舞姫番外編+++黒鳥の世界にて

 

時間的には、戻ってきたあの日から二週間が経った頃(早っ!
新(黒)「快斗〜、珈琲。」
快(黒)「はいは〜い。」
比(黒)「私にもいっぱいくれ。」
快(黒)「はいはい、わかりましたとも!」
こき使われる快斗君は、甲斐甲斐しく働きます。
そんなときだった。


ドスン


・・・・庭の方で何かが落ちたような鈍い音がしました。
比(黒)「・・・気配を感じなかった・・・。」
快(黒)「いったい、なんなんだ?」
そして、恐る恐る見れば、そこには新一と時矢がいたのでした。

 

 

 

新(舞)「い、いてて
時(舞)「大丈夫か?新一」
新(舞)「な、何とか
新(黒)「おまえら!」
新(舞)「へ?あ!!あれ?!」
庭に出た新一、快斗、比翼。ご対面。
時(舞)「やあ、またあったね」
比(黒)「そのようだな」
快(黒)「こ、今度はそっちが
新(黒)「もう一人の快斗たちは?」
新(舞)「わからない。こっちにきているのかもつーか、ここどこだ?」
広がる、洋館。しかも結構でかい。
新(黒)「俺んち」
新(舞)「へえそういや、きているものからして形が違うからへえ」
感心する新一、時矢、比翼と向き直る。
時(舞)「結構早い再会だったな」
比(黒)「こうも早く出会おうとはおもわなんだ手合わせするのか?時間は?」
時(舞)「知らないね。あるのかないのか
快(黒)「それってすっごく危ないんじゃあ
時(舞)「やあ快斗その2。もう新一のことはものにしたか?」
新(黒)「は?」
快(黒)「ばっ!!」
時(舞)「まだか」
比(黒)「無理を言うな。まだ二週間だぞ。あと一年はムリだ」
快(黒)「比翼さん〜」
新(黒)「とりあえず、お前ら服着替えたほうがいいぞ」
着物姿。やはり目立つ。
新(舞)「俺とお前の服は、合うだろうけど、時矢のは
快(黒)「俺のかな
比(黒)「あわなかったら新一の父上のものでもむ?」
顔を上げて隣の様子を窺う比翼。そして、ため息を付いた。
時(舞)「どうした?」
比(黒)「もしかしたら、隣に誰かいるやもしれん」
新(黒)「ええ!?」
新(舞)「本当か!?」
比(黒)「ああ、少々騒がしい博士がいずてよかったな。私は隣の様子を見に行ってくるから、そなたらは服の用意と着替えを」
快(黒)「了解」
新(黒)「気をつけてな」
新(舞)「頼んだ」
時(舞)「手合わせ忘れるなよ」
やりたいのね、時矢。

 

 

 

快(黒)「哀ちゃ〜ん。いる〜?」
新一と時矢をつれてお隣へやって来た快斗。
快(舞)「あ。いた。・・・で、くっついたのか?」
快(黒)「いきなり挨拶ぬきでそれかー!第一、二週間でそんな事無理なんだよー!(泣)」
新(舞)「快斗と真さんか・・・。しかも、変わった組み合わせだな。」
時(舞)「そうなると・・・。キッドとお嬢ちゃん達はどこへ落ちたんだろうな?」
とにかく、彼等は工藤邸に集まる事にした。
比(黒)「ともかく、その格好は目立つ故、これに着替えてもらおう。」
新(舞)「わかった」
と、服を脱ぎだすが。」
時(舞)「駄目だ。」
新(舞)「はぁ?」
快(舞)「そうだよ。駄目じゃない。こんなところでぬいじゃ。」
着替えようと服に手をかけて新一の腕を両サイドから攫んで止める二人。息はぴったりだ。
快(舞)「第一、色気だらけの新一の着替えなんて、見せるのはもったいない。」
新(舞)「阿呆かー!!」
どげしっと蹴り飛ばす。
哀(黒)「まったく。いつまでも馬鹿やってないでちょうだい。」
時(舞)「まったく、何を言い出すかと思えば・・・。新一、ここには一応彼女がいるからね。考えないといけないだろう?」
新(舞)「・・・そうだな。こっちはあっちと違うな。」
時(舞)「そういう事。あ、悪いけど、比翼さん。それ、捕まえておいてくれる?じゃないと、新一が襲われるから。」
比(黒)「いいだろう。」
そうして、数分後。入れ違いに快斗も着替え、さっそく皆で残りのメンバーの捜索のため、外に出るのだった。
町中へとついて、こんなところだと見つけにくいなと思っていれば・・・。
快(舞)「いた・・・。」
かなり目立つ二人がそこにいた。かなり人だかりを作って・・・。
新(舞)「哀〜、紅子〜。」
哀(舞)「良かったわ。いないからどこへいったのかと思ったわ。」
紅(舞)「しつこくてうるさい人が多かったから、困っていたのよ。」
何故か彼女の近くに倒れている男の姿があるが・・・。聞かないでいよう。
きっと、無粋にも声をかけたナンパが、あっけなく交わされてやられたのだろうから。
比(黒)「ところで。あと必要な一人がいないようだが・・・?」
新(舞)「まずい・・・かも・・・。」
哀(黒)「また、何か問題でもあったわけ?」
快(舞)「実はさ。今回追っている事件の犯人がさ。また、むかつくことに新一に手を出し・・・。」
新(舞)「そんな話はどうでもいい!」
時(舞)「あまりよくないのだが・・・。」
新(舞)「話が進まねーからいーんだよ。それで、犯人がせっかく危険がないように順々に解体していたあれを、ちょうどその日は雷もあってか、落ちた雷のエネルギーで作動したんだよ。」
比(黒)「ふむ。つまりは、その犯人と共にどこかに落ちた可能性があるというわけだな?」
新(舞)「そうなんだ。」
ちなみに、そんな会話をしている彼等はとても目立つ故、街中で注目の的となっていた。
しかし、内容を聞かれるようなことはしないが・・・。
もう少し、交通の事を考えて欲しいものかもしれない。
彼等は一時、家に戻る事にした。
もちろん、周りの人ごみを避ける為と、これ以上は目立つからだ。

 

 

 

工藤邸に戻ってきた皆さん。
哀(舞)「ここがあなたたちの家?」
比(黒)「私の家ではないよ」
快(舞)「ん?つまり、新一ともう一人の俺はここで生活してるってこと?」
紅(舞)「もう一人の哀は?」
哀(黒)「隣よ」
時(舞)「一緒に住んでいながら、進展なし、か
快(黒)「そんな哀れみのこもった目をするなー!!」
新(黒)「?とにかく、小泉さんと灰原は着替えたほうがいいよな
紅(舞)「そうね」
哀(黒)「わたし、自分の服を持ってくるわ」
新(黒)「たのむ。比翼、比翼の女服って置いてあったっけ?」
比(黒)「あったような気もするが。趣味が合うかどうか着てくれ。自身が着るのだから、自身が選ぶべきだろう」
紅(舞)「ええ、ありがとう」
比翼と紅子、二階へ消える。
快(舞)「あ〜あ、キッド。どこにいるんだろ」
新(黒)「こっちと向こうは大分違うから、戸惑ってなければいいけど
快(舞)「なぁちょっと。まさかとは思うけど、あの黒いのと白いのまで来てないよな?」
時(舞)「確かに不安だ」
快(舞)「無視だ。無視いないものとして考えよう」
真(舞)「」(否定する気はないらしい)
時(舞)「それにしても帰るにしても、時間とゲートの場所がわからないとなー
新(黒)「いつまでもいていいぞ?部屋はたくさんあるし
快(黒)「俺は今回予告状出してないし
新(舞)「そういうわけにはいかねぇし悪いじゃん?」
新(黒)「何言ってんだよ。俺たちのことも助けてくれたじゃねぇか。困ったときはお互い様だ。だろ?(にこり)」
新(舞)「そ、そか?」
快(舞)「新一スマイルには新一も敵わないのか?」
新(舞・黒)「??」
哀(舞)「敵わないんじゃないの?」
時(舞)「お譲ちゃん、似合うな」
W
哀登場。どうやら隣で着替えてきたらしい。
哀(舞)「ありがとう。でも何もでないわよ」
比(黒)「賛辞は素直に受け止めておけ」
時(舞)「お、魔女さんも」
比翼と紅子、降りてくる。
快(舞)「比翼さんまともな女の服もってるんだ
快(黒)「時々ああいうのを来て、俺たちは違和感に頭を悩ませてるんだ
比(黒)「なれろ、快斗」
新(黒)「俺だってまだ慣れてない」
つか慣れることはないでしょう。
紅(舞)「さて、どうやって彼を探しましょうか
新(黒)「東都は広いからな人もごった返しているし」
新(舞)「紅子と哀は簡単に見つかったけどなぁ」
比(黒)「目立つからな」
真(舞)「彼も目立っているのでは?」
快(黒)「警察呼ばれてなけりゃいいけど
そのとき、新一の携帯が鳴り響いた。
新(黒)「(しゅぱっ)はい、工藤です。はいはい、わかりました」
時(舞)「早かったな」
比(黒)「事件か?」
新(黒)「ん、悪い、ちょっとでてくる
比(黒)「一人では心ともない。快斗も行け」
快(黒)「言われなくても行くよ」
新(黒)「悪い」
新(舞)「よくわかんねぇけど、気をつけてな」

