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一章 大掃除 物を放り出して、いざ開始。 幸里は上から少々借りますと、自分の教室の範囲の雑巾とバケツを拝借して、地下の部室へと戻る。 なんだか、廊下を占拠しているような形で、大掃除は続けられる。 「・・・踏まないように、そして濡らさないように気をつけないと・・・。」 道は狭くなっていた。それにしても、いろいろと物が出てくるものだ。 「あ、その棚動かして裏も拭くから、中身抜いて。」 ゴミ袋をひいて、部誌や過去の作品やサンプルを、永倉杏に湿気を取れるように数冊にして並べてもらい、完全に一部占拠して封鎖状態となった。 「からぶき用もいる?」 「一応、いるかも。それに、今は濡れているところに雑巾が・・・。」 床が濡れている場所に雑巾が置いてあった。 「相当、濡れたままだね。床腐ってるんじゃない?」 「さぁ?」 「とりあえず上からもう少し取ってくる。」 芳川友香に言い、再び上へと上る幸里。 その間にも、着々と棚の何時からあるのか知らない品や何故かある教科書や、大量の辞書や文庫本を出す。 雑巾を用意して、幸里も棚から物出しを始める。 机はすでに、たくさんの荷物を上に置いて、入り口側に三つとも並べられていた。 なんだか、こう見ると結構広い部室なんだと思うが、机と棚であまり広くは感じられない部室だなと思った。 そんな時だった。 「うわぁ?!」 竜神里乃が声を上げて、棚から逃げた。 「どうしたの?」 物を出すのでちょうど外にいた幸里は、中で何があったのか知らない。 「ご、ごきぶりが・・・。」 「え?」 そんなものが出たのかといってみる。 「この奥に・・・。」 なんだか、皆が離れていく。 「とりあえず、どうしようもないから、とにかく奴がいないであろう場所から本を出すよ。」 とりあえず続行する。そうしないと終わらないし、時間は勝手に進む。 それに、まだまだ本はあるのだから。 「なんだか嫌だなぁ。」 だけど、とりあえず皆はじめる。その間、本を取り出すにつれてたまに見かける黒い奴。 きゃぁっという声がでつつも片付けは進む。本気でこんなことをしていて終わるのか心配になってくる幸里だった。 とりあえず、本は全て出せて、部員達の敵となった黒い奴は棚の後ろに逃げたと報告する里乃。 さて、棚を動かす事にする。出てきたら退治するのみ! 雑巾の上に小さな黒い奴がいるので、こいつかと言われたが、もう少し大きな黒い奴だったようだ。 なので、最終的に棚を動かすので、その時に退治することになった。 「そっち、持ってくれる?」 「あ、はい。」 出てくるかわからないけれど、とりあえずいたら言ってねと言って、棚を少し前へと動かす。 「あ、いました。・・・二匹。」 どうやら、現在敵は二匹いるようだ。 里乃は箒を構えて狙う。きゃぁきゃぁ言う割りに、結構度胸あると思う。 その間、悠美は逃げていてけれど。幸里は別にいるものはいるんだからしょうがないという感覚だったので、退治された後片付けの為にゴミ袋を用意する。 べしっ 「どう?」 「あ、逃げられた。」 一回目は逃げられたようだ。 べしっ 「・・・あ、今度は大丈夫。」 一匹、退治されて、動かなくなった。だけど、それから先は駄目だと箒を手放す。 とりあえず、幸里は紙で包んで捨てようと思ったのだが、敵もなかなかしぶといようで、まだ動けるようだった。 だが、鈍っていたら捕まえられるので、あっけなく捕まって紙に包んでぽい。 「そういえば、もう一匹は?」 「・・・わかんない。」 「あの壁の隙間にぐいぐいと身体を押しこんで、逃げたっぽい。」 どうやら、一匹は仲間を捨てて逃げたようだった。 「ねぇ。向こうって事は、将棋か生徒会じゃなかったっけ?」 「壁はどうなってるかわかんないから。さらに別のところかも。」 「ま、いっか。」 退治は終わったので、次はカビの退治だ。 「・・・なんだかこっちの敵の方が強い気がするんだけど・・・。」 「元からすごかったからね。」 「カビの奴なかったっけ?」 「去年、元部長が持ってきていたような・・・。」 だが、昼をまだ食べていないので、食堂が閉まっては困るので、とりあえずお昼を取る事に。 一時、休憩を入れる。ちなみに現在、部員はほとんどお疲れモードである。 だから、ちょうどいいかもしれない。 だけど、忙しい時には忙しくなるもので。すっかり忘れていた今日の訪問者の存在。 再会するのはもう少し。
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