|
じゅういち・・・最初は自己紹介から いったい何だと裏面を見ると、そこには助けてくれてありがとうと書いてあった。 何だと考えると、そう言えば先日あったことを思い出した。 「成程。ばあさんなら、読み取れるから理解してここに入れるのもわかるな。」 ここの管理人である天狐のばあさんは、特殊な能力があり、植物や物の記憶を視ることができるのだ。 失せ物探しとかをさせたら、対象物の近くのものから記憶を視て、いつ誰がどこへやったのか視ることができる。その為、そういう方向で昔は仕事もしていたと聞いたことがある。 「ま、一般人が怪我なく無事だったのはよかったことだ。」 だが、それは嵐の前の静けさのような、前触れだったことにまだ俺は気付いていなかった。 「おや、ちょうどよかった。あんたに客だよ。」 管理人のばあさんがそう言い、客として示したのは、一人の少年と見覚えのある少女だった。 「ああ、あの時の。」 そして、本日届いていたハガキの送り主だ。 「本当に、こやつなのか?」 不審そうに、俺をさして言う失礼な少年。だが、なるほどとすぐに理解。だが、解せないことがある。彼が人かそうでないかは俺には関係ないことだが、彼が俺に用があるとは思えない。 「で、何の用だ?こんな『化け物の巣窟』にお前の何も知らない『友達』を連れてくるなんておかしな話だ。」 「…友人が世話になった相手に礼を言わぬ程、無礼であるつもりはない。」 「だが、その礼は本人からきたけどな。」 ほらと、ハガキを見せるが、少年は納得しない。 「でも、普通の人間が、付喪神を連れてるとはな。」 「友達だあら。壊れて、動かなくなったけど、大事な友達なの。」 そこまでいわれたら、付喪神になって悪さすることはないだろう。寂しさから悪さするやつらだから。 「じゃあ、結局要件は何なんだ?」 「ワシはこやつを守るのが今の使命じゃ。それを害成す敵は容赦せぬ。」 「俺が害があるからつぶしにでもきたか?」 「いや、なに。ヌシはそうではなさそうだと今判断したところだ。」 そして、改めて礼を言う少年。見た目に反して態度が上役のじじいと似ていて違和感を感じたが、今は無視だ。 「だが、いいのか?そっちの小娘、お前の『力』の影響でおかしくなるぞ。」 二人が互いを見る。そして、彼等は言った。病院から出られずに死ぬぐらいなら、外で自由に出歩いていろんなものを見たい。その為に力で寿命が縮むぐらい問題ない、と。 それなら、俺も言うことないから適当に言葉を返し、二度と会わないと思っていた。 その数日後のこと。 「おや、小僧。寝坊かえ?」 「今日は明るいから出たくなかっただけだ。」 「そうかえ。なら、挨拶しておけ。新しい住人じゃよ。」 そう言って紹介されたのは、先日出逢った二人だった。けれど、少しだけ違っていた。 少女はあの時のままだが、少年の方が変わっていた。もしかしたら、今の青年の姿が本来のものなのかもしれない。 「今日からよろしゅうに。古時計の憑神、ケイル。こやつはワレの病の進行を止めることによって今を生きておる、言わば亡霊、優那。今しばらくの夢幻の時、よろしく頼む。」 また、このアパートに変わった奴が増えた。 あとがき やっと、名前がでた主人公っぽい彼。 このまま、対象の名前出ずに続けようと思ったのですが、さすがに挨拶する際に名乗る必要はあるなということで、今回から、皆名乗ることになりました。 |