快(舞)「さて。一緒に仲良く寝ようか、新一。(にっこり)」 キ(舞)「そうですね。」 新(舞)「いや、一人で寝るから・・・。」 快(舞)「そういわずにね・・・。」 無理やり布団へと連衡・・・。両サイドにはしっかりと二人がいます。 哀(舞)「ただ、寝ているだけならば、許してあげるけどね・・・。」 快(黒)「(これは、見せつけという精神的いじめだ・・・)・・・」 寝ようと布団の中へともぐる。 紅(舞)「調子が狂うほど、駄目ね・・・。」 さて、朝が来ました。 比(黒)「新一、朝だ。」 快(黒)「(起こしたかった・・・)」 新(黒)「うにゃ・・・?あ・・・さ・・・?ひ・・・よく・・・。」 寝ぼけてべったりとくっつく新一。さて、こちらでは・・・。 快(舞)「おはよう、新一・・・。起きて・・・。」 キ(舞)「起きましょう、新一。」 二人は同時に両サイドから頬へとキスを与え、それによって小さな声を出して微かに目をあける新一。 キ(舞)「いつもみたいにしてくれないのですか?」 ちゅっと、キッドと快斗は交互に新一の唇にキスを送る。寝ぼけている新一は、それに答えるように、二人へとキスを返す。 哀(舞)「見せ付けてくれちゃって・・・。」 紅(舞)「なんだか、本当に彼は哀れ通り越して情けないというか・・・。」 快(黒)「いいんだいいんだ。俺は俺なんだか・・・。(いじけ)」 するとそこへ・・・。 時(舞)「おはよう、諸君!」 新(舞)「う〜・・・。時・・・や・・・か?どうしたんだ、こんな朝早くから・・・。」 まだ完全に覚醒し切れていない新一。その状態がどれだけ狼を呼び起こすのか・・・。 時(舞)「いやぁ、何故か今度は少々危ない気もしたけれど、俺のことを『貴方、誰?』というもんだから、もしかしてと思ってな。」 困るのではないかとつれてきたんだと、ひょいっとどこからか哀を出した(どうやって出した?!) 新(黒)「は、灰原・・・?」 快(舞)「・・・(恐怖)」 比(黒)「ふむ。やはりただものではないな。」 時(舞)「あ、あの二匹はあまりにもうるさかったからさ、現地に置いてきた。いなかった時は責任もてないけどな。」 快(黒)「いいよ、あんなの。いらないし。」 比(黒)「確かに、困りはしないな。」 哀(黒)「まったく、酷い眼にあったわ・・・。」 快(黒)「(なんだか、恐ろしい程の殺気と寒気を感じるのですが・・・。八つ当たりされるの〜?!)」 哀(舞)「なんだか、今の彼、ポーかフェイスもなく、丸分かりね。いつもああなの?」 哀(黒)「ほぼ、そうかもしれないわね。とくに、彼の事となると・・・。」 哀(舞)「貴方も、いろいろあるみたいね。」 哀(黒)「そっちこそ。」 紅(舞)「こうも、二人ずついると、ややこしいわね。」 比(黒)「(わかるが、まったくもってややこしいな)」 朝食をこのメンバーで開始 キ(舞)「新一、朝食はしっかり食べないといけませんよ」 快(舞)「そうそう。せっかく寺井ちゃんが用意してくれたんだからさ」 新(舞)「うー…」 時(舞)「大きくなれないぞ」 新一を囲んでわいわいやっている一角を見ながら、哀が一言。 哀(黒)「…黒羽君。あなたとうとう人間やめたのね」 快(黒)「あれは俺であって俺じゃないんだってば!!」 比(黒)「そうだぞ哀。快斗はあそこまであからさまには出来ん」 新(黒)「…珈琲だけでいい…」 比(黒)「わがままを言うな新一。納豆がないだけありがたく食べるのだ」 新(黒)「うー…」 哀(舞)「反応が一緒なのね」 哀(黒)「育つ場所が違っても工藤君は工藤君だもの」 紅(舞)「こちらのキッドたちとそちらの彼とじゃ、違いすぎて逆にギャップが気になるわね」 哀(黒)「そうね…でもこのままでいいわ」 哀(舞)「あら、なぜ?」 