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これからどうしようかと考えながら、とりあえずひたすらまっすぐ歩いてみた。すると、どれだけ時間がたったのかわからないし結構歩いた気がするが、何だか町が見えてきた。 今度は危なくないところだといいなと思いつつ、町へと足を踏み入れた。そうすると、突然曲がり角で誰かとぶつかった。 「いったー…っと、ごめんなさい。急いでて…でも、そっちもちゃんと前を見なさいよね。」 こけた女が埃を払い、謝りつつ文句も言ってきた。 「えっと、ごめんなさい。」 「ま、いいわ。私も半分は悪いもの。あ、それより、この辺でこういうの見かけなかった?」 そう言われ、みせられた絵。誰かの顔のようだが、見覚えがないので首を横に振るとありがとうと言って女は走って行った。 それから少し進むと、今度は男が現れた。 「すいません。このあたりでこういった女性を見かけませんでしたか?」 そう言って見せられた絵は先程ぶつかった女のものだった。 「あ、さっき向こうへ行きましたよ。」 「向こうですね?ありがとうございます。まったくお嬢様は誰もつけずに勝手に…。」 ぶつぶつと男は言いながら教えた方へ走って行った。けれどお嬢様とあの男がいうのなら、先程の女はいいところの御嬢さんということだろう。 いろいろ大変そうだなと思いながら、ボクはまた街を進みだした。 しばらく進むと、町の端っこについたようで、そこからは何もないようだ。 「結構歩いたな。」 ずっとずっと、歩いてきた。その中で、いろんな景色をみた。 知らない世界はとてもきらきらしていて綺麗だった。この世界にいるのがうれしくて、もっといたいと思えるぐらいに、綺麗な世界だなと思った。 その時、いきなり背後から切り付けられた。倒れる身体。遠のく意識。こちらへ近づく足音。声。 最期に見た光景は、先程ぶつかった女の悲しい顔。 ボクがボクでないものに成り代わっていく感覚がわかった。もう、ここにボクはいない。 「まずいですね。新しい宿主を手に入れてしまったようです。」 「かまわない。たとえそうであっても、消すだけよ。あれはもう、人殺しの刃で、私たちの敵でしかないもの。」 たとえ、先程見たあどけない少年であっても、もう、あの時のような顔を見せない。 『憎い…いらない。そう、いらない。』 低いうめき声。 「やるわよ。」 ボクをのっとった奴の感情が痛いほど伝わってきた。 この世界が憎くて仕方ない、どうしようもない気持ち。これもまた、この世界の姿なのだろう。 なら、ボクはこの救われない魂の見方でいようと思う。意識を委ねれば重なる感情。 『『この世界が憎い、嫌い、壊す!』』 その後、どうなったかわからない。町が無事であるのなら、きっとボクはこの魂と一緒に世界から消えたのだろう。 恨みを抱えたまま、救われないまま。 <BadEnd7> 魔の乗っ取りによる世界を恨むEnd |