去る二人。見送ってから首を傾げる。
紅(舞)「事件?」
哀(黒)「かくかくしかじかそういうわけよ」
比(黒)「手抜きだな」
哀(舞)「まあいいとして、私たちはキッドを探しましょう」
快(舞)「そだな」
紅(舞)「私の出番のようね
紅子の魔術でキッドを探し出す。
さあ彼は一体何処に!?

 

 

 

新(黒)「こんにちは。それで、今日は・・・?」
目(黒)「実は、これなんだ。」
渡されたものは、快斗君もびっくりの代物だった。
新(黒)「もしかして、これは・・・。」
目(黒)「そうなんだ。怪盗KIDからの予告状だ。」
渡されて目を通す。
快(黒)「『闇夜に紛れた紅い衣を纏う者を捕らえる為、明日の日暮れより、参上する。怪盗KID』・・・って、なんだこれ?」
目(黒)「暗号のわりにはそのままで、いったい何を狙っているのか、何がしたいのか、まったくわからないのだよ。」
確かに驚きだ。いろんな意味で。そう、ここに怪盗KIDはいて、こんな予告状を出した覚えはない。
新(黒)「すみませんが、持って帰って考えさせてもらえませんか?」
目(黒)「ああ、いいよ。すまないね、こんなことで呼び出して。」
新(黒)「いえ。・・・感謝したいぐらいですよ。」
目(黒)「何かいったかね?」
快(黒)「ほら。もう帰るんだろ?帰ろ。」
目(黒)「そうだな。送ってやれなくてすまないが。」
新(黒)「気にしないで下さい。では・・・。」
こうして、すぐに警視庁をあとにする。
新(黒)「たぶん、こっちへ一緒に来たって言う、あいつ等が追っていた奴を探す為に動くという、伝言だ。」
快(黒)「だよね。ってことは・・・。まだ、どちらも人目につく場所にはいないと考えた方がいいのかな?」
そう思って家に帰れば、しっかりとあの白かった男が、会社員のようなスーツを着て、ソファに座っていたりもするが、まだそれは知らない。

新(舞)「こっちの俺は忙しいみたいだなぁ。」
哀(黒)「ちょっとは考えてほしいぐらい、警察とのデートは多いわね。」
快(舞)「そして、恋の進展はなしと・・・。」
キ(舞)「本当に、情けない限りですね・・・。」
比(黒)「まったくだ・・・。って、キッドか。」
時(舞)「また、突然現れたな。それも、こっちの服を着て、何処で手に入れたんだ?」
キ(舞)「それはもちろん、ご丁寧にお願いしたら、一着まるまるくださったのですよ。」
にっこりと、そこに立っているのは間違いなくスーツを着ているがキッドである。
まったく、相変わらず神出鬼没な奴だ。
キ(舞)「それにしても・・・。少々面倒な事になりましたね・・・。」
新(舞)「やっぱり、お前と一緒だったのか?」
キ(舞)「はい。ですが、採り逃しました。」
快(舞)「情けないなぁ。」
キ(舞)「しょうがないでしょう?場所が場所だったのですから。」
哀(黒)「確かに、あの目立つ格好でうろつかれれば、ここでは迷惑以外の何者でもないわ。」
哀(舞)「それもそうね。でも、どうやってここまできたのかしら?」
キ(舞)「新一がいる場所なら、どこにいてもわかるのですよ。」
比(舞)「(やはり・・・。感覚で方向がわかるのだな・・・前回もそうだった事を思い出す)」
新(舞)「なんか、それは嫌だな・・・。」
とそこへ。
快(黒)「ただいま〜。」
哀(黒)「意外と、早かったわね。いったい、何の事件だったのかしら?」
新(黒)「ただいま・・・って!」
快(黒)「新一〜、どうした・・・っって。」
新・快(黒)「なんでいるんだ?!」
キ(舞)「そりゃぁ、いるからいるのですよ。それに、新一の側から長い事離れるのは耐えられませんからねぇ。」
新(舞)「たまには離れろ!」
時(舞)「確かに、ずっとべったりはなぁ。」
快(舞)「いいじゃんか〜。」
哀(黒)「・・・うるさいわよ。そこ。解剖実験されたくなかったら、大人しくしなさい。それに、いつまでも立ってないで、座ったらどう?」
快(黒)「だね・・・。」
快(舞)「びくっ」
キ(舞)「そればっかりは、ご遠慮したいですね・・・(汗)」

 

 

 

哀(黒)「髪の毛は採取されたから実験はあとにするとして、それで?これからどうするのかしら?」
快(舞)「うえぇええ!?」
キ(舞)「い、いつのまに
比(黒)「さりげなく隣を通ったときだろう」
時(舞)「(見えなかった)」
快(黒)「細胞取られるよりマシだって」
哀(黒)「それは諦めてあげるわ。本当は血液を採取したかったのだけれど
快・キ(舞)「(ぞくっ!)」
哀(舞)「それは是非跡で協力させて欲しいわ」
紅(舞)「結果も聞きたいわね
哀(黒)「ふふふ任せて頂戴」
暗黒なオーラが三人から発せられているのが見える気がする。
新(舞)「哀の奴、らしいというか
新(黒)「話ずれてないか?」
時(舞)「もどそう。これからのことだろ?」
比(黒)「それもそうだ。それで新一、快斗。事件だったのか?それにしてはやけに早かったが」
新(黒)「さすが比翼。呼ばれたのは予告状の解読(?)を頼まれてなこれだよ」
キ(舞)「ああ、私が出した予告状ですね」
快(黒)「出すなよ。ここに来るならさ。こっちのキッドだって勘違いされてるじゃんか中森警部が今ごろ展示予定の宝石でもひっくり返してるよ」
快(舞)「あちゃ〜
キ(舞)「仕方ないでしょう。私にだって確証があってあるいていたわけではありません」
比(黒)「(当てずっぽうなのか)」
快(黒)「俺が困るんだよ!」
キ(舞)「過ぎたことを何度も言わないで下さい。これだからまだ新一をものに出来ていないんですよ」
快(舞)「そうそう。いくら何でも奥手すぎるって俺」
快(黒)「う、煩い!!放っておいてくれ〜(涙)」
比(黒)「情けないぞ快斗
新(黒)「何泣いてんだよお前
紅(舞)「とにかく」
哀(舞)「今することは、ゲートの場所を確認して次に開く時刻を推定すること。そして奴を見つけて、懲らしめる。それをしなくちゃならないわ」
比(黒)「ゲート探しは私が引き受けよう。こちらの情報は私のほうが探りやすい」
時(舞)「じゃあ俺もそっちだな」
闇に属するからこそ情報通。
新(舞)「じゃあ
快(舞)「俺たちが犯人探しだな」
キ(舞)「そのようですね
哀(黒)「同じ顔がそろってあるけば目立つから、私たちも二手に分かれましょうか?」
何せどこにいるのか不明。
快(舞)「新一と離れたくない〜」
紅(舞)「でも、こちらの案内人が必要よ?哀が案内人でもいいのかしら?」
哀(黒)「あら、私は構わないわよ?(邪悪に微笑む)」
快(舞)「ぞくっ」
比(黒)「同じ顔が三つダブれば面倒だ…W快斗とキッド、じゃんけんをしろ。負けたものはわれらと共にゲート探しだ」
真さん忘れてません?
快斗(黒・舞)とキッド(舞)は顔を見合わせて、勢いよく手を振りかぶった。
快・キ(黒・舞)「じゃんけんぽん!!」
さて、勝負は?

