回収はいいのだが、少し残念な快斗黒だった。
時(舞)「いいところはとられる・・・っと。」
比(黒)「・・・どうした、快斗。」
快(黒)「なんでもないよ・・・。なんでもないんだ。」
いろんな意味で疲れた快斗だった。
哀(黒)「それで。今日はどうするつもりかしら?」
新(舞)「どうしようか。」
快(舞)「少し時間があるから暇と言えば暇だね。」
志(舞)「あらそう・・・。」
すかさず逃げて新一に張り付く二人。
がしっ
快(黒)「ひぃっ!!」
悲しんでいたら逃げ遅れた。
紅(舞)「少し、付き合ってもらえないかしら?」
クスッ
快(黒)「え、えっと、丁重にお断りさ・・・。」
哀(黒)「少しだけでいいのよ。」
だらだらだらだら・・・
比(黒)「まぁ、頑張るんだな、快斗よ。」
快(黒)「ええーーー?!何?!また見捨てられるの?!」
だって、皆身の安全が大事だしvv
ずるずるずる・・・
新(黒)「・・・(どきどき)」
頑張れと、目線で快斗にエールを送るのだった。
というか、ずるずると引きずられるのが多いな、快斗黒よ。
快(黒)「い〜や〜〜〜〜〜〜(泣)」
叫び声が玄関へと・・・遠くなっていくのだった。
新(舞)「そういや、服部はどうしたんだ?こっちの服部って、地下室連れて行かれたまんまのようなきがするんだけど。」
比(黒)「それは聞かないお約束というものだ。」
時(舞)「大丈夫だって。死にはしないし。たぶん。」
快(舞)「もとが丈夫だから大丈夫なんだよ。」
キ(舞)「新一はそんな黒い人の事など気にする必要はありませんよ。」
ちゅっとキス。
そればっかりだな、あんたら。
とりあえず、こちらは平和な時間を過ごせそうだと思うのであった
比(黒)「さて、快斗が尊い犠牲と化してくれたのだから平和にすごそう」
新(黒)「…尊い犠牲って…(汗)」
キ(舞)「そうですね。へたれも時には役に立ちますね」
快(舞)「へたれてるけどね」
酷い。
新(黒)「…なあ、何となく思ってたんだが快斗って扱い酷くないか?」
新(舞)「…何となくだったのか?思ってたの」
新(黒)「あれ?」
新(舞)「…(哀れみの籠もった視線を隣へと向ける)」
時(舞)「朝っぱらから大変だったな〜」
比(黒)「昼前には帰ってくるだろうが、さてそれまで何をすべきか」
快(舞)「やる事ないよな」
キ(舞)「やり尽くしましたからね」
比(黒)「…む?」
時(舞)「…!」
二人が何かに気付いた。
新(舞)「?どうし…」
時(舞)「伏せろ!」
がしゃーん!
しゅわわ!
一同「「わああああ!!」」
比(黒)「催眠ガス…!」
キ(舞)「いきなり…っ?!」
どすっ
新(舞)「うっ」
快(舞)「新一!」
げほげほげほ。
…ガスが晴れるとそこには割れた硝子と、一枚の紙が。
時(舞)「…仲間を殺されたくなければ今まで手に入れた情報をもって▲○倉庫へ…」
キ(舞)「新一がいません!」
快(舞)「どっちの新一もいないよ!!」
時(舞)「ついでに言うと比翼さんもいないな」
快(舞)「ああ!いつの間に!!」
キ(舞)「連れ去られた…よりも便乗して一緒に乗り込んだ、の方がしっくり来ますね」
時(舞)「いいとこどりだな」
ばたばたばた。
快(黒)「新一?!」
快(舞)「遅いよ」
キ(舞)「彼は連れ去られてしまいましたよ」
哀(黒)「まったく、懲りないやからね…」
志(舞)「実験をはじめる前でよかったわね…」
快(黒)「…ふ、ふふふ。」
哀(黒)「あら」
快(舞)「げ」
快(黒)「私の名探偵をさらうとはいい度胸です…いいでしょう。後悔させて差し上げます」(キッドモード)
時(舞)「あ、きれた」
さて。朝だというのに、何故か人がいなかった。
おかげで目立たなかったが・・・。
キ(舞)「ここですね。」
快(舞)「なんだか、お約束な感じだね。いかにも潜んでますって、妖しい雰囲気漂わせてさ。」
快(黒)「そういうものですよ。所詮、誰であろうと組織に関わるものは同じです。」
そして・・・
キ・快(舞・黒)「「「さて。新一に手を出した事を後悔してもらいましょうか。」」」
ふふふと、妖しいこと極まりない笑み。あんたたち、自分のキャラ忘れてませんか〜?お〜い。
ちなみに、後で連れ去った奴等連れてきて頂戴と言い、哀達はお留守番だったりもする。
時(舞)「なんだか、俺は聞き分けのない子供の面倒みているみたいだ。」
あながち、はずれじゃないですよ、時矢さん。
さて、派手に侵入しましょうvv
ガッシャーンッ!!
