<< 番外編 >>

  〜 春に桜が約束した日

 

 

日が傾き始め、今日もお友達とさようならの時間。

いつも仲の良い幼馴染の春華と桜華の二人は、母親が迎えに来てもえーといって、中々帰ろうとしないほど、仲が良かった。

幼稚園でも、いつも一緒、食べる席もお昼寝する場所も隣で、本当の姉妹みたいに一緒が好きだった。

そんな二人は両親に内緒で、少し離れた場所の川辺にやってきた。

今の時期、桜が満開で綺麗なのだ。

「行こうよ、はーちゃん。とっても、綺麗なんだよ。」

と、桜華は春華をさそう。

昨日、車で出かけたときにそこを通り、とても綺麗だったので、春華と一緒に見たいと言うのだ。

「うん、わかった。行こう、おーかちゃん。」

そういって、仲良く手をつないで、川辺へ歩いていった。小さな冒険のような、遠足のような気分。

今だったら、なんだってできそうだという勢いだった。

そんな感じで、行きは無事に、目的地へと行けた二人。

「わぁ、すごーい。」

春華は興奮してぴょんぴょん跳ねて、落ちている桜の花をたくさん拾いました。

桜華もたくさん拾いました。

 

 

しばらくはしゃいで、二人は一番大きな桜の木の根元で腰を下ろして、空を見上げていました。

「ねぇ、はーちゃん。」

「何、おーかちゃん。」

話しかけてきた桜華の方に顔を向けて、首をかしげながら答えを待つ春華。

「おーかとはーちゃんとは、ずっと、一緒だよね。ずっと、友達だよね?」

「うん、ずっとずっと、ずっと一緒。ずっと、友達だよ。」

春華はにっこりと答えて、じゃぁ、約束しようと、桜華は小指を前に出しました。

「指きりげんまんだよ。」

「うん。」

そういって、二人は小指と小指をかけて、指切りをしました。

「はーちゃん、約束だよ。」

うん、約束。おうちゃんの約束絶対守る。はるか、約束破らないよ。」

「絶対、約束。ずっと一緒にいようね。ずっと友達だよ。結婚しても、おばあちゃんになってもずっと。」

「うん、約束。いなくなっても、絶対、戻ってくるから。ずっと友達だよ。」

「約束、守らないと駄目だからね。ゆびきりげんまん。」

「嘘ついたらはりせんぼんのーます!」

「ゆびきった!」

と、二人は笑いながら、約束を交わした。

これから先も一緒にいられるようにとお願いをして。魔法の呪文をかけて、桜に約束の立会人をしてもらった。

 

春ののどかなある日、二人の仲の良い子供たちが楽しく笑みを見せながら、約束を交わした。

長い間、いろいろなものを見てきた桜の木が、二人を見守りながら、約束を見届けた。

 

 

 

 

「会いに行くから。会いに、戻るから・・・。それまでまっていて・・・。」

 

春華は仲直りが出来た後、ここに訪れた。誰にも姿を見られることなく。

階段を上った後、神様に最後だと、ここへ連れて来てくれた。

約束を守るなら、手助けをすると、いってくれた。

だから、春華は約束を守るために、戻るのだ。

大切な友人のもとへ、帰るのだ。

 

 

大切な思い出を・・・大切な人の思いを・・・守りたいから・・・。