ティアラ×クラウン×ガーディアン
大切なな思い出−後編
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あの小さな窓から朝日が入った。 「ふあぁ〜。もう朝〜?」 と、熟睡していたらしい。よく寝れるものだ。こちらの二人はまだ寝ている。 「あ、カル。早いねぇ。」 と言う。昨日は一睡もしていない。こんな状況で寝れるわけがないだろう?しかも、あんな話を聞いて考えていたら余計に寝れなくなったのだ。 「あ、朝・・・。ちょっとネアルド!」 と、やっと起きた二人のガーディアン。アクマルスの髪がネアルドの服のボタンにからんでいたのだ。 「やぁ、おはようアクマルス。ミルフィアとカルステもおはよう。っと、なんだいこれは・・・?」 と、暢気に挨拶をし終わってからやっとからんだボタンと髪のことに気付く。はっきり言って気付くのが遅すぎる。 必死にからんだ髪をはずそうとしているアクマルスだが、ネアルドは手伝う気はないらしい。 そんな中、頭のナオと副頭が入ってきた。 「昨日の件、受けてくれるか?それとも・・・。」 と、少し脅しように言う副頭。 「ちょっと、今忙しいのよ。」 と、必死で髪をはずしながら言う。確かに、彼女は忙しそうに見える。変わって、ネアルドが答えた。 「受けません。そんな余裕はありません。」 と、はっきりと答えた。すると、そうか、と少し残念そうに、やれ、と言った。 「了解。」 と、副頭と後から入ってきた二人が四人に向かってナイフを持って走る。 「昨日と同じじゃんか。しかも、数も少ないし。楽勝。」 「でも、油断していたらいけませんよ?」 と暢気に会話をしている。だが、それがいけなかった。頭のねらいは四人を消す事ではなかったのだ。 「この森の通行料だ。」 と言って、ルウとカルステを捕まえた。四人と一匹は「は?」となった。ルウならわかるがなぜカルステまで?しかも、後の三人はいらないと言う様子。 ルウとカルステを捕まえている三人は麻酔のような物を持ってたのか、一人と一匹は眠らされ、その場に崩れて抱きかかえられている。そして、連れて行こうとした四人。その背中に向かってミルフィアが叫ぶ。 「ちょっと!カルとルウを連れて行くなんて卑怯だよ!」 頭は一度振り向いて、俺たちは山賊だぜ?ただで生きて返すわけがないだろう?と言って部屋を出た。 「カル〜、ルウ〜。」 と、眼に涙を浮かべてその場に崩れるミルフィア。どうしようかと困る二人のガーディアン。 「ほら、泣いてないであの二人を助け出す方法を考えるわよ。どうせ、人を簡単に案内して街へ帰らしてくれるってのが最初からおかしいのよ。きっと、ここはあいつらの本当のアジトじゃないわ。」 「そうですよ。でも、さっきは下手に手を出して二人に何かをされては困りますのでね。」 確かに、あの場面でこの二人は魔法を使えば何とかなったかもしれない。 「うん、わかった。絶対に二人を助ける。」 と、涙を服の袖で拭いて助け出すと決めた。カルがいなくなるなんて考えられない。
その頃、四人と眠らされている一人と一匹はアクマルスの言ったとおり、本物のアジトにいた。 「キュピーキュピー。」 と、ルウが泣いている。目が覚めてすぐに暴れだしたので檻のような所に入れられているのだ。 一方、カルステは逃げないようにいちよう腕を後ろにされて縛られているが、別に彼は逃げる気はない。すわって、ぼんやりと窓の外に広がる空を見ているだけだった。 「頭、本当にいいんですか?こんなので。」 と、副頭が言う。名前はマオと言うらしい。 「ああ、かまわん。妖精はいても文句はないだろう?お前の場合はあの少年だろ?」 「そうです、あんなのをつれてきていったい何を考えているのですか?」 「あの少年は使えるよ。あの部屋の窓から出て外の岩場を抜けて一番高い岩の上に座っていたからな。」 というと、あの岩の一番上・・・。と、驚いていた。どうやら、あの場所は誰も近づかないらしい。 「それにな、あいつ似てたんだよ・・・。」 と、顔が少し緩んで答えた。優しそうな顔をしている。なんだか少しおもしろくない。 とりあえず、カルステとルウは一番奥にある鍵のついた暗い窓のない部屋の中につれていかれた。 ルウは怖いのか、キューキューと泣いている。カルステはしょうがなく、魔法を使う事にした。 「 チェンジオーバー・クライス 」 一瞬、彼の周りに光と風が包み込み、そして姿を変えた。 「 光 」 何も呪文が思い浮かばないので、ただ、明るくしたいと思って光と言ってみた。すると、手の平から光の球が現れた。 それを見て安心したのか、ルウはもう泣かなかった。そして、カルステのひざの上に乗って眠った。
