新(翼)「・・・うにゅ〜。」
どうやら眠くなってきたらしい。
キ(翼)「そろそろ寝ましょうか。」
すっと抱き上げてお姫様だっこ。しかし、嫌がるそぶりなし。
快(翼)「ずるっ!」
キ(翼)「それどこれはないでしょう?えっと、部屋はあちらのでよかったですよね?」
志(蒼)「そうよ。私達はこれからお風呂だから、大人しく寝ていてちょうだい。」
志(翼)「暴れないでよ。」
快(翼)「暴れないもん!」
快(蒼)「俺も、新一のところに戻るかな。」
新(翼)「キッド〜。」
はやく寝たいという催促。
キ(翼)「はいはい。寝ましょうね〜。」
うにゅっと腕を回してくっつく新一をよしよしと快斗はなで。部屋に消えていく。
志(翼)「見せ付けてくれちゃって。」
志(蒼)「何処の世界も同じみたいね。原理は。」
紅(翼)「実験で実証してみたいかもね。他の世界の彼等も同様に・・・。」
なんかやりそう。きっと、この間に他の世界の彼等はぞくりと寒気を覚えていた事だろう。
志(蒼)「さて。お風呂に入ってこようかしら。」
志(翼)「そうね。」
さて。お部屋では。
快(蒼)「新一。」
新(蒼)「・・・やりすぎだ、てめぇ。」
快(蒼)「あ〜、口が悪い。てめぇじゃなくて快斗でしょ?」
新(蒼)「てめぇで充分だ。」
そして、今夜は駄目だと言うが、そこで留まる快斗ではなかった。
さらにこちらのお部屋では。
新(翼)「うにゅ〜〜。」
べたっと相変わらずキッドにくっつく。人肌が好きらしい。ま、自分達も好きだ。
快(翼)「あ〜。俺にはくっついてくれないの〜〜〜。」
かなりショックらしい。
キ(翼)「寝ている間に動きますよ。ほら、うるさくしていると新一が目を覚まします。今日はもう、寝ますよ。」
快(翼)「そうだね。おやすみ。」
キ(翼)「おやすみ。」
キスをして、就寝。らぶらぶ・・・?
新(翼)「…(俺いつの間にねたんだ?)」
朝起きると快斗とキッドにはさまれていた。
新(翼)「(うう、起きたいけど、起こすのもなぁ…)」
二人に甘い新一。
しばらくそのまま〜。
ところで他の方々は?
快(蒼)「おはよう〜」
新(蒼)「…は、はよ…(ふらふら)」
志(蒼)「…本格的に手、出したわね。黒羽先生?(冷笑)」
快(蒼)「あは、あはははははは(乾いた笑い)」
紅(翼)「まあいいわ。」
志(翼)「朝食にしましょう」
新(蒼)「…顔洗ってくる…(赤面)」
快(蒼)「あの三人まだ起きてないのか?よし、俺が起こしてきてやろう」
馬に蹴られますよ、快斗さん。
志(翼)「じゃあ私たちが料理かしら」
紅(翼)「何が食べたい?」
快(蒼)「別に何でも…」
志(蒼)「じゃあ暗黒風コウモリの肉と毒キノコのいため合わせ…」
快(蒼)「昨日の残りがあるからそれ温めて」
瞬時に危険と判断したらしい。
快斗は三人を起こしに客間へ、新一は顔を洗いに洗面所へと移動し、女性三人は朝食の用意でキッチンへと移動した。
紅(翼)「これ混ぜてみる?」
志(蒼)「いいわね」
志(翼)「さて、誰が食べるかしら?」
怖いよ〜…。
新(翼)「そろそろおきないといけないけど。どうしよう。」
少し、もぞもぞと動く。すると、いきなり目を覚ました二人。
キ(翼)「・・・。」
新(翼)「あ、おはよ。」
少しびっくりして二人を見るが、二人の目線は扉の方向。
