エステル率いるユーリ奪還大作戦決行中の一行はある街に来ていた。

そこで、暴れる少女を発見し、何故か巻き込まれて同じように逃げる羽目になった。

そのせいで、フレンと逸れてしまった。けれど、フレンならきっと目的を理解しているから問題ないだろうとエステルは今問題である少女の方を向いた。

「と、とにかくここまで来れば問題ありませんね。」

大丈夫です?と問題を起こした原因である少女に声をかけるエステル。

「だいたい、何であんたたちまで一緒にきたのよ。」

「それはその、止めないとあのままではたくさんの人が怪我をしてしまうからです。けれど、向こうの方達も話を聞いてくれるような状況ではなかったので・・・。」

ついといえば呆れたと本気で呆れてる少女にじとっと見られて少し恥ずかしいですと思いながら、何があったのかを尋ねた。

すると、あの広場にあった魔導器が異常稼働していたらしく、それに関してもめたらしい。

「魔導士なんですね。あ、私エステリーゼと申します。そう言えばまだお名前を伺ってなかったですね。」

「リタ。」

「リタですね。」

よろしくお願いしますと頭をさげ、なんだかなごんでる二人を何か忘れられてるねと見守るカロルとあの騎士とメンバーチェンジかしらと言うジュディス。

「リタはこれからどうするんです?」

「私は・・・あの魔導器の件で話があるから黒ウサギの国にいくつもりよ。」

「実は私たちも黒ウサギの国へ行くところなんです。」

ご一緒しませんかと誘われ、戸惑いながら、リタが仲間に加わった。

 

 

 

「どうです?」

「・・・あー、いいんじゃないか。」

「良かったです。では、また次も頑張ります!」

そう言って、さっさと出ていたお姫様。

もう、突っ込みどころがわからない。物語。あくまで物語。だからこれでもいいのかもしれない。

だから、何も言えない。

「というか、今のところ出てる種族ってウサギかよ。」

物語なのだから、動物のような可愛い生き物で描いても問題はないだろう。

だが、明らかに自分をモデルにした人型にウサギの耳が生えてるイラストが目に入ってしまった。

自分の思い出したくない過去を思い出し、何だかへこむユーリだった。