「とうとう、この日が来たねぇ・・・。」

蝋燭に灯されたうっすらとした光の中で、立ち上がった影はその部屋から出た。

「さて、はじめるとしますかねぇ。」

その場所に響く声の主が言葉を紡げば、青白い靄のような炎が現れた。
そして、渦を巻くようにして、次第に形をつくっていく。

「月をこの中に・・・。」

言葉のままに、つくられた鏡に月が映った瞬間、空から二つの月が姿を消した。
そして、鏡の中にうっすらと二つの月が『映っていた』。

その者は鏡の中へと腕を沈めていった。まるで水面に手を入れていくように、簡単に沈めていく。
すーっと、引き上げられた手には月が持っていた石を手に持っていた。

鏡は紅い鎖に固定され、その場所に封印された。空の月ごと封印し、その日から月は昇らなくなった。
そして、その者が手にした石は少しずつ形を変え、大きな一つの目に翼と尾をつけた魔物と成り代わった。

「さて、厄災をばら撒くときが来ましたねぇ。・・・我と対なる紅の者は止められるのでしょうかねぇ?」

クスクスと口元に浮かべる笑み。
その者はそのまま影の中に潜み、その場から姿を消した。










あとがき
紅と蒼の月人の絵にいた兎さんです。
これにつけた話的には悪い人っぽいですけど、悪い人じゃないです。
ちなみに、こっちが蒼月さんで狐さんの方が紅月さんです。
結構最初はほとんど顔だけだったのですが、気に入ってるキャラだったりします。
物語を書く気はないのですが、なんかこっそり書いてそうです。
悪い人じゃない理由とか書かないと、このままじゃ悪い人のレッテル貼られそう(苦笑