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じゅうよん・・・水面下の物騒な女三人の会話は知らない方がいい そう言えば先日貰ったカードは、過去に他のも貰ったなと棚の引き出しをあける。 今まですっかり忘れていたが、こう見ると、綺麗に火と水と地があり、4大元素がそろってるなと思った。実はこれ、力の弱い小妖精そのものでもあり、召喚して使えるカードでもある。 どうやってカードの中に妖精が入る契約をしているのかはわからないが、本当に妖怪専門のあの店主は変な奴だ。 「精霊使いの知り合いでもいるんだろうか。」 どちらかというと、精霊は自ら力を気まぐれに貸してくれるぐらいで、使役されることを望まない。使役するのは人であり、その人こそが魔を狩るハンターであることが多い。だから、こちら側でありながらの精霊使いというのは珍しい。 そんなことを考えると訪問者がきた。 「何の用だ?わざわざ来るなんて珍しいじゃないか。」 「そうだね。まぁ、呼び出す程ではないが、言っておかないとならんことがあったんでな。」 そう言って、部屋に入ってきた大家こと天原香臨。 「どうも最近変な動きがあるようでな。」 「で、何か問題でもあったのか?」 「いや、今は何もない。じゃが、ろくでもないことが起きそうだとは思っておる。」 だから、さっさとどうにかしろという催促にきたらしい。成程、俺関連で何かきな臭い動きがあったという忠告かとわかれば、近いうちに来るだろうから適当に相手しておくと答えると、馬鹿者と返答された。 「あまりにも面倒なようじゃったら、手を貸してやるわ。」 ここは、あくまでも彼女の領域であり、邪魔する者を排除する気はあるとはっきり告げられ、恐ろしいねと言うとまた馬鹿者と言われた。その後、お使いを一つ押し付け、彼女は部屋から出ていった。 「あのばーさんが心配してくるとは、明日は嵐か…いや、それとも…。」 面倒なことにならなければなおのこといい。その前に頼まれた仕事を終わらせるかと、出かける支度をした。 その頃。香臨の戻りに気づいて、声をかけるエルフィンとリリィ。 「どうだったの?」 「もしかして、彼は倒しに出かけたのかしら?」 「さぁな。どっちにしろ、あの小僧がどうにかされるような可愛げある小僧ではないじゃろ。」 「そうだけど…。」 「そうね。だから強い男は好きなのだけど。やっぱり、心配じゃない?」 痛みも分かち合うのは自分がいいのという気違い発言に、無視して香臨は考え込む。 「大丈夫、かな。」 「相手方もただものじゃないだろうが、やはりあの小僧が負けることはないじゃろう。」 「そうね。確かに襲撃の未来は見えた。けど、やっぱりここの住人の誰一人として死ぬような黒い未来はなかったわ。」 未来を視る力がすべてを見通せるわけではないにしても、絶対に違わないものもある。 「ま、相手にどんな事情があるにせよ、ここは香臨姉さんの領域だもの。手を出すことの意味、理解はしてもらわなきゃね。」 「ま、私が何かせんでもお前等が勝手に何かしそうじゃから見学でもよいがな…ここを預かる者として、手を出すのなら、直々にお相手するのも筋じゃろうな。」 「香臨姉さん。無理はしないでね。」 「わかっておるわ。お主もな。お前さんはやりすぎるなよ。」 片づけが面倒だとはっきりいう彼女にわかってると軽く返す。 騒動が起こる前の、平和な中の住人の会談がそこにあったことを、レイは知らないし、何が起ころうとも変わることもないという自信から、気にすることもなくその日がくるまで過ごすことになる。 |