新(翼)「どうしたんだ?」
キ(翼)「無粋にも、わざわざ来たようですね。」
快(翼)「余計なおせっかい、大きなお世話だね。」
そして、聞こえてくる快斗(蒼)の声。
快(蒼)「おーい、起きてるか?」
ノックをして扉を開けて中を見る。
新(翼)「・・・ああ。起きてる。」
快(蒼)「じゃ、朝食だから下に来てくれ。」
そうして、出て行きました。
新(翼)「お前等・・・。」
相変わらず、他人の気配には鋭いなと思う新一。
新(翼)「やっぱり、まともじゃないな。」
自分もある意味まともではないことはわかってません。
キ(翼)「ま、しょうがないですから、朝食で下にいきましょうか。」
快(翼)「あまり遅いと、あの三人に何を言われるんだか。」
とりあえず、起きて下に降りた。
そして、何気にはじめた朝食。
そして、妖しげな笑みを浮かべる三人。
ふと、キッドは気付く。翼がなくても、ある程度わかるのである。さすがは館のトップだ。
キ(翼)「食べるのを止めて下さい!女史に魔女殿。いったい何をしたのですか?!」
ちょうど、新一(翼)が例のものを口に運んだ時だった。さすがに、それに三人も困ったと思ったが。
志(翼)「そこまで害のあるものじゃないけれど・・・。」
紅(翼)「ひまだから、ちょっと混ぜただけよ。」
快(蒼)「暇だからって、なんてことしてるんだ!」
志(蒼)「人の前で散々のろけて、挙句にいう事を守らない人にちょっと仕掛けようと思ったのよ。」
それが、ちょっと問題になったのだと言う。
志(蒼)「その問題のものを、彼(翼)が食べたわ。」
キ(翼)「し、新一?!」
快(翼)「あ〜、今すぐ吐くんだ〜!」
慌てているが、どうしようもない。
快(翼)「なぁ。あれはいったい何が起こるんだ?」
志(蒼)「それは・・・。」
彼女達が明らかにするその物体とは?!
新(翼)「う…!?」
突然胸を押さえる新一。
快・キ(翼)「「新一!」」
ぽんっ。
快(蒼)「…」
志(蒼)「……」
紅(翼)「……」
志(翼)「………」
沈黙が降りた。
新(蒼)「あ、お前ら起きて…」
顔を洗った新一がリビングへときた。そして、固まる。
快(翼)「…えー、と」
キ(翼)「…新一、ですよね?」
新一の座っていた椅子の上には。
ちょこんと綺麗な白色の蒼い目をした猫が座っていた。
快(蒼)「お約束…!!」
志(翼)「おかしいわね。形を変えるなんて」
紅(翼)「時空を越えて成分が変化したのかしら」
キ(翼)「ちなみに本当はどんな薬で…?」
志(蒼)「私が聞いた話しによると、しゃべる言葉が別の動物のものになる薬よ」
それで何故形が変わる??
新(翼)「にぃーにぅーっ」
かりかりと助けを求めて爪を立てる新一。
新(蒼)「…可愛い…」
動物好きな新一さん。
新(蒼)「(抱き上げて)なんかちっちゃいな…どっか痛くないか?」
新(翼)「(ふるふる)」
新(蒼)「そっか。なんか飲む?喰いものは?」
快(翼)「新一〜」
快(蒼)「新一が新一に取られた」
キ(翼)「…午後の一時までには、戻る方法を…」
志(蒼)「効力は?」
志保の問い掛けに。
志・紅(翼)「「わからないわ」」
とのたもうた。
新(蒼)「何なら飼うか」
快(翼)「それは勘弁してー!!」
新(蒼)「それにしてもこいつら本当にどうしような」
飼えないのならどうすべきだろう?