 

 

快(黒)「げっ・・・。」
キ(舞)「私は快斗とは出すものが同じですからね・・・。」
快(舞)「一生決着つかないかと思ったけど、お前が負けてくれてよかったよ。」
ぽんっと肩をたたかれても・・・うれしくない。やだぁと少々情けない快斗へ、天使の声が・・・?
新(舞)「・・・ゲートは確認だけでいい。」
快(黒)「えっ?」
時(舞)「どうした・・・。なるほどね・・・。」
哀(舞)「なんなの?勝手に二人で納得しないでちょうだい。」
新(舞)「場所はハイドという名の高い建物の屋上だ。北方向の端に、ゲートがある。時間は明後日の10時だ。」
比(黒)「どのようにして知ったのだ?」
新(舞)「教えてくれたから・・・。だから、確認だけでいいから。お前等はうるさいから大人しく家で待機してろ。どうせ、今晩と明日の夜に町に出てあの白いので飛び回るんだろ?」
キ(舞)「確かに、そうですね・・・。」
快(舞)「じゃぁ、こっちの情報を手に入れておくのが先かな?」
比(黒)「どんな情報だ?」
快(舞)「もちろん、事件のね。俺等が追っているのは、人ではないものだからね。人の血を求め、彷徨い喰らう者だから。たぶん、動けば犠牲者が出る。」
なるべく人目につかないように動くので、その時間帯とそうなる場所の情報と、襲われた者がいないかどうかの情報がほしいのだと言う。
比(黒)「ふむ。ならば、調べておこう。」
時(舞)「なら、俺はちょっと自由に飛ばせてもらおうかな。ちょっと気になる事もあるからな。」
哀(舞)「貴方が気になる事?」
時(舞)「そう。ただの、思い過ごしだといいんだけどね。」
新(舞)「・・・無茶だけはするなよ?」
時(舞)「大丈夫だって。新一以外は敵だと思って生きているからねぇ。」
快(舞)「俺にとっては、お前の存在が敵なんだよ!」
キ(舞)「だいたい、貴方を味方だと思った事はありませんよ。」
哀(舞)「確かにそうね。新一君が懐く人だもの。貴方達には面白くないわね。」
比(黒)「いろいろあるようだな。」
新(舞)「・・・もしかして、時矢・・・。」
時(舞)「やっぱり、新一は気付くよなぁ。」
比(黒)「それで。一人でいくつもりなのか?」
時(舞)「そうだよなぁ。確かに、ここの資料をちょっと拝見させてもらったのはいけないが、それによってやっぱりと確信できたし・・・。」
比(黒)「(・・・資料)土地勘がないだろうが。」
時(舞)「厄介なことになるんでね。そっちのお嬢さん方に迷惑をかけるわけにはいかないからね。」
新(舞)「比翼さん。悪いけど、時矢だけで行かせてあげて下さい。あなただったら、間違えてしまうから。」
その間違えるとは何なのか。
快(黒)「第一に、人の家のもの勝手に見るなよ。」
哀(黒)「ここは貴方の家ではなく、彼の家よ。正確にはね。」
快(黒)「いいじゃないか〜。だって、ここは俺の〜(涙)」
新(黒)「大丈夫。お前もここの家の人間だから。」
快(黒)「新一〜。」
キ(舞)「・・・情けない以上に・・・それさえも通り越してなんともいえませんよ。」
快(舞)「こんなのと同じ顔だなんて・・・。絶対間違ってる。」
哀(黒)「うるさいわよ。」
こうして、とにかく比翼はゲートの確認をし、時矢はどこかに出かけて、残りは家で情報をあさる事になり、長い一日はまだまだ続くのでした。

 

 

 

調べ出して三十分ほど
比(黒)「これといった怪事件は起こっておらんな。新一が呼ばれていない時点でそれは確かだが、調べた結果、東都で殺人通り魔その他もろもろの、そういった事件は起こっていない被害はでていないな」
快(舞)「この短時間でパソコン一つで、何でそこまで調べられるかな」
新(黒)「比翼だし」
快(黒)「比翼さんだし
哀(黒)「黒鳥と呼ばれる伝説の怪盗ですからね
キ(舞)「伝説って
哀(舞)「只者じゃないと思っていたら、あなた彼のお仲間だったのね」
比(黒)「誤解のないよう言っておくが、私は別に怪盗と言うわけではないぞ勝手に呼び名がついただけで
哀(黒)「はいはいわかったから。被害がでていないのなら、急ぐ必要があるわね、その男の捕獲」
快(舞)「だね。でもゲートが開くのはあさっての10時っていうし
快(黒)「また朝の10時?」
キ(舞)「そのようですね」
新(黒)「しかも明日一日暇だぜ?」
比(黒)「暇でないよ。その男を捕獲しなくては」
哀(黒)「時間が余ったら有効利用させていただくまでよ」
ちらりと同じ顔の三人を見る。
快・キ(黒・舞)「ぞくっ」
キ(舞)「狙われていますね」
快(黒)「哀ちゃんやるといったらやるからね
快(舞)「どうしよう。逃げる場所がない」
比(黒)「逃げられると思っている時点で間違いだ」
うん、そうだね。

 

 