敵(黒)「来たか?!」
敵(黒)「あそこだ!」
敵(黒)「いや、こっちだ!」
・・・困った敵。
何故なら、白い怪盗が三人も目の前にいて、自分達を囲うようにいたから。
キ(舞)「ふふふ、最期に言いたい事は何かありますか?」
快(舞)「それぐらい言わせてあげるよ。あんた達みたいな残酷な殺人者じゃないから。」
快(黒)「しかし、名探偵に手を出した事を、生きている事を後悔させて上げますけどね。」
ふふふ・・・
敵(黒)「・・・・っ(声にならないほどの恐怖)」
時(舞)「で、探偵君達はどこにいるのかな?」
彼等が手を出す前に、一番穏やかな優男といった感じの時矢が聞く。
すると・・・。
敵(黒)「こっちだって・・・!」
時矢に手を出そうとした。
時(舞)「まったく。自分の今の状況がわかっていないみたいだね・・・。」
いっておくけどと、言葉を区切って、次に見たときの時矢の目はまるで別人のようだった。
時(舞)「彼等以上に、俺の仕返しは危険なんだよ。・・・どこかで手加減をしているあいつ等と違うんでな・・・。」
敵(黒)「ひぃ・・・っ!」
何せ、時矢さんは現役の犯罪者ですし。一時期殺人もしていたような方ですから。容赦ないですよ、たぶん・・・。
時(舞)「さて。」
にっこり。
時(舞)「彼等は何処にいるのかな?教えて。」
笑顔で言われても、目が怖い敵集団は素直に答えるのだった。
敵(黒)「・・・あ、あいつらは二箇所に別れて・・・知らない男と探偵はこの奥で、・・・っ・・・探偵と似ている男はダークさんが何処かへ・・・。」
キ(舞)「そうですか・・・。」
快(舞)「なら。今から少し、付き合ってねvv」
こっちもにっこり。
キ(舞)「今回は貴方に譲りますよ。ただし、何かあった時は許しませんから。」
時(舞)「わかってる。」
快(舞)「たぶん、比翼さんがいたらそっちの新一は無事だろうからさ。大事な新一、頼むよ。」
快(黒)「いいでしょう。黒幕の顔を拝みたいと思っていましたから。」
とりあえず、二手に別れる。
さて。恐怖のお仕置きの時間のはじまりはじまり・・・
新(舞)「ううん…ん?」
薬が切れて目を覚ました新一(舞)
辺りは真っ暗だがどうやらそこは寝室らしい。
新(舞)「…嫌な予感」
快(舞)「ところでキッド」
キ(舞)「はい?」
快(舞)「もし手出されかけてたらどうする?」
キ(舞)「決まっているでしょう。優しくケアです」
快(舞)「相手は?」
キ(舞)「気がすむまで殴ったあと女史たちの実験体行きですね」
男たちを殴りながらの会話でした。(可哀相かも)
そんな会話どおりにことは展開中。
がたーん!
新(舞)「放せ!退け!」
ダ(黒)「ここ前にていると面白いな。双子だったのか?」
新(舞)「退けってば!やだ!や…っ!」
あ、ピンチだ。
ばたーん!