哀(黒)「こちらとあちらでは勝手が違うのよ。工藤君が連日動けなくなったら大変なことになるわ。動けなくても事件があったら這ってでも行こうとするでしょうし」 比(黒)「それもそうだな。だが快斗も自重しすぎて辛そうだ」 快(黒)「だから、そういう話しないで〜(涙)」 快(舞)「情けねぇよあんた本当に」 キ(舞)「据え膳喰わぬは男の恥ですよ」 新(黒)「朝飯食ってるじゃん」 比(黒)「そういった意味合いではないのだ」 新(舞)「朝食の席でそんな話すんなよ…」 快(黒)「虐めだ…みんなして俺のこと虐めてるんだ…」 快(舞)「楽しいようで情けねぇよ」 キ(舞)「ですね。同じ顔ですし」 新(黒)「何泣いてんだよ快斗…と、早くくわねぇと遅刻するぜ?」 比(黒)「ふむ、たしかに。少々急ごうか」 哀(黒)「結局これはどうしたことなの?」 今まで説明なしに溶け込んでいた哀。 比(黒)「かくかくしかじかそういうわけで私たちは朝の10時に元の世界に戻れるやも知れない、ということだ」 新(舞)「多分、大丈夫だと思うけど…」 キ(舞)「別世界に再び飛ばされる、何てことはないと思いますよ」 快(黒)「(不安を煽るような言い方だな…)」 紅(舞)「安心なさい。私は失敗なんてしないのだから」 新(黒)「うん。頼むよ小泉さん」 紅(舞)「まかせなさい」 哀(舞)「新一君が多少素直だわ」 新(舞)「…どういうことだよ」 哀(黒)「あら、工藤君は天然なだけで別に素直なわけじゃないのよ」 比(黒)「だからこそ愛しいのだが」 新(黒)「ひ、比翼!」 快(黒)「ストレートにいえば通じるのにね…(泣)」 キ(舞)「言えばいいでしょう」 快(黒)「恐ろしいんだってば!!」 快(舞)「意気地なしー」 快(黒)「うるさい!」 比(黒)「そろそろ煩い二人を探しに行くべきか…ところで二次災害の心配は?」 紅(舞)「五分五分ね」 比(黒)「やはりか…まあとにかく、帰らんと何もいえんな」 快(黒)「いっそのことあいつら置いてかない?」 新(黒)「駄目だって。遠山さんとかが心配するだろ」 哀(舞)「寧ろ面倒だから何度も言うけれど持ち帰って頂戴」 快(黒)「…は〜い…」 哀(黒)「…黒羽君。持ち帰ったら彼らを地下に運んでくれるかしら…?」(邪悪な微笑み) 快(黒)「…っは、はい!!」 快・キ「(ぞくっ)」 時矢の運び方に怒っているらしい。 時(舞)「ふぅ。やっぱり彼女は恐ろしいなぁ」 誰のせいだ!そう思った三人の快斗。 そんな時! 時(舞)「・・・っ!」 急に何処かを睨みつけるように見る時矢。そして、比翼も気付いた。 ぐさりと、時矢はナイフを見つけた気配の元へと投げる。 新(舞)「ちょっ、時矢!駄目だ!」 だが、気配の主は難なくかわし、皆の前に姿を見せたのだった。 時(舞)「・・・なんだ、お前か・・・。」 キ(舞)「どうしたのですか?確か父達と共に海外へ出て行ったのでは?」 快(舞)「あの人達で何かあったの?」 智(舞)「伝言を受け賜わった故、これを届けに・・・。」 新(舞)「ん?何?」 渡したらすぐにどこかへ行ったのだった・・・。本当に何しにきたんだか・・・。 比(黒)「こちらにはいろいろ変わり者がいるようだな。」 哀(舞)「貴方も充分変わり者だと私はおもうけれど?」 哀(黒)「事情が事情なだけにね・・・。」 新(黒)「変わり者なのか?」 比(黒)「男に見せようとするからな。そこが皆いいたいのだ(本当は違うがな)」 新(黒)「そっか。」 新(舞)「(ぐしゃ・・・紙を握りつぶす)・・・あんの、くそ親父が!」 快(舞)「え?どうかしたの?」 新(舞)「いや・・・。