新(舞)「えっと、灰原さん?」
哀(黒)「・・・落ち着かないから『さん』はつけないでちょうだい。」
新(舞)「わかった・・・。えっとそれで・・・。」
哀(黒)「何かしら?」
新(舞)「血が欲しいのなら、これで駄目?」
なにやら、小さな二つの瓶の中に、それぞれ入っている紅い液体。
キ(舞)「し、新一?!」
快(舞)「ちょっと、それ・・・!」
新(舞)「(にっこり)あの二人の血液。ほしかったんでしょ?」
哀(黒)「あら。くれるの?(うれしそう)」
快(黒)「(ぎゃー、なんてことしてるの〜〜〜?!俺にも魔の手が迫る〜(泣))」
新(舞)「あと、魔王なんてものを召喚して契約した男のもの・・・。」
もう一つ取り出した。
哀(黒)「魔王・・・ね・・・。(うれしそう)興味が少しあるわね(絶対少しじゃない)」
快(舞)「ほら、もう。そんな危ない取引はこれ以上やめなさい!」
キ(舞)「そうです。駄目です。」
哀(舞)「私も・・・。」
キ(舞)「必要ありません!」
比(黒)「なんだか、大変な事になっているようだな。」
快(黒)「俺も、間違いなく巻き込まれる〜(泣)」
比(黒)「泣き言を言っても仕方がない。諦めるんだな。」
快(黒)「うわ〜ん。」
紅(舞)「本当に、情けない人ね。」
そんなことをしている時。
比(黒)「なにやら、来たようだ。」
真(舞)「・・・血の・・・匂い・・・。」
すぐさま、二人は刀を構えて備える。
新(舞)「真さん、比翼さん!待って。そいつは違う!」
比(黒)「どういうことだ?」
新(舞)「大丈夫だから、入って来い。ここにいる者達に、お前の手出しはさせないから。」
すると、扉が開きました。そして、そこにいたのは・・・。
ベ(舞)「・・・本当に、貴方はなんでもお見通しなのね・・・。」
時(舞)「ったく、こっちは別だとわかっていたんだったら、何でやるんだ。面倒が増えるだけだろう。」
なんと、時矢も帰ってきた。こちらの世界で知られている犯罪者を連れて・・・。
哀(黒)「べ、ベルモットっ!」
哀(舞)「う、嘘・・・っ!」
新(舞)「大丈夫だって。ベルモット。お前も、いい加減気を張るな。こっちに何らかの支障をきたしたらどうするつもりだ?」
ベ(舞)「その時はしょうがないわ。始末するまでよ・・・。」
新(舞)「・・・俺、前にも言ったよな。」
ベ(舞)「そうだったわね。でも、邪魔させないから。」
新(舞)「・・・。」
快(舞)「ちょっと、新一!なんでこんな物騒な人!」
キ(舞)「どういうことですか!」
新(舞)「別に・・・。」
哀(舞)「ちゃんとした、理由を聞きたいわね。」
新(舞)「・・・。」
比(黒)「出来れば、私も聞きたい。」
しょうがないと、腹をくくり話をする新一
新(舞)「別に、これといった知り合いではない。ただ、過去にあいつのターゲットに当たった事があり、その時に知り合っただけの事。ただ、その後、何度か会っているが、奴は俺を殺さなかったというだけの話だ。そしたら、今度は汚してここに現れた。ただそれだけだ。」
時(舞)「それだけが、結構問題だと思うんだがな。」
比(黒)「確かにそうだな。そちらでも、危険なものには代わりがない。」
時(舞)「もめるだろうから、出来れば話をしたくなかったんだよね。拾いに行くにしても・・・。」
とにかく、今は敵に回るつもりはないらしいので、適当に手当てして置いておく事にした。
今はこの大人しい犯罪者よりも、凶悪で今も潜んで時を待つ凶悪犯の方が重要だったからだ。

 

 

なにやら沈んだ空気。気まずさに、思わず席を立つ快斗。
快(黒)「お茶入れるよ。お菓子もあるし。珈琲でいい?」
新(黒)「ん」
新(舞)「頼む」
哀(舞)「悪いわね」
哀(黒)「あら、かれの役目よ?」
紅(舞)「あら、そうなの」
快(舞)「(こき使われてるなぁ)」
キ(舞)「(こちらではそれが当然なんでしょうが)」
快(黒)「何も言われてないのにその哀れみのこもった目を見ればなんていわれているのかわかる気がするぜ(涙)」
比(黒)「手伝おう。この人数では一人ではムリだ」
時(舞)「俺も手伝おうか?」
べ(舞)「あなたが行くと何か入れそうでいやだわ」
そのときばかりは同感な人たち。
快斗(黒)と比翼(黒)がキッチンへと移動。
新(舞)「その傷は、どうしたんだ?」
べ(舞)「
新(舞)「そか。とりあえず、動くなよ?」
紅(舞)「哀、大丈夫?」
哀(舞)「ええ、大丈夫よ」
哀(黒)「くす、皮肉ね。何処の世界でも、私は組織の恐怖から逃れられないのね」
新(黒)「そういう言い方、やめろっていってるだろ」
哀(黒)「ごめんなさい」
新(黒)「何度もいってるだろうが。おめぇのことは俺が守ってやるんだから、お前は心配しなくていいんだよ」
快(舞)「(無意識だ!そして無自覚だ!!)」
時(舞)「(こちらの新一も無意識に気障な台詞を!)」
キ(舞)「私の特権(?)なんですが
比(黒)「だが実際、哀は縛られすぎている。力を抜くといい」
比翼、快斗が大量のお茶とお菓子を持って現れる。比翼さん、両手に大きなお盆。
快(舞)「(唖然)」
時(舞)「バランスいいな〜」
比(黒)「年期が違う(関係ない気もする)」
快(黒)「今日のおやつはタルトとカップケーキね。
はい新一、甘さ控えめだよ。こっちの新一も、これでいいかな?」
新(舞)「さんきゅ」
哀(舞)「彼が接客(?)なんて珍しいものを見せてもらったわ」
快(舞)「お前あんまり動くな、なんか悲しくなってくる」
キ(舞)「なんでしょう。とても不快です」
快(黒)「あのなぁ〜!こっちでは、こういう役なの!!新一はほっとくと三食食べてくれないし!!本ばっかり読んでるし!下手すると寝ないし!俺が動くしかないんだって!比翼さんも最近いろいろ手伝ってくれるけど!ここはやっぱり後々の為にも俺がやりたいわけで−−−−−−」
新(黒)「働き者だよな〜快斗。助かるぜ」
快(黒)「新一にそう言ってもらえると嬉しいよ
哀(舞)「中身はやっぱり同じね」
根本的に。
比(黒)「ほれ」
べ(舞)「
ベルモットの前に珈琲を置く。
比(黒)「毒は入っておらんし、美味いと思うぞ?少々肩の力を抜いても誰も咎めんと思うが」
べ(舞)「残念なことに、私はあなたを知らないのよ初対面の相手に出されたものを、口にするのは避けているの」
新(舞)「ベルモット」
時(舞)「なんか喰っとかないと腹減るぞ?」
比(黒)「そうか。無理にとは言わん(声をひそめて)だがな、こちらで私はそなたと初対面ではない。それは覚えておけ」
べ(舞)「?」
ベルモットにしか聞き取れなかった言葉に、新一(黒)が首を傾げる。
新(黒)「比翼?」
()「気にするな−−−−−だがだとすると、このメンバーで雑魚寝とは少々肝が冷えるな」
それを考えていなかった人々が一気に固まる。
時(舞)「ゲートの確認もすんだし、男の同行は捜索中だしやることといえば
哀(黒)「私暫らく、隣に戻っていてもいいかしら?」
新(黒)「どうしたんだ?」
哀(舞)「何でもないのよ。ただ、そちらの工藤君からいい物を貰ったから早くやりたいことがあって(くすくす)」
哀(舞)「あら、私も一緒に行っていいかしら」
快・キ(舞)「駄目(です)ーーーーーーーー!!(汗)」
さて何をしよう?
男は何処だ?つか誰だ?