キ(翼)「知識のある方々はことごとく変わってしまいましたし…」
茶色い猫を見て、赤い獅子のようなものを見ようとして…
不自然に目を逸らした。
紅(翼)「何故目を逸らすのかしらキッド?」
新(蒼)「小泉さん、そのまま話すとちょっと怖いぞ」
快(蒼)「工藤〜俺は?」
新(蒼)「犬は黙っとけ」
快(蒼)「ひどい〜こんな可愛いワンちゃんにたいして〜」
いや、黒くて大きいからどっちかというとワイルドな…。
快(翼)「何で俺は中途半端なんだ!?」
キ(翼)「薬が効いたようで効かなかったのでしょう」
新一は効き過ぎたのかも知れない。
志(翼)「とりあえず、何もせずに時間を過ごすわけには行かないわ」
紅(翼)「残った二人で方法を探して頂戴」
キ(翼)「私たちでですか?」
志(翼)「肉球のある手で本をめくれというのかしら?」
志(蒼)「本を傷つけたくないわ」
新(蒼)「それには同感だな」
新(翼)「なぅ〜」
快(蒼)「親父の残した本調べてみるか?」
何でそんなものがあるんだ!!
新(翼)「なぅ〜〜。」
ごろごろとキッドになつく新一。甘えた・・・?
快(翼)「キッド〜。俺も〜。」
キ(翼)「うるさいですよ。あっちで皆といて下さい。忙しいのです。」
新一に構いながら、新一を渡せとうるさい快斗をよけながら、器用に本を読んでいく
キッド。アンタ何者だい?
新(蒼)「う〜。ないなぁ。」
快(蒼)「あの上はどうだ?」
キ(翼)「あれですか。」
新(蒼)「あ〜、あれな。確かに、あれはいいかも。」
キ(翼)「何なんですか、これ。」
手にとってみて、かなり嫌なものを感じた。まさに、只者ではない本。かなり不気味。
あの三人がとってもすきそうな本だ。
新(翼)「なぅ〜〜。ぬぅ〜〜。」
新一もうなる。どうやら、嫌らしい。この本。そうとう、嫌われている。
ま、しょうがないだろう。妖しいし。
キ(翼)「えっとですね・・・。」
新(蒼)「何て書いてあるんだ?」
快(蒼)「おい。読んでないで言えよ。」
キ(翼)「・・・。」
新(翼)「なう〜?」
新(蒼)「どうしたんだよ?」
キ(翼)「・・・大変なことになります。」
快(蒼)「はぁ?どうだっていうんだよ。」
キ(翼)「はぁ・・・。」
深いため息。
快(蒼)「おい、どうしたんだよ。」
キ(翼)「・・・が、必要なんです。」
新(蒼)「?何が必要だって?」
キ(翼)「羽根が必要なんです。それも、鳥類のものとは違うもの。輝きを持つもの・・・。」
快(蒼)「まさか・・・。」
キ(翼)「そのまさかですね。これは、あくまでもある作者の空想物語の一つでもありますが、真実でもあります。」
新(翼)「なぅ〜〜〜。にゃ?」
キ(翼)「まぁ、しょうがないですよね・・・。」
しくしくと、翼を出して一枚引き抜く。ちなみに、結構痛いです、これ。
キ(翼)「あ〜、もう無事に家に帰れるかどうかも危ういですね〜。」
身の危険を感じたりもする・・・。
新(翼)「なぅ〜(ま、頑張れ)」
キ(翼)「はい。新一にためにね。」
何故に言葉がわかるんだ、キッド。とうとう壊れたか?!
