桜。 白く見えるようで、ほのかに紅く色づいている花びら。 春の入学式で盛大に咲いて、哀しく散っていく花。 春が来ると、誰もが目にする神秘的な花。 始まりを告げるかのように、咲き乱れる花。 忘れられ、かすれていく、哀しい過去の話を持つ花。 夏休みが終わり、だらけた雰囲気の中、新学期は始まる。 一ヶ月もの休みの間、それぞれ楽しんでいたようだ。誰もが、久々の再会で休みの間の話を続けている。再会の会話もほどほどに、クラブも開始する。だが、クラブ内でも同じように再会の思い出の会話が広がっていた。 ここ、桜華高等学校。文科系クラブで有名な学校。今は一部のクラブの部室として使われているだけの旧校舎。 クラブ活動があるといっても、今日ほど賑やかに声が聞こえてくる事はほとんどない。 その一室、文芸部という札のかかった教室。たった五人だけの部員が顔を合わせて、次の部誌のテーマを決めていた。白城 雅深もここの部員だ。 「次は何がしたい?」 部長の川神 要が部誌のテーマを何がしたいのか尋ねる。それを、毎度の事ながら、北谷 京古が真っ先に返事をする。 「前回から気になってたんだけど、学校の七不思議って奴。」 「・・・そういえば、京古は好きだったわよね。そういった話・・・。」 騒がしく言う京古の隣で、タロットカードを並べている少女、神野 夢が相手の顔を見ながらつっかかる。 「いいじゃない。この学校って、他と違って鏡の話だけなんだから。」 「それもそうよね。何故か、鏡の七不思議なのよね・・・。あら、・・・今日は大人しくしていた方がいいようよ、京古。」 「また、妖しい占いしてんの?まぁ、当たるけどね・・・。当たるからこそ、そんな縁起でもない事言わないで!」 落ち着き払って、相手にしていないというそぶりの夢と、対抗して口うるさく言う京古。 「・・・悪いけど、それは後にしてね。とにかく、次の課題決めないとね?」 「あ、ごめん、要。」 やっと気づき、しゅんとなる京古。クスッといやみったらしく笑みを浮かべる夢。再び二人の言い争いが始まるかと思ったが、珍しく京古は押黙った。 これでやっと話を続けられると要はもう一人の部員に同じ問いかけをかける。五人の部員のもう一人、時任 芳だ。 「私は何でもいいですよ。それに、京古の言う、鏡の七不思議もいいんじゃないですか?五人でそれぞれの話を想像で書くとか。」 「なるほどね・・・。で、夢と雅深はどうなの?これでいい?」 「私は問題ないわ・・・。今週のラッキーアイテムは鏡だしね・・・。」 「別にいいんじゃない?鏡の話、五つまでしか知らないし、残りのも知りたいと思ってたところだし。」 京古の意見に全員賛成。と言う事で、要はクラブノートに次回の部誌のテーマを『七つの鏡』と書いた。 この学校の七不思議は、何故か七つの鏡の話だった。どれも、他の学校と重なるような内容だが、一つだけ、七つ目の話だけ、他には絶対にない物だった。 まずは一つ目。 『零時ちょうどに旧校舎三階の奥にある校長室の、鏡を覗くと、霊が現れて引き込まれて戻れなくなる。』 二つ目。 『自分の事をいなくなればいいと思った時に鏡を見ると、中に吸い込まれて、変わりに映った偽者が出てくる。』 三つ目。 『半分にひび割れのある鏡を見ると、片方に自分、もう片方には、前世あるいは未来が映る。』 四つ目。 『鏡を割った時に、黒猫の鳴き声を聞くと、夜に黒猫が迎えに来て別の場所へ連れて行かれる。』 五つ目。 『旧校舎に飾られた絵から声が聞こえた時、鏡、もしくは鏡のような物に自分を映すと、絵に魂が閉じ込められる。』 六つ目。 『失った大切な人を思いながら鏡を見ると、幻覚が見えてきて、気づかないうちに死を迎える。』 最後の七つ目。 『死体が埋まっている桜の木を光を鏡に反射させた物を浴びせると、死体と桜の守護者が目覚めて姿を現すだろう。』 