 

 

隣へ、二人の哀と紅子が出て行った後。
新(舞)「それより、その怪我見せろ。」
ベ(舞)「・・・。」
断ってもいつまでもらちがあかないので、大人しくしている。
新(舞)「・・・やっぱりか・・・。」
キ(舞)「どうか、したんですか・・・?(ベルモットに対してはあまりいいように思っていない)」
新(舞)「アンタが、今回のあれの第一被害者だな。」
快(舞)「っ?!」
比(黒)「というと、その怪我はそれによってと、いうことか?」
新(舞)「ああ。それも厄介なのは・・・。」
時(舞)「生き残ってしまった事、だな。」
新(黒)「?」
快(舞)「どういうこと?」
キ(舞)「今回の相手は、人ではないと、最初にも言いましたよね?」
比(黒)「そうだったな。」
快(舞)「そいつは、呪いを相手へ与える。それによって、動きを封じられ、その間に喰われる。」
キ(舞)「しかし、生き残った者だとしても、呪いに勝つのはほぼ無理とされています。今、彼女がこうして意志を保って座っている事すら、危険な状態なんですよ。」
新(舞)「また、・・・勝手にするつもりだったんだな・・・。」
その言葉の意味が正確に理解できるものは時矢ぐらいだけだろうが。
ベ(舞)「別に、勝手にするつもりはないわ。私も、あれによって被害を被ったから、上から命令が来ただけだもの。」
新(舞)「そういって、俺達が手を汚す前に、お前自ら手を汚すんだ。そうやって、お前は罪を重ねていく。あの時から、そうなんだろ?」
あの時を正確に知る者は二人だけ。出合ったのは二人だけだったから、他には誰もいなかったから。
キ(舞)「どういうことですか?」
新(舞)「気にする事じゃない・・・。彼女の生きる為の術はアレしか残されず、その道で・・・。」
快(黒)「どういうことだよ。生きる為の術って。」
確かに組織の人間が気に食わないのはある。
ベ(舞)「別に、いいわよ。私が犯してきた罪が消えるわけでもなければ、背負い続ける義務もないのだから。」
新(舞)「だが、一つ言っておく。お前は哀を殺さないと言った。それに・・・!」
ベ(舞)「・・・。」
新(黒)「(事情が、いろいろあるみたいだな・・・あっちは・・・。)」
新(舞)「まずは、その呪いの効果を消させてもらうぞ。」
取り出すは、あの扇。服は違うが、姿は様になっているように見える。
新(舞)「生きる意志があるものには生を、死を望む者には死を。魔にそまりしその邪悪なるもの。穢れを打ち砕け。我が契約の名の元、力を貸し、仮の者の闇を浄化せよ。」
快(黒)「(やっぱり、あれは歌ってるよな、絶対。)」
時(舞)「(無茶、しやがって・・・。)」
すっと、消える、彼女の首筋にあった黒いあざ。
新(舞)「ふぅ。」
息をついたと同時にふらりとよろける。
新(舞)「わぁ?!」
快(舞)「新一!」
キ(舞)「大丈夫ですか!」
新(舞)「大丈夫・・・。あ、時矢。悪いんだけど、今からちょっと調達して来てくれねーか?」
時(舞)「はいはい、いいですよ、お姫様。」
新(舞)「姫はよけいだ・・・。」
何を調達してくるのかは言われていないが、わかっているのか、時矢は家から出て行った。
その頃、しっかりと楽しんで実験をしているお隣さん方。

数分後、黙ったままの彼等の元へ、紙袋を持って現れた時矢。
新(舞)「・・・。」
時(舞)「さて、着替えるんだろ?」
比(黒)「どうしたんだ?着替えが必要だったのか?」
キ(舞)「まさか・・・?!」
快(舞)「だ、駄目〜〜!!」
どうして二人が止めるのか。前回の経験でわかっていたような気もするが・・・。
数分後、着替えて現れたのは、人目を引く格好いいキッドや快斗もそして比翼もびっくりな格好いい男と、可憐な美少女が現れた。
比(黒)「そうしていると、別人に見えるな。」
時(舞)「そうか?ま、仕事の中ではいろいろと変装はするけどな。
新(黒)「俺が、女装〜〜〜。」
新(舞)「しょうがないだろう。俺は仕事中は女でいる事が多いからな。正体隠しているし、こっちだと、二人も同じのがいたら目立つからな。」
だから、女装したのだと言う。本当は嫌らしいが・・・。あの三人は変装は適当にする
だろうから放っておいてあるが・・・。
そして最後には・・・。
ベ(舞)「嫌だわ、かなり動きにくい。」
その割にはしっかりと動けるであろうベルモット。こちらの世界では女優さんな彼女。
同じだけに、見た目は綺麗であった。確かにね・・・。
さて。彼等はあれを探す手がかりを探す為、行動を開始するのであった。

 

 

それぞれ変装をしている皆さん。
新(黒)「灰原たちは研究がいいところだからあとで合流するらしい」
何気に恐ろしいことになっていたりする。
快(舞)「俺一人で実験されるのやだな」
キ(舞)「私だっていやですよ」
快(黒)「いいじゃんあんたら。帰ったらいいんだから。俺だって逃げ場ねぇよ
キ(舞)「甘いですね。女史は一人ではありませんよ」
快(舞)「こっちはこっちで大変なんだい」
比(黒)「苦労話は後にして、探すぞ」
比翼は当然男装。新一快斗(黒)はいつも通り、快斗キッド(舞)は、適当に変装。
新(黒)「どうやって探すんだ?」
新(舞)「見える奴には見えるけどおめぇなら見えるんじゃねぇか?」
時(舞)「W快斗とキッドには見えそうにないねぇ」
比(黒)「人でないものなどそこら中にひしめいているではないか」
ほらそことかそことかこことか。
そう言ってあちこち指差す比翼さん。
快(舞)「冗談?」
比(黒)「私はいつでも真面目だ(きっぱり)」
新(舞)「ちなみにそれってファンシー?」
比(黒)「どちらかというとグロテスクだな」
霊感有決定。
時(舞)「それはさらっと流していいと思うぞ。探すのもグロテスクだと思うけどな」
快(黒)「見たくねぇなぁ
キ(舞)「見えませんから」
新(舞)「ピンチになれば見えるんじゃないか?」
ありえそう。
皆は外に出て、とりあえず人ごみからちょっと離れた場所で立ち止まる。
時(舞)「ここら辺でいいかな」
快(黒)「何する気?」
新(舞)「ちょっとこっちにいる皆に聞いてみる
目を閉じて集中する新一。
暫しの沈黙。
新(舞)「駄目だ、遠い。もしくは、寝てる」
時(舞)「もうすぐ夜だけどな〜」
比(黒)「やはり活動時間は夜か」
新(黒)「ならどうやって探す?」
早く見つけて何とかしないと被害者が。
時(舞)「血を求めて人を喰らう奴だからな」
悩む面々。
べ(舞)「私が囮になりましょうか」
新(舞)「ベルモット!?」
べ(舞)「あいつが食い損ねた私だもの。出てくると思わない?」
快(黒)「危険だって」
比(黒)「そうだ。お前たちは血を流しすぎれば死ぬ。そなたはすでに、血を流しすぎている」
キ(舞)「あなたは気に食いませんが、ここで死なれては困りますしね」
時(舞)「でも囮はいい案じゃないか?」
快(舞)「危険すぎるだろうが」
快(黒)「あんた俺たち殺すきか」
比(黒)「囮はいい案と私も思うぞ」
時(舞)「?」
新(黒)「おい、まさか」
比(黒)「私は斬っても焼いても煮ても撃っても溶かしても
ばらばらにしても死なんからな。適役だろう」
快(舞)「比翼さん本当に人間か?」
新(黒)「お前なんだか危険に喜んで飛び込んでいってないか?」
比(黒)「気の所為だ」

紅(舞)「奴は危険よ。囮は難しいと思うわ」

快(舞)「紅子」
新(舞)「哀もW)」
哀(黒)「研究が一段落したの」
哀(舞)「興味深い話をしているようね」
比(黒)「一段落、か」
続きは終わってからですか?

