Fall or Winter?

 

 

 ここは、妖精達が住む場所、『フェアリー・ランド』である。生まれてすぐのものから、幼生から、一人前、そして、大階級から長までいる。

 もちろん、フェアリー・ランドの事を人間は知らないだろう。いつも、人間と同じ世界に、少し見方を変えて裏を向ければ来れる所。だが、誰も来る事は無かった。

 最近では、妖精最高位階級の長が魔法を使って人間が踏み込まないように結界というものを張っているらしい。

 これで、生まれてすぐから幼生までの間、一人前に向けての修行がじっくりできる。らしい。

 

 さて、今回の主人公は秋と冬の妖精達。

 ちょうど、季節の変わり目で、移動時期である。

 立派に一人前になった妖精も、半人前の幼生の試験審査で忙しい時期だ。この期間中に、正式試験結果発表を行うからである。

 そして、一人前にやっとなれた秋の妖精が前を行く、幼馴染を見つけた。

「あ、レオちゃん。」

「…ちゃん付けはやめろよ。」

「え?いいじゃない、可愛いから。」

痴話げんかかと思われる会話。だが、彼らには日常会話の一つである。

「あ、そうそう。聞きたい事があったんだった。確か今年、レオちゃんの妹が試験じゃなかったっよね?」

そう、妖精達にとっては、ただ一人前になる試験を受けるだけでなく、その後何も知らされずに、本当の試験を受けて初めて妖精としての力を発揮させる。

「確か、そうだったな。」

「本当の試験があるってこと、教えてないよね?」

「教えるわけが無いだろう?教えたら試験やり直しで、こっちも罪人として五年も追放喰らうんだぞ?」

「そういや、そうだ。」

紹介し損ねていたが、蒼系の髪と服を着ているのが、レオ・フェルレンで、オレンジ系の髪と服を着ているのが、カノン・ローレンである。

二人が今、会話で話題にしているレオの妹。二人を見つけ、こちらに走ってきた。

「走ると危ないぞ、ウィリー。」

「大…丈夫…。」

小さな声で答えるが、二人には聞こえている。このような時、妖精は便利である。魔法と言う力を持っているため、よく聞こえる。

「ウィリーちゃん、今日初仕事だったよね?頑張ってね。応援してるから。」

笑顔で優しく言ってくれるカノンにありがとうと答え、笑顔で返す。ウィリーは兄のレオのことが好きだが、カノンのこともまた、好きだった。もちろん、大好きな兄と姉として好きなのである。気付いていないだろうが、カノンとレオの間にある愛情とはまた、別のものである。