その頃、カルステとルウを捜している三人。彼等はアジトに向かっているのではなく、さっきからする魔物の気配をたどってきていたのだった。 「カル〜、ルウ〜。ねぇ、大丈夫だよねぇ〜。」 と、半べそになりながら言う。大丈夫だとネアルドは慰めるが、アクマルスはすぐ変身できるようにしておきなさいよと厳しい。 山賊達は、なぜ正確にアジトの方へ向かっているのかが不思議だった。 「やっぱり、あの女か男が何か魔法を使ったのでしょうか・・・?」 「いや、そんな事はないだろう。出来たとしても、昨日あれだけ魔法を使っていれば、先の事を考えて使わないのが賢いやり方だ。きっと、他に何か方法があるんだろう。」 今はまだ動くな。と指示を出した。そして、合図を出したら一斉にいけ!と。
その頃の囚われの二人。ルウはぐっすりと安心して寝ている。 「見事に窓がないしな・・・。」 と、つぶやきながら、立ち上がる。もちろん、ルウは彼の腕の中にいる。 「この辺でいいかな・・・。」 と、魔法で外の景色を覗き、一番薄く弱い場所を選んだ。そして、壁を壊した。 外に出ると、そこには泉があった。たぶん、彼の言っていた泉だろう。確かに枯れている。カルステは変身を解いて泉に近づく。 「あいつ・・・。毎日大変だろうな・・・。」 と、つぶやいた。きっと、彼は優しすぎるんだろう。だから、とても悩んで傷つくのだろう。 カルステは近くまで行って腰をおろした。そして、空を見上げた。
急に地面がゆれだした。何事かと立ち上がる。ルウも目が覚めたらしく羽で飛ぶ。 「ルウ、三人の所に行け!」 と叫んで、行かせた。ルウは置いてはいけないと言う感じでこちらを見ていたが、早く!と言う言葉に押されて飛んでいった。 「な、何!」 揺れがだんだんと酷くなった直後、泉から魔物が現れた。揺れと魔物の気配を感じ取ったナオとミルフィア達。四人とも、泉の方へ向かった。 『グアァー!』 と、魔物は叫んだ。そして、鋭く大きな爪を向けて、大きなその腕を振り落とした。 「おい、馬鹿!何突っ立ってんだ!」 と、ナオが飛び出してきてすんでのところでカルステに飛びついて交わした。 「何で逃げないんだ!あのままだったら死ぬだろう?」 と、怒られてしまった。その後、マオが走ってやってきた。 「大丈夫ですか、頭!」 と、慌てている。しかも、いきなりこんな魔物が現れてはさすがに驚く。 「こいつの面倒を見ていてやってくれ。」 と、マオに向かってカルステを押す。バランスを崩してマオの方に倒れる。それを、がっしりと支えた。 「頭が言うから仕方ないが、お前、なぜ逃げない。さっきのは確実に死んでいたぞ。今だって逃げようと思えば逃げられるだろう?」 と、疑問に思った事を言った。だが、彼は答えなかった。 「まぁいい。とりあえず、その怪我を見せろ。」 さっき地面を滑ったときに擦りむいたのだ。 「ほら、これでいい。お前はさっさと、中に入っていろ。」 と、アジトの方を指差して言う。だが、カルステは動かなかった。 「ったく、なんか言えよ!わかんね―奴だな。」 と、いらいらしてきたらしい。そこへ、あの魔物が炎の球を創って辺りに飛ばした。樹は一瞬で灰となる。その炎球がマオとカルステのいる方に飛んできた。 ナオはぎりぎりで交わしたものの、触れていなくてもその周りの熱で背中に火傷を負った。 「くっ・・・・。」 「ナ、ナオ!」 ナオはその場に崩れ落ちた。マオは慌てて叫び、彼の状態を確認する。 「やばい・・・。さっきので、かなりの皮膚が焼けている。このままじゃ動けない。」 と、大変な事態にやっとあの三人と一匹がやって来た。 「どうやら、少し遅かったようですね・・・。」 「ほら、さっさと変身は?」 「わかってるもん。」 