 

新(舞)「ま、見えないのは第一に問題だな。そのせいで、今回逃した事だし・・・。」
しょうがねーなと、頭をかいている新一は、可笑しなものが見えて、目的の物が見えないのも困るので、あることをします。
新(舞)「全員、目をつむっていてくれvv目を開けたら、そいつはぶっ飛ばすvv
ハートマークがとてつもなく恐ろしい・・・。
快(黒)「新ちゃんが何か怒ってる〜。」
時(舞)「脅すな、新一。それぐらいにしておけ。お前の怒りの場合は、余計な争いを生むからな。」
新(舞)「ま、それはおいておいてだな。」
はやくめをつむれと、ぱこぱこっとキッドと快斗の頭をはたく。
さて、大人しく従った面々。
新(舞)「我が力を仮の者達に与えん。さぁ、その目にその者達を映せ。」
ふわりと、重力を失ったのか、浮遊感を感じる。
そして、ちゅっと新一は新一のおでこにキスをした。順に、時矢以外の面々にキスをしたのだった。
キ(舞)「な、なんてことを・・・!」
快(舞)「駄目じゃないかー、勿体無い><」
新(黒)「自分に、キスされた・・・。」
快(舞)「新一の顔が・・・。」
哀(黒)「なんだか、照れるわね・・・。」
哀(舞)「まったく、わかっていない人だわ。あの人。」
紅(舞)「今夜、あの人達抑えないといけないわね・・・。」
時(舞)「大丈夫だ。俺が近づけさせないからな。」
比(黒)「なんだか、いろいろあるんだな。」
こうして、全員が新一が側に連れている妖精や時矢が連れている妖精に、何故か快斗(黒)にまとわりついている黒い影などが見えるようになったのだった。
新(舞)「さて。俺はこれから出かけるかな。」
快(舞)「ちょっとまて。何処に出かけるつもり!」
新(舞)「もちろん、囮捜査だなぁ。」
時・キ・快・哀・紅(舞)「だ、駄目!」
比(舞)「私ならともかく、新一は駄目だろう?」
新(舞)「いや、それがそうでもないんだな、これが。」
哀(黒)「どういうことかしら?」
新(舞)「俺を食べれば俺の力を手に入れられて、これまたおっきくなれるわけ!だから、あんなおかしなのがよってくるんだよ。」
昔からそうなんだと、のんきな新一。よくそれで生きてこれたわねと、黒鳥面々はため息一つ。さすがの新一も少しそれには何かあるようだ。
キ(舞)「それは、危ないので駄目です。」
新(舞)「だがな。もし、怪盗KIDが現れたら、こっちの刑事さんに迷惑でしょ?」
快(黒)「確かになぁ。中森警部が・・・。」
快(舞)「こっちも中森警部なんだ。」
快(黒)「あれ?そっちもなの?」
キ(舞)「彼は、いつも元気に走り回っていますね・・・。今ではいろいろと私達の事を気にかけてくれますけどね。」
快(黒)「どういうこと?」
快(舞)「そりゃ、俺がKIDの関係者で魔術師のメンバーだって知ってるからに決まってるじゃん。」
哀(黒)「無茶な事をしているのね。」
哀(舞)「まったくだわ。そうおもうでしょ?」
そんな事をしている間に、新一の姿は忽然と消えていました。
比(黒)「はやく、探さねばいけないな。」
新(黒)「俺、死ぬのか?」
快(黒)「少し間違えると、あっちの新一の命は危ないね。」
さて、あれが動き出すといわれる日暮れまで、あと一時間。
時(舞)「女装していることと、その魅力を考えて行動してほしいがなぁ。無理だろうな。」
哀(舞)「はやく、探すわよ!」
キ(舞)「一時間以内に探さないと、本当に危険ですからね。」
こうして、比翼と時矢。新一と快斗。哀と紅子。キッドと快斗。真とベルモットの五組にわかれて探す事になったのだった。

 

 

 

新(黒)「俺〜!どこいったんだ〜」
快(黒)「その探し方はどうかと一応、女装してたし」
新(黒)「あまり見たくないんだけどな俺が女装している見たいで」
快(黒)「というか、まるっきり新一だから」
新(黒)「うるさい」
快(黒)「とにかく、探さなくちゃね。しんちゃ〜んどこ〜?」
新(黒)「(かなり複雑)」

キ(舞)「まさか、こうなるとは思いませんでしたね」
快(舞)「俺も予想外だ」立ち往生している二人。
キ(舞)「こっちからきたのですから、次はあちらに
快(舞)「でもあそこ行き止まりだし」
キ(舞)「かといってこちらは人が通れるような道ではありませんし」
快(舞)「認めるしかないか
キ・快(舞)「「迷った」」
キ(舞)「あちらの快斗だけを情けないといえなくなってきましたね」
快(舞)「そういや俺たち、土地鑑なかったんだ〜」
首を傾げながら四苦八苦、新一を探し続ける二人。

通りすがりの男A「ねぇねぇお姉さん一緒にお茶でもへぶし」
哀(黒)「ここにはいないようね」
紅(舞)「気も感じられないわここらは濁っていてわかりにくいわね」
哀(舞)「しょうがないわよ。世界観が違うもの」
哀(黒)「次へ行きましょう」
ナンパされるたびに撃退していく為、彼女たちが通った後には屍が積み上げられていた。

比(黒)「そなた、知っているのではないか?」
時(舞)「なにをだ?」
比(黒)「そちらの新一が行きそうな場所、だ」
時(舞)「新一はこっちの土地鑑ないぜ?」
比(黒)「何処に何があるのかわからずとも、妖精がいれば大抵、どこにいるのかわかるだろう。そなたの横にいる妖精、それは風の精であろう?何故かみな忘れているが、新一と連絡が取れるはずだ」
時(舞)「よく知っているな」
比(黒)「何故それを早く伝えない?」
時(舞)「新一のさせたいようにさせるためだ。危険になったら勿論助けるけどな」
比(黒)「つまり我々は、新一のいる場所に近づいて行っていると思ってよいと言うことか」
時(舞)「そういう事だな」
比(黒)「それならば何もいうまい」
マイペースに進む二人。
そろそろ夜が近付いてきた。

 

新(舞)「やぁ〜っと、見つけたぞ!」
敵(舞)「びくっ」
さて、何故かご対面している二人。囮になるのではなかったのかと思うのだが・・・。なぜか、捕まえる気でいる・・・。
敵(舞)「・・・力・・・。」
だが、敵も命はおしいが力もほしい。
そこへ、新一にとってかなり予定外なものが現れた。
平(黒)「あんたは、この前のべっぴんさんやないか!」
探(黒)「美しい方。また会えて、今日はなんと良い日でしょう。」
新(舞)「(げっ!)・・・」
夢だ夢だと思っていたが、実在したのだと大喜び。
平(黒)「なぁ、これから何か用事あるんか?」
探(黒)「よろしければ、この先でご一緒にお茶しませんか?おいしいお店を知っているのですよ。」
何故か迫られる。
そこへ・・・。
新(舞)「うわっ?!」
突然浮遊感に襲われる。
新(舞)「や、やべっ!」
敵(舞)「ふんっ。」
勝ち誇ったような顔で二人を見下ろし、そのまま新一を連れて飛んで行きました。
探(舞)「た、大変です!」
平(黒)「はよう、助けなあかん!」
といいながら、慌てる二人。
第一に、こうなった原因はお前達だということをまったくわかっていない様子。

時(舞)「・・・急ぐぞ。」
比(黒)「何か、あったのか。」
突如、動き出す時矢。追いかければ、何故かその場で止まっていた。
時(舞)「・・・っ。まずいな。」
比(黒)「・・・何か、あったのか?」
時(舞)「つれてかれた。」
どこか、遠くを睨むように見ている時矢。比翼にはその目が何を見ているのか、わからなかったが、なんとなくわかった。

その頃
新(黒)「本当に俺はどこにいったんだ?」
快(黒)「新ちゃん何処行ったんだろうね?」
と思えば、キッドと快斗を発見。そして、哀と紅子と合流。
新(黒)「この四人じゃなくて俺を見つけないといけないのに・・・。」
快(黒)「そうだねぇ・・・。」
哀(舞)「一度、家で待機してる彼女(哀)に連絡をとるべきかしら?」
キ(舞)「気になるのは、あの二人がいないことですね・・・。真とベルモットは別ですが・・・。」
快(舞)「・・・新一・・・。」

 

 