なんでもねーよ(笑み)」 キ(舞)「なんでもないというのに、そんな笑みを見せないでしょう・・・?」 時(舞)「あ・・・。」 新(舞)「げっ・・・。」 その時、呼び出し音が鳴ったのだった。 寺(舞)「お食事中に申し訳ございません。」 キ(舞)「それでいったい・・・。なんとなくわかった。そのうるさい声の者達がこちらへ向かっているという事だな?」 快(舞)「確かに、迷惑だねぇ。一応、ここも店だし。」 忘れているかもしれないが、ここは遊女屋なのである。 新(舞)「二人だよな・・・。ってことは、俺がここにいるのはまずい事になるなぁ。」 キ(舞)「そうですね。とくに、今はかなり大変ですね。同じ顔が三人もいるとなると、またキッドだと疑われます。」 快(黒)「キッド・・・?いった何やったんだよ。」 快(舞)「もちろん、俺とキッドが見張られている間に新一がしっかりと仕事してくれたのvv」 新(舞)「あれは不本意だ。」 新(黒)「俺が・・・俺が泥棒・・・。」 新(舞)「気にするな。俺も好きでやっているわけじゃない。」 平(舞)「どないしよ。俺が二人になってもうた・・・!」 キ(舞)「まったく、無粋な人ですね・・・。人の部屋に断りもなく、勝手に入ってきて・・・。」 哀(舞)「図々しいわ。」 哀(黒)「(あとで実験台にしてあげるわ・・・)」 平(黒)「って、お前らもか、黒羽!!」 二人の服部と一人の白馬と三人の快斗。そして・・・。 平(舞)「く、工藤やないか?!今まで何処で何して・・・?!」 新(黒)「は?今までって、ここで飯食ってたけど?」 平(舞)「そないなこととちゃうわ!前の事件に巻き込まれて、両親は戻ってきたけど、お前は姿見せんかったやないか。」 平(黒)「何を言ってんねん、お前。しっかし、こんなとこにおったんやな、工藤。」 快(舞)「はいはい。その辺にしてね。彼は新一だけど新一じゃないから。うるさいと、これ・・・だよ・・・。それに、そっちのアンタも黙っててくれない?」 取り出すのはまた何か・・・。 平(舞)「げっ、だからお前はなんでそないなもんもっとんねん!」 新(舞)「それは、たまたまとった、偶然の産物なのよ。」 そして、気がつかなかったが、あのべっぴんんさん・・・しんがいたのだった。 時(舞)「やっぱり、似合うねぇ。」 新(黒)「(お、俺が・・・。)」 快(黒)「(駄目、駄目だよ、そんなの。反則だよ〜)」 比(黒)「ふむ。あの者の前では正体を隠しているわけだな。」 哀(舞)「なんだか、奇妙な感じね・・・。」 新(舞)「ところで、遠山さん、元気かしら?」 平(舞)「あ、ああ。元気やで!」 平(黒)「アンタ、べっぴんやなぁ。名前はなんて言うんや?」 キ(舞)「それ以上近づかないでいただけませんか・・・?」 どす黒いオーラが・・・。新一を捕獲し、二人から距離をとる。 哀(舞)「それにしても、彼がいると私は落ち着かないのだけど。」 時(舞)「やっぱりそうだよなぁ。あれはこちらではいまや悪人だし。」 白(舞)「な、なんて失礼な人なんだ!誰が悪人ですか!」 哀(舞)「そうね・・・。しんに手を出そうとしたあげく、人を殺す犯罪集団の一員だったのだから、それが悪人ではなくてなんなのかしら?」 哀(黒)「嫌ね、それ。私は許すつもりないけどね・・・。もし、本当にそんなことをすれば・・・。」 快(舞)「なんだか、興ざめって感じだよね。三人のせいだ!」 平(舞)「何言うねん!」 平(黒)「なんやようわからんが、お前、黒羽と違うっぽいがむかつく奴やなぁ。」 快(黒)「俺もお前の存在がむかつくんだよ。」 平(黒)「なんや、おったんかいな。」 快(黒)「(むかっ・・・)へぇ、そんな事を言うんだ・・・。」 平(黒)「あれ?」 