とりあえず、なにやらクスリをのぼ〜っと幽霊のようにふらふらしながらつくったキッド。
新(翼)「はぁ。やっと戻れたな。」
なんとか、皆無事に戻れたのでした。
ちなみに、羽根は力の欠片なので、減る事によってお腹が減るのです。
新一でしっかりとくっついて生気の補給はしましたけど・・・。
快斗がその間かなりうるさかったりもしました。
新(蒼)「…戻っちまったか〜」
ちょっと残念そうな新一。
快(蒼)「…俺にずっと犬でいろと?」
新(蒼)「飼ってやろうと思ってたのに」
志(蒼)「しゃべる犬なんて飼ってどうするのよ」
新(蒼)「あ、安心しろよ。志保も可愛かったぜ(天然)」
志(蒼)「…」
キ(翼)「はぁ〜…」
新(翼)「…(////)」
快(翼)「ずるいぞ〜」
キ(翼)「しょうがないでしょう。腹が減っては戦ができませんから」
紅(翼)「静かになるとは思うけれど?」
キ(翼)「魔女殿…(汗)」
新(蒼)「で、帰れるのかお前たち」
志(翼)「そろそろその学校とやらに案内してもらいましょうか」
志(蒼)「別にいけれど、変装してもらえるかしら」
快(翼)「変装?」
志(蒼)「顔が同じだし、部外者は学校内に入れない規則なの。だから制服を着てもらうわ」
新(翼)「制服って何だ?」
新(蒼)「…なんかいやな予感が…」
志(蒼)「かつらもあるけれど」
キ(翼)「では新一は女物で」
新(翼)「何でだ!?」
快(翼)「だってこっちの新一は男物着てくし」
新(蒼)「…すまん、俺」
快(蒼)「見てみたい気もするけどなー」
どげん。
新(翼)「ふざけんなー!!」
新(翼)「・・・(ぶっすぅ〜〜←気に喰わない)」
キ(翼)「・・・(か、かわいい)」
快(翼)「・・・(似合いすぎだよ。駄目だよ、犯罪だよ)」
志(翼)「・・・(おかしなものがよってきそうね・・・)」
新(蒼)「・・・(少し複雑)」
快(蒼)「・・・(新一(蒼)にも着せてみたい)」
紅(翼)「・・・(戻れても当分彼はこのままかもしれないわね・・・)」
志(蒼)「・・・(いくつか薬品をそろえておこうかしら)」
と、沈黙の中、皆がそれぞれの感想を心の中だけで述べる。
キ(翼)「・・・とにかく、出かけましょうか。」
しっかりと変装。
快(蒼)「いろんな意味で、複雑だな。自分が変装していると。」
キ(翼)「間違えられるのは侵害ですし。」
快(蒼)「確かになぁ。」
快(翼)「はやく、出ようよ。」
新(翼)「・・・(←まだ不機嫌)」
さてと、新一をエスコートするキッドと快斗。何故かはみるのは快斗(翼)
快(翼)「俺は〜?!」
キ(翼)「もちろん、女史でしょう?」
快(翼)「ええ〜〜〜?!」
志(翼)「私も不服だけど、しょうがないでしょう。」
快(翼)「(恐怖を覚える)・・・あはは。じゃ、じゃぁ、行きましょうかねぇ・・・。」
キ(翼)「力が使えない今、快斗では新一にもしものことがあったときの対処に困ります。」
快(翼)「そうだね・・・。」
何故か、簡単になら力が使えるキッド。やはり、光の力だからなのか?
とりあえず、学校へと向かう彼等。
新(翼)「見られている…やっぱりおかしいんじゃ…」
キ(翼)「ご心配なく。綺麗ですよ」
快(翼)「見惚れてるだけだって」
道行く人たちに振り返られて複雑な新一。
志(蒼)「そこを左に曲がって頂戴」
快(蒼)「屋上の鍵開いてるかな〜」
新(蒼)「開いてなかったら取って来い」
快(蒼)「わかった。今夜も楽しみにしててねV」
新(蒼)「宮野実験体要らないか?」
志(蒼)「是非欲しいわね」
快(蒼)「わああああ!!わかったごめん!冗談だって!」
新(蒼)「いや、目がマジだった」
志(翼)「…(ため息)」
紅(翼)「懲りないのね…」
快(蒼)「あ、ほらあれが学校だよ」
キ(翼)「逃げましたね」
快(翼)「流したね」
新(翼)「なんか哀れだ」
新(蒼)「あいつはあれでいいんだよ。哀れまなくても」
新(翼)「ふーん…なあところで俺ってやっぱりおかしいのか?」
新(蒼)「同じ顔をした俺に意見を求めるな」
志(蒼)「鍵を持ってきて頂戴」
快(蒼)「はいはい…先に扉の前まで行っててね〜」
職員室へと向かう快斗。
さて、屋上へと行きますか。
快(蒼)「鍵借りてきたよ〜。」
と、到着したのだが・・・。
快(蒼)「・・・なんだか、予想通りの光景ってところか?」
数体の屍と遠くから見ている視線がそこにあった。
志(翼)「・・・わからなくもないけれど、皆暇人ね。」
志(蒼)「これ。持って帰ってもよいかしら?」
転がっている屍を見て言う。もちろん、今はそれどころではないので、駄目と判断。
微妙に命を救われた?!
