未来の妻は見た

 

その日、幼馴染で集まって夕食を食べようということになった。

もちろん、三人珍しく休みがそろったからだ。

「今晩何がいいかな。」

「私は何でもいいぞ。」

「まぁ、傘華はどっちかっていうと調理しないからね。」

「なっ、それは…そもそも、お前が何でもすぐやってしまうのが悪い!」

できないわけではないのに、すぐに何でもやってしまう幼馴染のせいで、やる前に出来上がってるからだと文句を言うと、笑う志摩。

「あ、いたいた。」

向こうからやってきたのは水浪だ。何故か操真も一緒だった。

「こいつも一人みたいだから、誘った。で、俺のとこもだけど、こいつんとこ、帰りにこれ、貰ったんだってさ。」

そういって、二人に見せたのは、たくさんの葉物野菜だった。

「すごくおいしそうだね。」

「いいな。」

「だろ?で、これで鍋しよう。今日は冷えるしな。」

そうして決まった夕食。集まる四人。肉も入れて、鍋の準備完了。

傘華が動くより先に動く志摩。本当に、お前はいい夫というより嫁になるなと思う。そして、なぜか仲がいい水浪と志摩。時々お前等とおもうこともあるが、志摩は傘華のことが好きだからと言う理由でいつも考えを改めるが。

ああ、本当この天然ボケはどうしてくれようか。

頼むから、未来を誓う将来の妻の目の前で、男の口をふいてやったり、頭をなでたり…やめてくれ。もう、お互い子どもじゃないんだぞと、言いたくて、だけど、そこに悪意も何もないため、結局私は言わずに鍋をつつく。








未来の妻は見た2

 

その日、志摩が怪我をしたと、繰真が家に飛び込んできた。仕事から戻ったともきいたので、私は医務室へと走った。

まだ、そこにきていない志摩。心配で外を見る私。すると、走ってくる人影。

水浪が志摩をあろうことかお姫様抱っこで走ってきた。

頼むから、もう少し男らしさを持ってくれ、志摩!と思うと同時に、水浪にはそれは私の仕事だと思ってしまった。

ああ、わかっているとも。わかっているとも。その考え方も私がおかしいことぐらい。

「怪我は大丈夫なのか?!」

「大方の処置はしたが…どうも毒が混じってたみたいでな。その解毒を急ぐために戻ったんだ。」

「そうか。志摩を助けてくれてありがとう。」

「何言ってるんだ。お前もあいつも大事な家族だろ。」

うん、いい奴だ。こいつはいい奴だ。だが、時々思うのだ。実はお前、志摩のこと狙ってるんじゃないだろうな?と。志摩にもその気がないことはわかっている。

私よりおとなしいし優しいし家事もできる。女としての魅力もたくさんある。私より。祖父や先代の時代にて参謀をしていた男も、異性より同性を選んだ経緯がある為、どうも私はそういうことに敏感になってしまうのだろう。

気にし過ぎだとは思うが。むむむと、うなる。

だが、志摩が無事ならいい。むしろ、私が志摩を守ればいい。そういうことだ。そう納得し、今日も平和に一日が終わる。










未来の妻と二人

 

「今日も相変わらずだな。」

「そうだな…で、お前はいいのか?本当に?」

「何度も言わせるなよな。むなしくなる。」

もう一度すまないと謝る志摩に謝るなと文句を言う水浪。

「それにしても、鈍いよな。」

「そうだな。」

水浪は志摩に同意した。もちろん、その対象が傘華だけでなく志摩自身もだと思いながら。

水浪は、最初に出逢った時に傘華に一目ぼれをした。だが、彼女が最初から志摩しか見ていないのも知っていた。そして、水浪を弟のようにしか見てないのも知っていた。

そして、志摩が水浪が傘華を好きなことも知っていたし、薄々志摩と傘華の関係に気づいてるってことを知っている気もした。

「お前は傘華が好きなのに、俺が好きみたいに思われてるんだな。」

「…。」

「拗ねるなよ。」

いい顔が台無しだぞと頭を撫でる志摩。彼からも、弟のように扱われる。ちょっぴり悔しいけど、内緒だ。

そして、この天然のこういう動作のせいで、俺が志摩を好きだと傘華に誤解される原因だと気づかない鈍い男に、今日もため息が出る。







あとがき
きっと。一番苦労したのはこんなのに囲まれる水浪。
繰真は基本仲良し三人といつも一緒とは違うので、ほとんどろくでもないことに巻き込まれたのは水浪かと
でも、昔は楽しく過ごす時間もあったから、この里を帰る場所にしたかったが…という感じ。。