白い怪盗と過ごすクリスマス 1か月前… 突然現れた怪盗が、ご丁寧に手渡しで予告状を持ってきた。 その日はドロンとすぐに消えたし、楽しい謎解きをして満足した。だが、次の日にお隣の少女によって予告の内容を聞かれたので答えると、馬鹿と怒られた。 その時は楽しみを優先したため、内容を理解していなかった。 確かに、クリスマスに行きます。パーティしましょうというような内容だが、あくまでその答えだけえを認識して内容の意味を理解していなかったのだ。 「つまり、あの怪盗さん。24日にくるってことでしょう?あの派手な格好で。」 そう言って、少女に手渡された新聞。そこには、クリスマスにまるでショーをしますと言わんばかりの、一面に書かれた予告状が掲載されていた。 「怪盗さん、仕事してからくるってことでしょう?あと、これもどうするか決めてないのに、そんな余裕かましていていいのかしら?」 そう言って、思い出さされる、クリスマスの予定。蘭にクリスマスパーティで呼ばれ、西の高校生探偵である服部が遊びに来てもいいかと言うことを言われていた。 まだ、予定が決まっていない為に、保留にしていたもの。そこへ、入ってきた怪盗からのお知らせ。 「全部キャンセルでもいいと思うか?」 「なら、怪盗さんと探偵さんが合わないようにだけはしておきなさいよ。」 まぁ、怪盗の予告があるのなら、蘭の予定していたパーティは園子によって違う意味でのパーティにすり替わりそうだから問題はなさそうだが、服部は話が別だ。 「なぁ、服部の奴も、俺に会いにくるより、こっちの予告の方へ行く可能性ないか?」 「そうね。けど、怪盗さんが逃げた後が困るんじゃない。」 八逢わせなんて洒落にならないわよという彼女に、それもそうだしなと考える。 「あと、私は留守にしてるからね。」 「何か予定あるのか?」 「貴方、忘れたの?」 少し怒った彼女の次の言葉に、さすがに新一も逃げることを考える。 「去年、貴方のお母様、有紀子さんがきて、私を着せ替え人形にしたこと、忘れたの?」 「ああ…俺もやられたな。」 「だから、私は探偵団の皆と夜まで出かけることにしているの。」 やっぱり苦手よ。貴方の両親はと言う彼女に、俺もあのテンションは苦手だと言う。 「本気でどうすっかな。」 悩めど、出ることのない答え。とにかく、ややこしくなりそうなので、蘭の方は断りを入れ、服部の方にも、もしかしたら事件でいないかもしれないという旨を伝えると、案の定、怪盗を拝みながら東京見物でもするという答えに苦笑するしかなかった。 これが、バタバタしたクリスマス1か月前の出来事 |