そのとき扉が開かれた。
立っているのは快斗(黒)と時矢。
ぷっつーん。
ダ(黒)「だれふはぁ!」
台詞の途中で殴り飛ばされた。
快(黒)「名探偵に手を出そうとはいい度胸です…後悔する間もなく安らかな眠りをあげましょう」
ダ(黒)「ひいいいい!」
時(舞)「切れたな」
新(舞)「お、おまえら!」
時(舞)「新一、無事か?…(点検)うん、未遂だ」
新(舞)「あのなぁ!////」
どかばきべこごすばっ
新(舞)「…あれは向こうの快斗だよな?」
時(舞)「新一つながりで襲われているのを見て切れたんだろう」
新(舞)「快斗とキッドは?」
時(舞)「雑魚の相手をしてる。さて、向こうの新一と比翼さんはと…」
ばさずばずしゃっ
比(黒)「ああ、何だ来てたのか」
新(黒)「おい!無事か!?」
新(舞)「比翼さん!あとこっちの俺!」
時(舞)「呼びにくいな」
新(舞)「そっちは平気だったのか?」
新(黒)「ああ、なんかよくわからないやつらが襲ってきたけど比翼が追い払ってくれたし」
比(黒)「アジトは突き止めた。つかまったふりをして証拠ももらってきた。あとは警察にこれを届けてこいつらを連行すればいいことだ」
時(舞)「それが狙いか」
比(黒)「新一たちが捕まったらされることは一つだからその予防でもある」
新(黒)「されること?」
天然呆け炸裂中。
新(舞)「…」
時(舞)「…こっちの新一の方がそういう方面じゃ色っぽいから狙われたんだな」
新(舞)「時矢!」
比(黒)「ひとまず出よう。あやつらと合流して、そこのキッド!(モードの快斗)そろそろ帰るぞ!」
快(黒)「まだ気がすみません」
新(黒)「キッド〜そろそろ許してやれよ。何したんだよそいつ」(知らない)
快(黒)「名探偵は知らなくてもよろしいことです」
比(黒)「知っていたほうがいい気もするけどな」
とりあえず、快斗たちと合流しましょう。
時(舞)「あ、いたいた。」
比(黒)「見事な山だな。」
キ(舞)「なんだか、面白い具合にどんどん出てくるものでね。」
快(舞)「量が多いからお墓代わりに山をつくってみたよ。」
置き場にも困るので、一箇所に固めたら山が出来たらしく、ちょうどいいお墓代わりとして(まだ生きているが)てっぺんには棒まで立てている。
キ(舞)「それで、新一。大丈夫でしたか?」
新(舞)「・・・うん。」
時(舞)「襲われかけていたが、未遂だったぞ。」
キ(舞)「へぇ・・・。それって、比翼さんが連れているそれですか?」
快(舞)「いい度胸だよね・・・。」
時(舞)「あっちのキッドが相当やったから、当分起きるのは無理だろうさ。」
キ(舞)「ま、いいでしょう。」
新(舞)「・・・キッド・・・。」
自らキッドに抱きつく新一(舞)。ちょっとショックな快斗舞
キ(舞)「さて。帰りましょうか。」
抱き上げて、優しい笑みを見せるキッド。ぎゅっと首に腕を伸ばして離れない新一。
快(舞)「どーしてーーー?!」
時(舞)「刷り込みだろ。寂しかったり、怖かった時は必ずキッドが側にいた。それが過去の事実だからな。」
快(舞)「・・・(うらやましい)」
時(舞)「さて。警察もそろそろ来る頃だろうし、帰るか。」
新(黒)「これはどうするんだ?」
比(黒)「心配ない。」
警察に上手く渡すらしい。まぁ、比翼に任せたら問題ないだろう。
キ(舞)「それで。どこまで手を出されましたか?」
新(舞)「・・・つかまれて押し倒されたとこで二人が来た。」
キ(舞)「そうですか。」
快(舞)「優しくケアするの?(新一に触れたい)」
キ(舞)「優しくケアしますよ。ね、新一。」
髪に指を絡めながら、頬にキス。相変わらず手は速いよな、お前等。
快(黒)「鬱陶しいので、帰ってからにしてもらえませんか?」(まだキッドモード)
キ(舞)「別に、手を出すわけではありませんよ。新一は、安心する人肌を求めているだけですから。」
放っておけばすぐに眠りますといっているしりから、すでに夢の世界だった。
比(黒)「なかなか面白いな。」
時(舞)「ずっとキッドの側だったからな。今一番安心する人肌はキッドのものだろう。心音とも言うべきか・・・。」
快(舞)「ずるい。」
キ(舞)「今日は新一が気が済むまでこうさせるつもりですから。余計なちゃちゃいれて起こさないで下さい。」
そうしないと、敵とみなして、力使いまくりますからと付け加えられて、そういえば新一は力があったんだったと思い出すのだった。
時(舞)「やっと帰ってこれたな。」
しっかりと、黒幕と一部の部下をお持ち帰りしている快斗黒と比翼と時矢。
新(黒)「やっぱり、そいつらあいつらに渡すんだよな?」
比(黒)「そうだな。土産だしな。」
さて。お土産はどうなるんでしょ?たぶん、お隣の地下へ直行かな?
