この仕事をはじめてから、どれだけの時が流れたのか。


  この仕事で、いつか真実を見つけ出せるのだろうか。


  いまだに姿を見せない、行方不明の両親の事。


  あの光景の、いた本人のみがしる真実を、いつか知れるのだろうか。







     舞姫の宝珠  第二幕 敵情視察







川辺は今朝に比べると警察の数は少なかった。

ある程度、検証も捜査もいろいろと終わったのだろう。

 

「あ、灰原さん。」

 

気付いた一人の男が二人に駆け寄ってくる。

警察の幹部に父親を持つ白馬探だった。相変わらず、彼は変わった格好をしている。

二人とも、あまり彼の事は好ましく思っていなかったが、営業用の顔で対応する。

 

「と、こちらは?」

 

さすが紳士というべきか。気障な紳士を名乗る泥棒と対応の仕方と似ていた。なんだか背筋が寒くなる。

そして、すぐに見ない顔の女性に気付いたようだ。だが、これは変装であって、本当の女性とは違うが、気付いていないようだ。

 

「後輩よ。あそこで見習いやってる子。今日は私の買い物の付き合いなのよ。」

 

そういって、灰原は紹介してしんの存在を相手に信じさせる。まぁ、自分達は一応一般人という枠に入っている為に、疑われる事はほとんどないが、用心に越した事はない。何せ、相手がどういった相手かわからない異常は、下手に動くのは賢くない。

 

「実はね、最近忙しくてここに来れなくて、落としてしまった簪を暇を貰ったので探しに来たのだけど。無理かしら?」

「落し物ですか?そうですね。何時ごろですか?」

「三日ほど前だったと思うのだけど。最近忙しくて覚えていないのよ。今日もやっと、買出しということで外に出る許可が下りたのだから。」

 

哀が忙しいことは白馬も知っているので、何も言わない。それに、哀が三日前に簪を落としたのは事実なのだから、嘘はいっていないのだ。

ただ、偶然ながらも、それを口実にして、現場に現れたのだ。

ある事を確かめる為に、わざわざやってきたのだ。

 

「どの辺りですか?」

「たぶん、橋の近くだと思うのよ。だって、橋を渡っていたときに、落として、草原に落ちてしまったのだから。」

 

それは困りましたねという。何せ、まさに簪が落ちた場所に遺体が発見されたのだからだ。

 

「もしかしたら、まだ残っていたとしたら、遺体と一緒に回収されているかもしれませんね。」

 

そのとき、向こうから一人の男が走ってきて、簪の持ち主がわかったと言って、走ってきた。

そして、持ち主が目の前にいて驚いたのは無理もないだろう。

たった今、この落し物の所有者の名前がわかりましたと、報告しようとして来たのだろうから。

 

「見つかって良かったわ。」

「いえ、どういたしまして。見つかって何よりですよ。」

 

男から受け取り、うれしそうに言う哀。その笑顔を見て、照れる男。白馬は下がれと短く命令を下し、男を追い出した。

知らない事があるというのは、ある意味幸せなのかもしれないなと、思ってしまう新一だった。

 

「どうしましょう、白馬さん。」

「一応、事情は聞いておくべきですね。発見は今朝でも、遺体はもう少し前からあそこにあったようですから。」

 

哀が落とした簪は遺体の下にあった。つまり、遺体は三日前より最近にあそこに放置された事になる。

哀が落としたその後、何者かの手によって死体は置かれた。今回もいない目撃証言の中では、結構有力な証言。

 

「君と、そうだですね、数人連れて付近の住人からここ三日のことを聞いてきてくれ。」

「わかりました。」

「悪いですが、もうしばらくお付き合いねがえますか?」

 

彼の目が一瞬だけ怪しく光った事を哀は気付いた。自分達と同じ、裏を知る人間の目だと、哀にはわかった。

だが、今は断る術を持たないので、それに応じて、大人しく白馬に付いて行った。

 

