序章 浸水事件発覚

 

 

三年生が引退して、卒業して、学年が一つ上がった。

そして、新入生が入り、夏休みがやってきた。

文化祭の話で集まる登校日。

雨が降ったなぁという遠い記憶。かなり他人事だった。

それが、とんでもない事になっていた。

 

 

数週間前の雨による被害が現れた。

「うわ。カビが増殖してる。」

「窓開けようか。」

やって来て早々、窓を開ける。そして、残りの部員達を待つ。

ある程度集まってきて、現れた顧問。

「大丈夫だった?」

何が大丈夫だったのか謎だった。

「演劇部さんから聞いて。浸水していたみたいなの。」

「え?!」

浸水って、まじですかと、湿気だけでカビが繁殖したのではないと知る。

だが、見当たる限りではカビの増殖だけなので、中田悠美は応えた。彼女は新しく部員になった一年生だ。

「そう。ならいいのだけど。」

そこでふと、幸里は側にある印刷用紙が眼に入った。浸水していたのなら・・・。

「げっ。」

べりっと張り付いた紙袋をとって、一言。

そして、さらに気付いた表紙の画用紙。かなりまずいです。

「あ・・・。」

ダンボールのソコに水が残っている。かなり、嫌な予感。チェックをしてみて、はぁと溜息が出る

「先生。印刷用紙500枚分と、ほぼ色画用紙だめかもしれません。」

「あぁ、やっぱり。」

だが、部誌と過去の部誌のサンプルと過去の活動した時の作品はほとんど無事だった。それは良かったかもしれない。

このときつくづく、前に整理して棚に上げておいて良かったと思った。

現在十二時。木咲泉は補習があるのでと部室をあとにする。

「全部出して、掃除するよ!」

幸里の言葉で一斉に物を外へ出す。現在部員は幸里を入れて、五人。

先ほど、教室での大掃除をしたばかりだというのに。今度は部室の大掃除だ。

でも、ある意味やって正解かもしれない。

だけど、カビの匂いはすごく酷くて、雨が恨めしかった。どうやら、敵はこの部室の場所と雨のようだった。

今日中に終わるだろうか。終わらなかったらどうしようか。

そんな事を考えていたが、すぐに忘れた。だって、それどころじゃなかったから。