快(蒼)「ほら。行くよ。」
ぞろぞろと屋上へ。
しだにばらばらと消えていく人。
新(翼)「やっぱり、可笑しいって思われてるんだ。」
キ(翼)「そんなことありませんよ、新一。」
ちゅっと、頬にキス。ずるいと、快斗も同じようにする。
志(翼)「うざいから、後にしてくれないかしら?」
快(翼)「うっ・・・わ、わかった。」
とりあえず、屋上に到着。
って、快斗は本当に屋上の鍵を持ち出したのか?
快(蒼)「もちろんね。ま、なくても開けられるけどさ、これぐらい。」
新(蒼)「犯罪だけは起こすなよ?」
快(蒼)「そんなことしないって。第一、足はつかせない。」
新(蒼)「する気なんだな。」
じと〜〜っと見られる。
快(蒼)「しないって。新一の部屋以外は。」
新(蒼)「・・・それは不法侵入だろ?」
志(蒼)「ちょっと。そこも馬鹿やってないで、さっさとしてちょうだい。」
快(蒼)「・・・はい。」
紅(翼)「魔法陣の作成中には近付かないで頂戴ね」
失敗したら巻き込まれるわよ。
快(蒼)「はーい(怖い怖い)」
志(翼)「手伝うわ」
志(蒼)「…勉強させてもらおうかしら」
新(蒼)「やめとけ」
新(翼)「なあ、これ(かつら)とってもいいか?」
キ(翼)「帰るまでそのままにしておきましょう」
快(翼)「それとも素面で女の子の制服着ていられる?」
新(翼)「…」
新(蒼)「…(ぽん)」
快(蒼)「それにしても…あんたらが落ちてきた穴ってそのままにしてあるのか?」
キ(翼)「ええ、帰ってから修復作業を再開したいと思っています」
新(蒼)「またおちるなよ」
快(翼)「落ちたくて落ちてるわけじゃないから…」
新(翼)「引っ張られるんだよなぁ…」
快(蒼)「穴って、どうして開いたのさ」
快(翼)「その説明は面倒臭い」
快(蒼)「あのな」
キ(翼)「まあ、本当に長いので省きましょう。とにかくもう二度とご迷惑はおかけしないと思いますよ?」
新(蒼)「いちいち帰るの大変だしな」
キ(翼)「ええ…」
紅(翼)「あら、材料が足りないわ」
快(翼)「ええ!?」
快(蒼)「足りないって…っ何が!?」
紅(翼)「無口喋花よ。でも、これを使うと暗唱ができなくなるのよね…」
快(蒼)「何で無口喋花が必要なんだよ。ていうかなんだそれ」
紅(翼)「魔道書に文句を言って頂戴。言葉を封じる草よ。世界の文句を塞ぐのよ」
文句って…そりゃあ、無理やりつなげられているわけですし。
新(翼)「ここまできて…」
新(蒼)「どこにあるんだ?」
志(翼)「向こうの世界よ」
志(蒼)「あら、帰れないわね」
快・キ・新(翼・蒼)「「ええええぇええ!!??」」
キ(翼)「どうしましょうか・・・。」
紅(翼)「どうしようもないわね。」
快(翼)「やだよ、戻れないなんて!」
志(翼)「私も嫌よ。ある薬の実験の途中だったもの。」
志(蒼)「あら。是非そのクスリのことについて聞きたいわ。」
快(蒼)「今はそれどころじゃないだろ。」
新(翼)「帰れない・・・。もしかして、このままなのか?(涙目)」
新(蒼)「このままなのか・・・?」
皆それぞれ勝手に感想を述べて、さぁ、大変な事になってどうする?!