時(舞)「こっちだ!」
比(黒)「ふむ」
チラリと辺りを見渡してから、目を細めて時矢を追う。
時(舞)「なにかあったか?」
比(黒)「不快な鳥と馬の残り香だ、気にするな」
時(舞)「ふ〜んなるほど」
何となく、新一が連れ去られた理由がわかった時矢。

新(黒)「俺は本当に何処へ行ったんだ」
快(舞)「ヤバイな。そろそろ本当に、見つけねぇと
キ(舞)「嫌な予感がします」
哀(舞)「いやね、あなた達の予感は当たるのに」
紅(舞)「!!?」
いきなり紅子が上空を見上げる。
つられて見上げるみんな。
哀(舞)「!?」
快(黒)「あ!!」
快・キ(舞)「「新一!!」」
何かにつかまりビルの間を空中移動中の新一発見。
新(黒)「あれって比翼と時矢さん?(汗)」
ビルの上を飛び交い後を追う二人も発見。
快(黒)「目立つって二人とも!!」
キ(舞)「いえ、新一は一応妖精の結界をはっているようですね」
哀(舞)「変な所で気が利くわ」
快(舞)「とにかく、追いかけよう!!」

平(黒)「待ちやぁ〜!!」
探(黒)「止まってくださ〜い!!」

そこに、迷惑でしかない二人が登場。
快(黒)「げげ!!てめぇら!」
平(黒)「あ?なんやて、黒羽が三人!!?」
探(黒)「黒羽君、君はやはり!」
快(舞)「うわバットタイミング」
キ(舞)「いつも邪魔な方々ですね」
快(舞)「今忙しいんだよ!!おめぇら邪魔!」
平(黒)「何抜かしてんねん!邪魔なんは黒羽のほうやろ!あ、工藤!大変なんよ、工藤によく似た別嬪さんが」
探(舞)「助けなくては!」
二人の言葉に、シンと静まり返る。
新(黒)「つまり」
快(黒)「新ちゃんが危ない目にあってる原因って
快・キ(舞)「「おまえらかーーー!!(怒)」」
どかばきどすっ!
平(黒)「ぐふっ!」
探(黒)「ぴ!」
スラリとした足が二つ、二人を踏みつけた。
哀(舞)「彼のことは任せたわ」
紅(舞)「報復のほうも任せておきなさい」
快(舞)「うんわかった!」
キ(舞)「遠慮なくよろしくお願いいたします!」
やっぱり二人はこういう役。

 

 

 

時(舞)「止まれ、止まらんか、この野郎!」
すぱこーんと何かを投げました。かなり、物騒な事に、それは刀でした。
もちろん、しっかりと妖精さんが回収して手元に持ってきてくれます。
比(黒)「刀・・・扱えるのか?」
時(舞)「一通りはな。自己流だが。」
比(黒)「尚更、手合わせ願いたいな。」
時(黒)「時間があればな・・・。」
さて、投げられた事で墜落する敵さん。もちろん、新一さんも一緒です。
快(舞)「し、新一ー!」
キ(舞)「快斗!」
キッドと快斗の抜群のコンビーネーションにて、空中で快斗が新一をキャッチ。そして、地面でキッドが即席でマントを使ったスモッグを作りました。
時(舞)「さすがだねぇ、二人とも。」
しかし、敵もなかなか。
助かった二人でしたが、すぐさま新一さんを連れて、距離をとりました。
キ(舞)「・・・やはり、すぐに始末するべきですね・・・。」
快(舞)「そうだよな。新一にべたべたくっつきやがって・・・。」
快(黒)「(俺が壊れてる・・・。)」
時(舞)「落ち着け、二人とも。それに、話を聞け、グロッド。」
すちゃりと着地した時矢と比翼。
時(舞)「さて、今すぐ新一をこちらに返して下さいな。何より、そのままでは、貴方は新一の力を手に入れることはできない。それぐらい、わかっているんだろ?」
キ(舞)「どういうことですか?」
時(舞)「そりゃ、いざとなった時の保健をかけてあるのさ。」
比(黒)「ふむ。それで、できる限り好きにさせていたわけか。」
納得する比翼。
時(舞)「おーい、どうするんだ?三秒以内に答えを言え!」
すでに、お怒りモードの彼。いつもと変わらないが、にっこりと笑っている顔が、今までと違い何故か恐ろしく感じるのだから、気のせいではないはず。
時(舞)「・・・言えっていってんだよ、このボケ茄子が!」
いつのまにか、グロッドの背後を取り、ちゃきっと物騒なものをむけています。
時(舞)「大人しく返して、大人しく捕まる・・・よなぁ・・・?」
比(黒)「さすがだな。」
快(黒)「のんきな事言っている場合じゃないだろ!」
どうにか、大人しく新一を解放してくれた。おいしいとこどり?でも、本編ではキッドさんがおいしいとこどりですよ?
時(舞)「さて。お姫様はお眠りだし、帰りますか。」
ふぅと、いつものおちゃらけた彼がいた。
キ(舞)「・・・。」
快(舞)「なんなんだよ、あいつは!」
だって、彼はまともな人間じゃありませんからvv
時(舞)「お前等も悪かったな。巻き込んで。たぶん、こいつがこっちに持ってきたものは、ベルモットと青年が回収してくれているはずだから、心置きなく帰れるぞ。」
なんだか、仕事をとられた気がする・・・。そして、そういえば姿が見えない二人の事を思い出した彼等だったりもする。

さて。家に帰ってきて・・・。何か悲鳴が聞こえた気がするが・・・。気にしない気にしない。
家に帰ってもまだお休み中の新一(舞)。
新(黒)「俺もこうなのか?」
快(黒)「そうだね・・・。」
しっかりと時矢の服をつかんでいる新一。
新一が幸せそうなので、複雑ながらも大人しくしているキッドと快斗。
比(黒)「・・・今となっては、少し気味が悪いものだな。」
快(舞)「どういうことだよ。失礼な!」
比(黒)「そういうところは同じだな。」
さて、明後日まで何をしていようか・・・。それより、明日の予告は・・・?今日のになったわけ・・・?あれれ???
新(舞)「・・・。」
どんな夢みているのだか、幸せそうな彼。

 

 

 

 

新(舞)「おはよー」
ぱたんと、リビングに出てくるお疲れモードな新一(舞)
と時矢。
快(舞)「おはよぉおおお!!」
新(舞)「ぎゃあ!!」
がばりっ!
キ(舞)「快斗、新一が苦しがってますよ」
比(黒)「朝から激しいコミュニケーションだな」
時(舞)「おはよ」
比(黒)「ああ、おはよう」
時(舞)「他の奴らは?」
比(黒)「新一はまだ寝ている。今快斗が起こしに行った。W哀と紅魔女は隣だ。何でも研究がいいところらしくてな。朝食は済ませてある。ベルモットはまだ部屋にいるし、真は確か朝の鍛錬とか言って町内をランニング中だ。地図を持たせたので道に迷いはしないだろう」
時(舞)「で、朝ごはんは?」
比(黒)「勿論用意されている快斗とキッド、それ以上新一を抱き締めていると再び新一が旅立つぞ」
キ(舞)「おや」
新(舞)「て、手加減しろ!(ぜいぜい)」
快(舞)「だって新一がこいつの服掴んで放さないから〜!!」
むかついてむかつきまくったらしい。
比(黒)「黒羽快斗という人間は心が狭い」
快(黒)「それは酷いよ比翼さん」
時(舞)「お、奥手男、おはよう」
快(黒)「その呼び方はやめてくれない?」
だって奥手だし。
新(黒)「う〜
快斗にもたれるようにしてとろんとしている新一。
ソファに座らせて覚醒を促すが一向に起きない。
比(黒)「新一」
新(黒)「むぅ?」
比(黒)「せっかくの朝食がなくなるぞ?(くすくす)」
新(黒)「比翼が作ったのか?」
快(黒)「うん」
新(黒)「食べ逃したくない」(すっきりお目覚め)
快(舞)「相変わらず
キ(舞)「あなたは本当に哀れですね」
快(黒)「お前らも勝負してみろよ!勝てないぞ比翼さんには!!」
時(舞)「それじゃあやっぱり手合わせだな(にやり)」
何せ時間があるしね。
べ(舞)「いい匂いね」
新(舞)「ベルモット、おはよう(にっこり)」
べ(舞)「ええ」
新(黒)「珈琲と紅茶どっちにする?」
べ(舞)「任せるわ
キ(舞)「そういえばベルモット。貴方が回収して来たものはどこへ?」
べ(舞)「小さなお嬢さんが持っているわよ」
研究材料として活用されていたりしていないよね??
快(黒)「ま、食べようか」
そうして朝食会が始まった。

