|
「えっ?!」 「…ったく、悪いな。少し離れていてくれ。」 そう言ってボクを遠くへといかせた後、現れたのは一人の女だった。 「よっ、今日も今日とて、そしてお前に勝つ!」 何がいいたいのかいまいちわからないが、とりあえず、この男に戦いを挑んで勝つということだろうか。 しばらく放置されたボク。目の前で繰り広げられる二人の戦い。 すごいの一言だ。 「またやっているのか。」 そういう男がここに一人。いつの間にか人が増えて彼等の見学しているようだったが、そのほかの連中とは少し雰囲気が違う男が現れ、誰だろうと首をかしげると、男は少し困ったように笑い、見たいのなら見ていたらいいと言って男は立ち去った。 あれが誰だったのだろうと考える前に、どうやら戦いは終わったようで、今回は案内してくれていた男が勝ったようだ。 「っくー!次は負けないからな!」 そう言って女は立ち去った。賑やかな人だなと思っていると、男がボクの方へと戻ってきた。 「すまない。さぁ、行こうか。」 そういえば、ここの主様という人に逢おうとしていたんだと思いだし、ボクは足を進めた。 そして、ついた場所であったのは、先程出逢った男だった。あの人がここの主だったんだと今更に驚く羽目になった。 とりあえず、ボクの状況を言うと、彼はボクのことを知っているようで、ボクはボクのことを聞いた。 結果、ボクはどうやらすでに死んでいるらしい。けれど、しばらくここにいられるようだ。 やっとなるほどとボクは理解した。 確かにボクは死んだ。もっというと、生まれることなく、この世界で生きることなく死んだ。 だから願ったのだ。この世界をみてみたいと。母の中で聞いてきたこの世界がどんな世界なのか、みてみたかった。 もっというのなら、母に逢いたかった。逢って、生もうとしてくれたことにお礼をいいたかった。 けど、それは叶わない。ボク同様、母も死んでいるのだから。 そのことが、ボクには思った以上にショックだった。 「なら、会うか?向こうも会いたがっていたみたいだしな。」 そういう男に、ボクは本当に会えるのかと聞くと、長くはないが、少しなら会えるという。ボクはそれを望み、彼の不思議な術のようなもので、現れた一人の女性と対面した。 この人が、どうやらボクの母のようだ。 「…フィーレ?」 声は、ボクがずっと聞いていたものだった。それがわかった瞬間、涙がこぼれた。 互いに逢いたかった。その気持ちがあふれ、抱き合う。 「ごめんなさい。生んであげられなくて。」 「ありがとう。生もうとしてくれて。」 「「会いたかった」」 望んだ外の世界が見れた。誰より出逢いたい相手に会えた。ボクはもう満足だ。 『ありがとう…ボクの望みを叶えてくれて…。』 母との再会をさせてくれた男に。 この世にもう一度足を踏み入れさせてくれた男に。 あたたかいこの世界に。 ボクはありがとうと言って、静かに消えた。 今度もまた母の元に生まれられるようにと願って。 <TrueEnd5> 親子の再会End |