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じゅう・・・周囲をよくみてから始めましょう 無駄にでかい不気味なイチゴの大群に。いや、正確にいうと、イチゴの人形もどきに、だ。 「ごきげんよう。銅像はあまりに不人気だったから、アナタの好きだという赤いものにしてみましたわ。」 おほほと笑いながら、次から次へと攻撃してくる女。 「先日お会いしたハンターから聞きました。イチゴアイスがお好きなんですってね。」 好きとは違うが、好むものの一つとして候補にあるのは事実だ。だが、それに頷いてやるほど優しくもない。 「さすがにイチゴアイス…食べ物を、それも常温で維持できないものは戦闘には不向きだと思いまして、仕方なくイチゴの兵隊さんにしてみましたの。」 かわいいでしょう?そういって、笑顔のまま、操るイチゴの大群を向けてくる。最低だ。 「そんないらん努力なんてするな。結局どっちも人様に迷惑なんだよ。」 「あらやだ。酷いですわね。ドールマスターにとっては、操る対象がなければ役に立たないと言うのに…なら、生きたものにしましょうか?」 アナタ自身を抑え込み、操って首を己の手でおとす。さすがにこれは趣味が悪いと思ってやってないのに、その方がいいのかと言ってくる気違いに文句を言っておく。 「おいきなさい、可愛いイチゴ達!」 「うわーうぜぇ。」 よけながらも、うっとうしいメルヘンな顔に腹立たしさが増える。 「いい加減、潰すか。」 人形に罪はない。誰が作ったのかは知らないが、傷つけると作った奴に申し訳ない気がしたから今までよけるだけにしていたが、さすがにそろそろ面倒だ。 あまり力を使うと周囲にその力の波動が出て、わかる奴にはわかってしまうから使いたくないが、仕方ない。能力を限りなく落として使えば、気づかれない可能性も高いから、そうすることにした。 「喰らい尽くせ。」 足元の影から、いくつもの影が飛び出し、イチゴの大群に襲い掛かる。 蝙蝠の形をしたその影がイチゴに覆いかぶさるようにし、飲み込んだ影はすっと消えていく。イチゴと共に、跡形もなく、そこに何も残さず消えた。 「な、なんということなの…!?」 わなわなと現状に同様し、怒りを見せる。そして、無茶苦茶なことに、周囲にある木々を操り、根っこが足に、枝が腕に、操る彼女の兵隊と化した。 見境なく繰り広げられる攻撃。多少、怪我を覚悟して、医療関係の住人のお世話になることになりそうで最悪だと思いながら、俺は木を受けとめる態勢に入る。 がしっとつかんで放り投げ、パチンとそこから消す。 「さすが、ヴァンパイアね。」 「さすが、じゃねーよ。馬鹿かお前は。」 すっと、後ろにいた少女に大丈夫かと声をかける。えっと今気づく女。礼を言って立ち去る少女。 「俺たちのやり取りは一般人には無関係だ。だからこそ、俺たち『プロ』は一般人を巻き込まない。それが常識だろ?」 もう一度修行からやり直しな。そう言って、俺はそこから立ち去った。女が追いかけてくる気配はない。 「怪我もないし、あいつに会わずに済みそうだ。」 本当に良かった。俺はあのマッドサイエンティストな医者にできればお世話になりたくないのだから。 |