白馬との接触こそが、自分たちのまず第一に二人が行う仕事でもあったからだ。

 

 

 

 

 

 

簡単に指示を出して後を任せた白馬は呼んでおいた車に二人を乗せた。

 

「それで、何を話したらよいのでしょうか?」

「三日前にこれを落としたとき、何か不審な人物やものはありませんでしたか?」

「そうね、なかったと思うわ。それに、あの時は急いでいたのよ。だから、取りに下へ降りる事が出来ずに、時間もなくて今日になったのよ。」

 

そう話したあと、白馬は隣に座っていた新一に話しかけた。それが目的だと、わかりやすい態度だ。

 

「そういえば、あなたのお名前をまだ聞いていませんでしたね?」

「・・・・しんと、いいます。」

「しんさんですか。上の名前は?」

「聞かないでくれない?あそこに名前しかない者が多くいることを知っていながら聞くようなら、容赦しないわよ?」

「そういえば、そうでしたね。申し訳ありません、しんさん。」

「いえ・・・。」

 

新一はかなり肩身の狭い思いをしていた。この格好をしているだけでも嫌なのに、何時ばれるか怖くて仕方がないのだ。いくら警察が無能な者が多いと思っても、やはり警察関係者は鋭いところもあるのだ。

 

まぁ、哀やキッド、さらには快斗までいれば、口をそろえてそれはないというだろうが。新一はどうしてばれないのかがわかっていないからこそ、そわそわするのだ。

 

もともと中性的な彼は、女装すれば女といっても違うという奴は、ほぼいないだろう。それに、このキッドや快斗とは別の意味で人目を引き付ける新一なのだから、そうそうばれる事はないのだが、本人はそんな己の魅力に気付いていないので、ばれた時の恥ずかしさを思うと、大人しくしていられないのだ。

 

「灰原さんが外出時の時はいつも彼女と?」

「あの日は、ちょうど若旦那に呼ばれていたわ。見習いの彼女はこれからのことで、いろいろと言われる事が多いのよ。」

「・・・そうなのですか。」

 

あまり信用していないようだが、別の意味では呼ばれていたことに納得していた。

これだけの美人をあの若旦那がみすみす泳がしておく事はしないだろうという予想。

自分もまた、この出会いによって見逃したくないと思えるようになったのだから、どうしようもない。

 

「で、これは何処に向かっているのかしら?仕事場の方にしては、方向が逆なような気がするけど?」

 

気のせいではないが、気のせいかしらと聞く。あくまでも知らないふりをよそおって相手の真意を攫もうとする。

どうやら、自分達は彼の策略にはまったわけだ。方向はどんどん向かう予定の場所から離れていく。

 

「私も、せっかくの出会いをふいにはしたくあいませんからね。」

「へぇ、貴方のような方も同じなのね。」

「しょうがないかもしれませんね。そればっかりは・・・。」

 

おそらく、向かっている先は彼の家。だが、ある意味では好都合だったのかもしれない。

彼、白馬探は、今朝の資料のリスト、『白い騎士』の候補として上がっていた人物だったのだから。

 

 

 

 

 

 

「何?青子が来ただと?」

 

部屋中に響き渡る大きな声に、報告に来た部下は耳を塞ぐ。

湯飲みに汲んだお茶を飲んでいた中森は机の上にばんっとおいた。

 

「まったく、何しに来たんだ。」

「いいじゃないですか。」

 

そういいながらも、玄関にいるという娘に会いにいこうとする中森。家族を大事にする彼なので、こういった光景はたまに見られる。

警察という血生臭い事から人を疑うという、人によっては気が狂うような組織の中の平和な一面。

 

「どうしたんだ、青子。・・・なんだ、お前も一緒だったのか?」

「いいじゃない、おじさん。」

「そうそう。あ、そんなことよりこれ。」

 

はいっと渡されたのは、布で包まれた箱のようなもの。それも、何処かで見た事があるもの。

 