お約束で彼らはまず地下室へと連行された。
キ(舞)「では私は新一が眠っているので客室を使わせてもらいますね」
快(舞)「俺も〜」
新一を抱えた二人はさっさと客室へと移動した。
時(舞)「…今は眠っているからいいものを」
比(黒)「暫し起きないほうがいいかもな」
流石に怖がって眠っている新一を襲いはしないだろう。多分。
快(黒)「名探偵。申し訳ありません。すぐに助け出すことが出来ず…」
新(黒)「気にするなって。それよりお前、いつまで…」
時(舞)「二重人格だな」
快(黒)「違います」
比(黒)「面白いだろう」
快(黒)「黒鳥殿、私は―」
比(黒)「まあどうでもいい。丁度夕方、夕食を食べてから出かけるとしよう」
新(黒)「あ、そういえば」
ゲートが開くのは10時。
比(黒)「さて新一。そなたも疲れたろう。ここは任せて早めに暫し休むといい」
新(黒)「え、でも」
時(舞)「そうそう。つかれただろ?」
新(黒)「え、え?」
ぽいっと、リビングから追い出された新一と快斗。
新(黒)「…強制的だなぁ…」
快(黒)「…名探偵」
新(黒)「まだキッドモードなのかよ」
快(黒)「疲れているのが当然なのです…休んでください。心配でしょうがないのです」
新(黒)「…」
手をつかんで熱弁。
そんな快斗に目を丸くして、新一はくすりと笑った。
新(黒)「サンキュ」
途端に真っ赤になる快斗。
快(黒)「あー、そのですね。そんなわけで俺としては新一に
早く休んで欲しいわけなのですが…」
新(黒)「おうわかった。って、何で急に戻ってんだ?」
快(黒)「ううう…」
新一の笑顔にやられたとはいえない快斗だった。
時(舞)「そこでキッドモードが切れたら意味ないだろ」
比(黒)「しょうがない。あのへたれ具合がどうしても快斗なのだ。キッドでも口説き倒すことは出来てもあの笑顔の前で何事も偽れない」
時(舞)「はあ、哀れだな」
でばがめしている二人がいた。
さて。皆が寝静まっている頃。
哀(黒)「これがたしか、そっちの工藤君に手を出そうとした不届きものよね?」
黒幕だと教えられたそれを指差す。
志(舞)「そうね。これはもう、生きていることすら後悔させないといけないわね。」
キッド並に・・・それ以上に容赦のない人達がいた。
紅(舞)「他のも、丈夫そうよね。」
うふふ・・・
お隣は平和に寝ているというのに。
それにしても、徹夜のわりには元気だね、貴方達。
寝たの?
哀(黒)「楽しくて寝ている時間も惜しいのよ。」
だ、そうです。怖い怖い。
ごろん。
寝返りを打つ新一舞
新(舞)「・・・うにゃ・・・っど・・・。」
人肌も止めてもぞもぞ
丸くなって自らくっつく・・・危険だな・・・
そして、眠っているキッドも無意識に抱き寄せている。
そして、動いたことで、快斗もさらに動く。
結局、団子が出来上がる。
時(舞)「・・・寝ていると大人しいしいいんだがな・・・。」
似ているので本当の兄弟みたいだとつぶやく時矢。
比(黒)「だが、平和そうでいいじゃないなか。」
時(舞)「へたれの方はどうだ?」
比(黒)「こちらも似たようなものだ。」
のぞいてみると・・・
時(舞)「似ているが、・・・本当に対照的だよな。」
そこには、新一黒が快斗舞をあやすように抱いているような状態で・・・
比(黒)「飼い主は忠犬に抱きつくものだ。そして、忠犬は飼い主になついて安らかに眠るものだ。」
時(舞)「ま、それもいいだろうがね。・・・キッドモードになれば、いざとなったら強気だろうからな。」
だが、そのいつかが来る日は遠く、強気となってものに出来るも遠い。
比(黒)「…何か来たな」
時(舞)「そだな」
二人は無言で立ち上がった。
新(舞)「ん〜?」
時(舞)「寝ていていいぞ」
新(舞)「…うん」
ぱたん。
新(黒)「…?」
比(黒)「あと一時間」
新(黒)「(ぱた)」
ぱたん。
時(舞)「…催眠術でも使っているのか?」
比(黒)「ただのすり込みだ」
時(舞)「キッドと同じか」
比(黒)「ああ。そうともいう」
二人は庭に出て、不法侵入をしようとしていた黒い人たちと目が合った。
にっこりと、わらう。
比(黒)「騒ぎ立てることを禁止する」
時(舞)「悲鳴も禁止な♪」
どすり。
お隣に実験体が追加された。
…アジトにいなかったこぼし忘れだった。
哀(黒)「…彼らの睡眠のために働くわね、彼等」
志(舞)「いい保父さんだわ」
え、公認?
