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空は嫌いな蒼だった。澄んだその色は彼女が好きな空の色。 そして、その空を吸い込み、映すような彼女の瞳の色。 そんな時だった。 悲鳴と抜けたような声と音が落ちてきた。そう、人影もあるから、間違いなく、その対象がここへ落ちてきている。 「はぁ…まったく、ゆっくりできないな。」 足元に陣を描き、魔術を発動させる。 落ちてきた人影は、その魔術によって体が浮き、地面と直撃することなく、座り込む形で着地した。 「何がどうしてそうなったんだ?」 「あれ、ここは…あ、お久しぶりです。まさか、ここは幻神楼ですか?!」 そう言って、あたふたしだす、落ちてきた人物は、『相棒』の無事を確認し、召喚を解いた。 「ありがとうございました。」 頭を下げて、改めて話を聞くと、仕事が終わり、帰る途中で突風にあおられ、バランスを崩したのを体制を整えようとしたら、速い飛行物体が飛んできて、それを避けようと無理やり動いたら落ちたのだと言う。 「それは災難だったな。」 「はい。でも、僕の修行不足が原因ですので…。」 しゅんとする少年の姿に凛々を思い出し、つい頭をなでていた。 「それで、えるまはこのまま戻れるのか?」 「あ、はい。それは大丈夫です。」 「そうか。」 ならば、何だかんだといって彼を気に入っている心配性の保護者がでてくることはなさそうだなと思ったが、心配性の過保護は予想を斜め上に行く存在だ。 すぐに落ちたことに気づいて飛んできた。本当に仕事をしているのか疑いたくなる。 「良かった。無事で。」 「迎えにこなくてもちゃんと帰れます!」 最近は毎度迎えにくる仕える主のせいで少し反抗期なのかもしれない。凹んでいる彼の姿を見るのは珍しい。 いくらえるまが方向音痴でよく迷子になるといえ、最近は召喚獣が優秀で、方向を間違わないようになったのだ。だから、もう少しそっとしておくか、時間をあけるようにするべきだ。 そうしないと、いつまでも治す訓練にすらならない。 「過保護も程々にしたらそこまで言われないだろう。」 「あのちびっ娘に過保護すぎる冥鎌には言われたくないんだけど。」 「俺の場合は、過保護とは少し違うぞ。」 「……。でも、やっぱり過保護なのも事実だろ。」 「お前がそう言うのならそうなのかもしれないな。だが、お前のところのように問題は起きていないからいいんだ。」 味方が誰もいない。そう言ってまたへこみはしたものの、この後用事があるらしく、残念そうに帰ると言ってそこから消えた。 「やれやれ。」 思ったより、賑やかな一日が過ぎていく。 「リンテ…許せないことも多い世界だけど、君が言う様に優しくて暖かい世界でもあるよ。」 それは、きっとこの先も変わらない。表裏一体のこの世界は、いつか確実に大きな選択を強いられる。 そうなったとき、どちらに転ぶかはわからない。だけど、彼女が望んだ幸せな世界がそこにあればいい。 <END> ゆえるend+++ |