白(黒)「あなたは…!工藤君の恋人!?」 新(黒・舞)「「はあ!?」」 平次と白馬、比翼を指差して驚愕。 比(黒)「あら、何のことでしょう?(明らかな作り笑い)」 快(黒)「(ぞくっ!)」 哀(舞)「…口調が変わったわね」 紅(舞)「雰囲気も変化したわよ」 快(舞)「激しい違和感に襲われているのは俺だけか?」 哀(黒)「あなただけじゃないわよ」 時(舞)「へえ…さすがだな。空気を操るか」 平(舞)「工藤の恋人って、どないゆうことなん?」 それには舞姫一同同意。 哀(黒)「彼らの勘違いよ」 新(舞)「…なあ、どうして比翼さん、いきなり女口調なんだ?(ぼそぼそ)」 新(黒)「よくわかんねぇけど、女の服着てるからじゃねぇかな。あいつら一応は探偵だから、怪しまれたくないんだよ。一応、こっちも危険な橋渡ってるからな(ぼそぼそ)」 比(黒)「確かに新一とは浅からぬ中ですけど、恋人同士というわけじゃありませんよ?勘違い成されたのね(にっこり)」 平(黒)「せ、せやな…ワイを差し置いて工藤がどっかの誰かと付き合おう筈あらへんし!」 キ・快・比・時(黒・舞)「「「…(ぴくっ)」」」 白(黒)「そ、そうですね…僕の工藤君が…」 キ・快・比・時(黒・舞)「「「…(ぴくぴくっ)」」」 数人から放たれる殺気。引きつっていく彼らに気付かず哀れな二人は妄想を炸裂させていく。 キッド、快斗、時矢が立ち上がる。比翼が日本刀を取り出した。 どか、ばき、どす!! ざくり。←え!? そして最後に快斗(黒)の怒り(八つ当たり)がW平次と白馬(黒)に炸裂した! 快(黒)「お前らなんかお呼びじゃないんだ〜!!」 どすぅっ! 平・白(黒)「「ぐふぅ!!」」 平(舞)「な、なんで俺まで…っ」 哀が妖しげな香炉を取り出した。 哀(舞)「さあ、暫らく眠っていなさい…」 哀(黒)「目が覚めたら楽しい時間の始まりよ…(くすくす)」 ばったりと倒れる三人。 快(舞)「あ〜でもよかった。お前ちゃんとあいつらよりは強かったんだ〜」 キ(舞)「彼らより弱かったらもはや救いようがありませんでしたからねぇ…」 快(黒)「…お前らなぁ…(怒)」 新(舞)「へえ、比翼さんの武器は刀かぁ…」 時(舞)「それもかなり年代ものだな。一度手合わせ願いたい」 比(黒)「構わんが時間もないし、次の機会があってもいい気もするが出来るだけごめん願いたい」 哀(黒)「ややっこしいものね」 時(舞)「同感だ」 新(黒)「で、もう一人の親父(まあ、そうなんだけど…)からの手紙はなんだったんだよ」 新(舞)「(表面上の笑顔)あ、あれ?気にするなvv」 新(黒)「?」 快(黒)「(その笑顔は反則だよぅ〜〜〜)」 快(舞)「(や、やばい・・・。絶対何か怒こらせるような内容だったんだ・・・)」 新(舞)「あ・・・。」 すっかり忘れてたと、何かを思い出した新一。 キ(舞)「今度はいったいどうしたんですか、新一。」 新(舞)「真さんのところに行かないと。」 快(舞)「はぁ?ちょっと、それどういう事よ?」 キ(舞)「どうしてここで彼が出てくるのですか!」 時(舞)「いったい、彼に何の用があるんだ?」 哀(黒)「(誰の事かしら?」)」 比(黒)「(そのような名前はいたか・・・?)」 新(舞)「お前等、あれが誤作動起こすとか考えないのかよ?危ないから真さんに見張りを頼んだんじゃないか。」 キ(舞)「いくら、人が来ない場所だといっても、危険には変わりないですからね?」 失態でしたというキッドにそうだろうと言う新一。そして、代わりはないかどうか様子を見に行くのだという。 新(舞)「時矢、悪いんだけど。」 時(舞)「どうした?」 新(舞)「そこで倒れている二を連れて、一緒に来てくれないか?」 