新(翼)「あ。君、あの時の・・・。」
現れたのは一羽の小鳥。最初にここに来た時の鳥だった。
新(蒼)「どうしたんだ?」
新(翼)「帰れるかもしれない!」
キ(翼)「どういうことですか?」
新(翼)「神様には不可能はないって事。」
ふわりと、微かに輪郭を確認できる透明の翼が現れる
快(翼)「なるほどね。」
キ(翼)「確かに、神様には不可能はありませんよね。特に、地上の神ならば。」
天の神が手を差し出すことはそうそうないが、地の神は違う。
新(翼)「我が望む物をここに・・・。」
現れるのは無口蝶花。それを手にとって紅子に渡す。
新(翼)「これで、あってる?」
紅(翼)「ええ。間違いないわ。これで、続ける事が出来るわ。」
新(翼)「じゃぁ、帰れるよな。」
こうして、作業は続行し、準備は完了。
新(蒼)「何でもありだなお前〜いいな〜面白いしこの羽」
新(翼)「時々使い方忘れたりするけどな…」
何せ今まで忘れてたし。
紅(翼)「完成したわ」
志(翼)「さあ、早く魔法陣の中心へ」
時間が押しているらしく慌ただしく移動する方々。
快(翼)「まったく、ハラハラさせられたぜ」
新(翼)「次は気をつけて修復しなくちゃな」
キ(翼)「また落っこちてきたらしゃれになりませんからね」
新(蒼)「また着たらまた世話してやるよー」
快(蒼)「…料理作るの俺じゃなかったっけ?工藤」
志(蒼)「愚痴口文句言っていると実験台にするわよ」
快(蒼)「(怖〜…)」
紅(翼)「さあ、帰るわよ」
呪文の暗唱。一気に明るくなり、光が弾ける。
新(蒼)「じゃあな〜!気をつけろよー!」
快(蒼)「さっさと進めよ〜!」
新(蒼)「…おい」
快(蒼)「寸止めって身体に良くないんだぞ」
志(蒼)「貴方は我慢を知りなさい」
光が消えると、そこには何もない。
志(蒼)「なんだか、夢みたいだったわね」
新(蒼)「そうだな…」
快(蒼)「どっちでもいいと思うけどな」
新(蒼)「黒羽?」
快(蒼)「夢と現の狭間なんて、人が勝手に決めるもんだろ?あれが現実か夢か、決めるのは俺たちってことだよ」
新(蒼)「…だな」
志(蒼)「たまには、大人らしい意見を言うのね」
快(蒼)「あはははは…(汗)さて、他の教員に咎められる前に帰ろうか」
屋上を後にする三人。
さて、彼らは無事に帰れたろうか?
キ(翼)「無事に戻って来れましたし、穴も塞ぎましたしね。」
新(翼)「再発しないことを願う。」
快(翼)「そうだねぇ。」
と、両サイドから腕をとられる新一
新(翼)「な、なんだよ。」
キ(翼)「今日はもう、休みましょうと思いましてね。」
新(翼)「だ、だったら(汗)」
快(翼)「今日も、三人一緒だよ。」
と、部屋に拉致。
志(翼)「彼に無理な事。それはあの二人を拒む事。」
紅(翼)「一人ぼっちと、恋愛ね。」
部屋に連れ込まれ、今度こそと意気込んでいるのだろうが、きっと今日も無理だろう。
志(翼)「でも、そろそろ止まらなくなるわよね。」
紅(翼)「そうね・・・。」
無事に帰れても前途多難・・・?
あとがき
コウsamaとの合作第四弾。前回に続き、今度は蒼のシリーズ世界。
アニマル化。とっても楽しくやってました。
また、出来たらいいなぁなんて思っていたりもする私。
いつもいつも、付き合ってくださって、コウsama感謝です。
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