新(舞)「・・・(ピクリ)」
なんだか、反応が小動物みたいだな・・・
キ(舞)「新一。起きて下さい。」
快(舞)「起きて。そろそろしたくしないと、時間だよ。」
またキス。あんたら本当そればっかだな。
今回こっちきて何回目だ?!
新(黒)「うみゅ・・・ょく・・・。」
比(黒)「起きたか?」
快(黒)「・・・(うらやましそうな目で・・・)」
時(舞)「本当、何度も思うが対照的だよな。今回は少し勝手が違うが・・・」
それにしても、ここはどっかの幼稚園か?!君達はやっぱり保父だな!
さて。やっと起きてきた人達。
久々に見た気がする顔ぶれがそろっていた。
哀(黒)「おはよう。」
志(舞)「顔色がよさそうで良かったわ。」
紅(舞)「これで、あとは向かうだけね。」
あの。貴方達は寝たんですか?おーい?
比(黒)「珈琲でいいか?」
新(黒)「いい。」
比(黒)「快斗よ。手伝え。」
人数分素早く配るには人手がいるのである。
快(黒)「は〜い。」
あくびをしながら、すたすたと行く。
快(舞)「あ、また新一寝てる。」
キ(舞)「新一・・・そろそろ起きて下さい。」
キッドが抱いている中、またうとうとと寝ようとしたいたが、起こされた。
比(黒)「なんだか、親子のように見えるのだが。」
時(舞)「ま、こういうときはそう見えるかもな。」
とりあえず、珈琲を全員分配る。甘党どもには砂糖を添えて。
比(黒)「一息ついたら、出かけるとしよう。」
時(舞)「そうだな。」
全員別れを少し惜しむように、珈琲を飲むのだった。
キ(舞)「今回もばたばたとしていましたね…」
快(黒)「こんなことになって平然としていられる方がおかしいだろ…」
新(舞)「あー、俺たち慣れてきちゃったけどな」
何せ他の世界にも行ってるしね。
のんびりと珈琲を飲んで、残り時間をのんびりと過ごす。
新(黒)「…ばたばたしてたけど、あえないとなると寂しいな」
快(黒)「新一…っ(きゅんっ)」
新(舞)「そんなこと言ってると次があるぞ」
快(黒)「それはいや」(がしっとしがみ付く)
キ(舞)「失礼な」
快(舞)「俺たちだってお前に逢いたくないよ」
時(舞)「じゃ悪魔な彼とへたれな快斗のどっちがいい?」
快(舞)「へたれでお願い」
新(黒)「?」
比(黒)「何をお互いに言い合おうと出会うときは出会い、別れるときは別れるそれが自然の方式だ。別れがあるこそ次がある。そのときに考えればいいだろう」
新(黒)「比翼…」
時(舞)「なんだか迫力が違うな」
哀(黒)「当然でしょうね」
何せたくさんの出会いと別れを繰り返してきた人ですから。
比(黒)「時に、そろそろ出ぬか?」
志(舞)「そうね。早く帰ってゆっくり寝たいわ」
紅(舞)「実験が終わった途端に眠気が襲ってきたものね」
あなたたち、怖いよ。
快(黒)「さてどうやって行こうか」
新(舞)「人目にはつかない場所だろ?」
時(舞)「じゃ、飛ぶか」
新・快(黒)「「え」」
ごうっ
快(黒)「突然すぎるー!!」
あ、皆で吹っ飛ばされた。
時(舞)「よし。」
どうやら着いたらしい。
比(黒)「相変わらず、こちらは不思議な力を多様しているな。」
時(舞)「頼みを聞いてくれる間は頼むのさ。それに、下手に目立ってまた厄介ごとがきても困るしな。」
比(黒)「確かにな。」
さて。いつものように魔方陣を書き出す紅子と、調子を確認する志保。
新(舞)「大丈夫そうか?」
志(舞)「これには問題はなさそうよ。」
新(黒)「なんだかばたばたしてばっかりだったけど。これでお別れだな。」
快(黒)「あえて楽しかったけど、もう来るなよ。」
快(舞)「それはわからないな。」
キ(舞)「こちらにだって、いろいろと事情というものがあるのですよ。」
新(舞)「ほら。もうすぐ用意できるからちらばるな。」
がしっと攫んで魔方陣の方へとすたすた歩く。