「お弁当、忘れちゃってたでしょ?」

「駄目だよ、おじさん。」

 

わざわざ忘れ物を届けに来てくれたのだった。頑張る父親の役に立てるようにと、持ってきてくれた。それに、うれしさを覚える中森。

 

「お、そうか。わざわざ悪かったな。」

「ううん。お父さん頑張ってるんだから。でも、ちゃんと食べないと駄目だから持って来たの。」

「いい子になったなぁ。」

 

よしよしと頭をなでる中森。仕事では鬼のようにすごい彼も娘と妻には甘く、そして弱かった。

時には部下を真剣に叱り、安全を喜んだりする優しい人。

そんな彼だからこそ、ついていこうとする部下がいるのかもしれない。

 

「あ、中森警部じゃないですか。」

 

名前を呼ばれて振り返れば、そこに立っていたのは白鳥警部。中森にとっては胡散臭くて気雑多らしくて、あまり好ましく思っていない刑事だった。

 

「お、現場どうだったんだ?」

「今日は打ち切りです。それに、調べたい事もありましてね。」

「そうか。」

 

先程の言葉の間、かすかに白鳥の目の輝きが変わったことに快斗以外は気付かなかった。

獲物を見定めるような、裏の気配を感じされる何かを持つ白鳥。

やはり、リスト通りなのかもしれないと判断する。

今朝に渡されたリストの一人が、白鳥だったのだ。

 

「そう言えば、今朝もですが、今晩も大変ですよね?」

 

思い出したかのように意味深に言葉を残し、長居はいけないと、快斗は青子とともに町へと向かった。これから二人は買い物だ。

そんな二人を暖かく見守り、今日の弁当はなんだろうかと考えていた中森。

そこへ中森の部下の一人が、血相を変えてやってきた。

 

「大変です!泥棒からの予告上です!」

「…。」

「経った今報告があり、盗みは今夜だそうです!」

「ぬぁに〜?!」

 

意味深な快斗の言葉を、泥棒の一言で綺麗さっぱり忘れた中森。

中へ入って予告の内容を見に行った中森の背を見て、白鳥はまだ外にいた。

 

「・・・どうやら、動き始めたみたいですね・・・。彼等が・・・。」

 

その呟きは、風にかき消され、誰の耳にも届かなかった。

 

 

 

 

 

 

キィーっと音を立ててとまる車。車内は止まる勢いに合わせて揺れ動く。

 

「降りますよ。」

「私達は帰りたいのですけど?」

 

降りたら中へ連れて行かれることぐらい百も承知。仕事の事で確認したいところだが、新一がいるのでよくない。白馬の考えを知ってしまっている哀はそう考える。

 

「レディを付き合わせておいて、お茶も出さないのは紳士としては反しますから。お茶の時間ぐらい大丈夫でしょう?」

「私だけならね。この子は駄目なのよ。見習いは厳しいからね。悪いけれど、帰らせてもらえないかしら?」

「問題はありませんよ。私から話をしておきますから。それに、これも商売だと思っていたらいいのですよ。さぁ、早くして下さい。車庫にいれられないでしょう?」

 

部下に無理やり下ろさせる。相手の意思は関係なし。まぁ、帰るにしても車から降りるのでこれには問題はないかもしれない。

だが、降りた後は左右にも背後にも白馬の側にも部下がいる。上手い事逃げ出す事は少々難しい。

何せ、しんは新一とばれるわけにはいかないからだ。それに、男とばれても、危険がなくなるわけではない。

 

「只今戻りました。ばあや、すみませんが客間にお茶を三つ用意してもらえますか?」

 

現れたばあやと呼ばれる老女は奥に引っ込んでいった。

 

 

 

部屋の通されて、黙ったままの新一と哀。何かを企むかのように笑みを浮かべたままの白馬。

 