新(黒)「何処行くんだ?暇だから、俺も連れて行ってくれ。」 快(黒)「じゃ、じゃぁ、俺も・・・!」 新(舞)「いいけど・・・。じゃぁ、そっちの快斗。時矢一人で、もう一人を運ぶのを手伝ってくれ。」 快(舞)「ちょっと、新一!」 新(舞)「同じ顔がいっぱい並んで歩くと目立つから、お前等は後であの場所に来い。わかったよな?(にっこり)」 哀(舞)「大丈夫よ。彼等が逃げないように見張っておくから。ついでだから、もう一人は遠山さんのところへ返却しておくから。」 紅(舞)「そうね・・・。貴方も一緒に行って来たらどう?どうせ、ここにいるよりも、彼の側にいたいんでしょ?」 私達と同じなんだからそういうものでしょと言われ、確かにと、哀と比翼(黒)は立ち上がった。 新(舞)「じゃーあとでな〜。」 こうして、お出かけになられたのでした・・・。 新(黒)「どうして、白馬は顔をかぶせておくんだ?」 新(舞)「こっちでは犯罪者だからな。捕まえられたらこっちもそっちも困るだろう?」 新(黒)「いろいろあるんだなぁ。」 時(舞)「それで、これはあの場所までもって行けばいいんだよな?」 比(黒)「あの場所とは・・・?」 時(舞)「もちろん、あんたたちが帰るためのゲートがあるところさ。」 快(黒)「10時じゃなかったの?」 新(舞)「そうだよ。あ、時矢。ちょっとこの先事故があったみたいだから、飛ぶぞ?」 時(舞)「あまり、人目には触れたくないからねぇ。まだ、行方不明扱いなんだろ?新一。」 新(舞)「そういえばそうだな・・・。存在していても『しん』としか名乗ってねーしな。それに女だし・・・。」 快(黒)「いったい、何があってどうなってるんだよ?行方不明って・・・。」 時(舞)「話せば長くなる、かくかくしかじかという内容でだな。新一とあの二人の両親が死んだフリした事で、驚いて哀れに一人になった新一が姿を隠した・・・。正確にはキッドが隠したんだがな。そのまんまになっているわけだ。」 比(黒)「ほぉ。どういうことなのか。」 哀(黒)「そういえば。一つ気になるのだけど。あなたこそ、何者なのかしら?」 時(舞)「それは秘密さ。仕事人だと思っていてくれればそれでいいし、知る必要のない事だからねぇ。」 新(舞)「話はそこまでな。とにかく、直行で飛ぶから。」 時(舞)「補佐、すればいいんだろう?」 そして、次の瞬間には別の場所。 新(舞)「おはようございます、真さん。」 真(舞)「予定より、はやく来たようですね。」 新(黒)「本当に、京極さんだ・・・。」 比(黒)「ふむ。よい刀を持っているな。」 真(舞)「そちらが、今回の?」 新(舞)「そうだよ。あと、こっちが時矢。俺たちの事情を知っている奴だよ。前、会ったでしょ?」 真(舞)「会いました・・・ね・・・。(相手を見定める目・・・)」 時(舞)「大丈夫だって。新一に害をなす事は絶対にないからさ。」 真(舞)「彼が存在を認めているのなら、何も言わない。」 時(舞)「それはどうも。」 快(黒)「(なんなの、ここは。危ない人ばっかりじゃん!←自分も危ない犯罪者の一人だとは考えていない)」 比(黒)「ふと思ったのだが」 快(黒)「比翼さん?(この人も危険だよなぁ…)」 新(舞)「どうした?」 比(黒)「この穴は、あちらの何処に繋がっておるのだろう?」 静まり返る。顔を見合わせる数人。 真(舞)「それは…」 新(舞)「何処だろ…?」 快(黒)「新一のうち?」 哀(黒)「あら、私は工藤邸に行っていないわよ?」 比(黒)「だが、いた場所もランダムであろう?」 新(黒)「つく場所もランダムかな?」 時(舞)「そこら辺は自力で何とかしてくれ」 比(黒)「出来る訳なかろう」 新(舞)「困ったなぁ…」 唸る七人。