比(黒)「出来たのか?」
紅(舞)「ええ。」
志(舞)「これ。貴方にあげるわ。」
哀(黒)「ありがとう。変わりに私はこれを・・・。」
ひっそりと妖しい取引はされていた。
新(舞)「じゃーな。あ、そうそう。そっちの快斗。」
快(黒)「何?」
新(舞)「あの時はありがとな。」
快(黒)「えっと・・・あ、あれね。」
思い出すのは、つい数時間前の出来事。
新(舞)「さすがに慌てたし、あのままだったら大変だったし。」
何より背後が怖い。それに、察した快斗黒は笑顔ながらも内心はそれ以上言わないでと泣いていた。
快(黒)「何事もなくてよかったよ。」
新(舞)「本当にありがとな。そっちの俺も。何か困ったら巾着使えよ。」
実はまだ使ってない。
新(舞)「えっと、それから・・・。」
ぐいっ
キ(舞)「ですから、無闇に笑顔を振り撒かないで下さい。」
腕の中へと包み込む、独占欲強い男。
新(舞)「ったく。お別れとお礼いってるだけだろ。」
キ(舞)「せっかく新一がいるというのに。他の男へ気がそれているのだと思うと、辛いのですよ?」
快(舞)「そうだよ。それでなくても・・・(とくにキッドが・・・)」
身内内で対立になるのか・・・?!
志(舞)「ほら。行くわよ。」
快(舞)「はーい。・・・とりあえず、またな。」
キ(舞)「もう会わない事を願ってますよ。」
すっと、光の中へと飛び込んでいった。
時(舞)「ま、会うあわないにしても。もう少し前に出ないと駄目だぜ、そっちの快
斗。」
快(黒)「なっ・・・!?」
余計な事を一言残して、時矢も消えた。
こうして、彼等は慌しく帰って行くのだった。
新(黒)「行ったな…」
哀(黒)「何時もながらあっさりしているわね」
快(黒)「…(どきどき)」
比(黒)「まあ、奴らのおかげで組織の残党の一部が片付いた。それはよしとしよう」
うんそうだね〜。
さてはて帰りますか。
哀(黒)「そういえば黒い彼がまだ実験室だわ」
新(黒)「へ?」
快(黒)「…あ」
新一がいない間にお隣のセキュリティに引っかかったまま地下室に連行された関西陣の存在を忘れていました。
哀(黒)「…一眠りしてから再開しましょう」
新(黒)「なんの話しだ?」
比(黒)「知らぬが仏」
快(黒)「(怖い怖い怖い…!)」
相変わらずの彼らでした。
新(舞)「あっちの俺って結構貧乏性だったのな」
快(舞)「はい?」
キ(舞)「どうかしましたか?」
新(舞)「だって巾着つかわねぇもん」
キ(舞)「使う必要がないのでは?」
快(舞)「有能便利な比翼さんとか、あっちの俺がいるし」
新(舞)「…ま、早々使うような場面には出くわさないしな」
確かにね。
それにしても今回は快斗(黒)に助けられた。今度あったときもちゃんとお礼をしよう。
…背後がうるさいだろうけど。
それにしても。
新(舞)「…見てると犬が飼いたくなってくる…」
快・キ(舞)「「はあ?」」
忠犬が欲しい。
何となくそう思う新一(舞)だった。
あとがき
なんだか、とうとう第七弾となりました。
楽しくて、ついつい続いてしまいましたが、お付き合い下さっているコウsama、いつもどうもありがとうございます。
それにしても・・・。なんだか本編よりこちらの方が進みが速いですし、充実しているのは何故でしょうか(汗
ま、サイドストーリーとして楽しんでいただけたらいいかなと。
サイドストーリーでもあるので、舞姫の重要な内容もたまに出てきますし。ということでお許しを。
今回組織の事もありましたし。
是非是非、コウsamaのサイトにて、黒鳥のお話読んで下さいね。
最後に。
読んで下さった方々。ずっと付き合ってくれているコウsama
どうもありがとうございますvv
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