|
学は黙って京の後についていった。今自分が何処を歩いているかさえわからなくなっているので、はぐれないようにと神経を働かせて京に集中する。 「・・・ここですよ。」 いつの間にか扉の前にいた。 「ここ、彼女が残していった儀式の場なんですよ。ですから、今は館内にはいなくて、彼女の館内の一つの部屋の前に来ているのですよ。」 そう言って、扉を開けた。 「待っていたよん。」 「遅すぎなの〜!もう、待ちくたびれたの〜。」 「待っていました。準備は出来てますよ。」 そう言って、3人の子供がそれぞれろうそくを持っていた。 「あ、いちよう紹介をしておきますね。右から黄金、白銀、風見です。3人とも私の友人でしてね・・・。」 どういう友人なのかは聞いてみたいが知りたくない気がした。 その時、急に京が思い出を語るかのように見渡した。 「実はね、この部屋はあの館ではなくて、貴方の祖母の館にある一室なんですよ。」 そう言われてえっと周りを見渡してしまった。そう言えば、過去に一度、見た事があるきがした。 「あなたの祖母は、最後まで儀式を自分の手で行いたいと言っていました。終わらせようとしたこの魔の血を止める事が出来なかったからその償いとしてとね。」 だから、たまに祖母は悲しそうに自分を見ていたのだ。自分にはもう残された時間がないと分かっていたから。 「とにかく、始めましょう。又後日、ゆっくり話をしますから。」 そう言って、一度話を打ち切る。 「さぁ、儀式を始めてしまいましょう。」 京は3人を下がらせ、学に魔法陣の真中に立つように指示した。 小部屋の中で、京の呪文のような言葉によって儀式は始められた。 儀式は着々と進んでいく。 これは、祖母がやっていた儀式と同じだったからだ。ただ違うのは、言う言葉が違うだけ。それ以外はだいたい同じ。
『 偉大なる魔女の力を得て、後継と成り得る者がここに有。魔石の主と成り得た者。 名を学。彼の者、後継と我等は認め、互いの自然界での共存の為、 時には手を貸し、共存することを我等は誓おう。 我名は京、魔女たる者の代行人。 我名とこの生命を持つ手、彼の者を後継と認め、責務を持とう。 自然界の力の流れによって我等を裁かんとす、神の名の元、今このときより、 彼の者を後継とし、契約を交わし、彼の者に歴代から続く加護を与えん。 さぁ、今ここにありし継承する者のみが通るべく道へ続く扉を開け。 そして、進むがよい。己の信じたままの道を。名に恥じぬ魔女の後継として・・・! 』
魔法陣はいっそう光を増し、学を包み込んだ。
“ 我等は後継たる汝を認め、ここに誓おう。 いつなんどきも、生命つきるまで、加護を与えんとする事を。 ” これで、長いようで短い儀式が終わった。 「風見、彼を呼んできてくれないか?」 「わかりました、主様。」 「黄金、白銀、悪いが後片付けを頼めますか?」 「まっかせといてよ!」 「そうそう、後は大丈夫なのだ!」 3人にそれぞれ指示を出し、京は学に今日から魔女の後継者として名前を何にして名乗りますか?と尋ねた。 また、あの長い道を歩くのかと思ったが、扉を開けたら、すぐにあの館からみえる奥の扉から出てきた事に気付いた。 「さぁ、もうすぐ情報屋さんが来ますから、それまでに名前を考えて下さいね。」 「お疲れ様。はい、どうぞ。」 魅琴は戻ってきた二人に紅茶を出した。 それを飲み終わる頃、風見が戻ってきて、情報屋のロンと言う青年が姿を見せた。 「どうも、お客さん。情報屋件、裏の住人と客の名簿つくってる者です。 それを聞いて、なるほどと納得した。そこで、少し考えて答えを出した。 「私は、魔女の後継者で、名前を『ロード・リーナ』と申します。」 一礼して、これからしばらくよろしくお願いしますといい、自己紹介を終えた。 ロードはそのまま道という意味の事。リーナは祖母のここでの名前。 祖母のような偉大なる魔女と呼ばれる後継になって、過去の彼女達に恥を欠かせないようにするために、祖母の名前を名乗って、これから生きていく事を決めたのだ。 こうして、学はこの世界の仲間入りを果たしたのだった。
|