これが、この学校の七不思議である七つの鏡の話。 誰もやってみようとは思わないらしいが、話は正確に学校内に伝えられている。とくに、創立から十の単位で迎える年は必ず、旧校舎の裏の使われていない掲示板に、七つ目の鏡の話に関係する何かのメモが張られている。 噂通りだと、創立した日年の生徒しかまだ真相は知らないが、この学校内に七つ目の話は存在するらしいのだ。 その噂から、毎年十周年、二十周年と、十単位の年に張られる掲示板を見に来て、それが何を示すのかを、その時に在学している生徒の大半は考えた。だが、創立最初の生徒以外は、誰もその真実を知らずにいた。そう、誰も見つけられなかったのだ。 第一に、七つ目の鏡の話自体、あまりはっきりとしていなかったのだ。六つ目ははっきりとしているが、七つ目だけは、微妙にズレがあるのだ。 例えば、『十年に一度、紅い桜の花が咲き、その花びらを鏡が吸い込めば、埋まっている死体と桜の守護者が目覚める』とか、『十年に一度、早めに桜が咲き乱れ、鏡の反射を受けて、幻影が見えてくる。』など、とにかく、桜と鏡と死体と桜の守護者という四つのキーワードは含んでいるが、どれが本当なのかは誰もわからない。 京古は、それのどれが本当なのか調べて、その七つ目の話を書きたいと言うのだ。 「もちろん、書くのは雅深。七つ目が一番物語りっぽいし、雅深が書く物語が一番上手く表現できると思うんだ。」 京古自身は書かないらしい。どうやら、押し付けられるようだ。 「私はね、二つ目が書いてみたいんだよね。自分そっくりの偽者ってさ、ドッペルゲンガーだっけ?なんかでさ、それを見たら近いうちに死ぬって言う話もあるでしょう?本当かどうかはわからないけど、そう考えると話ができてさ。私はこれがいいなとね。」 「はいはい、京古は二つ目ね。言っても変更しなさそうだし。で、雅深は七つ目でいいの?」 言い出したら聞かない京古はそれで決定としてほっておく。さすが長年付き合ってきているだけはある。 「別に、私はいいけど?要はどうするの?この七つの鏡の話って、一番のメインってやっぱり七つ目でしょう?それを私が書いてもいいわけ?」 「いいじゃない。私は雅深の書く話は好きだからね。ホラーのようでファンタジーな結構いい感じになりそうだし。」 誉めてくれるのはうれしいが、そこまで言われると、書けるかどうか不安になってくる。 「大丈夫だって。で、残りは五つ。私は五つ目がいいかな。夢と芳はどうする?」 「・・・そうね、四つ目がいいかしらね。黒猫、不吉の象徴として有名だけど、私は結構好きだしね。」 「そう言えば、夢は黒猫とか烏とか、黒いものが好きだよね。私は三つ目がいいな。」 すんなりと、五人それぞれ決まった。残る二つは誰が重ねて書くか、ジャンケンで決着をつける。 「・・・負けた二名は、犠牲者・・・。出来れば試験や行事が多いから、一つにしておきたいところね・・・。」 「それは皆一緒だって、夢。京古も逃げるなよ?雅深は負けたら一番内容的に大変になるかもしれないけど、恨みっこなしだよ?」 要が部員全員に誰も立候補がないことを確認して、ジャンケン勝負をする。 「ジャンケンホイ。」 五人同時に手を出して。それぞれグー、グー、チョキ、パー、パー。つまり、あいこ。 「あいこでしょ。」 今度は、要と芳がグーで、残りの三人はパーという結果。 「よし、要と芳が残り担当!」 「予知どおりね・・・。」 「夢、予知はずるいよ・・・。京古も喜ばないでよ・・・。」 「とりあえず、頑張って下さい、要。そして、芳。」 「雅深はいい子だね。雅深だけだよ、私の事を気にしてくれるのは。」 と、要はふざけてよしよしと頭を撫でながら抱きついてくる。