今年も、来年も

 

 

 

 

 

 

「今年は事件発生率が下がりますように!!」

「…おい」

 ぱんっと手を合わせた快斗に、隣で新一が呆れたように目を細めていた。

 呆れられてもいいたくなるじゃん。

 

 穴場の小さな神社で、快斗と新一は初詣にきていた。寒がり嫌がる新一をほとんど強引に連れてきて、ここへやってきた快斗は手を合わせてむむむと唸っている。

「事件に新一が取られたのなんかいだと思ってるの!?一回や二回じゃないよ!?十回や二十回でもないんだよ!?俺の敵は黒の組織じゃない、事件だ!」

「俺の楽しみを奪う気かてめー」

「暗号ならたくさん作ってあげるからさ〜」

「喧しい!暗号はもらうけど、事件の謎も俺が解く!」

「…女王様」

「黙れっ」

 げしっ

 相手をけりつけて、新一はため息を吐く。

「大体、神頼みで事件がなくなるなら世の中平穏そのものだろうが。一体何人が平和な世界を願っていると思ってるんだ?」

 その通り。

 願っても減らないことは確かだ。

 でも。

「気分だって。ここにくると何かお願いしたくなるの」

「…」

「願掛けみたいなもんでしょ?神様に頼んでいるんじゃなくて、俺に決意表明。俺が、俺の目標を決めるの」

「…犯罪減少は?」

「新一を閉じ込めておけば減るかも」

「お前は俺を監禁する気か!というか、俺が事件を起こしているわけじゃねぇよ!!」

 確かにそうなのだが、歩けば犯罪とぶつかる新一を閉じ込めておけばとりあえず自分の「生活」で事件は起きない…そう、快斗は思っていた。

 だが、簡単に閉じこもってくれないのが工藤新一その人だ。

「仕方がないかなぁやっぱー…しょうがない。かげながらサポートしますよ名探偵」

「怪盗の手を借りる探偵がどこにいる」

「俺が勝手にやるんだからいいの」

 勝手にそう決めて、快斗はもう一度手を合わせる。

「…おい、今度は何を願掛けする気だよ」

「何って勿論」

 にっこりと、笑う。

 

 

「新一と今年も幸せでいられますようにってV」

 

 

「ばーろぉ」

 快斗の応えに、新一はけっと踵を返した。

「えええ?新一〜?」

「そんなもん、願掛けしなくてもいいだろーが」

 お前は「今」が不満なわけじゃねーだろ。

 そういった新一に。

 快斗は一瞬きょとんとしてから、嬉しそうに笑った。

「そだねっ」

 言って、新一の隣に駆け寄った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまりは新ちゃんも今幸せってことだV」

「ばーろぉ。当然のこと聞くな」

 寒い道を寄り添いながら、二人は帰路へと付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、何のために初詣に来たんでしょーねあなた方。わざわざ人の来ない場所まで探して(汗)

 

 

 

 

 

 

 

 

 …とりあえず、

 

 

 

 

 

 今年もよろしくお願いします。二人とも♪

 

 

 

 

 

 

 

「よろしくされてやるよ」

「よろしくね〜V」

 

 

 

 

Fin







あけましておめでとうございます!2005年今年もよろしくお願いいたします!
この作品は1月10日までフリーとなっております。お持ち帰りの方は連絡くれると嬉しいな〜です。勿論著作権は放棄していませんのでV

今年もよろしくお願いします!
Byコウ

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