そのとき、時矢と比翼、真が顔を上げた。 新(黒)「?」 新(舞)「−−っ!」 快(黒)「−−−−危ない!」 何かが飛んでくる。新一二人と哀を庇うように伏せた快斗に、弾き返す常人からかけ離れた三人。 比(黒)「何者だっ」 時(舞)「邪魔者が入ってきたな−−っと」 真(舞)「…今回の仕事の妨害か?」 比(黒)「そなたらも、危ないことをしているな−−−は!」 時(舞)「あんたもな、いい動きだ…おっと」 哀(黒)「会話しながら戦えるあなたたちがすごいわよ」 ばったばったと倒されていくよくわからない人々。 新(舞)「多いな」 新(黒)「こいつらなんだ?」 新(舞)「多分、お前らのことキッドとか快斗と勘違いしてる…俺たち狙いだな」 快(黒)「でも、多いね…10時までここから動けないし、こいつらをどうするか…」 新(舞)「(あ、よかったこいつ真面目になると的確だ)」 飛んできた何かを弾き返しながら、三人を守る快斗(黒) 新(舞)「多勢に無勢でも強いんだなあいつら」 新(黒)「比翼は銃を持った相手にも負けねぇよ…あの二人も強いし、あんたも強いんだろ?」 新(舞)「俺は…疲れるからな。紅子とか哀のが強いさ」 新(黒)「…灰原も?」 哀(黒)「何よその目は」 快(黒)「(薬…ばら撒いてんだろうなぁ…)」 その通り。 時(舞)「あー…面倒臭い」どかばきっ 真(舞)「キリがない…」ざくばさっ 時(舞)「まだ10時にならないし、キッドたちがこなくちゃゲートも操れないし…」どすべしっ 比(黒)「…(ずばしずしゃっ)どけ。いい加減茶番は飽きた」 時(舞)「へ?」 真(舞)「どけって…あの?」 快(黒)「ひ、比翼、さん?」 新(黒)「…ヤバイな伏せろ。比翼が切れた」 新(舞)「え?切れたって…」 哀(黒)「…何かにつかまっていたほうがいいわね」 比(黒)「貴様らに破滅をもたらしてくれる!!」 どっかーぁあああん!! 文字通り、吹き飛んだ刺客の人々。 あとからやってきたキッドさんたちは降ってきた人間に驚愕したのでありました。 新(舞)「どうすっかなぁ・・・?」 新(黒)「何か、問題でもあったのか?」 新(舞)「あたりの空気が、壊れたからなぁ・・・。戻さないと、たぶん、あれを動かす時に支障をきたすかと・・・。」 快(黒)「嘘〜。」 比(舞)「それは困ったな・・・。」 キ(舞)「新一・・・。」 新(舞)「俺、絶対今日ははやく寝るからな!」 キ(舞)「考慮しますよ・・・。」 新(舞)「(じと〜)・・・今は、そんなこと言ってらんないし、時間もないし。」 何処からか取り出すはあの扇! 快(黒)「新一もマジシャン・・・?」 哀(舞)「貴方やあの二人と同じように思わないでちょうだい。」 さて、構え、はじめるは、清める儀式 新(舞)「この汚れた地を清める為、今我に、その力を貸したまえ。邪を無へ還し、我等を守れ。風よ、水よ、火よ、地よ。我の声を聞き入れ、願いをかなえたまえ。」 舞い踊る姿は天使、天女のような、神聖な美しいもの。 快(黒)「し、新一が歌を歌ってる〜?!」 新(黒)「俺が歌ってる・・・。」 哀(黒)「彼は、違うのかしら?」 時(舞)「新一は、歌を歌わせれば下手だぞ。すくいようのないぐらいな。」 比(黒)「なら、あれはどういうことなのだ?」 時(舞)「あれは、生まれ持つ力を発動させる為の呪文。ただ、歌を歌っているように聞こえるだけ。新一には、あれを歌とは認識していない。」 哀(舞)「普段は、歌えないのよ。このときだけね。」 新(黒)「駄目なんだ・・・。」 快(黒)「でも、今は綺麗・・・。」 キ(舞)「たとえ同じだとしても、新一の姿をこれ以上見せるのは勿体無いですねぇ。」 