しかし、この部室では日常茶飯事なので、誰も驚く事はない。 「じゃぁ、私は六つ目がいいかな。芳はどうする?」 「じゃぁ、私は一つ目でいいですよ。残り物だし、何でも良かったし。」 「何でもいいって・・・。」 とにかく、これで次の部誌の中身が決まった。 五人はこれから、図書室へ行って、貸し出し禁止の図書館の第三観覧室へと向かう事にした。そこには、学校の古い歴史や、七つの鏡の事やいろいろあるからだ。 何より、今年は偶然にも、創立から六十周年という、ちょうど話通りの十の区切り年だったのだ。だから、使われていない掲示板にメモ紙が載せられると同時に、きっと図書館にも何か手がかりがあるはずだとの事。 まずは、七つ目の本当の話を突き止める事だった。 こうして、五人は七つ目の鏡の不思議な話の世界へと足を踏み入れたのだった。 五人は、司書の柳田先生に第三観覧室入室許可をしてもらい、貸し出し可能の許可書を書いてもらった。 「さ、これから必要資料探すよ。」 「・・・京古はうるさいから、図書館には迷惑よね。要、京古には校長先生から、旧校舎の校長室の鍵を借りてきたもらったらどう?」 なるほど、確かにと納得する要。相変わらず突っかかってくる夢が気に入らない京古。 「要、鍵のついでに職員室にある年代別の卒業生のアルバム借りてきてもらったらどう?確か、七つ目の話の真実を知ったのは、創立した年の在校生だったんでしょう?どんな人か調べておくのもいいかもしれないよ。」 ふと思ったことを言った雅深は、要にその通りだよねと、言ってくれてありがとうと感謝されてしまった。だが、京古には涙目でひどいと訴えられてしまった。 「雅深の言うとおりだけど、京古一人行かすのもあれだしねぇ。」 「要、私が行って来るよ。要がいないと、その許可証は使えないでしょう?それに、夢がいた方が、直感とかで何か必要な本見つけられるかもしれないしさ。」 「それもそうだよね。芳、悪いけど京古と行って来てくれる?」 「ちょっと、私の意見は無視?」 京古は話に入るとややこしくなると言う事がわかっている四人なので、知らないふりをしておく。 芳は要にさらについでとして、担当の大谷先生にこの紙を提出しておいてほしいと、預けられた。それを了解して、芳は京古の腕をつかんで引っ張っていき、退場して行った。 「これで、静かになるわね・・・。」 夢にとっては、図書館は静かで落ち着ける場所ベストスリーに入るので、京古が立ち入るのを酷く嫌う。といっても、文芸部というクラブ柄から、どうしても立ち入るのだが・・・。 「捜そうか。夢、何か感じたら言ってね。雅深はあっち側見てきて。」 「・・・わかったわ。」 「わかった、見てくる。他にも使えそうなのがあったらキープしとく。」 そう言い、三人はそれぞれわかれ、七つの鏡の話や七つ目の本当の話、そして、学校の七不思議がどうして鏡にまつわる物なのかなど、関係する必要な資料を探し始めた。 しばらく三人で捜し、何冊か資料になる冊子や切抜きを治めてあるファイルを見つけた。もちろん、内容はこの学校内にある七つの鏡の話について。 「今日はこれぐらいにしとく?」 「・・・そうね、これ以上はめぼしい物なさそうだし。後、捜すとしたら、第二観覧室ぐらいかしら?」 要は見つけた冊子やファイルを重ねて三人分に分けて、部室へ戻ろうと渡した。その時、夢が顔をゆがめ、放送がなった。 「お呼び出しします。文芸部部長、川神 要さん。文芸部部長、川神 要さん。今すぐ、文芸部部室まで来て下さい。」 放送は静かな図書館に響いた。 「・・・これね、嫌な気配の正体は・・・。」 「あんの馬鹿、私用で放送使ってるんじゃないって何度言えばわかるのよ。」 これも、良くある事。自分は放送がなる気配などわからないし、名前を呼ばれるわけでもないので気にならない。