「それで、屋敷の中にまで連れてきた理由は何かしら?何度も言うけれど、しんは見習いで忙しいのよ?」

「そんなことはわかっていますよ・・・。そう、いつも、貴女方は仕事だという事ぐらいね・・・。」

 

口に運ぼうとしたカップをすかさず口元にふれずに離す新一。勢いで辺りに零れ落ちる液体。哀も気付いてカップを口から離した。

カップの中に、何かが混ぜられている。薬品に敏感な新一はすぐさまそれに気付いたのだ。

 

「・・・気付かれましたか?」

「ええ、こういったものには拒否反応を起こすんでね。」

「しんさんも気付かれるとは、貴方同等に鋭い方のようだ・・・。それはそれで楽しめそうですね・・・。」

 

これ以上探られはばれしてしまう。それに、この男の目的をわかっているから出ないと危険だ。

いつこの部屋から出ようかと考えたとき、新一が立ち上がって哀を椅子から倒した。

ガッシャーンと机の上におかれていたカップが落ちて壊れる。中の液体も床に零れ落ちる。

何かが哀達目掛けて飛んできたのだ。それを、哀をかばいながらよけようとして身を乗り出してくる新一。

 

「な、あなた何を考えているの?!」

 

哀は顔をしかめる新一を見て、事態を知る。彼に何かクスリを使われたと。にこやかに笑みを浮かべて経っている白馬から新一を守るように腕で抱きとめながらいう。

へまをしたと、唇をかみながら、最善の策を考える。

 

「・・・動きはいいみたいですね・・・。」

「…。」

 

そんなことは気にしていないと言う感じで、平然といってのける白馬。

そして、無理やり新一の腕をつかんで自分の方へと引っ張る。その拍子に、哀は後ろへ尻餅をついた。

 

「し、・・・しん!!」

 

哀は慌てて立ち上がろうとしたが、控えていた男に取り押さえられる。

白馬は新一が逃げられないように背後から腕を回して捕らえ、片手胸元から着物の中へと進入させる。

 

「・・・おや?貴方は娼婦ではなく、男娼だったわけですか・・・。」

 

これは面白い事になったとにやつく。男にはそれほどまで興味はありませんが、面白そうですと哀にとっては嫌な客の笑みと同じそれを向ける。

 

「は、なせ・・・っ!」

「しん!」

 

抵抗したくても出来ない。それは、先程、何か針のようなものにクスリか何かを塗られていたせいだろう。最低限の動きでよけたのだが、かすっていたようだ。間違いなく麻痺といった感覚をなくすものだろう。

 

「せっかくなのですから、お相手していただけませんか・・・?」

「誰がっ…!」

 

白馬は場所はここで申し訳ありませんね、といいながら柔らかくて長い椅子に新一を押し倒した。

完全に理性のたががはずれてしまっている。ここまでさせたとなっては、相手をしていただかなければいけないでしょう。白馬は新一の腕を押さえ込み、部屋の外に待機している部下達を呼ぶ。

 

「悪いが、君達は出て行ってくれたまえ。彼女も、丁重に外へ帰してやって下さい。」

「はなせっ、哀に手を出すな!」

「ちょ、やめなさい!!」

 

指示を受けると、すぐに彼等は動き始めた。哀はそれに逆らえなかった。なぜなら、さっき新一にかばうように椅子から倒されたとき、手首と足をひねったのだ。

 

私とした事が失態だったわ・・・。と、哀は唇を噛む。

だがここで暴れずに大人しく外へ出たのは、新一はもう大丈夫だとわかっていたからだ。哀はあの男の気配を感じ取っていた。とても静かに、怒りに満ちた、いつも笑っているあの男の気配が。

目の前に気を取られ、気付けずにいる愚かな男。後でしっかりと仕返ししてあげるわと、哀はどうしてやろうかと、計画を立てた。これから用意するものの調合をしなければいけないと、少し急ぎながら家へと戻っていく。

 