 

 

新(舞)「・・・そういえば。言ってないだろうな?」
時(舞)「何をだ?」
新(舞)「・・・何も言っていないのならいい。」
再びもくもくと食べ始めた。
快(黒)「それで、今夜のKIDの予告状、どうしよう。」
キ(舞)「そういえば、そんな事がありましたね。」
快(黒)「あんたが原因だろうが!」
快(舞)「暴力反〜対!」
快(黒)「何が暴力反対だ!こっちはいじめ反対だ!」
比(黒)「そんな問題ではないと思うが?」
時(舞)「なら、今夜は皆で遊ぼうか。」
新(舞)「・・・(嫌な予感・・・)」
時(舞)「五人の怪盗が盗むんだよ。」
快(黒)「五人・・・。俺と、こいつとこいつと・・・。誰だ?」
時(舞)「もちろん、俺と比翼だなぁ。最近なまってるし、新一が獲物だと、結構楽しいと思うぞ。だって、なぁ?」
新(舞)「なんつー事を言ってくれるんだ、この馬鹿野郎!」
時(舞)「だから、今日は紅い服な?」
と、何処からか服を出す。
快(黒)「いったい、何処からそんなものを出すんだよ!」
比(黒)「快斗でもわからないのか?」
快(黒)「むす・・・。」
快(舞)「大丈夫だ。あいつはマジックで出しているわけではなく、妖精が出しているだけだから。見抜けなくて当然だから安心しな。」
快(黒)「でも、むかつく・・・。」
比(黒)「しかし、それでは簡単に勝負がついてしまうのではないか?」
時(舞)「大丈夫だから。な、新一。封印を解いてしまえば・・・ね・・・。」
新(舞)「(もう勝手にしてくれ・・・)」
キ(舞)「そういえば、そんな事を昨日も・・・。」
時(舞)「普段から力が勝手に出たらこまるから、封じてあるわけさ。で、それを解除して、せいいっぱい逃げてもらおうと思ってね。もちろん、景品付だし、絶対新一はやってくれるからね。」
新(舞)「・・・まさかっ!」
時(舞)「そうそう。あれだよ。新一がほしがってた奴。ちょうど見つけてね。」
比(黒)「ものでつるわけだな。」
新(黒)「俺がつられてる。」
そんなこんなで、新一対五人の怪盗の戦いの幕が開く。
それを楽しく観察するのはお隣の面々と、参加者ではない者達。
新(黒)「俺はどうしていたらいいんだ?」
快(黒)「大人しく待っててね。」
新(黒)「わかった。頑張れよ。」
快(黒)「ありがと〜。」
少しらぶらぶですか?いや、違います。
さて、何故かこっそりと二人きりになった時矢と新一。そして、どこかへ行ってしまった新一。
時(舞)「妖精はつかわねーから。本来の実力だけってことな。お前等も新一のキスの効力は切れてるから、もう、見えないだろうから、しっかり探せよ?新一の頬にキスしたらゲームセットな。」
比(黒)「わかった。」
快(黒)「(少し複雑)」
キ(舞)「今晩は楽しくなりそうですね。」
快(舞)「こっちのおじさんに会えるや。」
さて、長い一日ははじまったばかり。

 

時(舞)「比翼〜手合わせしようぜ〜」
食器洗いを終えてリビングに来ると、いきなり愛用の刀を投げられた。
比(黒)「(ぱしり受け取った)確かに暇だ」
新(黒)「哀たちは研究続行中だしな
快(黒)「今近付いたら喰われる気がするよ」
キ(舞)「恐らく間違っていないのでしょうね」
快(舞)「実験体にされればまだいいほうかな」
時(舞)「あほな二人が今実験体になってるから大丈夫じゃないか?」
快(黒)「そだね」
誰も心配はしていないらしい。(当然)
比(黒)「では、ちと手合わせ願おうか」
時(舞)「よし」
新(黒)「庭でかよ」
快(舞)「広いからいいんじゃない?」
キ(舞)「昼間から庭で剣の稽古とは目立ちそうですね」
快(黒)「というか掃除って俺なんだよね
比(黒)「案ずるな。そこまで荒らしはせんよ」
ある程度荒らしはするらしい。
何だかんだで庭に出る二人。
新(舞)「本当にやるのかよ
快(舞)「あいつ比翼さんと戦いたがってたしな〜」
快(黒)「比翼さんも手合わせしたがってたよ」
キ(舞)「恐ろしいですね」
でも勉強のため覗く人たち。
時(舞)「最初に一本完璧に入れたら勝ちな」
比(黒)「武器は何でもよし。制限時間は」
時(舞)「んー勢いのままに
快(舞)「決めないのかよ」
新(黒)「比翼
新(舞)「無茶すんなよ」
時(舞)「はいはい」
比(黒)「案ずるな。少々離れていろ」
刀を抜いて構える二人。暫しの沈黙。
キ(舞)「(剣気がびりびりしますね)」
快(舞)「(やっぱ強いなこいつら)」
快(黒)「(この人たちって人間か?)」
新(舞)「(楽しそうだな)」
新(黒)「
まず初めに、比翼が時矢に打ち込んだ。
それをすらりと交わして、反動を利用して刀を振る。
それを身体を捻らせて避けて、さらに一撃。
快(舞)「わー、すっげー」
真(舞)「剣先が見えない
新(舞)「真さんでも見えませんか
快(黒)「あの二人、一歩も動いてないよ(汗)」
比(黒)「ふむ、なかなか」
時(舞)「あんたとは本気でやってみたいな
比(黒)「そんなことをしたらそなた、負けるぞ?言ったろう。私は怪我をしても意味がない」
時(舞)「確かに。新一も悲しむしな」
余裕があるらしく会話をしながら手は止まらない二人。
同時に交差した状態で止まった。
真(舞)「力の強いほうが勝つ」
快(舞)「時矢のほうが力なら強くないか?」
快(黒)「甘いね。男二人を平然と担ぎ上げる人だぞ?比翼さんは」
一分経過。五分経過十分経過。
快(黒)「長すぎるー!!」
キ(舞)「よくあの状態を保っていられますね」
まだ、剣を交差させ押し合っている。
新(黒)「どっちも疲れてきたな」
新(舞)「まあさすがに、互角ならなつーか終わるタイミング逃して困ってないか?」
その通り。
この状態でどちらかが力を抜けばそこで負けるので。
比(黒)「(さてどうしたものか)」
時(舞)「(ここまで来るともう意地だな)」
ぎちぎちぎちぎち。


ぴんぽーん。


あ。
するっと同時に力が抜けて、皆が玄関の方向を見た。
比(黒)「誰か来たな」
時(舞)「あー、でも助かった
確かに。あのままの状態はきつい。
快(黒)「俺が出るね」
新(黒)「じゃあ麦茶でも入れるかお前らちょっと汗拭いて来い」
比・時(黒・舞)「わかりました」
手合わせ、決着つかず。
さて、誰がきた?

 







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