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しばらくそこでぼーっと立っていると、声をかけられた。 「貴方、人間?」 「ん?人間、だと思うけど。ボクはボクのこと覚えてないからわからないんだ。」 「そう…もし人間じゃないのなら、自動人形なら、気を付けた方がいいわ。この先に足を進めるのなら。」 「どういうこと?」 「この先は自動人形の墓場…廃棄場と言った方がいいかもしれない。RSもかつて捨てられた場所。」 そこに、最近人間がやってくる。使えそうなものを探しにあさる、何でもやる危ない人間。 だから、人間であっても、気を付けた方がいいと少女は言い残してどこかに去って行った。 親切に教えてくれたようなので、ボクは彼女の言いつけを守って違う方へと歩き出した。 しばらく進むと、誰かがいた。 その人は気を背もたれにして、空を見上げたまま立っていた。 「誰か待っているんですか?」 つい話しかけてしまった。 「ああ。そんなところだった。」 「だった?」 「もう用事が終わって帰ったからな。」 そういう男はどこか寂しそうだ。 「あ、いたいた。もう、戻ってこないから心配したよ。」 「賢二さん。」 「おや、友達?」 「いえ。たまたまここを通りがかった人です。」 「そっか。とりあえず無事みたいで良かった。天が戻れないって立花がいらいらしだして大変だったから。」 「すいません。」 どうやら、会う予定は終わったが、お迎えがきたようなので、彼はもう行ってしまうようだ。 「じゃ、彼の話し相手ありがとうね通りすがり君。」 そういって、男の手をつかんで立ち去って行った。 ボクにはいない、ボクを迎えに来てくれる人。どうしてかわからない。ボクが思い出せないからかもしれない。 「寂しいな…。」 その後も、ボクは当てもなく歩いた。 高い崖の上、僕は広い空と大地を眺める。 あれから、どれだけの月日がたったのかわからない。ただ、いろんなところを歩いて、わかったことがある。 食事も睡眠も必要のないボクは普通の人間とは違う存在のようだ、と。 その答えはボクにはわからない。けど、この世界からは異質な存在であることだけは理解できた。 「ボクって何なんだろう。…一人って寂しいな。…何を言っても、誰も返してくれない。」 ただの独り言。何もないそこに吸い込まれて消えていく言葉たち。 本当に寂しい。 この世界が輝いて見えるのは、誰かが誰かと一緒に何気ない毎日を過ごす日々だからだ。 誰かと共有し合える、それが一層輝く秘密。けど、ボクにはそれがない。 「少し、眠い。変、だな…何でだろ…。」 次第に遠のく意識。今まで訪れなかった眠りがボクにも訪れる。きっと、これは終わりなんだと、どこかで実感していた。 「眠ったか。」 黒い男がそこに現れた。 「長い間一人の私ですらむなしくなるのだから、人のような短い命であってもそう思うのは仕方のないことだ。」 「あ、死神様、こんなとこにいた。」 「田所か。」 「これ、報告書。…おや?彼は確か。」 「ああ、先日歪みの原因で起こった争いで死んだ女と共に死んで生まれることがなかった子どもだ。」 「ま、時間制限付きだし、仕方ないけど…。」 「世界を見たいけど、ひとりは寂しいみたいだ。」 「あー…っそればっかりはどうにもならないね。」 だって、彼の大切な人はすでにこの世界にいないのだから。 「とにかく、回収して私は戻る。」 「じゃ、俺も。」 「お前は、もう一つ仕事が残ってるだろう?」 「え〜…はいはい、やりますよ〜。」 人使いあらいといいながら、消えていく黒い影。 誰も知らない、迷い子の物語。残るものは何もなし。 <TrueBadEnd> 一人の寂しさを知るEnd |