終 旅立つ貴方とそして

 

 

 

 光が部屋に差し込み、順々に眼を覚ましていく。麻美もいつの間にか部屋に戻っていて、あれが夢であったのかと思ってしまう。

「皆さん起きましたか?」

紫音がひょっこりと部屋に現れた。もちろん、黒い猫の姿だ。

「朝食用意しておきましたけど、食べますか?」

全員少々寝ぼけているものもいるが、元気のよい子も全員食べると答えた。

「じゃぁ、隣の部屋に来てくださいね。」

そういって、部屋からぴょんと出て行った。

 全員着替えもないので、そのままの格好で隣へと足を運んだ。そこには、日本の食卓だと思える和風の料理だった。

焼き魚にお漬物。そしてお味噌汁にご飯。そして出しまき卵。

昨日は食べ過ぎたぐらいなので、これぐらいがちょうどいいし、さっぱりとしたものだったので、おいしくすっと食べられた。

寝ぼけていたものも、朝食でしっかりと眼を覚ました。

 着替えはこれでと、二人が全員に普段来ているのと似たような服を持って着てくれた。

 この服のまま帰るのはちょっとと思っていたので、ちょうど良かった。

 着替え終われば、とうとうお別れの時間となる。

「本当に、もうお別れなの?もっと一緒にいられないの?」

「そうだよ。もう少し一緒にいようよ。」

千代と桜華が引きとめようとするが首を振るだけだった。

「今日は別れる。それがこの先を進むにあたって必要な事。そして、私が招待状を送るのも必要な事。それに答えるか答えないかは判断を自分で下す。今、ずるずると一緒にいても駄目なんですよ。きっと、先が見えなくなります。」

そういって、今日はこれでお別れなのだと言い聞かせる。

「でも、すぐに会えますよ。そうでしょう?」

そういって、紫音と魅音と別れた。

二人はまたどこかいったことがないところへ行くのだと、いっていた。

 

 全員家に帰ってもらった写真を見た。

春華の姿がうっすらと映っていたことにも驚いたが、裏に書かれたメッセージがとてもうれしかった。





 旅立つ貴方と私。そして、いつか再び出会う貴方と私。


 次もまた、別の旅立ちの思い出として、一緒に写真が撮りたいと誰もが思った。





       あとがき

 紫音さんシリーズ第四弾完結。再会しては慌しく次の出会う日までの別れです。
 卒業式用に書いたものなので、こうなってしまったのですが、大丈夫ですよね…。
 長く続いていく紫音さんシリーズ。どこまで続くのかは私でも謎です。
 本来ならば、一作目で終わりのはずだったのですが…。
 内容としても三作目で完結ではあるので、ある意味この話以降のものは未来編にあたるものかもしれません。

 それにしても、やはり愛着があるというか、クラブでずっと部誌で連載してきたからなのか。
 書いていて楽しいですし、好きなんですよね。イメージとしては絵本のような感じの世界なのです。
 挿絵を今度書こうかな。無理かな?
 とにかく、長い間お付き合い下さいましてありがとうございます。
 この先も、気長にお付き合い下さるとうれしいです。