「キュピー。」 と、いきなり現れて攻撃態勢に入る。 「契約者が命ずる、悪しき輩を光で浄化し、清める為、力の封印を解け!」 と、腕を前へ伸ばし、ブレスレットが輝きだす。 「 チェンジオーバー・クライス 」 と、言ったとたんにミルフィアの姿は変わった。それを見て、マオはとても驚いていた。まぁ、それが通常の反応というものだ。 「あんた、何暴れてんのよ!」 「まったくだよ。余計な仕事が増える。」 「しょうがないですよ。それが僕達の役目なんですからね。ほら、お仕事お仕事。」 と、結構暢気な会話。 「「「 覚悟 」」」 三人同時に言った後、同時に呪文を唱える。 相手の動きを止める束縛。これは上手くいった。だが、そう簡単には終わらなかった。 「や、また会ったね・・・。」 と、またあいつが現れたのだ。つまり、この魔物がここに出現したのはこいつの企みだったのだ。 「ちょっと、あんた人の迷惑を考えなさいよ!」 と、怒りながら言う。今日は、カルとルウが連れて行かれて、こんな事が起こってむかつく事ばかりだ。 「何を言っているんだい?あの時、いつか後悔するよ?ってちゃんと言ったじゃないか。それに、あんたって言われてもね。ちゃんと名前があるんだよ。俺様はカルロ。カルロ・パリステル。覚えときな。」 と言った同時に炎球を投げつけてくる。 「あ、危ない!」 なるべく交わしながらそっちにいかないようにしていたが、一つだけ。三人目掛けて飛んでいった。 「くっそ・・・。」 と、少しあきらめなのか、動かないマオ。ナオを抱えて一瞬ではその場から動けないだろう。 「 チェンジオーバー・クライス 」 と、小さくつぶやいて、二人の前に素早くたって結界のような物を創る。 「お、お前・・・。」 と、驚くマオ。先程まで、何も話さず動かなかったこいつがいきなり変身して自分たちを助けたのだから。 「おい、後悔するのはお前の方だ。覚悟は出来ているだろうな・・・。」 目が据わっていて、完全に切れている。ミルフィアでさえ、滅多に見ないほどのものだった。 「あら、あの子が怒ってるわよ。」 「あ、本当ですね。カルステも怒るんですね。」 「当たり前だよ。でも、カルがあんな風に切れるのは二回目だけどね。滅多にあそこまで切れないから。」 そう話している間に、カルステはその場から一瞬で消えて魔物の後ろに回り重力を使って、地面に押し込む。 「き、貴様・・・。何をした・・・。」 カルステは何も答えない。ただ、見下ろしていた。 「ま、いいさ・・・。」 彼に一瞬隙ができる。だが、カルステは何もしない。 「何故だ?前と同じく何故殺さない?さっさと殺せば何度も同じ事が起きないだろう。」 叫ぶ。 「殺しはしない。だが、罪は償ってもらう・・・。」 と言って、カルロの額に手を当てて言う。 「 ホーリー・クロアー 」 すると、だんだんと力が抜けていくカルロ。 「おまっ・・・な、何をした・・・。」 と、残っている力を振り絞って言う。お前の力を吸収させてもらっただけだと答えて転送と言い、どこか別の場所へ送った。 魔物はすでに、消えていた。
辺りを包んでいた光は消え、カルステ宙に浮いたまま元の姿に戻り、下に落ちてくる。 「よいしょっと。お疲れ様。」 と、ネアルドが風で衝撃を小さくしてキャッチした。彼は眠っていた。どうやらとても体力を使ったらしい。 「ありがとな。助けてもらって、しかも泉まで元に戻してもらって。」 と、何時の間にか起き上がったナオが言う。 「ネアルド、アクマルス。この人は大丈夫だよ。」 と言う。どうしてかと聞くと、彼女はカルステの寝顔を見ながらこう言った。 「カルステは悪い人の為には怒らないもの。良い人が危なくなったり困ったりしたときは助けるし、本気で怒るんだもの。」 と言うのだ。確かに、彼はそういう人ですね。とネアルドは納得した。
こうして、この森から出た四人と一匹。だが、また人数が増えた。 「もう少し、こいつと一緒にいたいしな。」 と、カルステの頭をなでながら言った。 なんだか、だんだんと不安になっていくメンバーになっていくのだった。
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