もし、自分の名前を呼ばれたら、少し状況が違ったかもしれないが・・・。 要は、先生を出し抜いて、また私用で放送を使う京古に少しばかり怒っていた。それもそうだろう。用事があって、見つからない、会えないといった状況におちいると、すぐに放送を使うからだ。 「・・・次、放送を私用で使用したら、要が受け持ってしまった残り物を押し付けたらどう?」 「そうね、考えておくわ・・・。」 要は、どうも残り物の締め切りの格闘以上に大変な何かを仕返しとして考えている様子だった。 夢もきっと、それに気付いているだろう。雅深は気にしないでいようと、二人の考えをこれ以上考えず、図書館を後にした。もちろん、要と夢も一緒にだ。 部室に戻ると、紙コップに麦茶を人数分入れて、お皿にお菓子を盛って待っている京古と芳がいた。とくに、京古の方はかなりくつろいでいる。 「あんたねぇ、放送を使うだけじゃなく、何くつろいでいるのよ!」 要が切れた。声に出さず心の中で呟いた雅深。きっと、四人ともそう思っている事だろう。 「だって、この学校ってやけに馬鹿でかいじゃない?職員室と図書館だって、近くないんだよ?図書館よるより、効率いいじゃんか。」 「効率がいいよくないの問題じゃない。」 「それに、図書館入った後の要と雅深って見つけられないんだよ?しかも、声かけても聞こえてないらしくってさ、何度呼べば気づいてくれるかってカウントしてみたいぐらいだよ。きっと、今まで会った人と比べて最高記録がでるね。」 「そんな言い訳はいらない。」 必死に京古は自分の意見を言うが、あえなく却下されてしまう。今の要には、この四人が束になっても敵わないだろう。 「・・・ごめんなさい。」 やっと謝る気になったらしい。冷たく凍っていた空気が少し和らいだ。その後、要は次からは『止めてよ』と注意して、早速資料の必要個所の抜き出しをしようと始めた。 やり始めると、五人とも黙々と真剣になる。普段の京古しか知らない人間には、驚くべき光景だろう。五人は、性格様々でいろいろあるが、文芸部員としてのプライドのようなものがある。 たとえ、人数が少なくとも、一人でも自分が書いた物を楽しく読んでくれる人がいるのなら、手抜きはしたくないと言い、自分にも満足の出来る作品を作るように心がけてきた。だから、部誌を発行するまでの作業で手抜きはしない。 先程までの賑やかな部室と打って変わって静かな人の気配を感じさせない部室。ある程度、使うものにチェックをつけられた五人は、久々に来た部室内の掃除に取り掛かった。 意外とほこりは少なかったが、窓や机は汚れていた。何より、京古の持ち出すお菓子の箱でごみ箱がいっぱいになっていた。 「責任持って、ごみ捨ては京古ね。」 「ちょっと、それ酷いじゃん。要だって食べてるのにー!」 「文句言わない。これが今回放送を使った罰。これで済ませているんだからいいでしょう。でも、次はないから覚悟しなさいよ。」 「うぅ・・・。」 言い返せなくなった京古。それを面白そうに見る夢。見守るだけの雅見と芳。それぞれの反応を示す。 「さーて、まだ時間あるし、コンピューター室確か空いてるって司書さんが言ってたから、今から少しやっておかない?」 「・・・そうね、その方がこの先の行事関係からみていいかもね。」 「ちょっと、それじゃぁ、私出遅れるじゃん!」 「いいじゃないの。反省できて。」 相変わらず、この三人はケンカするほど仲がいいと言う奴だ。この中に入っていけるほど話をしない雅深は少しうらやましかった。でも、この五人でいるのが居心地いいので、今はこのままでいいのかもしれない。 「芳、私達は二つだから急ごうね。」 「わかってる。それを考えると、京古はまだ楽だよね。」 「そう言えばそうだ。」 「な、何言ってんのよ?」 