快(舞)「同じ顔だけど、あれだしねぇ。」 快(黒)「さっきから何なんだよ! 新(舞)「・・・さて、そろそろはじめるか・・・。」 快(黒)「それでさ。結局どうなるの?俺たちが帰る場所。」 新(舞)「・・・わからないけど、努力して調節する・・・。」 哀(舞)「止めてちょうだい。それ以上力を使うのは駄目よ。」 新(舞)「だって・・・。」 哀(舞)「だってじゃないわ。」 紅(舞)「大丈夫よ。私がしっかりと送り届けて見せるから。(クス)」 信用していいのか少し悩む笑みだった・・・。 新(舞)「あ、そうだ。」 快(舞)「どうしたんだ?新一」 新(舞)「また、トラブルが起こったとき用にな。お前にはまともな道を進んで欲しい気もするからな。」 その言われている事がなんとなく理解できる新一以外の者達。 新(黒)「何?これ。」 新(舞)「妖精の涙の雫だよ。何かあったら、それが助けてくれるさ。」 それは、新一の側にいる妖精が困った時に願えば伝わり、新一が助けに来てあげるという代物。 だが、それは誰にも言わずに渡す。 さて、時間はそろそろ10時。準備を始めないと間に合わなかった時が大変だ。 紅(舞)「魔方陣・・・。間に合うかしら?」 快(黒)「是非、間に合わせて下さい。」 紅子が魔法陣を作成している中、刺客を放り投げて最後のときを和む人たち。 新(黒)「異世界への扉が開いたり閉じたりしてんのか?」 快(舞)「みたいだね。何とかしようとは思ってるけどこればっかりはどうしようも」 比(黒)「便利なようで面倒な事態だな」 哀(黒)「いい研究材料にはなるかもしれないわ」 哀(舞)「それは私も同感よ」 快(黒)「(怖!!)」 クスクスと笑う二人。 それを横目に流して、今気がついたとでも言うように比翼が新一(舞)へと手を差し出す。 比(黒)「受け取れ」 新(舞)「?なんだ?」 キ(舞)「…なんです?それは」 比(黒)「私の光に心を砕いてもらった礼だ。そちらだけに迷惑をかけるわけにも行かんし、巻き込まれるのがこちら側とは限らんだろう?」 新一に渡されたのは、赤い米粒ほどの二つの粒子。 哀(黒)「あなたも人間をやめたのかしら」 比(黒)「失礼な。哀よ。私は非常識という自覚はあるが、人外ということはないぞ」 快(舞)「じゃあこれなにさ」 比(黒)「平たく言えば、薬だな」 哀(舞)「(ぴくっ)興味あるわね」 キ(舞)「…(一体どんな効果が…)」 比(黒)「薄い色をしたほうを、傷を負った際飲むといい。さすれば傷が塞がるはずだ。色が濃いほうは敵に飲ませればいい。相手は暫し時を止める」 快(黒)「そんな薬があってたまるか!!」 比(黒)「試すか?」 比翼さん、微笑んで濃い赤い粒子を取り出す。 快(黒)「謹んで辞退します」 時(舞)「こんなもの、どうやって作ったんだ?新一の妖精の涙より不思議だ」 そりゃあ、妖精が作ってくれますからね。 比翼(黒)「簡単だ。私の血を混ぜてある。身体に害はないから安心しろ」 新(黒)「あ、なるほど」(納得) 快(黒)「そういうわけね…」 哀(黒)「…今度協力してくれるかしら?」 比(黒)「痛いのはごめん被りたいな」 快(舞)「いや、本当に何ものだよあんた」 キ(舞)「私はその一言で納得する彼らのことが気になりますがね」 時(舞)「本当に手合わせしてみたいよ」 新(舞)「せっかく浄化したのにまた汚す気かよ!!」 哀(舞)「新一君の努力が無駄になるからだめよ」 新(舞)「やるなら別の所でやれ!」 比(黒)「時間がないと思うのだが」 快(黒)「言葉の文だからいちいち突っ込まないで…」 紅(舞)「…完成したわ。魔法陣の中に立って頂戴」 快(黒)「あ、ああ…」 快斗が倒れている白馬を持ち上げる。