部下から哀が大人しく『家』へと向かった事を知り、もう邪魔者はいないと、行動を開始する。白馬は新一が麻痺が効きだした、力の無い腕で抵抗するのを力で押さえつけ、覆いかぶさる。そして、何かを言おうとする新一の唇を自分ので塞いだ。

 

「・・・んっ・・や・・・め・・・っ?!」

 

放せとだんだん感覚のなくなっていく腕と足で抵抗しようにも、白馬の力の前に動けなかった。

同じ男であるにもかかわらず、たとえクスリで調子が悪かったとしても、ここまで力の差を突きつけられてはプライドがずたずただ。

 

だんだんと、息苦しくなり、酸素を求めて口が少し開いたとき、すかさず舌が進入してきた。

嫌だ、やめろと、声にならない声で叫ぼうとしたそのとき、ガッシャーン!と、部屋の窓が割れ、何者かが侵入した。

白馬はせっかくのところを邪魔されて不機嫌そうに、現れた相手を見やる。そして、目を見開いて驚いた。今まで見たことないほど冷たい空気をまとう快斗がそこに立っていたのだから。

 

「く、黒羽・・・君・・・。」

「よお、白馬。昼間から何やってんだよ。夜はまだだぜ?」

 

侵入者の乱入によってだが、なんとか意識がそれたことをいいことに、新一は懐からすばやくとりだして、白馬に向けて投げつける。

この距離で外れることは無いが、さすがこれでも警察の中にいる人間ということだろう。感じ取って避けようとしていた。だが、さすがに全てを避ける事は出来なかったようで、服の裾が床やテーブルにそれによって縫い付けられた。

新一が白馬に対して投げつけたもの。それは赤い珠のついた茶の簪であった。

白馬は何が起こったのかわからずに呆然としていた。

 

「ほお、さっすが新ちゃん。」

「うるせぇ・・・。そんな名で呼ぶな、この馬鹿。」

「俺に冗談もなく馬鹿っていうのは新ちゃんぐらいだよねぇ。これでも俺はきっとこの町、国で一番頭がいいね。」

「いいだけで活用はされてねーだろ…。」

 

怒りに満ちていた空気が和む。それで、白馬は気付かされた。快斗もまた、遊郭の主と同じように、この目の前にいる美しき者を好んでいるということに。

彼の目が見たことないほど優しくなっている。自分が見た事がないその表情。それを見てすぐに理解できた。

 

「しっかしさぁ、相変わらず無茶するよね?キッドもこんなことがあって、怒るよ?」

「お前には関係ねー。」

「それがあるんだってば。ま、新ちゃんの魅力に靡かない奴なんていないんだし。それはそれでしょうがないのかもしれないけどさ。」

 

そういいながら、動けなくなっている新一を優しく抱き上げる。もちろん、帰るため。このまま新一に歩かせるのも辛いだろうし、それを快斗やキッドが許すはずがない。

キッドの性格を知っている新一は、大人しく快斗にされるがまま、腕の中に大人しくしていた。

そして、快斗は新一から視線を変え、再び冷気が戻ったその目で白馬を見やった。

 

「近々、お返しをさせてもらうよ。しんに手を出した、ね・・・。覚悟しとけよ。」

「黒…羽…君……。」

 

快斗は冷ややかに白馬を見下した後、新一を抱きかかえた状態のまま窓の方まで歩いてゆき、もう興味の対象外となった彼の方を振り向く事なく外に出ようとした。だが、後もう一ついうことがあったとつけたした。もちろん、振り向く事はない。

 

「・・・今後しんに手を出さないでよね。あと、哀ちゃんにもね・・・。二度も同じようなことをするようだったら、俺、たとえお前に対してでも、何をするかわかんねーぜ?」

「…。」

 

目は本気だった。無意識に頷いていた白馬にわかればいーんだよといい、窓から出て行った。

 

 

白馬の部下達が気づいてかけつけたときにはすでに、新一も快斗の姿もなかった。

 

 




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