「あ、そうそう。ウィリーちゃん、今回の仕事でもし困った事が起こったとしても、きっとあの人が助けてくれるよ。ね、レオちゃん。」

「だから、ちゃん付けはやめろよ。でも、カノンが言うとおり、あいつ…というか、あいつ関係の奴が助けてくれるだろうな。」

忘れてはいけないのが、妖精は人間と生きる時間が違うと言う事である。

「うん、ありがとう。私、頑張る。」

やる気を出すウィリー。それを見守る二人。まるで親子のように見える。

「じゃ、行ってくる…。」

ウィリーが向こうへ走っていった。それを見て、レオも審査員だから行くといい、一人残されたカノン。

そこへ、顔見知りの同じ仕事仲間がやって来た。

「カノン!」

「あ、キャレット!どうしたんだい?」

「あのね、珍しく月水が作ったからね、持って来たの。」

「うっそ?あの月水さんが妖精涙でブレスレット?!」

「やっぱり、月水は器用なのだ。」

やって来たのは、少々大きい耳と尻尾と羽が着いている友達。

妖精によっても、大きさや風体は変わるのだ。

「月水ね、ご機嫌なんだよ。コウちゃんと会えたからね。またお別れしたけど、来年も会う約束したからとってもご機嫌。」

「そうなんだ。じゃぁ、私も秋葉と約束をすればよかったな。」

二人して空を見上げる。

「そだ、試験見に行かない?」

「そう言えば、試験の時期だったねぇ。」

そこへ、ティリーがやって来た

「あ、いたいた。やっと見つけたよ。」

「ティリー、どうしたの?」

「どうしたのじゃないだろう?カノン、君は忘れたのかな?次の表試験の赤組の審査員だろう?今日集合かかっていただろ?」

しばらく沈黙が続き、あー!!と大きな声を出して、忘れてたという言葉と共に、一目散に走っていった。

「カノン、もう、ティリーのせいだ。カノンと遊べないじゃんか。」

ぶうたれるキャレットの頭を撫でて、キャレットのことを月水が捜していた事を伝えた。

その時、ティリーの頭上から何かが降ってきた。

「わ、来た!」

慌ててよける。その間に、ティリーの目の前に何者かが立ちはだかった。

「見つけたぞ!まったく、すぐにどっか行きやがって!!」

相手はどうやら怒っている様子である。

「そんな事言ったってさ…。」

「言い訳無用!うちの魔法の種この前からのツケ分全部返せ!!」

「いや、無理―?!」

逃げる者と追いかけるもの。ティリーを追いかけているのは、優しいといわれるはずの春の妖精フリンダであった。

 

 妖精達はそれぞれ、己のやることをやっていた。

 

 そして今日も、妖精の世界では慌しく過ぎていくのであった。

 

 

  +++――― あとがき ―――+++

 

こんにちは、李瀬紅姫という者でございます(ぺこり)

妖精さん集合!状態のものです。妖精と出会う人間の設定と打って変わり、妖精世界の一日をお送りいたしました。

さてと、今までの書いた書かれた話に登場した妖精が何人か出てきましたが、いったい誰が誰と出会ったかを完璧に言える人は何人いるのでしょうね?私はなんとか覚えていますよ。だって、一部作者であり、いただきものの話なのでね…。忘れたら書いていただいた方にも失礼ですからね。

いちよう、今回の設定は、ウィリーの本当の試験(裏試験とも言われるもの)を受ける前の設定です。

さてと、一様この場をかりて、それぞれの妖精とであった人間とのおさらいのようなものを書いてみました。

 

 

及川 秋葉 カノン・ローレン&レオ・フェルレン 秋&冬

秋山 神地 月水 季幸&キャレット 秋

大沢 雪魅 ウィリー・フェルレン 冬

桐山 水妃 ティリー・ガーベルド 夏

霧谷 春季 フリンダ・ギルベス 春

 

まず、出会う順序から…

出会いの始まりは秋葉&カノンで秋葉の年齢は15

その二月後、秋葉&レオで秋葉の年齢は15

さらに三十年後、水妃&ティリーで水妃の年齢は8

さらに十年後、神地&季幸&キャレットで神地の年齢は14

さらに十年後、雪魅&ウィリーで雪魅の年齢は17

さらに四ヵ月後、春季&フリンダで春季の年齢は12

 

このような順序となっています。話の展示順番は違っているのですが…(作品仕上がり順なもので)

そして、裏設定

カノンとレオは秋と冬で司る季節が違いますが、幼馴染です。妖精世界では、幼馴染は生まれてすぐに仲良くなった子のことで、その時すぐにはどの季節を持つかは不明だからです。

さらに、カノンと月水はいとこ同士です。キャレットは半獣なので、また別。

カノンとレオが幼馴染なように、ティリーとフリンダも幼馴染です。フリンダの場合、試験は毎回表で落ちている為に、時間がかかっています。

話を読めばわかるように、レオとウィリーは兄弟です。

ここでは紹介しきれませんが、また妖精は次の機会で…。

さて、人間に戻って…。

秋葉の孫が雪魅となっています。性名が違っているのは結婚関係からです。

設定では、秋葉は約60歳で死んでいることに…。(若死に?!)

密かに、近所の子供で神地と面識があったり…。神地の母と仲が良かったらしい。(母の母と同級生らしい)

最後まで、季幸と神地のことを心配していた(事故のショックと記憶を忘れた事に対して)

さらに、神地と雪魅は先輩後輩です。(学校でもクラブでも)

そんな雪魅。春妃とは仲のいいお隣同士姉妹関係状態を保っています。

さらに驚く事に、水妃の祖母と秋葉は同級生です。

 

今回出てきた妖精とであった人間の繋がる関係をまとめてみました。(わかっていただけたのだろうか…?)

 

では、次で会いましょう。長々と最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

                             李瀬紅姫



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