じゅうに・・・世話をやいて関わってしまうのは性分だ








その日、部屋の呼び鈴が鳴った。

「誰だ?」

出れば、そこにいたのは先日からアパートの住人になった少女だった。

「あの連れはどうした?」

こんなろくでもないのがそろう中で、術でゆがめられた命であっても、まだ人間である彼女がほいほい出歩いては危険だ。

「眠ってる。古い時計。だから、眠って時間を回復する。そう言ってた。」

「そうか。で、俺に何か用でもあるのか?」

「寝てる間、貴方のところにいた方がいい。そう彼が言った。」

それで、なるほどと納得した。ここは確かにろくでもないのが多い。それ以上に、性質が悪いのに外からからまれては厄介だ。そういうことを避けるには、守れる力のある場所にいればいい。それに選ばれたのが俺なのだろう。

もしかしたら、彼は俺が何者なのかわかったからかもしれないが、俺にはどうでもいいことだ。

「ま、いいや。中に入るか?」

頷く少女を部屋に遠し、適当に飲み物を出す。

「それで、ここの生活はどうだ?」

「うん。楽しい。彼と一緒にいても、おかしく思わない。怒られない。」

確かに、外では得体のしれないものと会話するこの少女はおかしな存在に見えるだろう。

「それに、大家のおばあさん、優しかった。」

嬉しそうに笑う少女に、そうかと頭を撫でる。どうやら、あの狐のばあさんはこの子を可愛がっているようだ。

そこへ、玄関が開き、誰かが部屋にやってきた。

「ああ、あんたか。」

「相変わらず不用心な程、あけっぱなしだな。」

「なら、せめて呼び鈴ぐらい使え。」

「面倒だからな。」

「なら、いいだろ。」

そう言って、何の用だと言うと、少女に用があったんだと言って、そっちへ向いた。

「ああ、こいつはここの住人。隣だ。コウリュウっていう。鴉天狗だ。」

「あ、私、優那と言います。」

ぺこりと頭を下げる少女に、よろしくなと挨拶を返した。

「で、これをあんたんとこの相方に渡すために来たんだ。」

部屋の呼び鈴鳴らしても出ないし、どうせここかばあさんのところだと思ったしなと言う男に、持っているそれが何なのかを尋ねた。

「安全に外を歩くためのものだ。」

ハンターがうろつくご時世だからなと、お守りであるそれを渡した。

「確かに、あの時計がいなくなれば、お前も消えるんだな。」

「そう、ですね。気をつけます!」

まだ一緒にいたいですから。そう言った少女は、もうしばらく俺たちと話をして、そろそろ帰ると部屋から去った。

「まったく、お前は本当いろんなのに好かれるな。」

「あんたは本当に、いろんなことにお節介だな。」

「性分だ。」