比翼が白馬を担いだ。(力持ち) 新(黒)「…これ、ありがとな」 新(舞)「いや、俺もなんか貰ったし…気をつけてな」 新(黒)「…さんきゅ。また、な」 新(舞)「ああ、また」 比(黒)「またがあったらもう一騒動あるのだが」 時(舞)「いいじゃんか。親睦を深めよう」 紅(舞)「用意は整った事だし、さぁ、はじめるわよ。」 快(舞)「これ、起動させればいんだったよねぇ。」 新(舞)「道を迷わぬように導けばいいんだろ?頼むぞ、フェルーラ。」 どこかに話しかける新一。もちろん、新一と時矢にしか見えていません。 新(黒)「じゃーな。」 快(黒)「またこっちに来る事がないように気をつけるよ。」 哀(舞)「時空間、正常。移動穴、正常。安定感、正常。・・・人数は六人。場所は工藤邸。」 新(舞)「導け、彼等が本来あるべき場所へ。我、新一。契約の名の元に、我の願いを聞き入れたまえ。」 快(舞)「次会うときまでのどうにかしろよ〜。」 キ(舞)「まだだったら、許しませんからね。」 快(黒)「物騒な事を言わないでよ〜。」 自分の事はよくわかっているので、物騒な事になるとどうなるか、大体予想がついてしまうのである。 哀(黒)「情けない声ださないでちょうだい。目障りよ。」 時(舞)「合えた時に手合わせ願うな。」 比(黒)「そうだな・・・。鈍らないように訓練は必要かもしれぬ。」 新(舞)「じゃーな。無事に帰れることを願ってるよ。」 そうして、彼等はその場から消え、本来あるべき場所へと帰っていったのだった。 それでも、彼等が出会った証は、それぞれの光が手にしている。 新(舞)「また、ゆっくり会えたらいいな・・・。」 時(舞)「確かに、そうだったら手合わせ出来たしな。」 その会える日が近い事は、まだ誰も知らない・・・。 歪むような浮遊感の後、落下。 快「いて!!」 新「わ!!」 哀「きゃ…っ」 比「おっと」 新一を庇って転倒する快斗と哀をしっかりキャッチして着地する比翼。 そしてぼとぼとという音。 比「(ぐるっとみわたして)どうやら、無事に帰ってこれたようだな」 快「みたいだね…と、新一、平気?」 新「ああ、サンキュ」 哀「…ありがとう」 比「いやいや」 快「とりあえず、こいつらどうしようか」 快斗、倒れてまだ気絶している服部、白馬を蹴る。 哀「とりあえず地下室ね。目が覚めたら、夢だと思うでしょう」 比「そうだな。では私が運ぼう」 哀「あら、黒羽君に頼もうかと思ったのに」 比「快斗は精神的ダメージが大きいのではないかと思ってな」 新「?」 快「…ははは」 哀「それもそうね」 二人を抱えて出て行く比翼、哀も退場。 残された二人。ソファに座る。 快「慌ただしかったねー…」 新「夢みたいな時間だったな」 快「うん、そうだね。でも現実だった…服だってあのままだし」 新「ああ…それに、これも貰ったしな…」 暫らく無言。ため息。 新「とりあえず、お疲れ…快斗」 快「うん、新一もね。お疲れ様」 新「快斗、珈琲くれ」 快「はいはい(やっぱりこれが一番だよな〜)」 哀「あ…分裂した黒羽君のデータでも取ってくればよかったわ…」 比「そうすれば暫らく動けんだろうから、あちらの新一も助かったかも知れんな」 哀「次にあうとしたら、とるわ」 比「逢うとしたら…手合わせせんとな」 どこか嬉しそうな比翼と、悔しそうな哀。 とりあえず巻き込まれたかわいそうな服部と白馬の命運は、危うい。 あとがき コウsamaとメールでのやり取りの中で行われたリレーのお話。 コウsamaのあるシリーズと舞姫の彼等の遭遇編?!です。 舞姫の設定としては、守人の後ぐらいです。 私が最初でコウsamaの順で、開いている間隔(五行ぐらい)ごとに交代しています。 戻る |