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じゅうご・・・格の違いは大事なことなのです 昨日頼まれた仕事の物を大家に届け、部屋でゆっくり過ごそうかと思ったが、どうやらそうもいかないようだ。 部屋を出て結界から外へ出る。そして、感じた気配の元へ向かうと、そこにいたのはあの人間と古時計の九十九神だった。 「ったく、やっぱり何か起こってるってことだな。」 すっと、気配を消し、彼等の元へ近づく。すると、思った以上に気配を消しても力がある連中のようで、面倒ではあるが、今のレイにとっては雑魚でしかない。 「お前等、どうしたんだ?」 「ヌシは…。」 「レイ、さん…?」 俺の登場に驚く年齢不詳の少年となんでと疑問を浮かべている少女の顔がこっちを見る。 「お前等の知り合い…ってわけじゃねーだろ?」 「…こやつ等など、ワシは知らぬ。」 突然きて、中のことを探っているようで、最終的にはワシ等を連れ去るようだと機嫌悪そうに少年が答えた。 「そうか。じゃあ、敵ってことでよさそうだな。」 「…。」 無言のまま、こちらの様子を伺う隙なき刺客共は、俺が戦闘に入ることを感じると同時に飛びかかってきた。 けれど、最初に感じた通り、今ここにいるのは雑魚に過ぎない。あの大家のばあさんであっても、余裕だろう。 もし、このアパートをターゲットにしていなければ、彼等はそこそこ腕のいいプロとしてこの先も生きて行けただろう。けれど、運が悪かった。 「下級吸血鬼が大貴族に刃向うなよ。面倒くさい。」 いくら7貴族といっても、その中で階級というものは存在する。不本意ながら、俺はだいぶ上に位置する。だから、彼等は雑魚なのだ。そういうと、彼等にとってはプライドが傷つくかもしれないが、どうでもいい。 日常生活の邪魔をしてきたのだから、それ相応の始末をつけても、文句を言われる筋合いはない。 「もう、戻って伝言する必要もない。来たければ来ればいい。だが、もう俺も容赦はしない。」 そのつもりでこい。そう言って、俺は飛びかかってきた奴らを、足元の影をつかって飲み込んだ。一番簡単の掃除の仕方だ。だが、これは俺が強いからであってできることだが。 「おら、とっとと帰るぞ。あと、せっかくだから、お前はこれを持ってろ。」 そう言って、先日貰ったものを含め、精霊の絵が描かれたカードを少女へ渡した。 「これ…。」 「これは、描かれた精霊を一度だけ呼び出せる。それなりに強い力があるから、これだと風をおこして敵を吹き飛ばすぐらいできる。反対に、自分を別の場所へ移動させて逃げることもできる。」 他の絵は見ればわかるだろ。そう言って、全部を押し付けた。少女はこくんと頷き、ありがとうと言った。 「ヌシ…わかっててこれを渡しておるのか?」 「ああ。お前だって、その嬢ちゃんがそのカード持って帰ってきて、違和感感じただろ。命の気配があることに。」 カードは本物の精霊が描かれているのだ。一度だけの契約だが、誰であっても呼び出せるそれは生きている。 「使い方次第で、お前なら一時的に時間も止められる。だから、今度こんなことになっても、逃げきれるだろう。」 「…世話をかけた。」 「気にするな。半分ぐらい俺のせいだろうしな。」 「どういうことじゃ?」 「あいつら、俺を狙ってる奴等みたいだしな。だが、俺は帰るつもりもないし、ここにいるつもりだ。」 邪魔をするのなら、排除する。ただそれだけだと俺がいうと、何か言おうとして、少年は何も言わなかった。 |