■ 空の儀 ■

四台元素を司る妖精の長達による一年の繁栄と存続と恵みを祈り願う儀式。
補佐として様々な妖精達が指名される。
指名されれば、その任はまっとうして果たさなければいけない。
決して終わるまで気を抜いてはいけない。

補佐の妖精は、毎年変わる。
指名される事は名誉な事だが、二度指名される事はほとんどない。

□ 儀式の順番 □

妖精の長四人が『空の儀』のためにつくられた舞台に立ち、円になってはじめる。
それぞれの補佐の妖精がそれぞれ指名した長へ祝詞が書かれた紙を渡す。
紙に書かれた内容を火・水・地・風の順番で読み上げる。
読み終わった後は、火・水・地・風それぞれを使って残さず消す。

火が灯りを灯し、水が舞台を包み込み、地が空高く挙がり、風が音を運ぶ。
長達によってかえられた舞台から、順番に持てる力を出し切って舞・唄・奏・演を聖霊長(王)へ捧げる。
四人の全てが終わった後、補佐が空の儀の終了の言葉を言う。

これによって、一年この世界の存在が神より認められる。



そもそも、『空の儀』のはじまりは十三代目にて起こった裏切りの事件から。
聖霊長(王)と神の意思に背き、忠誠を誓いながら裏切った哀れな愚か者の風長。



□ ウィングル・ディスタールの裏切りの真実 □

ただ、そこに存在するだけで、世界の危機といった深刻な問題もなく平和に過ごしていた日々。
当時のそれぞれの四人の長達によって、過去最高といわれるほどの平和でのどかな日常
それを壊したのが、四人の長の一人、十三代目風属性の長、『ウィングル・ディスタール』である。

彼はある日、聖霊長(王)の神殿へ単独で乗り込み、手にかけて亡き者にしようとした。
だが、すぐさま動いて残りの三人と聖霊長(王)の補佐達によって捕らえられた。
当初、まさか彼がこのような行為に出るとは思われなかったために、皆が酷く驚き悲しんだ。

誓いを立てながらそれに裏切る行為。彼を無へと返すための儀式が執り行われた。
そして、彼は誰からも嫌われる敵という存在として闇へと葬られたのだと語られる。
しかし、実態は少し違っていた。

儀式を執り行おうと、高らかに笛の音が鳴り響いた時だった。
地の大きな揺れとともに、地階に住む、それも妖精達とは違う闇の住人達が現れた。
そして、向かう先は聖霊長(王)と四人の長達。
狙いはもちろん、その五人の死で、この世界を乗っ取る事。
やり方は誰もを巻き込み、多くの犠牲者を出すようなもので、聖霊長(王)達は慌てた。

だが、ただ一人。儀式として中央で縛られていた彼だけは違っていた。
縄を引きちぎり、禁断の魔法を使った。
彼はかつて、地階で闇の住人の刻印を授かった子供。それも、地階王の末息子。
偶然知った彼は、その企みを阻止する為に聖霊長(王)のところへと向かい、本当は亡き者にしようとしたのではなく、闇を無効化する結界を張ろうとしたのだった。

彼の声がその広場全体に響き渡り、闇が闇へと消えていく。
同時に、彼の背の羽は濃い闇のように漆黒へと変化し、形も異形のものへと変わった。
そして彼は、再び地階の闇の者達が来ないようにと、生命の灯火を燃やし、持てる力全てを出し、彼は跡形もなく姿を消した。

自分の生命と引き換えに、世界を守ったのである。

その事を、後に予言妖精から知った彼等は嘆き悲しんだ。
どうして頼ってくれなかったのか。話してくれなかったのか。

その後、彼を忘れない為に、安らかな眠りの為にはじめた儀式。
それが『空の儀』
ウィングルと瞳と同じ空。ウィングルが好きだった空。
その名を使い、この先も彼がここを守ってくれるように、居場所はあるのだというように、はじめた儀式。

現在ではこの話の存在は薄れ、皆は悪と考え、この儀式の神が彼である事を知る者は少ない。
知るのは代々受け継ぐ四人の長と聖霊長(王)とごく少数。



+++ 詳しい資料が出来次第、追加していきます。 +++


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