚がする。ちょっと目眩起こすな」
新(魔)「大丈夫か?」
新(舞)「平気だ」
青(魔)「…あっち」
青海が、空を指差した。
青(魔)「あっちに、ないているひとがいるよ」
圭(魔)「青海ちゃん…?」
時(舞)「…そうか、この子にもう空間はあまり関係ないからな」
快(魔)「…そういえばさっき俺、黒い影見たきがする」
瞬時に圭さんの瞳が輝いた。
新(舞)「…死神と同種がいるからな」
新(魔)「ならそいつに見つかる前に、ここを何とかしなくちゃな」
圭(魔)「…見つけて捕まえればいいんだよ…」
暗黒神降臨!?
とりあえずその空間の中心へと急ぎましょう!

 





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