「・・・京古の負けね・・・。」 「ちょっとうるさいよ夢。」 居心地の良いけんか。見ていて悪い気分にはならない。言い争っている本人には重大な問題があるのかもしれないが・・・。 「あ、要、鍵取りに行かないと。印刷用紙は準備室だよ。」 「うわ、それがあった・・・。」 「もういいじゃん、今日は。ファイルに保存するだけでさ。」 「そうね、家ででも印刷は出来るものね・・・。」 話だけが続き、なかなかコンピューター室への移動が出来ない。言わなかった方が良かったかもしれないと、少し後悔する雅深。 「とにかく、京古はごみ捨て行ってからコンピューター室ね。私達は先に行ってよう。じゃ、そういうことで。」 京古に部室の鍵を預け、四人ですぐさま移動を開始する。 「ちょっと、待ってってば!もう、要の馬鹿―!」 言っても、階段を登っていって姿を消した要には京古の声は聞こえない。聞こえていたとしても、無視されるのがおちだ。 時刻は午後七時。生徒はすでに下校している時間。文芸部の五人組もとっくに帰宅している。 あの後、一時間ほど、自分の書く物語の設定を拾い上げた資料の内容を入れながら考え、簡単なあらすじを作った。雅深もあらすじは出来た。だが、まだ結末をどうしようか考えている所である。 十年に一度血のように紅く色づく桜に、鏡の反射の光を当てて、死者を蘇らせてしまった主人公という内容である。そして、危ない所を、同時に目覚めた桜の守護者が助けてくれて、死者を守護者と共に主人公がもう一度封じるという話。 なのだが、どう言ういきさつで死者がその桜の木の下で眠る事になったのか、守護者がどうして死者の見張りをする番人のような事をしているのかという内容を考えていない。これがないと、主人公との会話で話が書けない。 雅深は部屋に戻り、部屋の中にあるパソコンに電源を入れた。パソコンはピッと言う音を何回か発しながら、暗い画面から青い画面へと変わった。そして、パスワードを入力して、画面を開く。 なれた手つきで、ファイルを入れて、学校で書いていたワードを保存されている中から捜して開く。画面には、コンピューター教室で打っていた内容と同じ文書が現れた。 雅深は手に持ち帰った資料を持ちながら、物語の出だしを打ち出した。死者と守護者の関係と、その場所の関係はまだ決めていなくても、出だしはすでに頭の中にある。 雅深はカチャカチャと、キーボードを打ち、文字を刻んでいく。 「・・・桜の守護者は死者の生前と知り合いだったのだろうか・・・?」 ずっと心の中にある疑問が、ついに言葉としてもれた。ずっと気になっていたのだ。 迷信として、桜の木の下には死体が埋まっていると言われているが、鏡や桜の守護者などは出てこない。死体が埋まっているから桜は白ではなく、ほのかに紅いと迷信で言われている。しかし、桜の守護者がいたとしたら、死体がなくても、その力の影響で変わるかもしれない。小さい頃、妖精の存在を信じていた雅深だからこその意見。 その時、ふと何か声が聞こえた気がした。何かを呼んでいるような声。微かだが、澄み渡る綺麗な声が聞こえた気がした。 だが、この部屋には雅深以外は誰もいない。何より、三階なので外に人がいるわけもない。第一に、聞こえた気がした声は、聞いたことのない知らない人の声だった。雅深は気のせいとして、再び画面に向かった。 その後雅深は、遅くなったので寝ようとパソコンの電源を落とした為に気づかなかった。一件のメールが受信されていた事に。 夏休みの間の勉強状況として、実力テストと言う奴が行われた。その為に今日は午前中だけの授業となった。 午後からはたっぷり時間がある。他の四人が持ち帰った資料をもう一度読むことも出来る。雅深は、なるべく早く行こうと、部室へと向かった。 そして、奇妙な光景と遭遇してしまった。 |