誰だと視線を向けた先には、宙に立つ、立派な白い毛並みの獣と、それにまたがる青年がいた。

「ワテ、ちょっと人探してんやけど、知らんか?」

こういう奴やねんとみせられた絵。見覚えがなく、首を横に振ると、がっかりする青年。

「ほんまかいな。もう、いやになるわ。探しても探してもみつからん。」

次いくでと、獣に話しかけるとそれに応え、獣が宙をけって空へ再び走って行った。

いったい何だったのだろうと思うが、深く考えない方がいいのだろう。

再びボクは歩き出した。すると、何かあったのか、人だかりができていた。

何だろうと中心に向かい、そこにあるものを目にした瞬間、ボクは驚いた。

先程の青年が探していた人物と似ていたからだ。

どうしてさっきの青年が探していたのか。その相手がどうしてここで死んでいるのか。

ボクにはわからないことだらけ。だけど、ここにもいない方がいい気がして、人だかりから離れて歩き出した。

その時、ボクは誰かにぶつかった。

「あら、嫌だわ。服が汚れた。…せっかく、さっきの仕事のあと着替えたのに。」

目障りね。その一言と共に、ボクの意識が途切れた。

「おいおい、またかよ。」

「何か文句があるの?セロン。」

「別にないけどさ。クレハーチェは本当にわかってるわけ?」

「ええ。わかってるわ。さっきの奴が魔に落とした魔人候補で育てる予定だったことも、今殺したこの子が一般人で関係ないこともね。」

「ならいいけど。」

ま、一人減るのも二人減るのも変わらないけどなという男。そうでしょと答える女。

「とにかく、魔神の力を増やすための魔素を増やす手っ取り早い方法として魔人のなりそこないふやして、連鎖する負からつくるわけだけど…私は付きまとわれるのは嫌なの。」

だって、私が愛するただ一人の人がいるから。それ以外には興味がないし目障りなのだからという女。

「ま、失敗作だってことで後でヴァルに報告だな。」

そろそろ守り人も動いてるみたいだし見つかる前に逃げるぞという男に同意する女。

ボクはどうして死んだのかわからないまま、眠る。

彼等が何者なのか、結局何が起こったのかわからないまま、一度通ったあの場所へボクは戻った。

 

BadEnd8

 

不運な出会いによる魔人クレハーチェの抹殺End